漫画『SAKAMOTO DAYS』の登場キャラクター・鹿島(かしま)。
鹿島は×(スラー)一派の構成員の一人であり、たびたび坂本太郎たちの敵として登場していますが、タイ編で×(スラー)と思想が相反し一時的に一派から離脱することになりました。
では、鹿島の思想とはどのようなもので、なぜ×(スラー)の仲間に加わったのでしょうか。
今回は鹿島(かしま)のプロフィールや×(スラー)との関係などについてご紹介したいと思います。
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鹿島(かしま)のプロフィール
引用元:鈴木祐斗『SAKAMOTO DAYS』 出版:集英社
名前 | 鹿島 |
年齢 | 26歳 |
誕生日 | ── |
身長 | 184㎝ |
体重 | 300㎏ |
星座 | ── |
初登場 | 漫画:第21話(3巻) |
声優 | 未定 |
鹿島とは、トナカイの被り物をした成人男性で×(スラー)一派の一人です。
初登場時、朝倉シンが育った政府非公認の科学組織である地下科学研究施設・通称『LABO』を乗っ取り武器開発を主導した人物。黒スーツを着用し丁寧な言葉遣いが特徴的な紳士です。
敵ながら愛嬌のあるキャラクター性を持っていることから読者からは「かわいい」と人気。カラオケの選曲は平成ベストセレクション。クリスマスの次に嫌いなのは坂本太郎。
坂本には「クソ鹿」、大佛には「トナカイさん」、京には「モブ鹿」、有月(赤尾リオンの人格時)には「メンヘラ鹿」、花には「鹿さん」と呼ばれることも。
鹿島の素顔
鹿島の素顔はツギハギだらけですが特段変わったところはありません。
口の端から鰓にかけてツギハギがあり、口には×マークが記されています。
鹿島の能力|体の秘密
鹿島の体はラボの科学技術を用いて全身の70%を改造した機械人間となっています。
全身のツギハギは武器を内蔵した手術痕であり、縫糸を解くことで全身のあらゆる箇所から武器を展開可能。中には強力なレーザー砲まで仕込まれています。
また、人工骨格であることから首を折られても平気であり、全身の殆どが機械であることからバラバラにされても絶命することはなく、修理をすれば復活可能。生命力に限れば登場キャラクターの中で随一となっています。
爆弾作り
×一派は彼らなりのポリシーからそれぞれがセンサーにも映らない超小型の爆弾を内抱しています。
爆破規模はおよそ半径4mであり、基本的に身体のどこかに内蔵し宿主が死亡したときに起爆するようにプログラムされていますが、劇中で確認されたように宇田はネクタイに、鹿島は体内に保管し吐き出す形で作動させました。
この爆弾の起爆スイッチを鹿島が管理していることから、おそらく爆弾の開発も鹿島が手掛けていると推測されます。
治療術
鹿島は自身の体を改造した技術を用いてある程度の外科処置が可能です。
例えば劇中では、篁に切断された楽の腕の再接着術を行っており、神経接合を完璧にやり遂げました。なお、切断された腕に関しては篁の腕がよく断面が綺麗で筋組織がまだ生きていたから可能だったようで、物によっては接合できない模様。
×(スラー)一派の雑務担当
鹿島は×(スラー)一派の中で雑務を担当しており、特に雇用に力を注いでいます。
鹿島の尽力により一派の雇用体系は整えられており、×一派の待遇は社会保険完備・週休2日制・残業無し・終身雇用といったホワイト企業さながらな環境を実現しました。
なお、鹿島以外の幹部(とくに熊埜御)は幹部以外で認めていない構成員に対し厳しいようで、容赦なく使い捨てられています。
鹿島の思想
鹿島の思想は『悪を見過ごすことは悪と同様』というもので、尊い正義のために悪人を削除するという考えです。しかし、鹿島の思想は一般人に理解されず、その思想を危険視され忌避されていました。
×(スラー)と出会って以降は、世の中に蔓延る死んだ方がいい人間を殺して省く、尊い正義のために必要な『悪』を演じる自分のような人間こそ社会に必要な存在と自負しています。
命に対しては人間や虫にも同等の価値観を抱いており、『人の命の尊さが分からない方に殺し屋を名乗る資格はない』と持論を展開するほど。ただし、鹿島自身は虐殺を望んでいるわけではないため極力不必要な殺人はしない傾向にあり、一般人に対しても危害を加えない部類の殺し屋です。
一方で、×(スラー)のためであれば、彼の意思に従い自身の殺しは意味のある許された行為と正当化し、殺しを躊躇なく行います。革命に多少の犠牲はつきものという考えを持ち、坂本の子供のを脅しの手札に使うことにも寛容になります。
鹿島の過去|×(スラー)との出会い
鹿島が×(スラー)と出会ったのは17歳の頃です。
当時の鹿島は他人のために悪人を削除(殺害)していました。例えば、野良猫をいじめていた『悪人』を殺害し正義を執行していましたが、周囲からはその異常な行動を理解されず孤立していました。
しかし、×(スラー)だけは鹿島の思想を認めて『尊い正義のためには悪が必要。この世の中には死んだ方がいい人間もいる』と諭すと、鹿島の口に×マークを記し『一緒に世界の秩序を変えよう』と手を差し伸べてスカウト。また、×(スラー)は鹿島の尊い正義を自身が代わりに証明してみせるとも豪語するのです。
鹿島は、×(スラー)が自身の思想を全て受け入れ肯定してくれたこと、また、共に殺連を潰し殺し屋のいない世界を作るという×(スラー)の思想に同調し一派に加わることを決意しました。この時、目的に向けた大いなる善のためならば多少の犠牲はやむを得ないと考えるようになっています。
鹿島は坂本太郎の味方になる?
