漫画『鬼滅の刃』に登場する悲鳴嶼行冥は鬼殺隊最強の剣士と呼ばれています。
しかし、竈門禰豆子の処遇を決める柱合会議での悲鳴嶼は疑り深い性格から禰豆子の処刑に賛成する側でした。
では、悲鳴嶼が疑り深くなった理由、鬼を憎む理由は何なのでしょうか。
今回は悲鳴嶼行冥の過去についてご紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- 悲鳴嶼行冥のプロフィール
- 悲鳴嶼行冥の家族|失明の理由
- 悲鳴嶼行冥の過去
- 悲鳴嶼行冥と産屋敷耀哉 / 沙代 / 獪岳の関係
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悲鳴嶼行冥のプロフィール
引用元:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』 出版:集英社
【名前】 | 悲鳴嶼 行冥(ひめじま ぎょうめい) |
【階級】 | 柱(岩柱) |
【年齢】 | 27歳 |
【誕生日】 | 8月23日 |
【身長 / 体重】 | 220㎝ / 130㎏ |
【趣味 / 好物】 | 尺八 / 炊き込みご飯 |
【声優】 | 杉田智和 |
鬼殺隊を支える戦力の中核をなす剣士『柱』の一人であり、岩柱を務めます。
元鬼殺隊の柱の中では最古参で最年長、さらに上背と膂力も最上位ということもあり、嘴平伊之助曰く『鬼殺隊最強』と言われています。(竈門炭治郎や他の隊士も賛同)
また、他の柱たちにも『尊敬・信頼・強い』と手放しの評価を受けており、不死川や伊黒も彼には頭が上がりません。
なお、悲鳴嶼は母親が子供の手を引いて楽しそうに歩いている様子を見て泣き、ゴミが散らばっているのを見ても泣くほどに涙脆い性格をしています。お坊さん仲間に教えてもらった尺八を趣味にしている模様。
悲鳴嶼行冥の家族構成
悲鳴嶼の家族構成は6人家族。(両親と兄1人、弟2人。悲鳴嶼は次男にあたる)
しかし、母親は出産のときに亡くなり(おそらく末っ子を産んださいに死亡)、父親は流行り病で他界。また、兄弟たちも病気や飢えで亡くなっている模様。
そのため悲鳴嶼は身寄りがなく寺で育ちました。
悲鳴嶼行冥が盲目の理由
両親の死去に続き悲鳴嶼は不幸な目にあっています。
悲鳴嶼が盲目の理由は赤ん坊の時に高熱を出して失明したからです。
しかし、悲鳴嶼の生命力はどんな逆行にも負けないもので、貧困で痩せてはいても恵まれた上背に労働する体力だけは残っており、自分なりに生活を築いていました。
とはいえ、目が不自由であるにも関わらずあまりに優れた感覚から周囲からは本当は見えているのではないかと邪推されることもあり、一部の人は悲鳴嶼に物を投げたり、転ばせようとしましたが、悲鳴嶼は感覚の鋭さから避けてしまいます。
そのため、悲鳴嶼は『嘘つき』と呼ばれしつこく絡まれることがしばしばでした。
悲鳴嶼行冥の過去|鬼に孤児の子供たちを殺される
大きくなった悲鳴嶼は寺で身寄りのない子供たちを育てていました。(当時悲鳴嶼は18歳かそれ未満で9人の孤児の面倒を見ています)
血の繋がりこそありませんが仲睦まじく互いに助け合い家族のように暮らしていましたが、ある夜に鬼の襲撃を受けてしまいます。
悲鳴嶼の住んでいた地域では鬼の脅威の伝承が根強く残っていたため夜には必ず藤の花の香炉を焚いており、これまで鬼の被害はありませんでした。ですが、悲鳴嶼の言いつけを守らず日が暮れても寺に戻らなかった子供が鬼と遭遇すると、あろうことか自分が助かるために寺にいる悲鳴嶼と子供たちを食べさせることを条件に鬼を寺に手引きしたのです。
