【響け!ユーフォニアム】転校生・黒江真由は何者?黄前久美子のライバルで性格や思想は正反対?オーディション辞退の理由や結果はどうなる?

銀色のユーフォニアムを抱く黒江真由 響け!ユーフォニアム

『響け!ユーフォニアム』の完結を描く決意の最終楽章。主人公・黄前久美子が3年生となった春に吹奏楽部の強豪校から北宇治高校へ転入してきた黒江真由。

ユーフォニアムパートに久美子と同じ実力を持つ奏者が増えたことで、久美子の最後の部活は過去最大のピンチをむかえます。

果たして、黒江真由はどのような波乱を招いたのでしょうか。

今回は転校生の黒江真由についてご紹介したいと思います。

この記事で紹介する内容は?

  1. 黒江真由のプロフィール
  2. 黒江真由の担当楽器 / 転校事情
  3. 黒江真由と黄前久美子の関係
  4. 黒江真由と黄前久美子のオーディション結果と動向のまとめ
  5. 黒江真由のその後と進路
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黒江真由のプロフィール

転入生の黒江真由

引用元:武田綾乃『響け!ユーフォニアム』 アニメーション制作:京都アニメーション 製作: 『響け!』製作委員会

【名前】 黒江 真由(くろえ まゆ)
【年齢】 17~18歳
【学年】 3年生
【誕生日・星座】 3月24日・牡羊座
【身長】 155㎝
【血液型】 AB型
【担当楽器】 ユーフォニアム
【好きな色】 ミルキーホワイト
【趣味】 友達の写真を撮ること
【特技】 なし
【好きなもの】 友達、部活、音楽
【嫌いなもの】 なし
【声優】 戸松遥

黄前久美子が3年生に進学した春に北宇治高校へやってきた転校生。久美子たちと同じ3年3組。

高坂麗奈のような派手さはないものの相手に緊張感を持たせない絶妙な顔の美少女と原作小説では書かれており、地味さと可愛らしさがいい塩梅で溶け合っているとのこと。声質は穏やかで聞いていて心地よく、雰囲気も落ち着いています。

なお、博多弁をお願いされて喋ったときには緑輝や奏とは違うベクトルの可愛さと言われており、奏が小悪魔系ならば真由は清楚系。また、緑輝が例えた動物は『クラゲ』。遠目に見てる分には綺麗でただ流されているようにも見えるけど、うっかり刺されたらピリッと痛いという理由。

受け身で控え目な性格であるものの、話しかけられると親しみやすいほか、声質やおっとりとした雰囲気から久美子はどの学校でも男子に人気があったと予想しています。ちなみに、バストサイズは着瘦せするタイプで、久美子が察する程度には大きい模様。

親が転勤の多い仕事故に子供のころから引っ越しを繰り返しており、福岡にいたのは2年間のみ。過去には北海道、秋田、群馬、東京、静岡、和歌山、山口などに住んだことがあり、比較的両親が標準語のため方言はありません。

北宇治高校では釜屋つばめと一番仲が良く一緒にいることが多い模様。

小学生のころ、クラスメイトの子が真由を間違えてママと呼んだため、一時期あだ名が『ママ』だったとのこと。裁縫セットを持ち歩いており、後輩の破れた衣装を直す姿から納得のあだ名でした。

黒江真由は写真好き

真由の趣味と言えるのが写真であり、劇中では事あるごとに写真を撮っています。

デジタルより色が好みという理由で古いフィルムカメラを愛用しており、修学旅行などの行事の期間に合わせて容量の多いデジタルカメラと使い分けている模様。カメラは父親が買ってくれたもの。転勤族故に全国に友達がいるとして、過去に撮った写真はわんさかあるそうです。写真は全部現像してファイルに保管されているため、真由の自室はアルバムだらけとのこと。

コンクールでは毎回30枚くらい撮っているらしく、デジカメの場合だと100枚以上撮ってしまうとか。

なお、本人は自分が写ってる写真を見たらゾッとすると述べるほど写真に写るのが好きではない模様。そのため、真由が撮った写真には一枚も本人が写っていません(転校前の写真については「みんなで撮った」と発言しているため、北宇治での写真に自分が写っていないという意味と思われる)。

しかし、最後のオーディション終了後からは久美子が一歩踏み出したことで、ユーフォニアムパート同士で写真を撮ったり、釜屋つばめとのツーショットを撮ってもらったりと自分も写真に写るようになりました。

