※ネタバレ注意【鬼滅の刃】無限城編第一章「猗窩座再来」は原作漫画のどこからどこまで?オリジナルエピソードの収録はある?映画の残念な部分など

「猗窩座再来」予告の猗窩座 鬼滅の刃

2025年7月18日に公開された劇場版「鬼滅の刃」無限城編三部作、その第一章となる「猗窩座再来」。

無限城編は最終決戦の導入口であり単行本で言えば16巻以降(全23巻)を描くものであるため、かなりの長さ、あらゆる因縁の決着が収録されています。

一方で、前作「無限列車編」は上映時間117分なのに対し「猗窩座再来」は上映時間155分(3時間弱)という暴挙。長すぎる上映時間になかなか足を運ぶのが億劫な方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は劇場版「鬼滅の刃」無限城編、第一章「猗窩座再来」はどこからどこまでを描いているのか・原作漫画との違いはあるのかなど解説と紹介をしていきたいと思います。

 

※本記事は第一章「猗窩座再来」のネタバレを含みます。未視聴・原作未読でネタバレが嫌な方はお控えください。

 

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劇場版「鬼滅の刃 無限城編・猗窩座再来」について

劇場版鬼滅の刃無限城編第一章「猗窩座再来」ビジュアルポスター

引用元:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』 出版:集英社

劇場版「鬼滅の刃」無限城編は、全三部構成で公開が予定されており、2025年7月18日に公開されたのは第一章「猗窩座あかざ再来」

第一章「猗窩座再来」は、TVアニメ鬼滅の刃・柱稽古編のラストの続きとなっており、竈門炭治郎ら鬼殺隊が無限城に落下するところから始まります。

鬼舞辻無惨が鳴女の血鬼術で鬼殺隊を無限城へ落としたのは今宵決着をつけるためと、珠世に注入された「鬼を人間に戻す薬」の解毒・解析・再生の時間稼ぎでもあります。そのため、鬼殺隊は珠世が鬼舞辻無惨を抑え込んでいる内に広大な無限城を駆け回りどこかに潜伏し回復をはかる鬼舞辻無惨を探しださなければならない状況にあるわけですが、城内には無惨の血によって格段に強化された雑魚鬼(下弦程度)や残る上弦の鬼が立ちはだかっているため、各個撃破しなければいけません。

今回の映画では、上弦の弐・童磨(胡蝶カナエや蝶屋敷の継ぐ子たちの仇)、新上弦の陸・獪岳(我妻善逸の兄弟子)、上弦の参・猗窩座(煉獄杏寿郎の仇)が登場し、獪岳と猗窩座の決着が描かれます。

第一章「猗窩座再来」はどこからどこまでを描く?

まず大前提として劇場版「無限城編」は全三部構成となっています。そして、第一章「猗窩座再来」はサブタイトルに名前が掲げられている通り上弦の参・猗窩座との戦闘から討伐までを描いています。

2024年に地上波放送されてた柱稽古編のラストで産屋敷は家族とともに鬼舞辻無惨と自爆し、鬼の珠世の強力を以て『鬼を人間に戻す薬』の注入に成功。爆発を聞きつけて集結した柱たちは初めて仇敵・無惨と対峙するも、新上弦の肆・鳴女の血鬼術によって鬼殺隊が無限城に落とされました。

おおまかに言えば第一章「猗窩座再来」は、鬼殺隊が無限城に落下した地上波放送の続きから始まり猗窩座を討伐したところまでが描かれいるのです。

第一章「猗窩座再来」の収録内容は?