その子供は香炉の火を消して寺の中に鬼を招き入れると、鬼は寝室で眠る悲鳴嶼たちを襲撃。すぐさま4人の子供が殺害されてしまいます。
悲鳴嶼は残った4人を守ろうとしますが、3人の子供は当時痩せ細って目も見えない悲鳴嶼の言うことを聞かずに各々が寝室から逃亡。そのため、暗闇の中で鬼に喉を掻き切られて殺害されてしまいます。
唯一悲鳴嶼の言うことをきいてくれたのは一番年下の沙代だけであり、沙代は悲鳴嶼の後ろに隠れて泣いていました。
悲鳴嶼は何としても沙代だけは守らねばと思い鬼と戦いますが、生まれて初めて全身の力を込めて振るった拳は自分でも恐ろしい威力であり、夜が明けるまで鬼の頭を殴り潰し続け人間の身でありながら鬼を殴り殺してしまいます。生き物を殴った感触は地獄のようで、その時の気色悪さは一生忘れられないものとなりました。
皮肉にも鬼に襲われて初めて自分が強いということを知る機会にもなった模様。
悲鳴嶼行冥は冤罪で投獄される
鬼の襲撃を受けて生き残ったのは悲鳴嶼と沙代だけでした。
悲鳴嶼は命を懸けて沙代だけは守り抜きましたが、一晩で山ほどのものを失い傷つき放心状態にありました。しかし、後に騒動を聞きつけてやってきた者たちに沙代は「あの人は化け物、みんなあの人が、みんな殺した」とパニックになって供述したのです。(沙代は泣いているのか手で顔を覆い錯乱状態)
鬼は日光に当たると塵となり消滅するためその場には悲鳴嶼と沙代、そして子供たちの死体しかありません。そのため、第三者はその場に残った悲鳴嶼を容疑者と思い連行し『殺人の罪』で投獄します。
沙代は恐ろしい目に遭い混乱した4歳の子供である──悲鳴嶼は子供とはそういう生き物だと自分に言い聞かせて沙代を恨みはしませんでしたが、ただ沙代にだけは「自分のために戦ってありがとう」と労ってほしかった、その一言があれば救われたと後に綴っています。
悲鳴嶼行冥は産屋敷耀哉に助けられる
悲鳴嶼は『殺人の罪』で処刑されることが決定していましたが、産屋敷耀哉によって処刑を免れて助かりました。
当時の耀哉は14歳。悲鳴嶼は18歳でしたが、耀哉の立ち居振る舞いは到底年下と思えない立派なもので、雰囲気に呑まれるほど。
耀哉が「君が人を守る為に戦ったのだと私は知っているよ」「君は人殺しでない」と述べると、悲鳴嶼は言って欲しかった言葉をかけてもらって泣き崩れてしまいます。耀哉に心も救われた瞬間でした。
また、耀哉に助けられた後は鬼殺隊に勧誘されて入隊しています。
つまり、悲鳴嶼は18歳(隊士としては遅い)から鬼殺隊に入っていますので、現在27歳、約9年も所属していることに。
悲鳴嶼行冥は19歳で柱に昇格
柱稽古編のラスト、産屋敷邸に鬼舞辻無惨が乗り込んだ際の回想の柱合会議にて、悲鳴嶼が19歳で柱になったことが明かされています。
入隊しわずか1年で柱に昇格している事実から、悲鳴嶼は鬼殺隊最強の剣士の頭角を早くに発揮していたのでしょう。
なお、柱になって8年間も産屋敷に護衛をつけることを進言し続けていますが、耀哉は柱という貴重な戦力を自分一人のために使うものではないの一点張りで却下しているとのこと。産屋敷歴代当主はそういった理由で護衛をつけなかったそうです。
鬼を招き入れた子供の正体は『獪岳』
