グランドライン入口の双子岬には、灯台守のクロッカスと巨大鯨のラブーンがいます。
麦わらの一味も元ロジャー海賊団のクロッカスと出会い見送られましたが、2年後の姿が単行本64巻第631話の扉絵連載『世界の甲板から Vol.16「双子岬」』で描かれており、正体不明の人物と酒を酌み交わしていました。
クロッカスと酒を酌み交わす人物はワノ国で編まれる『編笠』を被っていることから「編笠の男」として読者の注目を集め、あの人物ではないかとさまざまな考察をされています。
今回はこのクロッカスと酒を酌み交わす「編笠の男」の正体についてご紹介したいと思います。
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クロッカスと酒を飲み交わす編笠の男
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
麦わらの一味が再始動した2年後(グランドライン後半の海、新世界編)、魚人島編が始まった頃にこれまで旅をして出会ったキャラクターたちの2年後の姿が扉絵で描かれており、双子岬のクロックスと鯨のラブーンの姿も描かれました。
そして、その際話題となったのがクロックスと酒を飲み交わす謎の人物。
編笠と黄色と橙色の縦縞模様の羽織を着た人物は、肌の色や関節具合からルフィたちと同じ人族であることは確かです。とはいえ、後ろ姿しか描かれていないため、おそらくクロッカスと所縁のある元ロジャー海賊団の誰かではないかということしか分からない状況でした。
しかし、この編笠の人物の正体についてはさまざまなキャラクターが予想されます。
金獅子のシキ説
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
当時、最も言われていたのは『金獅子のシキ』です。
劇場版10作目「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」に登場したボスキャラであり、俳優の竹中直人さんが声優を務めたかつてロックス海賊団に所属していた大海賊。彼の出で立ちは頭部に突き刺さった舵輪に注目しがちですが、実は彼も扉絵の男と同じく金の長髪に黄色と橙色の縦縞模様の羽織を着ています。
また、ワノ国編の過去編(96巻第965話)で登場した黒炭ひぐらしがマネマネの実でシキと思われる人物に変身したことから、金獅子のシキがワノ国関係者という考察がなされ、編笠との関連を指し示すものとして扉絵の編笠の男=シキ説が提唱されました。
しかしながら、シキであれば体格や髪型、頭部の舵輪問題、若干の羽織の色の差異など異なる部分が多いことから編笠の男=シキは確定とは言えません。とはいえ、扉絵の左側のテーブルに何かモノが乗っており、それが外れた舵輪に見えなくもないため、編笠の人物がシキではないと言い切ることもできません。
単行本109巻のSBSにて『元々本編の設定で存在したシキを映画に使った』と作者が回答しているため、映画公開時期と扉絵の時期が重なってることもあり、特徴をそのまま流用した可能性もあります。映画に登場しなければ、ワノ国かそれ以降の章でシキが登場していた可能性も否めません。
ヨーキ船長説
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
次に言われているのは『ヨーキ船長』です。
彼は生前のブルックが所属していたルンバー海賊団の船長であり、「キャラコのヨーキ」として少しは名の知れた海賊でした。しかし、双子岬でクロッカスに幼い鯨の子のラブーンを預けた後、上陸した密林で疫病にかかり無念のリタイア。
ブルックに海賊団を任せた後は一か八か凪の帯から脱出を試みたのが最後の姿であり、その後彼が生きているのか死んでいるのかまったく触れられていません。
彼の特徴は右眼と顎に刻まれた「F」のような模様と首元ほどの黄緑の髪ですが、もし仮に無事に凪の帯を抜けて現在も生きているのであれば、扉絵のように長髪になっていてもおかしくはありません。
しかしながら、髪色に加えてグランドライン前半の海でリタイアした彼がワノ国の編笠を被っているのは整合性が取れないため、残念ながらヨーキ船長の可能性は極めて低いでしょう。
編笠男の正体はスコッパー・ギャバン
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
問題の扉絵から10年以上の月日を過ぎて登場したのが元ロジャー海賊団の『スコッパー・ギャバン』です。
通称「海賊王の左腕」と称されるギャバンは初期段階のバギーの回想(3巻19話)や、ワノ国の光月おでんの過去編(96巻966話)にも若かりし頃の姿が描かれていますが、エルバフ編で本格的に登場しました。
カラーではありませんが、その出で立ちは扉絵の編笠男とまったく同じ編笠と縦縞模様の羽織姿。背中のあたりに伸びる長髪や髪型なども全て合致するため、ほぼ間違いなくクロッカスと酒を酌み交わしていた人物はギャバンで決まりではないでしょうか。
一方で、ギャバンは若い頃の髪色が黒です。順当にいけば白ひげやレイリーのように白髪になっているはずですが、扉絵準拠であれば現在は白髪ではなく金髪になっていることになります。本作では珍しく髪色を染めているのでしょうか。
とはいえ、扉絵の編笠男と特徴がすべて一緒なので、ギャバンであれば元ロジャー海賊団の所縁で一緒に酒を飲んでいてもおかしくはありません。
しかし、ギャバンはエルバフに20年以上住んでいるため、扉絵の人物がギャバンであるなら、2年後開始時点でルフィたちが魚人島からエルバフに辿り着くまでの間かそれより少し前に遠い双子岬まで行って戻って来たことに…。
まとめ
以上「クロッカスと酒を酌み交わす編笠男の正体」についての紹介でした。
長らく謎だった編笠の男が海賊王の左腕であるギャバンということがエルバフ編で判明しましたが、髪色に関してはまだカラー版やアニメ化されていない範囲であるためモヤっとしますね。
寿命の長い巨人族と結婚しているため若作りの一環で髪を染めているのでしょうか。
個人的にはヨーキ船長が実は生きていて会いに来た、というは好きですが、特徴が違いすぎることや、年月が経ち過ぎているため可能性はなさそうですね。