第一章「猗窩座再来」は柱稽古編の続きから猗窩座討伐までを描きますが、実は原作準拠でも猗窩座が登場しそれを倒すまでに中々のボリュームがあります。

  1. 上弦の弐・童磨どうま vs 胡蝶しのぶ
  2. 新上弦の陸・獪岳かいがく vs 我妻善逸
  3. 上弦の参・猗窩座あかざ vs 冨岡義勇、竈門炭治

目玉となる対戦は胡蝶しのぶ、我妻善逸、そして冨岡義勇と竈門炭治郎のそれぞれの戦いになりますが、胡蝶しのぶと我妻善逸の戦闘描写は原作でも割と短いのでこの二つだけでは長くても一時間少々しか尺はありません。

しかし、時系列的に童磨戦(前半)と獪岳戦は猗窩座戦の前になるため、この二つの戦闘を次回に省いて先に猗窩座戦をやってもシナリオがハチャメチャになるので今回の映画では猗窩座戦を主軸に長尺の内容になってしまったと予測されます。

また、もっと詳細な収録内容は以下の通りです。

  1. 映画冒頭
    ・悲鳴嶼行冥の回想
    ・無限城に落下する鬼殺隊の様子
    ・新党首・産屋敷輝利哉の様子(※童磨戦後に導入)
  2. 上弦の弐・童磨 vs 胡蝶しのぶ
    ・童磨vs胡蝶しのぶ、開幕
    ・童磨の回想
    ・胡蝶しのぶの回想
    ・童磨vs胡蝶しのぶ、決着
  3. 新上弦の陸・獪岳 vs 我妻善逸
    ・獪岳vs我妻善逸、開幕
    ・獪岳の回想
    ・我妻善逸の回想
    ・獪岳vs我妻善逸、決着
  4. 上弦の参・猗窩座 vs 冨岡義勇、竈門炭治郎
    ・猗窩座vs冨岡義勇、竈門炭治郎、開幕
    ・竈門炭治郎の回想
    ・猗窩座の回想
    ・猗窩座vs冨岡義勇、竈門炭治郎、決着
  5. 映画終盤
    ・珠世の様子
    ・鬼舞辻無惨の様子

以上のように一つの戦場を跨ぐような構成となっており、童磨、獪岳、猗窩座と上弦三体との戦いが繰り広げられます。また、間に他の鬼殺隊の様子などが描かれます。

 

 

 

 

第一章「猗窩座再来」は回想ばかり?

上記で触れた通り、童磨・獪岳・猗窩座との戦いは主要人物たちの回想が挟み込まれています。

例えば童磨戦では、童磨が生きて来た万世極楽教の回想が少しと、童磨に命を奪われた胡蝶カナエの最期の言葉を思い出す胡蝶しのぶの回想が描かれます。この一戦では、胡蝶姉妹が両親を鬼に殺害されたこと、その時の鬼を倒して二人救ってくれたのが悲鳴嶼行冥であることが描かれており、やがて鬼殺隊になった胡蝶しのぶが鬼に栗花落カナヲ以外の継ぐ子を全員殺されたことなどが語られていきました。

続く獪岳戦では、獪岳が鬼になった理由や桑島慈悟郎の下で修業する獪岳と我妻善逸の回想が描かれます。雷の呼吸の壱の型以外を修得した獪岳と、壱の型しかできない善逸の対比が描かれており、兄弟子である獪岳に嫌われているのを知りながらも桑島慈悟郎の意向を汲んで獪岳と二人で雷の呼吸の後継者であろうとする善逸でしたが、獪岳が鬼になったことで桑島が自刃。結局、兄弟子を討つことになった善逸の苦悩が描かれました。

そして目玉となる猗窩座戦。こちらは戦闘中に竈門炭治郎の真っ直ぐな性格がとある人物に重なり少しずつ人間時代の記憶を取り戻していく猗窩座の様子、猗窩座に勝つために父・竈門炭十郎が使っていた『透き通る世界』を思い出す竈門炭治郎の回想、失神した炭治郎を守るために猗窩座の前に立ちはだかった冨岡義勇が見せた不屈の精神を前に人間時代の記憶をすべて思い出した猗窩座の回想──などなど、映画のサブタイトルとなる猗窩座戦の回想はかなりの尺を用いています。