黒江真由は強豪校出身の転校生

北宇治高校へやってくる以前は福岡の強豪校清良せいら女子高校』に通っており、コンクールメンバーに所属。

清良女子高校は福岡の超強豪校であり、華やかな音が魅力でCDを出すくらい大人気の学校。去年は全国大会で金賞を獲得しています。また、黄前久美子が1年生の頃に行った京都駅の駅ビルコンサートに来ていた学校でもあり、劇中でも学校名は幾度か登場。(駅ビルコンサートで演奏した楽曲は『マードックからの最後の手紙』)

なお、北宇治高校を選んだのは転校先の選択肢の中で吹奏楽部がいちばん強かったからという理由。吹奏楽を続けるつもりなら上手な学校の方が良いと思ったからです。

清良女子ではマーチング経験もありますが、本人は座奏が好み。

黒江真由の担当楽器はユーフォニアム

真由の担当楽器は『ユーフォニアム』。

楽器は田中あすかと同じ白銀で同じ型番のもの。転校が多かったため、学校が変わるたびに楽器が変わるのが困るという理由で中学生の頃に親が購入してくれたものです。

黒江真由の演奏能力

真由は超強豪校『清良せいら女子高校』出身ですが、本人の演奏技術は超強豪校で2年間Aメンバー入りするレベル。

つまり、超強豪校にもかかわらず1年生からずっとAメンバー入りしている実力なのです。

真由と久美子の演奏技術の差

単純に真由の演奏技術は誰が聴いても上手いと感じるレベルですが、鎧塚みぞれのように本物の天才レベルではありません。

明確な描写としては二年生のころの久美子より間違いなく上手いと書かれており、同じ楽器担当の久美子が焦燥感を覚える程度には上手い模様。

そのため、決意の最終楽章では久美子と真由でユーフォニアムのソロ(ソリスト)を争奪することになるわけですが、二人の力量に明確な差はなく個人の好みの違いで明暗が分かれる程度の差と言われているため、久美子の最大の障壁となりました。

これらの見解は部員(奏や緑輝といったいつものメンバー)の分析であり、とくに奏に関しては真由が久美子の立場を奪うのではないかと危惧する意識から警戒しての分析であるため、本人も自身はなさげ。

しかし、実際に真由と久美子の演奏技術には大きな差はありません。

 

黒江真由の思想は黄前久美子と正反対

真由は3年生から部活に入ると他の人に迷惑になると考えていたため、当初は北宇治高校吹奏楽部への入部を悩んでおり、吹奏楽部入部後も自分が編成に入っても問題ないのかを入念に確認していました。

真由は自分がコンクールに出場すると一枠埋まってしまうことを危惧しており、コンクールには北宇治で長くやっている部員が優先されるべきという思想を持っています。また、同様の理由でソロもそういった部員が優先されるべきと考えています。

北宇治高校を選んだ理由は選択肢の中でいちばん吹奏楽部が強かったからであり、上手な学校で合奏をしたいという思考が強かったためですが、コンクールで結果を出すために上手な合奏を目指しているわけではなく、自分が参加してる中で合奏時間に下手な演奏をずっと聞かされるのが嫌だという理由が根本的なもの。

単純に合奏が好きだから強豪校を選んでいるだけであり、好きなものを好きでいられる環境を選んだ結果北宇治高校吹奏楽部を選んだにすぎません。

しかし、北宇治の吹部は実力主義で本気で全国大会金賞を狙っているため、マイ楽器を持ち演奏が上手い即戦力の真由を歓迎(麗奈による評価)する意向。そのため、遠慮しがちな真由の意思とは無関係に北宇治の空気に流されてオーディションを受けことに。

なお、葉月曰く真由は北宇治高校吹奏楽部に入部した時点で北宇治の一員であるため、そこまで遠慮する意味が分からないと述べています。おそらく北宇治吹部の全員が葉月と似たような思考をしていますが、真由は久美子や葉月が言うことが理解できないと言いたげな表情を浮かべています。

作中中盤あたりでは、真由の本質は今を楽しみたいという想いが根っこにあり、北宇治を選んだ本当の理由は演奏が上手い以上に部内が楽しそうという印象からと判明。転校を繰り返すことで転校したい理由があったのか、特別な生い立ちがあるのかなど詮索されることが多かったのが真由の今の思想に影響を与えており、今の真由にとってみんなが仲良くしてるところを見るのが好きで癒やされるとのこと。

