今回のテーマはおすすめの「ホラー×心霊」漫画。
ホラー漫画家と言えば、伊藤潤二先生や楳図かずお先生などが有名で、緻密な絵のタッチや引き込むような恐怖演出が読み応えあります。
しかし、平成から令和のホラー漫画は少しタッチが変わっており、本格的な「恐怖」と「コメディ」の要素が合致するケースも多々見受けられます。また、絵柄も昭和から令和で随分と様変わりしたため、表現方法は受け継いでいても視覚から伝わる恐怖は少し違う印象です。
今回は平成と令和を飾るホラー漫画を10選ピックアップしたのでご紹介していきたいと思います。
【漫画紹介】おすすめのホラー漫画10選!
見える子ちゃん
~あらすじ~
ある日突然、普通の人には見えない異形な存在が見えるようになってしまった「みこ」。彼女は彼らから逃げるでもなく、立ち向かうでもなく…精一杯シカトしつづける事に。怖いようで怖くない、新感覚ホラーコメディ!
|
作者 | 泉朝樹 |
出版・掲載 | KADOKAWA / ComicWalker、WebComicアパンダ |
連載 | 2018年11月2日~ |
巻数 | 既刊11巻(2025年時点) |
ジャンル | ホラー / 心霊 / コメディ |
おすすめ度 |
「見える子ちゃん」は、ある日突然幽霊が超見えてしまうようになった普通の女子高生の四谷みこが見えていることに気づかれないように無視して振る舞う日常系ホラー漫画。
霊感があるみこですが除霊能力がなく、かつ人よりも寧ろ怖がりであるためなるべく幽霊に気取られないように彼女が唯一できることは「無視」。街中や学校、自宅に風呂場に寝室までみこの周りは幽霊だらけ。ある日、ゴッドマザーの店で強力な数珠を購入するも秒で爆散するなど、みこの周りにはヤバい階級の幽霊も…?
無自覚に異次元な生命オーラを持つ親友の百合川ハナ、自称霊能者である程度の幽霊を見ることができる二暮堂ユリア、頭から覆い被さる謎の黒い触手に包まれて容姿が分からない転校生の一条みちる──などなど、個性豊かな友達と過ごす心霊と日常を融合させた新感覚ホラー漫画です。あと、ちょっぴりお色気要素があります。
2021年には全12話でアニメ化されており、2025年6月には実写映画が公開予定。
▼ 漫画を読む ▼
▼ アニメを視聴する ▼
※登録前に必ず該当作品の公開情報をご確認ください。
![]() |
都市伝説先輩
~あらすじ~
憧れのオカルトサークルへ加入した大学1年生のもくめ。しかし、’都市伝説を引き寄せる’と噂の「くぐつ先輩」が辞めてしまったサークルはただの飲みサーと化していた…。理想のキャンパスライフを送るため、くぐつ先輩を訪ねるが――? オカルト大好き不思議ちゃん×超常現象引き寄せ系クズ大学生 青春(?)オカルトコメディ、スタート!!
|
作者 | 平岡一輝 |
出版・掲載 | 集英社 / 少年ジャンプ+ |
連載 | 2024年11月16日~ |
巻数 | 既刊1巻(2025年時点) |
ジャンル | ホラー / 都市伝説 / コメディ |
おすすめ度 |
「都市伝説先輩」は、オカルト好きのもくめが大学のオカルトサークルで都市伝説を引き寄せる「くぐつ」と出会うところから始まる都市伝説系コメディ漫画。
小さい頃からオカルトが大好きだったもくめは、口裂け女に会いたいがために塾の帰り道をウロウロしていたものの結局赤ちゃん姿の変態にしか会えない、きさらぎ駅に行きたくて定期券を購入し始発から終電まで乗り続けていたら自分が怪奇現象と噂になった、などの逸話を残す残念少女。
そんなもくめはオカルトサークルがある大学に入学すると「都市伝説を引き寄せる」体質を持つくぐつと出会うと、人生初の都市伝説と対峙することに。しかし、都市伝説に遭遇したいだけで解決策を持っていないもくめにくぐつは振り回されることになり、毎回、シリアスなギャグを含みながら命からがら逃げだす始末。
怖いはずの都市伝説がギャグとして消化される一風変わったホラー漫画です。
▼ 漫画を読む ▼
裏バイト:逃亡禁止
~あらすじ~
命に値札を付けろ。令和の最恐ホラー爆誕。裏バイト。 |
作者 | 田口翔太郎 |
出版・掲載 | 小学館 / 裏サンデー |
連載 | 2020年1月4日~ |
巻数 | 既刊15巻(2025年時点) |
ジャンル | ホラー / 怪異 / コミカル |
おすすめ度 |
「裏バイト:逃亡禁止」は、きちっとした性格の黒嶺ユメとだらしない白浜和美の二人が高額報酬のアルバイト先でさまざまな恐怖に巻き込まれるオムニバス形式のホラー漫画。
基本的に一つのアルバイトを三部構成で描いており、その都度何らかの怪異や人間による危害を受けてしまうという内容です。しかし、ひとえに恐怖と言っても「グロ」や「画力」による見て怖がるものではなく、怪異による展開的かつ本質的に突きつける根源的な恐怖が主流。
コミカル要素を含むものの、怪異との遭遇の緩急が丁度良く、ついつい没入してしまいます。
▼ 漫画を読む ▼
生者の行進 Revenge
~あらすじ~
類稀な除霊の力を持つ神原省吾は、赴任先の中学校でいじめを苦に自殺寸前まで追い込まれた玉木理華と出会う。彼女の持つ‘御守り’に、強力な悪霊の呪いを感じた神原は、いじめの主犯格の生徒ばかりが次々と猟奇的な自殺を図る、奇妙な連続自殺未遂事件との関連を調べ始めるが…!? 人間の負の感情が連鎖する、禍々しき復讐劇の幕が開く!!
