漫画「MAJOR」の登場キャラクターである早乙女静香。
彼女は海堂高校編(アニメ第二シリーズ後半)から登場した海堂の二軍監督ですが、吾郎に恨みを持つ江頭失脚までの過程に大きく関わり、最終章(アニメ第六シリーズ)や続編メジャーセカンドでも登場しています。
今回は早乙女静香の結婚や子供、続編での姿についてご紹介したいと思います。
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早乙女静香とは?
引用:満田拓也『MAJOR』 出版:小学館
早乙女静香(さおとめしずか)とは、海堂学園高校野球部二軍の女性監督です。
茂野吾郎たち夢島組が厚木二軍練習場にバス移動した際に登場したキャラクターであり、表面上は優しい印象。一方で、夢島組と特待生組の歓迎試合の最中に場内アナウンスを楽しくおこなったり、元レディースさながらに怒声を張り上げる一面も。
登場時は海堂のマニュアル通り方針に逆らった吾郎に退部を勧告することもありましたが、その一途な野球精神に兄の面影を重ねるようになり、海堂一軍を倒して海堂を出ていくという確固たる意志を持って臨む吾郎に助力することを決意し、勝利を見届けました。
高校編(聖秀学院高校編)でも江頭の妨害を受けた吾郎の相談に乗る役割として登場し、甲子園では兄の早乙女泰造と共に江頭告発の証拠を揃えて失脚させることに成功。眉村世代が卒業し順当にプロ野球選手への進路を決めた際にも登場しており、最終章となるワールドシリーズ編でも登場しています。
過去・経歴
早乙女兄妹の一番上には享年18歳で亡くなった早乙女武士という長男がいました。
20年前、海堂学園高校は甲子園に出たことがない無名の新設校であり、まずはスポーツに力を入れようという学校の方針で当時地元リトルで実績のある周防を監督に招聘。周防監督のスパルタ指導で選手を鍛え、海堂はたった3年あまりで神奈川県ベスト16まで残るようになります。
とはいえ、200校がひしめく神奈川県ではベスト16までが精一杯。甲子園出場がまだ絶望的な状況だった頃に他校の名門を断り海堂に入学してきたのが早乙女武士であり、シニアでも速球派の武士は『強豪校を自分の右腕で倒して甲子園へ行く』という強い自信と信念を持ち、一年生でベスト8、二年生でベスト4という海堂躍進のエースとなりました。
しかし、三年生の最後の夏の神奈川県予選大会決勝のこと。三年間ひたすら甲子園をめざして一人で投げ抜いてきた武士の肩と肘はすでにボロボロ。それでも気力で準決勝のマウンドに登った武士は雨天の中園長15回を一人で投げ切り2対1で勝利し、海堂を念願の決勝まで導きますが、準決勝を行った晩に連投で披露の限界を超えていた武士は風邪をこじらせて高熱で緊急入院。
決勝の舞台はドクターストップを受けたため周防監督も武士の出場を断念しますが、武は解熱剤を打って強引に決勝戦に登板しました。武士は9回を完封し海堂念願の甲子園の切符を手に入れますが、その翌日、急性肺炎を引き起こし急逝することとなったのです。
現在の海堂野球のマニュアル分業制は現野球部総監督の早乙女義治(父親)が息子の死を教訓に作り上げたものであり、静香もそれに習い方針から逸脱する吾郎には何度も忠告していました。また、静香自身も武士の無茶な活躍を戒めにしており、海堂へ来た選手には兄のような思いをさせないためプロへの夢を叶える万全なレールを敷くのが自分の仕事であると自認しています。
しかし、聖秀学院高校編で聖秀学院と海堂学園が戦い聖秀が破れたものの、吾郎が武士と同じ道を選び、かつ『不幸を恐れて夢を妥協することの方が一番の不幸かもしれないということを生きて証明』したのを機に静香は兄の死という呪縛から解き放たれることができました。
早乙女静香と眉村健の結婚
引用:満田拓也『MAJOR』 出版:小学館
メジャーリーグ編終盤の8年後のワールドシリーズ(レイダース対ホーネッツ)最終戦にて、FA資格を取得した眉村健がレイダースの先発として登場。
そして、会場で登板する眉村の試合中継を『MAYUMURA』と表札が書かれた自宅で見届けるのが早乙女兄妹であり、泰造の「あの眉村君が今や私たちの身内…まさか静香と結婚してるなんて10年前には思いもしてなかったわよ」という発言から、数年前に静香と眉村が結婚していたことが発覚します。
