2017年9月から連載されている『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』では、京都編で登場した十本刀が再登場しています。
十本刀の生き残りの一人・刈羽蝙也(かりわ へんや)は、志々雄一派壊滅後、政府と司法取引し飛行能力を活かした偵察任務に就いており、今回、北海道にて剣心の仲間として行動しています。
そんな中、蝙也は北海道編の敵組織・剣客兵器の一人と戦い命を落とすことに。
今回は刈羽蝙也の再登場・死亡・最期についてご紹介したいと思います。
刈羽蝙也(かりわへんや)の再登場・過去・死亡・最期について
引用元:和月伸宏『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』 出版:集英社
明治16年、北海道で活動する武装集団「劍客兵器」に対抗するため、斎藤一が元十本刀の面々を招集しました。招集メンバーは沢下条張・本条鎌足・刈羽蝙也の3名であり、後に行方知らずの瀬田宗次郎や、囚人となっていた悠久山安慈も戦力に加えられます。
斉藤は蝙也たちの招集において条件を明示。逃亡や裏切りは死罪である一方で、任務を全うすれば志々雄事件に関する罪をすべて不問とし、自由の身になったうえで「希望を一つ叶える」と約束しました。蝙也が望んだのは「新型飛行機器の研究開発」であり、空を飛ぶことへの強い執着が彼の参加動機になっています。
その後、北海道函館の碧血碑前で剣心一行と合流し、劍客兵器との戦いに加わります。五稜郭での衝突では、安慈とともに警官たちの救援に駆けつけ、飛空発破を披露。本編では弥彦に負ける体たらくでしたが、本作では上空からの支援・偵察で本来の実力を発揮した立役者の一人となり、戦闘よりも偵察・妨害の役割において有能な面が描かれています。
蝙也の負傷
五稜郭での戦いの後、四乃森蒼紫指揮のもと函館山山頂に築かれた劍客兵器の砦襲撃作戦が進められる一方で、蝙也は劍客兵器『飛號』から受けた攻撃で全身打撲の上両足骨折の重傷を負うばかりか、飛翔に必要な羽根も損傷。
蝙也は臨時療養所で静養中ですが立ち上がることも困難な状態。それでも羽根を求めて立ち上がる姿を見て、十本刀は彼を作戦から外すために説得しますが、蝙也は高荷恵から治療をすれば治るとは言われたが飛べるとは言われなかったと述べ、自分の感覚から治療を受けても期限までに飛べるかどうかはわからないと独白。加えて、北海道の空はとても高くより間近で見てみたいと、空を飛ぶことへの執念を見せるのでした。
蝙也の執念に負けたようで、張と鎌足は説得を止めて復帰への後押しをすることに。彼の身を案じる安慈もまた、蝙也が自分の信念の下で参戦を継続するのならと、蝙也の説得を諦めました。
蝙也の過去
引用元:和月伸宏『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』 出版:集英社
幼少期の蝙也(本名:刈羽蓮也)は生まれつき体が思うように動かず日中を臥せて過ごす病弱な子供でした。
毎日高さ六尺六寸の天井を眺めていましたが、兄は刈羽の家紋入りの凧を土産に持ち帰ったり、母は先生が処方してくれた薬を渡す傍ら完治したら一緒に料理をしたいと述べ、父はいつか一緒に遠出がしたいと痩身でも丈夫な体になれる天竺の秘術瑜伽の極意書を見せる──など、家族に愛されていました。
しかしその一方で、蝙也が寝込んでいる背景で家族は彼のことで喧嘩。痛みを訴えれば父の本のせいだ、熱を出せば母の薬のせいだ、兄は自分が家督を継ぐから蝙也に期待をかけるのはやめろ──と、言い争う日々でした。
そんなある日、蝙也は喉の渇きを潤すために一人井戸へ向かうと支柱が壊れた拍子に井戸底へと転落。幸い下は水場で即死はしませんでしたが、暗い井戸底に浮かぶ蝙也はここで『死』を意識し、死にたくないと思う一方で、この体では欲しいモノも行きたいトコロもしたいコトもなくただ天井を眺めるだけで生きていても意味はないと諦めてしまいます。
しかし、ふと耳を傾けるとそこには蝙蝠の姿が。蝙蝠は井戸底から空へと羽ばたくと、蝙也は井戸底から空を見上げて初めて空の高さと遠さを知るのでした。
これが蝙也が空に憧れ執着する原点となりました。
刈羽蝙也vs.龍勢勇星|蝙也の死亡と最期
引用元:和月伸宏『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』 出版:集英社
蝙也の死亡が描かれたのは第66話「乗ると切る」、第67話「イドノソラ」です。
劍客兵器の砦襲撃作戦実行の朝、劍客兵器樺戸襲撃隊の飛號・龍勢勇星(タツセ ユウセイ)が函館市役所目掛けて山頂からミサイルを発射。少数精鋭が砦に向かう中、市役所に残ったメンバーは避難を始めますが、ここで活躍したのが蝙也。