|
原作 | みつちよ丸 |
作画 | 佐藤祐紀 |
出版・掲載 | 集英社 / 少年ジャンプ+ |
連載 | 2019年12月29日~2022年2月6日 |
巻数 | 全6巻 |
ジャンル | ホラー / 心霊 |
おすすめ度 |
本作は2017年~2018年に連載された「生者の行進」の続編。第一作目は、みつちよ丸先生が原作作画ともに担当されていましたが、続編となる「生者の行進 Revenge」は原作担当として参加。そのため、佐藤祐紀先生が作画を引き継いでいるので前作とガラッとタッチが変わります。
本作の主人公はいじめを受けている少女・玉木理華。前作、除霊師として登場した神原省吾が副担任として赴任したのをきっかけに自分が憑りつかれていたことを知ると、悪霊によって犠牲者が続出し…。
何といっても本作の魅力は画力の高さと容赦のない悪霊の猟奇的な殺人。普通に死人が出ることもあれば、ギリギリで助かることも。コメディ要素は少なく、物語としてのホラーを楽しみたい方におススメです。
なお、一作目を読んでいなくても充分に内容を理解できますが、機会があれば一作目と合わせて読んでみるとより面白いです。
▼ 漫画を読む ▼
黒乃さんはオカルトが好き!
~あらすじ~
怖がりだけどオカルト大好きな少女が、恐怖スポットを探索!伊藤潤二氏推薦の青春ラブコメ!
男子高校生・悠木は、ネットで知り合った謎の少女・黒乃に連れ出され、興味が無いのにオカルトスポットを探索する事になってしまう。きさらぎ駅、チュパカブラ、呪いの家、因習村……。悠木を恐ろしいオカルトの世界に連れこむ黒乃だが、実は彼女はメチャクチャ怖がりで――。 |
作者 | クサダ |
出版・掲載 | 幻冬舎コミックス / バーズコミックス |
連載 | 2024年2月16日~ |
巻数 | 既刊1巻(2025年時点) |
ジャンル | ホラー / 都市伝説 / コメディ / ギャグ |
おすすめ度 |
「黒乃さんはオカルトが好き!」は、オカルト大好きなちょっと怪しい残念美人の黒乃さんがさしてオカルトに興味のない悠木を誘ってオカルトスポットを巡るという一話完結型のギャグ・コメディホラー。
何といっても黒乃さんは大のオカルト好きでありながら大のビビり。オカルトを確かめるのは決まって昼間という型破りから始まり、少しの物音でもビビり倒す小心者です。
本作では幽霊や都市伝説といった怪奇現象は起きないものの、黒乃さんが勝手にオカルトと決めつけて勝手にビビる姿を楽しむ内容となっていますが、黒乃と悠木の青春ラブコメも展開…?
