38年前のゴッドバレー事件で壊滅したというロックス海賊団。
誰も止めることができなかった悪の進撃を食い止めたのが海軍中将ガープと海賊王ゴードル・ロジャー言われていましたが、エルバフ編の回想でその全貌が明かされました。
今回はロックスの死亡と最期についてご紹介したいと思います。
ゴッドバレー事件の真相|ロックスの最期と死亡の経緯
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
ロックス海賊団とは、海賊島ハチノスにて一つの儲け話のためにかき集められた個性の集団であり、若き日の白ひげやビッグ・マム、カイドウなどが在籍していました。その海賊団の船長がロックスであり、『世界の王』になるという野望を抱いていたロックスは世界政府に牙を剝く危険な思想の持主でした。
しかし、38年前のゴッドバレー事件でロックス海賊団は壊滅。誰も止めることができなかった悪の進撃を止めたのが海軍中将ガープと海賊王ゴールド・ロジャーの二人と言われています。
ただ、ガープは海賊と手を込んだことや天竜人を守ってしまったことからこの事件のことを語ることはなく、また、この事件は世界の禁忌に触れすぎたためにロックス海賊団に関する情報とともに歴史から跡形もなく消されてしまったため、ゴッドバレー事件やロックス海賊団について知る人物は少なくなっています。
ロックスの死亡は何話?
ロックスの死亡が描かれたのは第1166話「新しい物語」です。
エルバフ編で登場するロキの回想が第1152話から始まり、第1154話で当時のロックス及びロックス海賊団が登場。そして、第1160話で運命のゴッドバレー事件が始まり第1166話でロックスの死亡が描かれています。
ゴッドバレー事件の真相
38年前、ゴッドバレーで行われていたのは天竜人による《人間狩り》。3年に1度、天竜人達は政府非加盟国の中から資源豊富な島を選び先住民を皆殺しにするゲームを執り行っており、その年はフィガーランド・ガーリング聖によってゴッドバレーが選ばれました。
天竜人達は一部の捕まえた奴隷(希少種族や美女など)を大会の賞品とし、その他の先住民や奴隷は『脱兎(ラビット)』と点数をつけて狩り対決を行い、優勝賞品を奪い合うゲームを行っていたのです。
つまり、ゴッドバレーで行われていたのは天竜人による先住民一掃大会という名の侵略と虐殺行為であり、そこにロックス海賊団とロジャー海賊団、ガープ中将が集結し大乱戦となった事件になります。
ロックスがゴッドバレーに向かった理由
ロックスがゴッドバレーに現れたのは偶然ではありません。
物語の本筋としては当時海のアイドルと呼ばれていた九蛇海賊団の副船長シャクヤクが船長及び皇帝に即位するもすぐに退位し、海賊島ハチノスでバーを開店させますが、拉致されてしまい世界政府の手に。そして、先住民一掃大会の目玉賞品として出品させられます。
どこらかこの情報を手に入れたモルガンズ(当時子供)が海賊島やその他の海賊に情報を横流ししたことで、シャクヤクに夢中だったロックス海賊団やロジャー海賊団までもが彼女が天竜人達のゲームの賞品にされることを知りゴッドバレーに向かうことになりました。
しかし、これは表向きな理由。
実はロックスの本名はロックス・D・ジーベックではなく『デービー・D・ジーベック』であり、ロックスは偽名。伝説の海賊デービー・D・ジョーンズを先祖に持つ一族であり、世界政府がずっと抹消したい一族の出自でした。
そして、ロックスには2年前に子供が生まれており、万が一にも妻子に危険が及ばないよう故郷のゴッドバレーに送り届けていたのです。つまり、ゴッドバレーはロックスの故郷であり妻子を避難させていた島でもありました。
そのため、表向きロックス海賊団としてはゴッドバレーの賞金とされるシャクヤクの奪還・財宝の横取り・悪魔の実の強奪を目的に一致団結してゴッドバレーに乗り込んだわけですが、ロックスの目的ははなから妻子を逃がすこと一点であり、世界政府としてはロックス海賊団がゴッドバレーに現れたことは想定外でした。また、シャクヤクにつられてロジャー海賊団やその他の海賊団が来たことも想定外となります。
ロックスの最期と死亡の経緯
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