そのため、自分がいるなら少しでも楽しい空間がいいという考え方が遠慮深い態度として表れており、コンクールに対しても実力順どうこう以前に楽しく演奏がしたいという想いの方が勝っているのです。

真由がコンクールに執着しないのもオーディションを平気で辞退しようとするのも全ては思い出作りの部活の楽しい空気を大事にしたいからという思想からきており、真由にとってはコンクールは部活動の副産物に過ぎないというのが本音でした。

久美子(北宇治吹部)と真由の考え方が食い違うのは、そもそもコンクールへ向ける情熱が違うため。お互いの意見を理解できないのはお互いの部活動へ対する考え方の違いのためでした。

そのため、真由には向上心がありません。(以前の学校でも向上心がないと言われたことがある模様)

黒江真由は黄前久美子の最大のライバル

滝昇指導3年目の北宇治高校吹奏楽部のユーフォニアムパートは真由の転入により3年生が二人となりました。そのため、今年の楽曲次第ではユーフォニアムのソロがあった場合、同じ3年生同士の久美子と真由はオーディションでのライバルになると悪い予感がされていましたが、その予感は的中し二人はソロパートを奪い合うライバル関係になります。

立場的には一年目に対立した中世古香織と高坂麗奈のソロオーディションの立場を久美子と真由にあてた状況。

しかし、真由はコンクールへの執着がないためギスギスとした空気を生み出すくらいならと簡単に辞退を表明するのです。そのため、オーディション前には幾度も辞退を申し出ており、その度に久美子や奏の顰蹙を買うこととなり、オーディションには本気で挑むようにと説得されます。(なお、奏にとって真由はやり方が違えども一昨年の自分と同じことをしているため、同族嫌悪と言える心境)

一方で久美子は誰かがオーディションを辞退して喜ぶ人間がこの北宇治にはいないと考えているため、真由の行動を不愉快に感じており、真由自身のことは好きであるものの彼女から距離を詰められると踏み込まれたくないという抵抗感から普段の自分らしくない態度をとってしまうように。田中あすかの演奏に憧れて以来、中川夏紀や久石奏、今年は針谷佳穂が入部してきましたがいずれも小学生のころからユーフォニアムを続けている久美子にとって脅威ではありませんでした。が、真由の演奏を聴いてからというもの焦燥感に襲われることとなり、その態度が無意識(我慢はしても)に表面化するのです。

また、ユーフォニアムのソロについては部長派(苦労している部長に報われてほしいと考える部員)と転校生派(新参者でも実力主義ならばソロを獲得してほしいと考える部員)の意見対立が生じてしまい、結果的に今年の北宇治は目立った事件はないものの例年以上にピリピリとした奇妙な空気感に。

真由が心配しているのは実力順という北宇治の制度であり、先輩を差し置いてA編成に入ること、元々北宇治で続けている部員がA編成に入れないなど、頑張ってる人の努力が報われないこと。

対して久美子は全国大会金賞に向けて実力順が正しいと考えており、真由に実力があるのならば全力を尽くしてオーディションに望んでくれたら北宇治のためにもなると述べています。そのため、真由のように実力がある癖に辞退しようとする考え方は相手に失礼と認識するほか、わざわざ辞退を申し出るということは自分よりも優秀な奏者であると言ってるようなものだと内心憤ることも。

そのため、久美子は真由の遠慮ぐせに辟易します。

しかし、田中あすかは真由が部内の空気を読んでオーディション辞退を望んでいるなら久美子がそれを承諾すればすべてが丸く収まると見解を示すと、全力の真由と公平にオーディションに挑みたいという想いは久美子のエゴにすぎないと一蹴するのです。

真由とは健全に競い合いたいと考える久美子ですが、真由にはコンクールへの執着も向上心もないため、二人は平行線のままだったのです。

では、久美子はどうすればいいのか。久美子があすかの自宅を訪ねると、久美子が部長として今すべきことは真由や部員にコンクールへ対する気持ち(健全に競い合って結果を決めたいなど)を伝えることだとあすかと香織は教えてくれました。

これらの経緯から、久美子にとって真由は最大のライバル(障壁)となりますが、真由の存在は久美子を大きく成長させました。

真由自身は自分と久美子の空気が似てるため共感できると述べており、最初に会ったときから久美子と仲良くなりたいと感じていたそうですが、久美子は部長職とオーディションの焦燥感に駆られていたせいもあり中々仲良くできませんでした。