ちなみに、泰造「10年前に海堂の黄金期を支えた二人(眉村と佐藤の対決を見て)──」と述べているため、ワールドシリーズ時点で高校編(吾郎世代が高校三年生の頃)はちょうど10年前の出来事の模様。ただし、そこから何があって二人が交際し結婚に至ったのかは不明です。
なお、泰造が「しかしなんで美しい姉より、こんな妹のほうを選んだのかしら」と述べると、静香は呆れたように「兄だからよ、マードック似の」と苦言を呈しています。
結婚時期はワールドシリーズより数年前
眉村は物心つく前に父親を亡くしており、ワールドシリーズ時点では最愛の母をも病気で亡くしています。
眉村と静香の交際時期が作中で描かれていないため詳細は不明ですが、回想によるとワールドシリーズの数年前(交際開始から結婚までの間)の時点で母親の体調が悪くなり入退院を繰り返すようになったため、早く結婚の報告だけはしておきたいという意志から眉村の方から静香を連れて母親に結婚の挨拶を済ませたようです。
その後、母親は二人の結婚式に出席し祝福する姿が描かれているため、何年かは生きていたことがうかがえますが、ワールドシリーズの舞台は拝むことなく逝去した模様。
一方で、ワールドシリーズで静香は二児の母(長女は幼児、長男はまだ静香が寝かしつけるほど幼い)となっているため、長女の背丈から少なくともワールドシリーズの3年以上前に出産したと仮定すれば結婚時期はさらに1年以上前だと推測されます。
長男長女の出産
前述で触れた通り、静香はワールドシリーズ編で二児の母となっています。
長女の名前は不明ですが、長男の名前は『健太』。長男には父である眉村の名前が使用されているので、長女には静香の名前が使われているかもしれません。ちなみに公式ガイドブックでも長女の名前を知ることはできません。
セカンドでの再登場
引用:満田拓也『MAJOR 2nd』 出版:小学館
MAJOR 2nd(メジャーセカンド)での早乙女静香の再登場(ほぼ名前だけの登場)は単行本22巻第210話「交渉の切り札」。
風林中学野球部と大尾中学野球部の合同チーム結成において、風林中学校の現校長を務める江頭が妨害した際に、江頭を丸め込む最後の切り札として佐藤寿也が連れてきたのが眉村健。吾郎と寿也に恨みを持つ江頭が私怨で妨害してきたため、寿也は江頭が最も嫌がるであろう眉村を連れて直談判に訪れると、眉村は風林の経営方針や佐藤寿也と江頭の確執に口を挟む権利がないとした上で『大尾中野球部には私の娘がいるんですよ、江頭さん』と警告。
そして、江頭が眉村の《お願い》をどこまでも聞き受けてくれない場合は、かつて妻(静香)が海堂高校で江頭の策動を告発し懲戒解雇に追いやった当時の音声データを手土産に風林学園の理事長と昔話をすると脅しました。
眉村がここまでの行動を取ったのは娘のためや旧友の佐藤寿也のためでもありますが、一番はこの出来事を聞いた静香が激怒して娘と佐藤寿也を助けてやってくれと眉村に頼んだのが決め手だったようです。なお、実際にはすでに音声データはない模様。
ちなみに静香の再登場は名前のみであったものの、眉村の吹き出しの中にデフォルトされた怒った表情の静香が描かれています。
怒っているデフォルメ絵なので容姿の老化はわかりませんが、髪型は当時のまま。また、プライベートだと寿也のことを『寿君』と呼んでいる模様。
眉村に静香御前と呼ばれる
風林大尾合同チーム提案での江頭の妨害を解決した眉村ですが、その帰り際に眉村は寿也との談話中に「うちの静香御前が江頭に激怒して──」と発言。
普段から『静香御前』と呼んでいるのか、他所でのみ妻をそう呼んでいるのか、はたまた眉村なりの冗談だったのかは定かではないものの、この発言から読者のネタにされるようになりました。
長女長男の下に双子の兄妹を出産
前作『MAJOR』のワールドシリーズ編終盤ですでに二児の母となっていた静香ですが、続編となるMAJOR 2nd(メジャーセカンド)では茂野大吾と同年代の双子の子供がいます。
姉は道塁(みちる)。弟は渉(わたる)。
共に野球をしており、道塁は茂野吾郎の豪快なピッチングに憧れたピッチャーに、渉は元々ピッチャーだったものの肘に違和感を覚えて以降父親から投球を禁止されキャッチャーに転向し、中学では道塁は軟式野球を、渉はシニアでそれぞれ野球を続けています。
つまり、眉村家は
- 長女:※名前不明
- 長男:健太
- 次女:道塁(双子の姉)