つまり、映画の半分とはいいませんが、三分の一程度は『回想』に時間が割かれているといっても過言ではありません。とはいえ、下弦の伍・累戦での竈門炭治郎の回想から始まり、一度目の猗窩座戦での煉獄杏寿郎の回想、上弦の陸・堕姫と妓夫太郎戦での宇髄天元と三人の嫁の回想、上弦の伍・玉壺と上弦の肆・半天狗戦での時透無一郎の回想、甘露寺蜜璃の回想、不死川玄弥の回想、柱稽古での冨岡義勇の回想、悲鳴嶼行冥の回想など、元々局面には回想が挟み込まれているため、鬼滅の刃読者であれば予想の範囲内でしょう。

どうやら第一章『猗窩座再来』を見た原作を知らない層は「回想祭り」に驚いているようです。ちなみに残る第二章・第三章も回想祭りになるので、原作未読の方は覚悟しましょう。

 

 

 

第一章「猗窩座再来」のアニメオリジナル要素はある?

映画は基本的に原作準拠(シナリオや描写)ですが、これまでアニメ化された立志編から柱稽古編通り部分的に原作の一コマ一コマの行間を埋めた加筆や小さな新規カットはあります。

例えば、原作では全体像が不明瞭だった無限城は迫力ある映像に仕上がっており、空間の広大さや奥行が視覚で伝わってきます。また、今回の舞台となる『無限城』が細部にわたり完璧に再現されたことで、落下する鬼殺隊隊士、無限城内で下級鬼と対峙する鬼殺隊隊士の様子など、原作では描き切れなかった部分も挿入されました。

個人的にとくに原作補完として良かった部分は以下の通り。

  • 『無限城』の再現
  • 鬼殺隊隊士と下級鬼の戦闘シーン
  • 産屋敷輝利哉が指揮を執る屋敷内でのシーン
  • 嘴平伊之助の原作幕間シーン

まず一つ目の『無限城』の再現。柱稽古編のラストで衝撃を受けた無限城の広さですが、映画では無限城の全体像がこれでもかと描かれます。隠れた無惨を探すため広大な無限城を駆ける柱たち、鎹鴉を通して無惨を探す輝利哉、無限城の至る場所で鬼と戦う鬼殺隊など、ちゃんと無限城の舞台を活かして描かれています

二つ目『鬼殺隊隊士と下級鬼の戦闘シーン』。原作では村田などある程度知名度のあるキャラクターの動向はわずかながら描かれていましたが、柱以外の鬼殺隊隊士が何をしていたのか不明でした。しかし、映画では鬼殺隊隊士たちが無限城の屋外屋内と色んな場所で鬼と戦っているシーンが描かれています。下級鬼は隊士たちに任せて無惨や上弦を探す柱たちの様子など、原作にはなかったシーンでした。

三つ目『産屋敷輝利哉が指揮を執る屋敷内でのシーン』。産屋敷耀哉が妻・あまねと娘のにちかとひなきを巻き込み鬼舞辻無惨と自爆(通称、産屋敷ボンバー)したため、幼くして輝利哉が九十八代目当主を引き継ぎ今回の戦いの指揮を執ります。原作では、無限城とは別場所、現実世界のとある屋敷から愈史郎の『紙眼』を介した鎹鴉を通して無限城内を捕捉し指示を出していました。しかし、映画では護衛の宇髄天元や煉獄槇寿郎の他、輝利哉や彼を補佐するくいなとかなたのサポートとして『隠』の人たちが登場しています。地図を広げたり、小道具の準備をしたりと、原作では描かれなかった小さな活躍が描かれています。

そして四つ目『嘴平伊之助の原作幕間シーン』。原作本編には描かれていませんが、単行本の幕間ページで伊之助が鎹鴉に「一番強ぇ鬼の所に案内しやがれ、わかったな」と刀でツンツンしながら移動するというイラストがあります。単行本の幕間には、よくこうした作中のネタや設定集が掲載されており、これまでも幕間ネタが差し込まれたことはありますが、今回の映画では原作のこのシーンが映画で映像化されました。映画を見た方も、単行本の小ネタに思わず笑ってしまったのではないでしょうか。

