漫画「名探偵コナン」に登場する黒の組織の№2のラム。
ラムの名前が登場したのは85巻「緋色シリーズ」のエピローグですが、約20巻越しにようやくコナン達が脇田兼則の正体がラムであることに辿り着くことになりました。
今回は脇田兼則=ラムの正体発覚と正体に辿り着いた伏線回収についてご紹介したいと思います。
脇田兼則=ラムの正体発覚で逃亡?正体に気付いた伏線回収や逃亡までのあらすじとは
引用元:青山剛昌『名探偵コナン』 出版:小学館
脇田兼則とは、ちょび髭を生やした出っ歯と左目に眼帯を付けているのが特徴の中年男性で、現在はいろは寿司の板前として働いています。
作中では推理好きな性格から毛利小五郎の弟子入り(安室が一番弟子、脇田は二番弟子)しており、何度か事件にも遭遇し、安室とも顔を合わせています。一人称は「アッシ」で、日常会話は江戸弁。初登場時は同タイミングで投入された黒田兵衛や若狭留美と並びラム候補として疑惑をかけられていました。
しかし、ラムの正体自体は100巻収録「FBI連続殺害事件」のクライマックスにて、いろは寿司の脇田兼則に変装する姿が描かれたことにより読者にのみ脇田兼則=ラムという事実が明かされるものの、コナンやFBIなどの登場人物は依然として脇田兼則=ラムである事実に気付いていない状況が続いていました。
では、どのような経緯で脇田兼則の正体が黒の組織№2のラムと気づいたのでしょうか。
脇田兼則=ラムに気付くきっかけの事件
引用元:青山剛昌『名探偵コナン』 出版:小学館
脇田兼則の正体がラムと気づくきっかけとなったの「混沌シリーズ(108巻1147話~1150話)」。
事の発端は歩美の「おじいさんに怒鳴ってる怪しい男の人を見た」という発言。その人物の正体は現在は死んだ者として扱われているFBIアンドレ・キャメル捜査官であり、たまたま出会った耳の遠い迷子の外国人のおじいさんを米花駅まで送ってあげていた場面を見られていました。
調査のために訪れた探偵団に事情を説明するキャメルですが、不運にも近くのアパートで起きた殺人事件に巻き込まれると、被害者宅にいろは寿司から出前にやってきた脇田兼則と遭遇することになり、顔を合わせた両者はどこかで会ったことがあると既視感を抱くことに。
脇田が事件現場に現れた理由はコナンの動向が気掛かりだったため偶然会ったフリをして探りを入れるつもりでこの区域の出前を引き受けたからであったため、キャメルと遭遇したのは偶然になります。しかし事件解決後、キャメルがドアを開けると向こう側にいた脇田に当たったために発言した「危ないからドアの前になんかに…いちゃダメですよ」という台詞をきっかけに、両者は2年前の取引の現場での出来事(キャメルが老人に声をかけたことで組織の逮捕に失敗し、潜入していた赤井秀一の正体がバレてしまった件)を想起させ相手の正体を思い出すのでした。(※58巻FILE.10、100巻FILE.8)
なお、脇田の登場で灰原が組織の匂いを感じ取り体調不良になったため、探偵団は灰原の付き添いで近くの公園で休むことになりますが、脇田は灰原の姿を見て声をかけようとしたところ、コナンに話しかけられたのでそのまま見送ります。
キャメル捜査官と脇田兼則の不測の遭遇
引用元:青山剛昌『名探偵コナン』 出版:小学館
キャメルの言葉をきっかけに互いの正体に感づく両者。
キャメルは、黒の組織に潜入していた赤井と組織の幹部との待ち合わせ場所にいた老人の姿と目の前の脇田の姿を重ねると少し顔は変えているものの顔立ちや組織の№2が『義眼』という特徴から脇田兼則=ラムに確信を持ちます。
一方で、ラムの方も当時話しかけてきたFBI捜査官の顔を鮮明に思い出し目の前のキャメルに重ねると、その面影から「FBI連続殺害事件」編で死亡したはずのキャメルの生存に疑念を抱くことに。(※100巻FILE.7)
