『響け!ユーフォニアム』の主人公・黄前久美子に多大な影響を与えた3年生の田中あすか。
彼女は卒業式の日、久美子に一冊のノートを託して去っていきましたが、結局のところ、進学先は明かされていません。また、「さようなら」を言いたくない久美子に対して「またね」と言葉を選んだ彼女はもう登場しないのでしょうか。
今回は、田中あすかのその後についてご紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- 田中あすかの進路
- 田中あすかと黄前久美子の再会
- 田中あすかの卒業後と再登場
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田中あすかの進路は?
引用元:武田綾乃『響け!ユーフォニアム』 アニメーション制作:京都アニメーション 製作:『響け』製作委員会
あすかは吹奏楽に反対する母親を良い成績を取り続けることを条件に納得させ、優秀な成績をおさめてきました。そして、進学は普通受験を選択しています。
では、あすかの母親が学校に抗議に来た回で教頭が「田中さんのように難関大学を受験する場合──」と口にしていますが、あすかは果たしてどの大学に進学したのでしょうか。
田中あすかの進路事情
- 国公立を受験することが示唆されている(冬色ラプソディー)
- 3月以降に結果発表があると発言(星彩セレナーデ)
- 京都市左京区の出町柳駅近くに住んでいる(最終楽章)
- 自室の棚に法律入門と六法全書が置いてある(アニメ2期9話)
あすかの進路に関しては、法学部の有無やキャンパスの場所などから一番合致するのは『京都大学』と予想されています。
残念ながら学部などの詳細は全編を通して語られなかったので分かりませんが、アニメ基準で考えると法学部に進学しているかもしれませんね。
田中あすかは卒業直後の春休みに久美子と再会
アニメ版では卒業式後の久美子とあすかの別れのシーンは正門で描かれましたが、原作『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機』では、あすかは親衛隊から逃げるように非常階段から降りてきたところで久美子と遭遇しています。
アニメや原作ではここで二人は別れて久美子1年生編は完結となりますが、実はあすかが卒業した後、3月中旬に早くも二人は再会しているのです。
小説『響け!ユーフォニアム 北宇治高校の吹奏楽部日誌』では立華高校との合同演奏会を行うエピソードが収録されており、新体制の北宇治高校吹奏楽部は3月中旬に開かれる合同演奏会に向けて練習をしていました。
久美子は合同演奏会でおそらく麗奈が吹くであろうトラッペットと一緒のソリを吹くために練習に励んでいると、夏紀が頑張り屋の久美子に『最近、夜の学校に出るヒトダマの正体を調査』するようにうながしました。
なぜヒトダマが学校の裏庭で出るのか、なぜ久美子が調査をしなければいけないのかは理解できなかったものの、半ば強引に押し付けられた久美子は春休み1日目の19時に葉月と緑輝を連れて自主練習の後に校舎の裏庭へ向かいます。
すると、さっそく青白い光が激しく飛び回っているのを見つけ、久美子たちは急いで裏庭へ行くことに。光は見失ってしまいましたが、突如、久美子の首筋を冷たい感触が走り振り返ってみると、そこに居たのはだらりと垂れた長い黒髪の女性──田中あすかだったのです。
久美子がお化けが苦手だという情報を知っていたあすかは久美子のリアクションを見て満足気に笑うと、立華高校との合同演奏会に参加することを打ち明けました。
あすかの参加は本人の希望で久美子たちに秘密にしており、裏庭でひっそりと練習していたとのこと。理由は秘密にしていた方が面白いから。
こうして卒業してあまり日が経たない内に久美子とあすかは再会してしまうのです。なお、あすかは卒業式の日に『またね』と言ったことを指摘しており、久美子が『さようならって言いたくないです』と目を真っ赤にしていたことを茶化すのでした。
あすかは「久美子ちゃんがうちを大好きってことはとっくに知ってるから」と茶化していますが、この時のあすかの頬が僅かに赤くなっていたことから照れ隠しかもしれません。
ちなみに青白い光の正体は半透明なバトンに星形の装飾がついていたもので、ボタンを押すと先端部分が青白く光るという代物。残念ながら、あすかはユーフォニムではなくバトンを担当しているため演奏は隣同士ではありません。卒業式前から立華高校の人たちとステップの練習をしていた模様。
しかし、ソリの練習で悩んでいた久美子を夏紀があすかの許へ誘導したため、こうして当日を迎えずバレてしまうのでした。
そして、その日を境に久美子はあすかの特別レッスンを受けることになります。
久美子は再びあすかと同じ舞台に立てる喜びを伝えると、あすかは虚を衝かれたように目を見開き「ずいぶんこっぱずかしいこと言うなあ。お世辞が上手くなったんちゃう?」と久美子の髪をわしゃわしゃとかき混ぜるのでした。
あすかは卒業後に香織とルームシェア
あすかは卒業後に家を出ていますが、実は中世古香織とルームシェアをしています。
なぜそうなったのかは、短編集『北宇治高校吹奏楽部のホントの話(三 だけど、あのとき)』に収録されており、春から看護学校に進学する香織とあすかの通う大学が近くだったため、香織からルームシェアを提案されました。
生活費が安く済む、という理由付けがありますが、あすかが承諾した理由は分かりません。
田中あすかの再登場は?