以上のように、原作に忠実に映像化されている一方で、原作の行間を埋めるような加筆がされています。また、従来通り、戦闘シーンも過分に盛られているので物凄く迫力ある戦闘となっています。

第一章「猗窩座再来」で残念な部分

今回の映画は155分と映画作品としては長尺であり、3時間弱の上映に不満の声が上がっています。当然、このような長尺の上映時間は残念な部分ですが、上映時間以外にも少し残念だった部分がありました。

  • 155分(3時間弱)の上映時間
  • 素流道場毒殺事件の真相

まず155分(3時間弱)の上映時間についてですが、実際に足を運んだ方は上映時間155分の他に映画が始まるまでに数分以上かかっているので入場してからの体感時間は3時間かもしれません。生理現象・空調(温度設定)によっては耐えきれずトイレに立つ可能性もあります。

また、今回の映画は猗窩座がメインですが、胡蝶しのぶや我妻善逸の活躍も描かれているので彼らの奮闘の余韻がラストの猗窩座戦でかき消されてしまう点が残念です。毎週一話の地上波放送であれば胡蝶しのぶや我妻善逸の衝撃の展開の数々はSNSで話題にあがったことでしょうが、今回は映画と限定的な空間であるためネタバレを自粛する動きがあることと、猗窩座に話題を持って行かれたことから感想を共有しづらいところがあります。

とくにしのぶのラストについては語り合いたい人もいるでしょうが、SNSでは顰蹙を買うため配慮が足かせとなっています。

そして、最大の目玉でもあった猗窩座の過去。人間時代の猗窩座(狛治)の恩人で武術の師匠でもあった慶蔵とその娘の恋雪。父親を失った猗窩座(狛治)にとって守りたい人達となった二人ですが、猗窩座(狛治)が祝言の報告のため父親の墓参りに出かけてて道場を留守にした間に、道場内の井戸に毒をまかれて二人は毒殺されてしまいます。

原作や映画でも、道場を逆恨みする隣の剣道道場が毒を入れた犯人であると判明している一方でその動機は「慶蔵や猗窩座と直接やり合っても勝てないから」とされていましたが、そこに至る経緯には触れられていません。しかし、単行本18巻の幕間では素流道場と剣道道場の設定が説明されており、犯人は道場の跡取り息子であることが発覚しています。また、跡取り息子は恋雪に惚れており病気の恋雪を連れ回して死なせそうになったことや、今回犯行に及んだ理由として、狛治と恋雪の結婚の話を聞きつけた際に門下生に焚きつけられたこと、戦っても負けるとわかっていたので道場の井戸に毒を入れたことが綴られています。

第一章『猗窩座再来』はせっかく155分もあり猗窩座がメインであるにもかかわらず、素流道場毒殺事件に繋がる設定の重要な部分が映像化されませんでした。設定上では、息子に連れ回された際に発作で死にかけていた恋雪を狛治が助けたり、そのことで怒った慶蔵が隣の剣道道場と試合をすることになり、当時十六歳の狛治が一人で九人を倒したなど、映像で見たい部分が多々あります。

胡蝶しのぶや我妻善逸の活躍の余韻もさることながら、素流道場毒殺事件の設定の未消化などは原作既読者としては不満が残るかもしれません。

まとめ

以上「劇場版鬼滅の刃無限城編・第一章猗窩座再来について」のまとめでした。

第一章「猗窩座再来」は劇場公開ということもあり作画は文句なしの最高潮・限界突破していますので、戦闘シーンの迫力は感嘆の一言。また、脇役の村田や隊士、隠などの原作にない細かな演出は映像作品ならではでした。

一方で、猗窩座導入まで他の戦闘シーンも描かないといけないため、しのぶや善逸の戦いの余韻に浸る間もなく進んでいくこと、伊之助の単行本幕間イラストは映像化されたのに肝心の素流道場と剣術道場の設定は映像化されなかったこと、などなど、映像化してほしかった部分が省かれたのは少々残念でした。

しかし、作品としては普通に面白いので上映時間155分を苦痛と思わなければ見ても損はないと思います。

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