が、全国大会のオーディション前後から葛藤が晴れて仲良くなります。

黒江真由と黄前久美子のオーディション結果と動向

滝昇の指導3年目の北宇治は大会ごとに毎回メンバーごとオーディションで決める手法を導入。これは清良女子出身の真由から聞いた手法であり、大会ごとにメンバー全員をオーディションで決める方法を導入しました。

そのため、部内では例年にない新たな取り組みによる軋轢が生じることに。

とくに部長の久美子と転入生の真由のオーディションは注目の的であり、部員同士が対立する要因でもありました。

京都大会のオーディション結果

京都大会へ向けたオーディション結果は以下の通り。

コンクールメンバー 黄前久美子(3年)、黒江真由(3年)、久石奏(2年)
ユーフォニアムのソロ 黄前久美子(3年)

ユーフォニアムパートは初心者の針谷佳穂以外の3名が選出され、ソロは例年通り久美子が選ばれました。

なお、真由がソロ(トランペットとのソリ部分)を練習していることに奏が不思議に思うと、本人は関西大会前のオーディションが控えているからと釈明。

気軽にオーディションを辞退する意識の持ち主でありながら奏者としては淡々と練習をこなす姿に奏も困惑しため息をつきますが、本人に悪意はありません。

関西大会までの間に幾度かソロ(トランペットとのソリ)のオーディションを辞退しようかと相談しますが、久美子に北宇治のために全力を尽くしてくれた方が私も嬉しいと言われたため、しぶしぶ次のオーディションへ望むことに。

この時点ではまだ久美子は真由の思想を深く理解していないため、真由がなぜここまで遠慮して辞退を申し出るのか理解できない様子。

関西大会のオーディション結果

関西大会へ向けたオーディション結果は以下の通り。

コンクールメンバー 黄前久美子(3年)、黒江真由(3年)
ユーフォニアムのソロ 黒江真由(3年)

ユーフォニアムの関西大会への布陣は前回より一名削減した二人体制。

そして、ソロ(ソリスト)は真由に決定しました。

二人体制となったのは、今年のチューバは後藤卓也と長瀬梨子の不在により鈴木美玲一人ではカバーできないという理由でチューバを増やすかわりにユーフォニアムが削られたという見解。また、一昨年のユーフォニアムは田中あすかという別格の奏者がいたからこそ二人体制でしたが、昨年は上手い前後の奏者しかいないため三人体制となっただけであり、今年は去年よりも腕を上げた久美子と、久美子と同等の奏者である真由が入部したため再び二人体制で充分になったと奏は推察。むしろ京都大会の時に三人体制になったのがおかしいと述べています。

発表で名指しされた後、真由は久美子に向けて「ごめんね」と口の動きだけで伝えていますが、久美子は頭がクラクラとする冷えた感覚を覚えており、真由がソリストの席(北宇治では合奏時、指揮者に近い側に優秀な奏者が座る決まり)を変わらなくていいと申し出た際には情けをかけられているような気分になりながらも断りました。

その後も真由は久美子のことを気にかけてソリの辞退を申し出ますが、久美子は「お願いだから二度とそういうこと言わないで」と引きつった表情で返しており、真由は落胆した様子で肩を丸めて謝っています。

また、今回のオーディションに関しては奏のA編成落ちも噂の種となるほか、顧問の滝昇への不信感が部内で膨らんでいく結果となり、ユーフォニアムのソリストに関しても久美子派か真由派で意見が対立することに。

そのため、この時期が一番真由と久美子の関係が目に見えてギクシャクとしており、真由から大好きのハグを誘われるものの久美子はやんわりと断っています。(表面上は普段通りに接しているつもり)

全国大会のオーディション結果

全国大会へ向けたオーディション結果は以下の通り。

コンクールメンバー 黄前久美子(3年)、黒江真由(3年)
ユーフォニアムのソロ 黄前久美子(3年)

全国大会出場が決まった後、真由は再びオーディション(ソリスト)の辞退を久美子に申し出ます。

その理由は全国の舞台でソロを吹くのは久美子が相応しいというものでしたが、久美子は「なんでそんなこと言うの?」「真由ちゃんは吹きたくないの?」「自分の気持ちに正直にいていいんだよ?」と自分の考え方(北宇治の実力順の方針)を伝えようとします。しかし、真由は真由で自分の発言がおかしいことだとは思っておらず、久美子の主張を理解できないという面持ちだったため、この話は一旦保留に。