現在、鹿島は坂本太郎とはある種の同盟を結んでいる状態となっています。
一般社会を破壊しかねない×(スラー)の暴走を食い止めるために、×(スラー)を止めたいと語る坂本を信用し、情報を提供する関係を築きました。
したがって、鹿島と坂本たちの関係性は利害が一致しただけの協力関係であり、正式な仲間ではありません。味方と言えば味方ですし、いつ敵対関係になるか分からない距離感となっています。
一方で、『仲間』というフレーズには弱いのか、シンが「勝手に仲間だと思ってたのは俺たちみたいだけ」と発言した際には葛藤を抱きつつも手を貸すことを決断しています。
×(スラー)の思想と相反
タイのとある廃工場地帯にある×(スラー)一派のアジトにて、鹿島は現在の有月の考えを聞くべく二人きりになる機会を窺っていました。
鹿島は9年間(17歳~26歳)も有月を信じてついてきましたが、ORDER(殺連)との全面戦争前に殺連を潰した後の在り方について有月の意向を確認します。
当時の有月は『殺連を潰した後は新しい秩序を作る』と公言していましたが、鹿島が改めて意向を確認したところ、秩序を作るというのは語弊であり、有月自身は何もしない──つまり、手を加えない自然な状態こそが最良の秩序であると意見を述べるのです。
しかし、それでは殺連崩壊後、殺し屋が野放しになり一般社会の秩序が破壊されてしまいます。例えば、殺連規定23条『ターゲットに関する人物以外を殺してはいけない』というルールが消失すれば一人のターゲットを殺害するために一般人100人を犠牲にするのも厭わない者が出て来てしまいます。また、殺連による抹殺対象の選別がなければ善人だろうが子供だろうが金次第で誰でも殺せる世の中に変わってしまいます。
有月の考えでは殺連という秩序を取り払えば殺し屋がもっと身近で自由な存在になるということですが、鹿島はこれをよしとしませんでした。
この問答の最中に現れたのが赤尾晶と京、そして坂本太郎と朝倉シンと四ツ村周の5名でしたが、晶が有月を突き刺したことで赤尾リオンの人格が現れてしまい、対談中だった鹿島はリオンの人格に対し有月の体を返上するよう激怒。
しかし、鹿島が有月の人格を取り戻すためにリオン(有月)に歯向かったところ、晶や坂本たちがリオン(有月)を庇うために鹿島と交戦。
が、その交戦の最中、鹿島は『一緒に世界の秩序を変える』と言っていた過去の有月と、『手は加えない自然な状態こそが最良の秩序』と言い放った有月の変わり様を比較し、もはやなにが正義なのかわからないという精神状態に陥ると口から自爆用の小型爆弾を投下。
この爆発で死者はでなかったものの、リオン(有月)は晶を連れて撤退。また、京は晶を撮影するためにリオン(有月)と一緒に姿を晦ますと、現場には坂本たちと自爆によって胴体から下を失った鹿島だけが取り残されることに。
結果的に、鹿島は有月に見捨てられる形となったのです。
鹿島が坂本の味方になった理由
タイでの騒動後、坂本は鹿島から情報を引き出すべく自宅に持ち帰り尋問を始めますが、鹿島は「仲間を売るような下衆ではない」と黙秘を続けていました。
しかし、坂本花と過ごした後、鹿島は己の守りたいものを再確認すると、坂本の目的が×(スラー)一派を殺すことではなくただ止めたいだけであり、それが本心であると受け止め、×(スラー)の情報を提供することにしました。
またこの時、鹿島は今の×(スラー)は殺連を潰すことだけではなく、一般社会も全て滅茶苦茶に破壊しようとしていることから×(スラー)の暴走を食い止めたいと考えていました。
そのため、鹿島は自身の持っている情報を渡す代わりに×(スラー)を救うことを条件に提示しており、坂本が承諾したことで取引成立しました。
しばらくは坂本家に居候していたようですが、世紀の殺し屋展以降は所在不明。
鹿島と坂本花の関係
自爆の爆発によって胴体より下を失った鹿島は坂本商店で拘束されていましたが、坂本たちの留守中に鹿島を連れ出したのが坂本花でした。
花は動けない鹿島を皆が寄ってたかっていじめているのを見て同情したらしく、鹿島を修理するためにリュックに詰めて外出。なりゆきではあるものの、鹿島は花を利用して体を直し、そのまま人質に取って有月の元に戻る計画を企てますが、その考えはすぐに消滅。
花が連れて来たのはおもちゃ屋さんであり、自由に歩けるようにするためキャタピラが搭載されてしまいます。鹿の被り物をした黒スーツ着用の胴体から下をキャタピラ(※ほぼガンタンク)にされた鹿島は「なんですかこのダサい脚は…!」と悲観するも、花は満足な笑顔。