引用元:武田綾乃『響け!ユーフォニアム』 アニメーション制作:京都アニメーション 製作:『響け』製作委員会
卒業式の後、3月中旬に久美子と再会したあすかですが、その後の登場はいつになるのでしょうか?
あすかの登場は以下になります。
作品名 | サブタイトル | 時系列 |
北宇治高校の吹奏楽部日誌 | 冬色ラプソディー 星彩セレナーデ |
久美子1年(2~3月) |
北宇治高校吹奏楽部のホントの話 | だけど、あのとき | 久美子1年(3月) |
北宇治高校吹奏楽部のホントの話 | 未来を見つめて | 久美子1年(3月) |
波乱の第二楽章 後編 | 彼女のソノリテ | 久美子2年 |
決意の最終楽章 後編 | つながるメロディー | 久美子3年 |
何れもほんの少ししか出番はありませんが、相変わらず登場するだけで存在感が凄いのが田中あすかという人間です。
短編集収録の『ホントの話』では、北宇治高校吹奏楽部の3年生が卒業旅行でスキー場へ訪れています。ちなみに、誓いのフィナーレであすかが久美子へ手渡した絵葉書はここで購入しました。
絵葉書に描かれたサンリッチオレンジの花言葉は『未来を見つめて』。
久美子2年生編では北宇治高校吹奏楽部の応援に、久美子3年生編では部長の立場になった久美子の相談を受けて助言をしています。
久美子2年生編:誓いのフィナーレの登場シーン
久美子2年生編での再登場は『北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編(三、彼女のソノリテ313頁)』、劇場版誓いのフィナーレでの関西大会会場前になります。
中世古香織にハートを飛び散らせる吉川優子に驚く一年生たちを尻目に、その隣に立つ見覚えのある女性。あすかは香織と色違いのワンピースを着用し「来ちゃった」と久美子に声を掛けるのでした。
あすか自身は声を掛けるつもりは無かったものの香織の誘いで北宇治吹奏楽部に顔を出すことになり、久美子の元へやってきたとのこと。
思わず大学生活について訊ねる久美子でしたが、あすかは自分のことではなくて本番に向けてイメトレに励んだほうがマシと、あすかは窘めます。その懐かしい芝居がかった仕草で茶化す姿は久美子にとって久しぶりの姿でした。
あすかは長居することなくすぐに立ち去ろうとしますが、久美子はあすかを思わず引き止めるものの何を言っていいのかわからず言葉を詰まらせます。しかし、あすかは言葉を詰まらせる久美子に「久美子ちゃんには特別、この魔法のチケットを授けよう」と述べて一枚の絵葉書を手渡すのでした。(※卒業旅行先で購入した絵葉書)
そして、「ほんまに困ったら、一回だけ助けたげる」と発言。
強引に葉書を押し付けたあすかが恒例の『北宇治ファイト』のコールを掲げて香織とともに去っていくと、久美子は名残惜しさを感じつつ絵葉書の裏側に記載された現在のあすかが住んであろう住所に目を通すのでした。
なお、誓いのフィナーレでは関西大会当日にあすか、香織、晴香の三人が登場していますが、晴香は葵とともに京都府大会に訪れているものの、関西大会には来ていません。
久美子3年生編の登場
久美子3年生編でのあすかの再登場は『北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編(三、つながるメロディー292頁)』、全国大会を控えたとある日になります。
転校生黒江真由の出現により久美子はユーフォニムのソロの座を奪われてしまいますが、二人の力量はほぼ一緒であり、オーディションの評定は好みの問題に傾くと傍から言われる程度の差でした。
しかし、
- ソロが真由に選ばれたことで久美子を支持していた同輩や後輩が不満を示す
- 実力順という北宇治吹部の形式に従う部員と久美子派で分かれる
- 今回のAメンバー選定基準が優柔不断な滝昇に対する不信感をぬぐい切れない部員
- 厳しいながらも正論を吐く高坂麗奈と久美子の関係に亀裂が生じる
など、部長の久美子が抱える問題は山ほどあったのです。
そんな中、久美子がクリアファイルから零れ落ちた一枚の絵葉書──1年前にあすかから受け取った葉書を拾うと『ほんまに困ったら、一回だけ助けたげる』と言う言葉を思い出し、久美子は絵葉書の裏面に書かれた住所を訪ねることを決めました。
あすかは中世古香織とルームシェアしており、突然訪ねた久美子は思わぬ人物の出迎えに吃驚。
あすかが買い物で不在だったため、久美子は自分が置かれている状況が2年前の香織と麗奈の状況に似ていることを香織に相談し、当時の香織の心境を知ります。