- 次男:渉(双子の弟)
メジャーセカンド開始時点で四人の子供を授かっている六人家族になります。
静香の年齢は不明
引用:満田拓也『MAJOR』 出版:小学館
本編において早乙女静香の年齢は『MAJOR』ならびに『MAJOR 2nd』でも公表されておらず、全キャラを網羅する公式ガイドブック『MAJORキャラクター名鑑』でも年齢についての情報は記載されていません。また、兄の泰造の年齢も非公表なので兄妹間の年齢差は不明です。
しかし、その一方で静香の年齢は初登場時点で20代前半から半ばではないかと推測されています。
まず、整理したのは以下の情報です。
- 早乙女兄妹は武士(長男)→泰造(次男)→静香(長女・末っ子)と歳が離れている
- 20年前(茂野吾郎高校一年の頃から20年前)、周防が海堂の監督に就任
- 周防就任から2~3年で海堂が神奈川ベスト16に躍進
- その後に早乙女武士(16歳)が海堂高校に入学し野球部に入部
- 早乙女武士が一年生の頃にベスト8、二年生の頃にベスト4、三年生(18歳)の県大会決勝後に急性肺炎で逝去
以上のように、茂野吾郎世代が高校1年生の頃から数えて20年前に周防が海堂野球部の監督を務めており、そこから3年後以降に早乙女武士が海堂に入学し、更にそこから3年後に死亡していることがわかります。
つまり、早乙女武士が海堂高校野球部に入部したのは大体16年前(吾郎世代が生まれた年のあたり)であり、死亡したのは13年前(吾郎世代が3歳前後のあたり)と予想されます。
そして、写真立てに写る武士と静香は目測ですが中学生と未就学児程度の年齢差。武士の訃報を聞いて病院に駆けつけた静香の背格好はこちらも目測ですが小学校高学年程度に成長しています。
これらの情報から武士が亡くなった当時の静香が小学生だとすれば、最大で小学6年生の12歳で仮定すると13年前の月日を加算し初登場時点で25歳と推測されます。とはいえ、当時の静香が12歳以下の可能性もありますし、中学校に上がりたての可能性もあるため、25歳を起点に前後に振れ幅があります。
仮に静香が25歳だとすれば、夫となる眉村健とは彼が高校一年生時点で16歳と25歳になるため、年齢差はおよそ9歳。武士死亡時の静香が小学校高学年以下であれば7歳差程度、中学生に上がっていれば最大で12歳差にもなるため、眉村との年齢差はおよそ7歳~12歳の間ではないでしょうか。
意外と若い可能性もあり
私立高校の野球部監督になるためには基本的に資格も年齢制限もないようです(元プロ野球選手においては資格が必要)。
そのため、父親が総監督を務める海堂野球部の二軍監督を任されていても不思議ではありませんし、兄の泰造がトレーナーの仕事をしていることから静香自身も教育学部を出ているか教員免許を取得している可能性もあります。
つまり、仮に静香が20歳かそれより下の年齢で監督をやっていても不思議ではないわけで、順当に大学を出て教員免許を取得してから監督をしていると考えても22歳程度になります。
武士が亡くなった描写の静香の外見年齢から初登場時は25歳程度と推察していますが、実はそれよりもっと若い可能性も考えられます。
もしかしたら眉村世代とは4~5歳の年齢差程度なのかもしれません。
まとめ
以上「早乙女静香の結婚・経歴・年齢考察」の紹介でした。
夢島編以降から登場する海堂高校野球部の女性監督ですが、聖秀学院高校編にも吾郎の協力者として登場しており、ワールドシリーズ編終盤では眉村健と結婚し二児の母となった姿で再登場。
続編メジャーセカンドでは、さらに双子を授かり四児の母となっており、眉村の吹き出しの中でのみの描写になりますが前作とあまり変わっていない雰囲気のように思えます。とはいえ、眉村との年齢差次第ではメジャーセカンドで40歳後半、最悪54歳と考えられるため作者もあえて描かないのでしょうか。
泰造の現在の姿も気になるところです。
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MAJOR
作家:満田拓也
出版:小学館 父親のようなプロ野球選手になることを夢見て、日夜トレーニングに励む5歳の野球少年・吾郎!!友達の寿也君とリトルリーグに挑戦!? |
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