天竜人達による先住民一掃大会の最中に、ロックス海賊団・ロジャー海賊団・そのほかの海賊団が上陸したため、天竜人達を守る海兵や神の騎士団が出撃します。また、ロジャー海賊団が動いたという報告を受けたガープ中将が遅れて援軍として上陸したため、ゴッドバレーの島全域は戦場となりました。
ロックスvs神の騎士団
ゴッドバレー上陸後、ロックス海賊団はそれぞれ自由にばらけて好き勝手に暴れており、ロックスは妻子や一族を何とか見つけ出すことに成功。しかし、ガーリング聖率いる神の騎士団と会敵します。
この時点ではイムが直接手を下したのかは描かれていませんが、ロックス視点に切り替わった段階で彼に『親父』『ババア』と呼ばれる一族は黒転支配(ドミリバーシ)により悪魔化しており、神の騎士団と共にロックスを猛追。そのため、ロックスは妻子を担いで逃げている途中でした。
ロックスの戦闘力自体はガーリング聖を含めた神の騎士団を一人で相手にしても圧倒するものでしたが、彼らは不死の肉体を持つため傷はたちまち回復。また、一族を殺したくないこともあり島からの逃走を優先していました。
しかし、妻・エリスは自分達を担ぐのに片手が塞がったままでは追い払えないと判断すると、足手纏いにならないよう息子・ティーチを連れて自分の足で逃げ出します。去り際には「それぞれ生き延びてルルシアでまた会おうよ、ジーベック」と再会を約束するエリスの想いを受け、ロックスは妻子を逃がすために神の騎士団の足止めを行います。
本気を出したロックスは神の騎士団を一人で撃破。また、黒転支配(ドミリバーシ)で操られた一族もなくなく手にかけるのでした。
ロックスvsイム
神の騎士団を撃破したタイミングでゴッドバレーに轟く異常な覇気。
イムが現地にいたサターン聖の肉体を借りて顕現すると、サターン聖の蜘蛛形態に変貌し敵味方関わらず目障りな人間を無差別に排除開始。そして、イムとロックスが会敵するとイムは「お前だったとは…デービー・ジョーンズ」と発言。
ロックスは人違いだと前置きするも「しかし、約束は果たされるべきだ…」と意味深なことを返します。
その《約束》が世界政府にとって都合が悪いのかイムは「だから消すのだ、お前達を歴史から」と述べると、ついにロックスとイムの戦いが開始。その巨大な戦闘を前に、白ひげやビッグ・マムにカイドウ(カイドウはウオウオの実を奪って食べた)、ロジャーやガープまでも現場にやってくることになります。
そして、ロックス海賊団はともかく、仲間をやられたロジャーや海兵をやられたガープまでも目標は『イム(サターン聖)』に定め総攻撃を仕掛けますが、不死であるためダメージはほぼ皆無。覇王色のぶつかり合いの余波を受け、戦場では多くのモブが失神するハメに。
ロックスの悪魔化
イムは陽炎のように真っ黒な体を上空に伸ばすとデービー一族の女と子供が遠くの森を走っていることを確認し『解き放ってはならぬ有害な命』と発言します。ロックスはすぐに妻子のことだと気付くとイムに斬りかかりますが黒い影のような胴体を斬ってもダメージがないのか微動だにしないイム。
そんな中、イムは黒い影の触手のようなものを空中で身動きが取れないロックスの胴体に突き刺すと黒転支配(ドミリバーシ)を発動。ロックスに向けて「ヌシアが一族を根絶せよ……!!妻と子を惨殺せよ……」と命令します。
黒転支配(ドミリバーシ)を受けたロックスはみるみる内に悪魔化していきますが、並の人間以上に抵抗。薄らいでいく意識の中、「デービー・D・ジョーンズこそがかつての世界の王の名だ。お前はずっと恐れてたんだろ…?デービーの意志が受け継がれいつか約束を果たしに来る事を。どっちが恐い?デービー・D・ジョーンズ!!ジョイボーイ!!!」と発言。
しかし、イムが力を強めるとたちまち悪魔化が進行。意識が消えて悪魔化するやいなや、イムの命令通りデービー一族を消すために動き出し、まずは目の前にいるカイドウとビッグ・マムを攻撃し退場させると、白ひげとの攻撃の打ち合いに興じます。
この時の白ひげの攻撃でゴッドバレーの二つ山の片方が倒壊したため、島はパニック。その機にロックスは妻子を殺害するために森を駆け抜けると、先に逃がしていた妻・エリスに追いつくことに。
悪魔化したロックスを見て彼の敗北を悟り涙するエリスでしたが、デービーの血を絶やさないために幼いティーチを抱えて再び海を目指して走り出します。しかし、前方の海には海軍の軍艦が停泊しており、エリスを捕捉した途端海岸に向けて一斉砲撃。後方からは悪魔化したロックスが刀を振りかぶっている段階であり、エリスとティーチは絶体絶命の窮地に立たされました。