キャメルはこの場所を早々に立ち去って赤井と連絡を取ろうと考えますが、ラムの周囲には常に警護の者が数人待機しており、事件現場となったアパート周辺にも何人もラムの部下が待機している状況でした。
そのため、ラムは警察が立ち去った後にキャメルを拉致し彼の生存理由と赤井秀一の生死の真実を聞き出そうと企んでいました。
キャメル捜査官の拉致失敗
アパートの殺人事件解決後、キャメルは一度家に帰り着替えてから警察署に向かうと話をつけると、目暮警部ら警察は犯人をパトカーに乗せて現場を去ります。
そして、警察が立ち去った後でキャメルが脇田から離れて赤井に連絡を取ろうとしたところ、ラムの指示(襟に付けた通信機から指示)で部下が電波ジャミングを仕掛けアパート周辺の電波を遮断。圏外となったキャメルは連絡が取れなくなると、キャメルの目の前に黒塗りのバンが停車します。
しかし、組織とは関係ないアパートの住民がキャメルに声をかけると、まさかの本日二件目(それも同じアパート)の殺人事件に巻き込まれることになり、ラムは部下に一旦移動して電場妨害したまま周辺で待機するように命じます。
なお、コナンもパトカーに乗らずに現場に残ったままだったので、再び通報を受けて戻ってきた目暮警部達と顔を合わせると、白鳥警部に「しかし君は本当によく殺人事件に遭遇する子だね…」と呆れられるほか、千葉刑事に「ちなみに今日、2事件目だけど…」とメタ発言される模様。
殺人事件の謎解き中、ラムは警察に気取られないよう電波妨害を中断させる一方で、キャメルにFBIの仲間に連絡を取られるとまずいと考えますが、キャメルが取り出したスマートフォンが一昨日発売された新機種であり、未だに着信が着ていない素振りから契約したばかりだと推測すると、事件解決後にキャメルが警察から解放された時に拉致を決行すると指示します。
ラムが早く事件を解決させようと見つけた証拠をコナンに知らせますが、コナンは犯人が分かっても推理役に容疑者であるキャメルが使えず、白鳥・佐藤・千葉刑事を眠らせて推理ショーをするにもリスクが高いという状況に加え、警戒している脇田の注意を逸らせる方法も思い浮かばず手詰まり状態に。
しかし、ここで思わぬ人物──若狭留美がアパートに現れるのでした。
若狭留美と脇田兼則の不測の遭遇
引用元:青山剛昌『名探偵コナン』 出版:小学館
殺人事件が起きたアパートの部屋の前で顔を合わせることになった脇田(ラム)と若狭。
挑戦的に探りを入れたのは若狭であり、若狭が「あらそのお声…聞いた事があるような…。どこかでお会いしたかしら?お寿司屋さん?」と訊ねると、脇田は会った覚えはないと否定するも、内心では若狭が17年前のアマンダ・ヒューズのボディガードをしていたレイチェル・浅香だと確信を抱くとともに、羽田浩司の部屋を訪れた際に自分の声を聴かれていたことにも気づきます。(※104巻FILE.5)
若狭は左目の眼帯についても質問すると、脇田は酷いでき物ができたと述べると共に「なんなら見てみやすか?」と返しますが、若狭は「ええ是非!そういうの私、平気なので!」と前のめりで迫り、両者は一触即発。
実は若狭がここを訪れたのは道端で探偵団と遭遇し事情を聞いたからでしたが、幸運にも若狭のおかげで脇田の注意を引けることとなり、その間にコナンは事件解決に尽力。一方で、脇田は出前の途中だと現場を離れようとしますが、若狭は脇田の肩を力強く掴むと「せっかくだから事件が解決するまで見て行きましょうよ、お寿司屋さん?」「それに貴方…こちらの事件の遺体発見時にもいたんでしょ?だったら後で警察の方に何か聞かれるかもしれませんよ?」とその場に留まらせます。
脇田兼則=ラムの逃亡
引用元:青山剛昌『名探偵コナン』 出版:小学館
本日2件目の殺人事件が解決した直後、キャメルと連絡が取れないことを察した赤井の指摘でジョディ捜査官がキャメルを探して車を走らせていると、コナンらがいる事件現場アパート前にパトカーが停車していたことから、まさかキャメルが事件に巻き込まれているのでは──と考え近くに停車し様子をうかがいます。