そして、あすかが帰宅するや否や、あすかは久美子が訪れている=魔法のチケットの使用と推理すると、香織から現況を聞いたあすかは『部内で優柔不断な滝に対して不信感を持っている子が続出し、転入生の子がソロになり黄前部長派の部員がザワザワ、滝がソロに部長を選ばなかったことに部員たちが不満を述べているところを麗奈が見つけ激怒』という久美子が置かれた状況と悩みを見事に的中させるのでした。
しかし、驚く久美子を余所にあすかは久美子が何に悩んでいるか分からないと突きつけます。
真由はオーディションやコンクールに対する情熱が無く辞退も視野に入れている、いわゆるいざこざが嫌で純粋に部活動を楽しみたいタイプです。しかし、久美子は実力順を謳う北宇治の部長として正々堂々と勝負してソロを勝ち取りたいため、実力があるのに辞退しようとする真由を受け入れられませんでした。
そんな久美子に、あすかは真由がソロを辞退するのを止めているのは久美子のエゴであり、コンクールに執着のない真由が辞退するのを久美子が認めれば全ての問題が解決するという反論の余地がない解答を突きつけると、久美子は何も言えなくなります。
続けて香織が『転入生と健全に競い合いがしたいが、当の真由に争う気が一切ないことをどうにかしたい』という久美子の気持ちを代弁すると、香織は久美子がやるべきことは一生懸命に努力し相手に気持ちを伝えることだと諭します。
答えが出ない久美子にあすかが「久美子ちゃんはどうしたいの?」と問いかけると、久美子はコンクールの結果だけに固執せず卒業するときに皆が北宇治でよかったと思えるような部活にしたいと述べます。
そして、久美子の気持ちを聞いたあすかは以下のように続けます。
- 滝がコンクールの結果にこだわるのは部員をコントロールしやすいからであり、滝が優柔不断なのは人間だから当たり前、欠けているものは誰かが補完すればいい
- なぜ彼が二年前に北宇治を全国まで導けたのかと言えば、それは滝が努力をしているからであり、部員の運命を握っている滝は毎日一生懸命尽くしているから
あすかがそんな当たり前なことを突きつけると、久美子は早朝から熱心に他校の演奏を研究する滝の姿を思い出し、オーディションの一件で自分の居場所がなくなるのではないかと怖気づき目が曇っていたことを久美子はようやく自覚するのでした。
あすかと香織に相談したことで、久美子は北宇治の音楽が好きだと再認識させられると、部長として本当にやるべきことを見つけることができたのです。
「大丈夫、久美子ちゃんなら上手くやれる!」
あすかが上手くやれるって言ってくれた──、久美子はあすかと香織が自信を与えてくれたおかげで歩き出すことができたのです。
田中あすかのその後のまとめ
- あすかの進路先は『京都大学』の可能性が高い
- あすかは卒業式の後に、立華高校との合同演奏会に参加するため春休みに北宇治でバトンの練習
- あすかと久美子は合同演奏会に向ける練習中に再会し、久美子は特別レッスンを受ける
- あすかは北宇治高校吹奏楽部の3年生の卒業旅行でスキー場に行き、サンリッチオレンジが描かれた絵葉書を購入
- あすかは卒業後、京都市左京区のマンションで中世古香織とルームシェア
- 久美子2年生編では、関西大会の応援に再登場し久美子に絵葉書を渡す
- 久美子3年生編では、部長の久美子が相談に訪れると悩みを解決してエールを贈る
久美子にとって特別な存在だったあすかとの別れはいま見返してもジーンと来ますが、実は数日後にしれっと再会しています。
春以降から夏にかけては会っていないようですが、他人に興味が無いあすかが無償で魔法のチケット(絵葉書=一度だけ助けてあげる権利)を久美子に渡したのは、やはりあすかからしても久美子が特別な後輩だったからでしょう。
そして、久美子3年生編では相変わらずの正論マシーンとして久美子の悩みを解決するとエールを贈り、久美子を後押ししました。
久美子が北宇治を卒業してもこの先輩と後輩の関係性が続くといいですね。
一方で、あすかが香織とのルームシェアを引き受けたり、同じワンピース着ている理由についても回答が欲しいところです。
響け!ユーフォニアム 北宇治高校の吹奏楽部日誌 作者:武田綾乃 出版社:宝島社 |
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響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話 作者:武田綾乃 出版社:宝島社 |
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響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章・前編後編 作者:武田綾乃 出版社:宝島社 |
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