▼ 漫画を読む ▼
スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ
~あらすじ~
大学生の”欲”が呼び込む青春怪談――。
飲み会、サークル探し、恋愛……。”花の大学生活”に忙しい新入生・千嵐まひなは、立ち入った廃墟で、ある夜、幽霊に取り憑かれてしまった。夜ごと「犯される悪夢」に苦しむようになった千嵐は、救いを求めて学内の”専門家”間九部薫を訪れる。それこそが、欲望と恐怖に満ちた大学生活のはじまりだった――…。 |
作者 | 永椎晃平 |
出版・掲載 | 講談社 / ヤングマガジン |
連載 | 2022年~2024年 |
巻数 | 全8巻 |
ジャンル | ホラー / 心霊 / お色気 |
おすすめ度 |
「スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ」は、大学生の欲が呼び込む怪談がテーマであり、花の大学生活に潜む欲望と恐怖に巻き込まれるといった今までないホラー漫画。
主人公の千嵐まひなは新入生として花の大学生活を満喫。勉強もそこそこに飲み会やサークルにバイトと自堕落な日々を送りますが、毎度のこと怪異を引き寄せる体質のようで、幽霊に憑りつかれてしまいます。そんな彼女のお助け要員となるのが学内にいるこの手の専門家・間久部薫。
まひなは間久部を頼ることで怪異から身を守りますが、凝りもせず、また新たな怪異を引き寄せては間久部を頼るという、一種のドラえもん形式が樹立。高い作画能力、可愛いヒロイン、恐ろしい悪霊と怪異が混在する新感覚のホラー漫画ですが、青年誌なのでお色気が強めの印象です。
また、一話完結式ではなく、一つの怪異に対し3~5話を消費するやや長編式で普通に死人が出ることもあり、物語要素を含んでいます。
▼ 漫画を読む ▼
地獄先生ぬ〜べ〜
~あらすじ~
この世には目に見えない闇の住人達が、時として牙をむいて君達を襲ってくる…。だが、そんな奴らから君達を守る正義の使者がいる。あらゆるものを無に帰す力を宿した「鬼の手」を持つ鵺野鳴介は、子供達から「ぬ〜べ〜」と呼ばれて親しまれる日本で唯一の霊能力教師。普段は頼りないが、子供達を悪霊から守るために命を懸けて戦う!!
|
原作 | 真倉翔 |
作画 | 岡野剛 |
出版・掲載 | 集英社 / 週刊少年ジャンプ |
連載 | 1993年38号~1999年24号 |
巻数 | 全31巻(単行本) 全20巻(文庫版) |
ジャンル | ホラー / 心霊 / コメディ / アクション / お色気 |
おすすめ度 |
「地獄先生ぬ〜べ〜」は、霊能力教師こと鵺野鳴介が持ち前の霊力を使って妖怪や悪霊から童守小学校の生徒たちを守るホラー×アクション漫画。
少年ジャンプの系譜であるバトル要素を組み込んだホラー漫画であり、鵺野鳴介は左手に封じ込められた「鬼の手」を使って強力な悪霊や妖怪たちを撃破するといったアクション要素が強い作品。一方で、トイレの花子さんなどの年代でも有名な怖い話や都市伝説などと対峙することもあり、当時の読者にトラウマを植え付けるしっかりとしたホラーも描いています。
本作は教師が主人公であり、問題事を持ち込むのは基本生徒。そのため、教師目線で教え子を正しく導くという道徳を解く部分もあり、理想的な教師像を抱く読者も多いです。
その反面、小学生が主であるものの、当時の規制の緩さもあり過剰なお色気シーンも多いため、未読の方はそのあたりの要素に注意する必要があります。
▼ 漫画を読む ▼
※登録前に必ず該当作品の公開情報をご確認ください。
![]() |
保健室の死神
~あらすじ~
保健室の養護教諭として常伏中学に赴任してきた派出須逸人。顔が怖い事でみんなから恐れられている彼にはある目的が…、それはヒトの心に取り憑いて悪事を働く存在「病魔」を倒し、生徒達を守る事であった!
|
作者 | 藍本松 |
出版・掲載 | 集英社 / 週刊少年ジャンプ |
連載 | 2009年~2011年 |
巻数 | 全10巻 |
ジャンル | ホラー / 都市伝説 / コメディ / ギャグ |
おすすめ度 |
「保健室の死神」は、常伏中学校に新しく赴任した養護教諭・派出須逸人(通称・ハデス)を主人公とした学園ホラー×ギャグ漫画。
白髪で眉毛がほとんどない変わった出で立ちの養護教諭の赴任に浮き立つ学内。そんな中、見た目からして不気味がられている保健室に明日葉郁、藤麓介、美作蓮太郎の三人が利用者第一号になると、ハデス先生が「病魔」と呼ばれる怪異を退治する場面に立ち会い、学校に巣食う「病魔」による問題を解決いていくという数話完結型の物語になります。
本作で「病魔」と総称されているものは怪異のような存在。問題を運んでくる生徒と、生徒に憑りつく病魔をハデス先生が倒すといったアクション要素が主ですが、だんだんとギャグ路線に走る稀有な漫画です。
▼ 漫画を読む ▼
Another
~あらすじ~