蝙也は完治していない体とボロボロの羽根の状態で飛翔し空中でミサイルを迎撃し街を救います。その飛距離は過去一番の高度であり、蝙也は『目障りだ。俺が高く飛ぶのを邪魔するな』と睥睨。ミサイルを迎撃された勇星は『死にぞこないのクソ蝙蝠風情が調子に乗るんじゃねえッ』と歯噛みします。
勇星は即座に二発目・三等級劍星(炸薬満載の葡萄爆弾)を発射すると、蝙也は錐揉み降下しつつ幾重にも連なる爆薬に引火し爆発を引き起こす飛空発破爆炎陣を弾幕のように発生させ、葡萄爆弾を全て空中で迎撃し街を守ります。
その最中、四乃森蒼紫指揮のもと少数精鋭が山頂砦に討ち入りすると、蝙也も山頂砦へ向かおうとしますが、彼に対抗意識を燃やした劍客兵器・龍勢勇星が飛翔し空中で対峙。蝙也は高速の衝突を躱してダイナマイトを使って体勢を整えると、両者は幾度か空中で爆撃の応酬を繰り返します。
しかし、勇星の飛翔は棒火矢を起用した戦術であり、機動力や速度において、風に乗るだけの蝙也より空中戦は格段に上。近距離に接近すると小型ミサイル型「天狗星(短剣のようなもの)」を撃ち込み、蝙也は地上へと落ちていくのでした。
決着
被弾し落下する最中、蝙也は自身の原点を回想すると意識を取り戻し再び飛翔。
勇星は自分を追い越して高く飛翔する蝙也に向けて再度「天狗星」を放つと、蝙也は特に回避することもなく羽や四肢に被弾しながらも自身で発破を使い更に高度を高くしていきます。自身よりも高く昇る蝙也に対抗するように、勇星もまた『天下人(背中に背負う飛行装置型)』を使い急上昇。
勇星は蝙也の発破をものともせず圧倒的な機能差で再び頭上から見下しますが、蝙也には彼の挑発は聞こえておらず、ただより高く飛ぶためにかつて戦った明神弥彦のような軽量さを求め自らの両足を切断。
一方で勇星の『天下人』は燃料の四分の一が尽きたため決着を急ぎます。
蝙也は発破を使って上昇を始めると、勇星は腕に仕込んだ『星飛礫』で迎撃に出ますが、両足を斬り落とし身軽になった蝙也は勇星の目測より速く上昇し背後を取ります。振り向いた勇星は、彼が足を斬り落としたことに気付き「バカか!?着地出来ねえじゃねえか!?」と驚愕しますが、蝙也は「足など要らん。飛ぶのに問題ない」と吐き捨てると、至近距離で発破。
この爆発により勇星は撃破されてしまうのでした。
蝙也の死亡と最期
引用元:和月伸宏『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』 出版:集英社
勇星を撃破した蝙也ですが、自身も至近距離の発破の爆風に巻き込まれて飛ばされてしまいます。
その意識のはざま、蝙也は自身の人生を振り返ることに。父・母・兄は自分には過ぎるほど優しい人達だった、曲者揃いの十本刀は自分にお似合いで悪くなかったと自身によくしてくれた家族や仲間への想いを綴ります。
その一方で、道を踏み外した原因は自分にあると猛省。あの日──、幼少期に転落した井戸の底から『高く遠い遥かな空へ飛ぶための蝙蝠の羽根が欲しい』と願ったこと、どうしても『あの時に見上げた夜空に行ってみたい』と願った自身の身勝手な我儘であると綴ります。
しかし、蝙也は爆風にのまれてそれらを独白する最中に、自身がずっと憧れていた星の世界に辿り着いていることに気付くと、満ち足りた表情を浮かべるのでした。
一方で、地上で砦襲撃作戦実行の安慈と張、市役所で護衛についている宗次郎、療養中の鎌足は、互いに違う場所にいてもふと静かになった空を見上げます。そして張が「…行ってもうたな」と零すと、安慈が「ああ…多分二度と帰って来ない」と述べるのでした。
蝙也は死亡した?
北海道編は休載を挟むことが多いため蝙也の生死については2026年10月時点で確定していません。
安慈が「多分二度と帰って来ない」と発言しているだけで、蝙也の遺体など明確な死亡描写はなく、斎藤一の件もあるのでこの戦いもしくは劍客兵器との決着次第で生死が確認される可能性もあります。
同じく勇星も発破による爆発に巻き込まれる描写はありますが、まだ生死については触れられていないので生存している可能性はあります。
まとめ
以上「刈羽蝙也の再登場・死亡・最期」についての紹介でした。
刈羽蝙也は、斎藤の招集に応じ「新型飛行機器の研究」を条件に劍客兵器との戦いに参加し、偵察や支援で活躍しました。しかし、函館山の砦攻防で龍勢勇星と空中決戦を繰り広げた結果、両足を犠牲にした軽量化で勝利を掴んだものの、爆風に乗ってどこかへと飛び立ったまま帰ってこない──という最期を迎えました。
一方で、空を飛ぶことにすべてを捧げた男が幼少期に見た星の世界に辿り着いた──つまり夢が叶ったとも読み取れる最期であるため、北海道編における印象的なエピソードの一つとなりました。
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るろうに剣心―明治剣客浪漫譚・北海道編― 和月伸宏 (著) |
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