しかし、オーディションが近づくと再び真由から辞退の話をされることになり、久美子は落胆する気持ちが限界に。久美子は真由が辞退を申し出るのは部内の空気が部長である久美子を推す声が多いから萎縮しているのかと訊ねると、真由の演奏技術はこれまでの努力の証であるため、気遣いではなく真由の本当の気持ちに従ってほしいと説得します。(久美子は遠慮しないで健全にオーディションで競い合いたいと考えているため)

が、ここで思わぬカウンターが。

真由は久美子が思いの丈を吐露した後に「久美子ちゃんは何か勘違いしてるんじゃないかな」と前提をひっくり返すのです。

真由は久美子や奏に気を遣っているわけではなく、ましてや部内の空気にあてられて辞退を望んでいるわけではありません。むしろ、心の底から部活を楽しんでいる段階にあり、オーディションは二の次。真由にとって部活は友達と一緒にいて楽しい時間を過ごすためのものであり、楽しい時間という空気を守ることこそが真由にとって一番大切なことなのです。そのため、全国大会金賞を目指す久美子や北宇治の部員とは相反し向上心というものがなく、真由にとってコンクールは吹奏楽部で過ごす時間についてくるおまけ程度の感覚だったのです。(音楽(とくに合奏)は好きですが、コンクールへの執着がないのはそのため)

全国で何賞だろうと真由にとってはどうでもいいことであり、あくまでも友達と一緒にいられることが最優先事項。いわば思い出作りに勤しむのが真由の在り方。そのため、真由は自分がオーディションを辞退することで部内の雰囲気が丸くなるならそうなるべきと考えており、いくら久美子が説得しても伝わらなかったのはコンクールへ望む姿勢の違いからでした。

真由が本音を吐露したことで、今度は逆に久美子が理解できないという面持ちに。真由にとってコンクールは部活動で過ごす副産物であるため執着がない、ということを改めて理解するものの、「それでも、私は真由ちゃんと公平にオーディションで競いたいんだよ」と本音をぶつけますが、久美子が100%の実力を出した北宇治を見てみたいと訴えても真由が「それならやっぱり久美子ちゃんがソロのほうがいいと思うけどなあ」と発言したため、久美子は何を言っても通用しないという敗北を悟りました。

なお、久美子は田中あすかの自宅(中世古香織と同棲)を訪ねた際、真由の辞退を引き留めて健全に競い合いたいと考えるのは久美子のエゴだと突き付けられると、例え自分がソロに選ばれなくても公平に競って結果を決めたい、と考えていることを実感(経験者である香織の体験談によって心の整理がつく)。つまり、一昨年の香織と麗奈のように真剣に競って結果を出したいと考えているものの、当人の真由に争う気がないのが悩みというのが久美子が抱える問題だと心の整理がつきます。

その結果、あすかと香織と話すことで自分がすべきは真由に負けないように一生懸命に努力し、あとは久美子の気持ちを真由や部員に伝えることが大切だと気付かされるのでした。

そして、久美子は合奏練習前(オーディション二日前)に部員たちの前に立つと真由にも届くように「オーディションまで残り二日、私はみんなに後悔のない選択をしてほしい」と全国大会へ向けた思いの丈を話すのでした。

その演説が届いたのかは定かではありませんが、真由がオーディション辞退を申し出ることはなくなり、オーディションが行われ、久美子は真由と競い合い実力で全国大会のソロの座を勝ち取るのでした。

なお、真由は久美子の名前が呼ばれると「おめでとう」と口の動きだけで祝福しています。

黒江真由のその後

全国大会へ向けたオーディション直前まで久美子と真由の関係はギクシャクしていましたが(主に久美子が一方的に焦燥と危機感を覚えただけ)、あすかと香織の言葉に自信を与えてもらった久美子が部員たちの前に立ち演説した後、改善されています。(久美子が真由の本音を聞いて、自分の想いを伝えたため意識のすれ違いが解消)

久美子が自分のエゴに気付き、真由に気持ちを伝える方向に切り替えたことで以前のような気まずさはなくなりました。日常では、ユーフォニアムパート同士で一緒に写真を撮ることも。また、久美子は率先して真由とつばめのツーショットも撮影し、真由の思い出作りに貢献しています。