そして、その後も花によって商店街のあらゆる店に連れて行かれてさまざまな機能を追加されると、鹿島はいよいよ原型のないおかしな生物へと変貌を遂げるのでした。
なお、動力源なのか軽油を飲むようになっており、自宅ではコンセントで充電可能。
こうして魔改造された鹿島ですが、純真な花と一緒に過ごすうちに調子を狂わされてしまい「私は花さんのパパの敵」「こんなこと怒られますよ」と注意を促すことに。
しかし、花が「パパは怒らないよ。だってパパはいつもこまってる人助けてるもん。だから花もそういう人になるの」と返答したことで、鹿島は坂本太郎という人間が子供や街の人間の皆に信頼されており、坂本自身はこういう人たちを守りたくて戦っているのだろうと得心します。一方で、自分は何を守りたかったのかわからなくなっていたことに気づかされるのでした。
また、花と一緒にいたところへ暴走自動車が突っ込んでくると、鹿島は花を守るために魔改造されたギミックを使い車をせき止めますが、現在の性能では非力故に押し切られそうになります。が、間一髪のところで坂本が駆けつけたことで花は無事救出され、暴走車も安全に止められました。
花と過ごしたこの一件により、心の整理がついた鹿島は有月憬の暴走を止めるために坂本に×(スラー)一派の情報を提供すること決断をすることになり、坂本も花を助けようとした鹿島の行動を信頼するようになったのです。
まとめ
鹿島のプロフィールと味方になった理由のまとめ
- 鹿島(かしま)のプロフィール
- 26歳、184㎝、300㎏
- トナカイの被り物をした成人男性で×(スラー)一派の一人
- 素顔はツギハギ顔で口に×マークを記している
- 全身の70%を改造した機械人間
- センサーにも映らない超小型の爆弾を開発
- 腕の再接着術など、ある程度の外科処置が可能
- ×(スラー)一派の雇用を担当し、雇用体系を整える
- 初登場:第21話(3巻)
- 鹿島の思想
- 『悪を見過ごすことは悪と同様』という考え
- 尊い正義のために悪人を削除するが、行き過ぎた思想は誰にも理解されず危険視されていた
- 鹿島と×(スラー)の出会い
- 17歳の頃に×(スラー)と出会う
- ×(スラー)は鹿島の思想を全て受け入れて肯定する
- ×(スラー)は『一緒に世界の秩序を変えよう』と鹿島に手を差し伸べる
- 鹿島は×(スラー)の意思に従い自身の殺しは意味のある許された行為と正当化するようになる
- 鹿島が坂本太郎の味方になった理由
- ×(スラー)の思想が『一緒に世界の秩序を変える』ではなく、『手は加えない自然な状態こそが最良の秩序』と変化する
- 今の×(スラー)に従えば殺連崩壊後に殺し屋が野放しになり一般社会の秩序が破壊されると考え、疑心を抱く
- タイ編で×(スラー)に置いて行かれたため、事実上×(スラー)に捨てられた状態となる
- 坂本の目的が×(スラー)一派を殺すことではなくただ止めたいだけというのが本心であるとわかると、自身の持っている情報を渡す代わりに×(スラー)を救うことを条件に提示し取引が成立する
- 鹿島は坂本太郎とはある種の同盟を結んでいる状態となる
- おまけ
- 鹿島はタイ編で自爆し胴体から下を失うが、坂本花に連れられて商店街の人達の協力の下、無事ガンタンクのような魔改造を遂げて動けるようになる
鹿島はトナカイの被り物をした紳士であり、時折見せるキャッチーな表情や発言から、敵でありながら親しみやすいキャラクターとなっています。
鹿島と有月の出会いは9年前ですが、有月がJCCにスパイとして入学していた時期なのか、要人護衛任務後に逃走していた時期なのか、はたまた坂本と交戦後からアルカマル襲撃事件後なのか、時系列がよくわからないことになっていますがどうなのでしょうか。
現在は×(スラー)の思想に反発し坂本と利害関係にありますが、自爆で破壊された体はガンタンクのままであるため、戦闘には参加していません。
世紀の殺し屋展以降は消息不明になっているため、その後の動向が気になるところです。
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SAKAMOTO DAYS 作者:鈴木祐斗 |
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