その一方で、若狭は脇田の肩を掴んだまま「警察が引き上げたら私ともう一手…指してくれますよね?」と微笑むと、脇田は不自然に歯と歯を噛んで「カチ、ギシ、カチカチ、ギシギシ──」と音を鳴らす行動。若狭が音に気付くもやや遅く、その音はモールス信号を意味しており、通信機越しに合図を受け取った部下が車を猛スピードで走らせアパートの塀に激突させると、コナンや若狭、警察が突っ込んできた車に気を取られている隙に脇田は若狭の拘束(肩を掴んでいた)から抜け出し反対側の塀を越えて逃亡するのでした。そして、車道に待機させていた部下の車に乗り込みそのまま現場から逃走します。
また、塀に突っ込んだ車は無人であり、手掛かりも残していません。
この時、若狭は車道に出て逃げる脇田の車を確認しますが、キャメルも騒動に乗じて同じく敷地外の車道で待機し様子をうかがっていたジョディ捜査官の車に駆け込んでおり、若狭とジョディはすれ違う形で一瞬だけ互いを視認する模様。
ラムの撤退
引用元:青山剛昌『名探偵コナン』 出版:小学館
キャメルはジョディと合流後すぐに脇田の正体がラムである確率が高いことを話すと、夜、体勢を整えていろは寿司へ訪問し、店主に脇田兼則について訊ねますが、脇田は出前に行ったきり戻ってこないと言います。
そのため、一度店前に停めていた車の前に戻り立ち話をする二人。ジョディはアパート前で見かけた若狭についてキャメルに質問すると、彼女が帝丹小学校の教師であることを知りますが、疑念を持ちます。
しかし、車の前で立ち話をしている二人を双眼鏡で覗き見る人物が。その人物はアパートから逃走した脇田──ラムであり、ラムは部下が操縦するヘリコプターからいろは寿司前にいるジョディとキャメルを監視しており、すでに二人を狙撃できる場所にキャンティとコルンを配置させていました。
しかし、ラムが合図を出す直前にジョディとキャメルのもとに第三者が現れたのを確認。その人物はフードを深く被っているものの、赤井秀一が扮装する沖矢昴であり、昴が双眼鏡で覗くラムへ視線を向けると、ラムはかつて自分の左眼を奪った赤井務武をフラッシュバックさせます。死んだはずの男の姿を連想させたフードの男の正体を確かめようとするラムですが、昴は独特の動きでキャンティとコルンの狙いから逸れるため狙撃できず。
そんな中、昴が停車させていた車に乗り込んだため、ラムは車内にいると思われるFBI捜査官でリーダーでもあるジェイムズ・ブラックに指示を仰いでいるのだろうと予測しますが、後列に駐車された車からジェイムズが降りてきたため予測は外れ困惑。ラムは双眼鏡越しに『じゃあ誰なんだ!?車の中にいるのは…何者なんだ!?』と汗を浮かべますが、車の中にいたのは江戸川コナンでした。
こうしてFBIの狙撃も難しいと判断したラムはキャンティとコルンにも撤退の指示を出し、自身もヘリコプターでその場から姿を晦ませることになります。
コナンが脇田兼則=ラムと特定した理由
車の中で密会する昴とコナン。ここで昴はコナンに脇田が黒の組織の№2のラムだと確信した理由を訊ねます。
1. 江戸弁
江戸弁を話す人は「ひ」の発音が上手くできない人が多いらしく、年長者ほどそれが著しい。元太の父・小嶋元次も江戸っ子ですが「昼飯」の事を「しるめし」と述べており(※63巻FILE.8)、対して脇田は「昼飯」の事を「ひるめし」としっかりと発音していたため江戸っ子のフリをした人物と疑念を抱くきっかけとなります。(103巻FILE.9)
2. アナグラム
キャメルが黒の組織から得た『ラムは顔を変えてふざけた名前を使っている』という情報と(※100巻FILE.7)、平次の『ふざけた名前っていったらアナグラムじゃないか』という発言のヒントを得て(※100巻FILE.11)、まずアナグラムにするなら元の自分の名前か好きな言葉を使用すると思いつきます。