26年前、夜見山北中学にミサキという生徒がいた。一年生の頃から周囲の人気者だったが、クラス替えで三年三組になったミサキは急に事故で死んでしまう。だが、人気者の突然の死を受け入れられない同級生たちは‘ミサキは生きている’フリをし続けた。ところが卒業式の日…、集合写真に実際にはいるはずのないミサキが写っていたという…。そして――。
|
原作 | 綾辻行人 |
作画 | 清原紘 |
出版・掲載 | 角川書店 / ヤングエース |
連載 | 2010年4月3日~2011年12月3日 |
巻数 | 全4巻 |
ジャンル | ホラー / 呪い / ミステリー |
おすすめ度 |
「Another」は、主人公・榊原恒一が両親の都合で母の実家に身を寄せ夜見山北中学校に転入したところから始まるホラー×ミステリーを合わせた作品であり、原作は小説。
夜見山北中学校の三年三組にはとある言い伝えがあります。今より26年前、学力優秀スポーツ万能そのうえ性格までも良い人気者のミサキという生徒がいましたが、クラス替えで三年三組になった際に急な事故で他界。クラスメイトはミサキの突然の訃報を受けて泣き崩れますが、誰かが「ミサキは死んでなんかいない。今もほら、ここにいるじゃないか──」と言い出したのを発端に人気者の死を認めたくない三年三組はミサキが「生きているフリ」をし続けるようになりました。
しかし、卒業式の写真にいるはずのないミサキの姿が──。
それから三年三組には厄災が起きる年にはクラスの人数が一人増えているという現象が続いたため、三年三組は予め「いないもの」を作り元の人数に調整するという対処法を講じていましたが、本作では今年の災厄を回避するために見崎鳴が選ばれ「いないもの」として扱われています。
しかし、今年は榊原恒一の転入も合わさり続々と犠牲者が出てしまい、恒一と鳴は元凶である増えた生徒を見つけるため三年三組の謎を解いていく──というミステリー要素も含まれたホラー作品となります。
2012年には水島努監督によってアニメ化。
▼ 漫画を読む ▼
※登録前に必ず該当作品の公開情報をご確認ください。
![]() |
カラダ探し
~あらすじ~
友人の遥から「私のカラダを探して」と依頼された明日香たち。それは、学校に伝わる‘赤い人’の怪談を予感させるものだった――。早くすべてのカラダを見つけなければ、永遠に同じ日が繰り返され、何度も‘赤い人’に殺されると言うが…。
|
原作 | ウェルザード |
作画 | 村瀬克俊 |
出版・掲載 | 集英社 / 少年ジャンプ+ |
連載 | 2014年9月26日~2017年12月8日 |
巻数 | 全17巻 |
ジャンル | ホラー / 心霊 / 呪い |
おすすめ度 |
「カラダ探し」は、小説投稿サイト発祥およびケータイ小説が書籍化されたのが基であり、漫画版はこれを原作とした物語となります。
県立逢魔高校に古くから語られる「赤い人」の怪談。赤い人は放課後の校舎に一人になった生徒の前に現れ、赤い人を見た者は校門を出るまで決して振り返ってはならない。振り返った者は体を八つ裂きにされて校舎に隠されると言い伝えられています。
ある日、三神遥が6人の男女に「私のカラダ探して」と頼み、6人は「カラダ探し」に巻き込まれることになります。赤い人に殺された生徒は翌日皆の前に現れて頼み事をし、頼まれた者は強制的に「カラダ探し」に参加させられ、「カラダ探し」の最中に現れる赤い人から逃げ回りながらカラダを探さなければなりません。
「カラダ探し」に巻き込まれた6人は0時になるとなぜか校舎に連れてこられ、赤い人から逃げ回りバラバラにされた三神遥の体のパーツを集めさせられますが、赤い人に捕まると殺されてしまいます。その方法は八つ裂きなど凄惨なものが多くグロテスク。しかし、「カラダ探し」中は死んでも死ねないというルールがあるため、クリアするまで毎晩「カラダ探し」に参加し続けることになるという恐怖系ホラー漫画となります。
2017年~2019年には続編「カラダ探し 解」が。2022年~2023年には「カラダ探し 異」が連載されています。
▼ 漫画を読む ▼
まとめ
- 見える子ちゃん
- 都市伝説先輩
- 裏バイト:逃亡禁止
- 生者の行進 Revenge
- 黒乃さんはオカルトが好き!
- スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ
- 地獄先生ぬ〜べ〜
- 保健室の死神
- Another
- カラダ探し
以上「おすすめのホラー漫画10選」の紹介でした。
平成以降もホラー漫画は定期的にヒットしますが、昭和作品と異なり本格的なホラーだけで描かれた作品は少ない印象。ホラー+ギャグ、もしくはホラー+美少女、ホラー+お色気といったものが定番のように思えます。
とはいえ、ホラーと何かを掛け合わせた作品も面白いものが多いですね。純粋なホラー作品との棲み分けはできているように思えます。