また、以前、久美子があすかから譲り受けた曲を吹いて真由に曲を訊ねられた際には踏み込まれたくないという拒絶感が強く現れましたが、オーディション後にもう一度曲について訊ねられると「卒業した先輩がね、教えてくれたんだ」と、あすかの父親が作曲した譜面(ノート)であると教えており、「私、すごく好きだな、この曲」という真由の称賛を素直に受け止めることができました。

その後、会話に入ってきた奏と真由の三人でこの曲を一緒に吹くほか、真由の提案で「響け!ユーフォニアム」は北宇治のユーフォニアムパートのテーマ曲として後輩に伝えていくことになるのでした。

全国大会当日には一緒に話す姿、そして、本番に向けた久美子と真由にと後輩の奏と佳穂からメッセージ付きの小さな写真を贈られており、二人はお守り代わりに胸ポケットへ。そして、全国大会の舞台では演奏中に真由は久美子に顔を向けて微笑みかけており、久美子は真由が今まさに誰かと一緒に吹いているのを楽しんでいることを実感しています。また、久美子も全国の舞台で誰かと吹くのはこんなにも楽しいと痛感していました。

全国大会の結果発表後には、真由と奏が握手を交わしていた場面を剣崎梨々花が目撃。久美子の地位を崩すと危惧していた奏は真由を警戒していましたが、全国大会の結果発表後はどうやら警戒は解かれたようで、ようやく認めたようです。

残念ながら全国大会の結果発表後は久美子のエピローグとなっていますので、全国大会後の真由の様子は不明。

 

真由の進路

一応、真由が東京の大学を志望していることは作中で触れられています。(『決意の最終楽章・前編』264頁)

真由は以前の転校先で東京に住んでた時期があるため、東京にも友達が多いとか。また、昔から大学生になったら一人暮らしをしてみたいと思っていたこともあり、卒業後は関西を出て東京の大学を視野にいれているようです。

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まとめ

  • 黒江真由は春に清良せいら女子高校から北宇治高校転入
  • 黒江真由の担当楽器はユーフォニアムで、型番は田中あすかと同じ銀色のフォルム
  • 黒江真由の趣味は写真を撮ること
  • 黒江真由の演奏能力は黄前久美子とあまり差はない
  • 黒江真由にとって部活は友達と一緒にいて楽しい時間を過ごすためのもので、楽しい時間という空気を守ることが大切であり、コンクールは吹奏楽部で過ごす時間についてくる副産物と思っている
  • 黒江真由は「今を楽しみたい」と考えているため、向上心もなく、コンクールに思い入れはない
  • 黒江真由の思想は黄前久美子に理解されないが、久美子の「全力の真由と公平にオーディションに挑みたい」という思想も真由には理解できない
  • 黒江真由と黄前久美子のオーディション結果は部内の空気を二分しギスギスとし始める
    ①京都大会オーディション結果:ソロ→黄前久美子
    ②関西大会オーディション結果:ソロ→黒江真由
    ③全国大会オーディション結果:ソロ→黄前久美子
  • 黄前久美子が今の気持ちを真由(と全部員)に伝えたことで全国大会に向けた最後のオーディションでは、久美子は真由と健全に競い合うことができてようやく打ち解けることができた
  • 全国大会前に、久美子、奏、真由の三人で「響け!ユーフォニアム」を一緒に吹く
  • 黒江真由の提案で「響け!ユーフォニアム」を北宇治のユーフォニアムパートのテーマ曲となり後輩に伝えていくことになる
  • 黒江真由の進路希望先は東京の大学で、一人暮らしに憧れている

久美子の最後の部活はさまざまな問題が積み重なりましたが、その中でも黒江真由の存在が割合の多くを占めており、久美子の成長を描くファクターとなりました。

久美子視点では『焦燥、嫉妬、警戒、落胆』といった感情が渦巻く相手が真由であるにもかかわらず、真由には悪意はなく、純粋に合奏を楽しみたいという気持ちで行動し発言に繋がっていたわけですが、根本の部分で二人はすれ違っていたのです。

全国大会直前に二人は本当の意味で友達になることができましたが、尺の都合上、原作では仲良くなった二人の日常パートはそこまで描かれていませんので、アニメで加筆されるといいですね。

また、真由と奏が最後にどんな会話をしたのかも気になるところです。

響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章・前編後編

作者:武田綾乃 出版社:宝島社

 
 

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