安室から『ラムはせっかち』と情報を得ていたため(※97巻FILE.4)、『せっかち』から時間を無駄にするのを戒める言葉を思い浮かべると一番有名な『タイム・イズ・マネー(時は金なり)』を連想し、それをローマ字にして母音と子音をバラして並び替えると『TOKIWA KANENARI』→『WAKITA KANENORI(脇田兼則)』になります。
3. 灰原センサー
ここまでの推理でも脇田=ラムに絞ることは可能ですが、コナンが確信に至ったのは灰原特有の組織の人の気配が分かるという感覚にありました。今回、アパートで起きた殺人事件を機に灰原と脇田は初めて対面した(すれ違った)わけですが(※108巻FILE.1)、ここで灰原はセンサーが働き体調を崩しています。
コナンはその様子を見ていたため、脇田=ラムを確信に変える要素となりました。
脇田兼則=ラムのその後の動向
引用元:青山剛昌『名探偵コナン』 出版:小学館
アパートの殺人事件を契機に脇田はいろは寿司に戻らず完全に撤退しているようですが、続く新聞記者の小笠原僚也が殺害された「写真に隠された秘密」の最後に登場しています。
この事件は俳優の堂本強介が「ホテル連続爆破事件」で起きた非常ベルの誤作動で外に避難した際に女優の舟本りあると一緒にいたところを記者の小笠原に写真に撮られてしまい、その不倫現場の証拠写真をネタに脅されていたことに起因します。
一方で、この時の写真には近藤議員と泥参会(暴力団)の毒島桐子とその舎弟達が一緒に移っているところも激写されていたため、小笠原は反社会的勢力に関わる写真なので命を狙われるリスクを加味し公開していませんでした。
ですが、今回小笠原が殺害されたことで、小笠原が生前に知り合いの記者に『もしも自分と連絡が取れなくなったらこの記事をアップしてくれ』と頼んでいたため、知り合いの記者により写真と共に近藤議員と泥参会の交際記事が公開され大衆の目に止まることになりました。
しかし、ここで予想外の影響を受けるのが世良一家であり、「ホテル連続爆破事件」での避難写真には世良とAPTX4869で幼児化したメアリーが写り込んでおり、この記事を読んだラムの目にメアリーの姿が止まることになります。
ラムはすでにAPTX4869に若返り効果があることを予想していましたが、メアリーの姿を見て幼児化作用をほぼ確信に変えると、同じ毒薬を飲みながら死んだ者と若返った者の条件を突き止める方向に舵を切ります。
そのため、現在APTX4869で幼児化しているメアリーや、動向を怪しまれているコナン、そしてアパートですれ違いざまに声を変えようとした灰原を標的に監視或いは時期を見て接触する可能性が考えられており、一方でコナン側(FBI)もラムの顔と声を知ったことから次に相対する時が本番であると覚悟を決めています。
まとめ
以上「脇田兼則=ラムの正体発覚と正体に辿り着いた伏線回収」についての紹介でした。
約20巻越しにようやくコナンとFBIは脇田兼則=ラムに辿り着きましたが、ちゃんとコナン達がラムの正体に気付ける伏線が張られていました。とはいえ、黒田や若狭、それにキャメルが脇田の顔を見れば一発で判明していたことであり、灰原がすれ違っていれば答えは出ている問題でしたが、それでも近い内にラム編に終止符が打たれそうです。
また、まだラムが撤退しただけですが、むしろラムがAPTX4869の幼児化作用に気付いてしまったので、いよいよあの方の登場にも近づいたように思えます。
あの方の登場までにAPTX4869で幼児化したコナン・灰原・メアリーのピンチが訪れそうですが、ラム編がどのような決着に落ち着くのか注目です。
![]() |
名探偵コナン 108巻 青山剛昌(著) |
|
![]() |
名探偵コナン 1巻 青山剛昌(著) |
|
![]() |
名探偵コナン グッズ | |
![]() |
名探偵コナン TVアニメ | |








-191x300.webp)
-191x300.jpg)