実は悲鳴嶼の言いつけを守らず鬼と遭遇し寺に鬼を招き入れた子供の正体は我妻善逸の兄弟子である『獪岳』です。
幼少期の獪岳はすでに孤児だったのか泥をすする貧しい生活を送っていましたが、当時の悲鳴嶼のいる寺に引き取られました。そのため、獪岳にとって悲鳴嶼は育ての親になります。
悲鳴嶼の回想では当時の獪岳は他の子供たちと食事をして笑っている姿が描かれていますが、当時から獪岳の手癖は悪いようで、時には金を盗んだこともあり(寺の中なので悲鳴嶼の所有物?)、子供たちから盗みを指摘されました。
そして、獪岳が悲鳴嶼の言いつけを守らず日が暮れても寺に戻らなかったのは寺の子供たちに盗みを指摘されて寺から逃げ出していた最中の出来事だったのです。
獪岳がどのくらいの期間寺の世話になったのかは不明ですが、獪岳は育ての親である悲鳴嶼と孤児仲間である寺の子供たちを鬼に売ったことになるため、読者からよく『クズ』と評価されています。
なお、獪岳は寺を出た後に桑島慈悟郎と出会い彼に師事し、雷の呼吸を教えてもらいました。
『沙代』の真実
沙代は「あの人は化け物、みんなあの人が、みんな殺した」と証言していますが、当然、これは悲鳴嶼を指した言葉ではなく寺に侵入してきた鬼を指した証言でした。
しかし、沙代は事件のショックでまともに話すことができなくなり、かつ現場の状況証拠(鬼の屍が消滅していること)から悲鳴嶼の容疑を晴らすことは叶わず、悲鳴嶼は投獄されることになったのです。
悲鳴嶼は錯乱した少女が無意識に記憶を捻じ曲げて自分を『化け物』と呼んだと思い込んでおり、当時駆け付けた者や詮議当たった役人ですら沙代が化け物と呼んだのは『鬼』であることを知らないままです。
沙代はこのことを14歳になった現在も気にして悲鳴嶼に謝りたいと思っていますが、悲鳴嶼はこのことを知る由もありません。
まとめ
- 悲鳴嶼行冥は柱(岩柱)の一人で鬼殺隊最強の剣士と呼ばれている
- 悲鳴嶼行冥は6人家族だったが病や飢餓で家族を亡くし寺で育てられた
- 悲鳴嶼行冥は赤ん坊の時に高熱を出して失明している
- 悲鳴嶼行冥は18歳以前に寺で身寄りのない子供たちを育てていたが、ある晩に子供の一人が鬼と遭遇し自分が助かるために寺にいる悲鳴嶼と子供たちを食べさせることを条件に鬼を寺に手引きした
- 悲鳴嶼行冥は子供たちを殺害されたが4歳の少女・沙代だけは守り抜き、鬼を殺害する
- 悲鳴嶼行冥は「あの人は化け物、みんなあの人が、みんな殺した」という沙代の証言で投獄され、『殺人の罪』で処刑が決まる
- 悲鳴嶼行冥は当時14歳の産屋敷耀哉によって命を救われ鬼殺隊に入隊する
- 悲鳴嶼行冥の寺に鬼を引き入れた子供は我妻善逸の兄弟子『獪岳』
- 悲鳴嶼行冥が助けた沙代が証言する『あの人』とは『鬼』のことだったが、鬼は消滅したため状況証拠から悲鳴嶼の容疑が固まり連行された。また、沙代は錯乱状態と事件以降はショックでまともに話せなくなったため容疑を晴らせなかった。
悲鳴嶼のキャラクター性は壮絶な過去の出来事があってこその結果であり、子供を疑り深くなったのも当時の教訓からなるものでした。
しかし、沙代の件は悲しい誤解であり、今もなお悲鳴嶼と沙代は誤解を解けないままにあります。
鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺見聞録 作者:吾峠呼世晴 |
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