漫画「忘却バッテリー」の主人公の一人・要圭(かなめけい)は、記憶喪失の状態で初登場し、かつて中学硬式野球界の天才バッテリーの捕手として恐れられた野球の技術も知識も失っていました。
では、一体なぜ要圭は記憶を失ってしまったのでしょうか。
今回は要圭が記憶喪失になった原因や理由についてご紹介したいと思います。
要圭(かなめけい)の記憶喪失とは
要圭は、清峰葉流火のどんな球も捕球しキレたリードで勝利をもぎ取る冷静沈着の智将捕手として中学野球界で有名な選手でした。
しかし、物語序盤(第1話冒頭)で頭に包帯(のようなもの?)を巻いて入院しており、病室に見舞いにきた葉流火に対し「キミ誰だっけ」と訊ねている描写から記憶喪失が始まっています。
記憶喪失後は智将としての要圭と現在の姿に落差を感じるほどお調子者(アホ)な性格であり、野球から離れ野球部のない都立に入学しました。
元々が「アホ」な性格
要圭は、元来めちゃくちゃアホな子供(ボールに「うんこボール」と書いてハイパーうんこ投げデスゲームしようと提案するような子供)であり、野球を始めてまもなくその過酷さに嘔吐し退部を考える性格でした。
しかし、葉流火の「圭ちゃんと一緒にやりたい」と言う言葉を受け、性根がダラしなく文句ばかりたれていもリトル時代を二人で過ごし、名門シニアに入団。
そこで待ち受けていた厳しい規律・過酷な鍛錬・残酷な競争社会・正捕手という立場が要圭に野球の面白さを目覚めさせることとなり、葉流火を日本一の投手にする意気込みから自身を律し智将・要圭の性格へと移行しました。
智将・要圭の誕生
子供時代、葉流火と出会い最強のバッテリーとして甲子園に行く約束を交わした要圭は、強くなるべく硬式の野球チームに入るも入って二日目で限界を感じたため、野球を極めるのは才能のある葉流火に任せ、自分は陰ながら応援しようと考えていました。
ある時、キャッチボールをした際に葉流火のフォームが変化していたため問い詰めると『大人の人たちが教えてくれた』と返す葉流火。その時、要圭はその無責任なアドバイスのせいで未来のヒーロー(葉流火)がいとも簡単に殺されてしまうと恐れ、自分の方が『絶対』正しいと主張しフォームを元に戻させました。
一方で、葉流火は自分の言うことを信じてしまうことから、自分の言葉に責任を感じ怖くなっていましたが、『絶対と言える自分でありたい』と『正しい道に葉流火を導いてあげたい』という願いから、野球が詳しくないなりに野球について猛勉強と猛練習を始め、清峰葉流火という才能を万全な状態で未来に送り届ける決意を固めます。
要圭の記憶喪失の原因
葉流火の隣にいられるように努力を重ねてきた要圭は、名門シニアに入るころには『天才』と呼ばれるほど正捕手として板についていましたが、チームメイトにアドバイスをした際に「いいな天才様は、付き合ってらんねェよ」と反発され、徐々に今の環境や立場へのストレスを抱えていきます。
当時、甲子園常連校からの推薦を狙っていた要圭は、理想を求めて過酷な名門シニアを引っ張っていましたが、監督に相手打者にまで同情したことを咎められるほか、葉流火を生かすも殺すもお前(要圭)次第、葉流火を勝たせたいなら甘さを捨てるように言われ、試合に勝つために野球に打ち込むように。
しかし、プレッシャーとストレスからこの辺りから『野球が楽しいという感覚』がなくなり、記憶もおぼろげになりますが、虚勢を張り自身のある振りをしながら智将・要圭を演じ続けていました。
その結果、西東京で目立つ星明・氷河・帝徳など全国の名門校から声がかかり、目当てのプロ養成所と言われている高校野球トップの大阪陽盟館高校からの推薦をもぎ取り、野球の才能がなかった自分でも葉流火の隣に並べる選手になったと喜びます。
ですが、ある日、宝谷シニアの監督を訪ねたところドア越しに自分が大阪陽盟に入れた理由を立ち聞きしてしまうことに。実は『清峰葉流火が首を縦に振らない』と大阪陽盟の監督が宝谷の監督に相談に来ていたらしく、清峰葉流火は要圭がいないとダメなところがあるとして、急遽枠を増やして全くのノーマークだった要圭をバーターとして入れることにしたと判明します。
この話を聞いた要圭が想起したのは、子供時代に葉流火にバーターの意味を教える自分自身。野球のバーターとは、有望選手の抱き合わせでおまけで獲られる選手を指し、当時の自分は関係のない話だと思っていました。
要圭の記憶喪失の理由
この事実にショックを受けた要圭は、それでも誰が悪い訳でもなく強いてあげるなら自分自身の努力不足だとして『仕方ない』と割り切り平常心に努めます。葉流火を万全な状態で送り出す一方で、あわよくば『俺もヒーローになれるんじゃないか』という気持ちが芽生えていましたが、心の奥底では最初から答えはわかっており、自分の気持ちを偽り続けていました。
そのため、要圭は葉流火と対等ぶっていた罪悪感から敗者側に行くことが怖くあり、もし一つだけ何かを忘れられるとしたら何を選ぶという問いかけに『清峰葉流火と出会わなけれな良かった』と考えてしまうのでした。
この出来事がきっかけで積み重なったストレスが限界を迎えてしまい、野球を楽しむ感覚がなくなると、自分を律していた『智将・要圭の人格』が引っこみ、防衛機制から本来の『アホな要圭の人格』が数年振りに表に出ることになりました。
記憶喪失というよりも解離性同一性障害?
本編では要圭の現況を記憶喪失として扱っていますが、厳密には解離性同一性障害ではないかと推測されています。
強いストレスから特定の出来事や期間の記憶が欠落しているのは記憶喪失の症状に当てはまりますが、あくまでも記憶喪失は基本的に一つの人格であるため、人格が分裂し人格交代に伴い別の人格が行動した時間の記憶がないという症状は解離性同一性障害に当てはまります。
記憶を失う状態に加え、自分と言う感覚が複数に別れている事実から、要圭は解離性同一性障害の『人格間健忘』の可能性が考えられますが、本編では明言されていません。
なお、1話冒頭で入院していた理由は現在も不明です。
まとめ
以上「要圭が記憶喪失になった原因と理由」の紹介でした。
要圭の本来の人格は『アホ』の方であり、智将の人格は葉流火のために作り出した自信と虚勢の産物でした。記憶喪失は、後から作り出した『智将』の人格の時の記憶(覚えた技術や知識)を全て忘れるといった症状で、突き詰めれば解離性同一性障害に近い症状です。
記憶喪失自体の原因は期待やプレッシャーによるストレスが限界を迎えた防衛機制に起因するもので、本物の天才・清峰葉流火に関係していました。
要圭自身、彼に敗れた野球人の一部と同じように恨んでいたのかもしれないと考えることもありますが、実際のところは不明です。
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