が、妻子の窮地を救ったのはこの騒動の最中にニキュニキュの実を食べたくま。くまは砲弾が着弾する寸前に二人の元に飛び込むと能力で妻子をどこかの島へ飛ばして助け、自身も被弾する直前に能力で逃げるのでした。
こうして、妻子を手にかけずに済んだロックスですが、イムの命令で次は島にいる海賊たちの排除に使われることに。
ロックスvsロジャー、ガープ
イムに操られて島中の命を消して回るロックスでしたが、これ以上彼に好き勝手暴れられると困るロジャーとガープは協力して覇気を放ちロックスを自分たちのところへ呼び寄せます。
しかし、ロックスを呼び寄せたところ念話のように脳内に語り掛ける彼の声が。ロックスは悲痛な面持ちで涙しながら「(ロジャー、ガープ!頼む!おれを殺してくれ…!)」と脳内に語り掛けてきます。
そのため、二人はそれぞれ部下に先に撤退するように言いつけると、不本意ではあるものロックスを止めるために一時的に共闘することに。一方で、ロックスの見た目の変化から明らかに何かの力で操られているのは分かっていたため、攻撃しながらもどうにかして解除する手段はないのか話しかけるもロックスは無反応。ましてや、ロックス自体が並外れた戦闘力を持っており、更に悪魔化で凶暴化しているため手加減もできず、ロジャーとガープは全力でぶつかるしかない様子。
その結果、このままでは体力消耗で不利だと悟った二人は最大質量で覇王色をぶつけることに賭けることに。決まれば三人とも戦闘不能、外せばロックスの勝利。しかし、ロックスの無念は彼の涙から察することができたため、二人はロックスを止めるべく最大質量の覇王色を乗せた攻撃を同じタイミングでロックスに打ち込むのでした。
ロックスの最期と死亡
ロジャーとガープの大技が炸裂したことでロックスはダウン。
激闘の末にロックスとロジャーとガープはその場に倒れてしまいますが、ロックスの悪魔化は解除されていました。
悪魔化が解けたことで意識が戻ったロックスは生きてゴッドバレーから出られることに一瞬感極まりますが、視界に映り込む影を見て愕然。ロックスたちの元に歩いてくる影は神の騎士団のガーリング聖、ソマーズ聖、マッフィー宮の3名であり、ロックスはやはりここで死ぬことを予期します。
そして、微動だにできないままガーリング聖によって止めを刺されるのでした。
一方で、命懸けで暴走を止めてくれたロジャーとガープに向けて『おいロジャー、ガープ逃げろ』『お前らが死ぬ事はない』と独白しており、ガーリング聖に止めを刺される死に際には『そうだ言い忘れた、暴走を止めてくれてありがとよ…』と謝意を示していました。
こうしてロックスはイムに操られた末にロジャーとガープと戦い、動けなくなったところをガーリング聖の手でトドメを刺されるという無念の最期を遂げることに。
なお、ロジャーとガープは意識を失っていましたが、どうやったのかレイリーとギャバンがその場から救出したため神の騎士団の手にかからなかった模様。
ロックス海賊団の壊滅
ゴッドバレー事件の後、ゴッドバレーのことは伏せられた上で『ロックス海賊団壊滅』のニュースが世界中に報道されました。
なお、新聞を書いたのはモルガンズですがセンゴク曰く政府に金で書かされたらしくロックスを討ち取った『英雄ガープ』としてガープが祀り上げられることに。病み上がりのガープは記事を読んで激怒しますが、センゴクに諫められます。
一方で、今回の事件から天竜人達の本性と上層部の現実を垣間見たガープは何も知らない海兵を守るために海軍に留まることを決意しました。
まとめ
以上「ロックスの死亡と最期」の紹介でした。
悪名名高いロックスですが過去編を通すと寧ろ一番自由な海賊の中の海賊らしく、妻子を守るためにゴッドバレーに向かい命を落とした無念なキャラクターといった印象です。
一方で、ロジャーとガープの共闘によってロックスが討ち取られたのは改竄された一部の情報であり、実際にはイムの黒転支配に操られた結果ロジャーとガープと戦い倒され、漁夫の利を得る形で動けないロックスをガーリング聖が殺害したというのが真相でした。
ロックスが一番人間味や魅力にあふれていた分、結末は残念でした。
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