【呪術廻戦】伏黒恵の術式・十種影法術とは?調伏のやり方と領域展開の詳細は?

「布瑠部由良由良」を唱える伏黒恵 呪術廻戦

呪術廻戦の準主役『伏黒恵』は十種影法術を扱う禪院家の血筋のキャラクターです。

今回は伏黒恵の術式『十種影法術』についてご紹介したいと思います。

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伏黒恵の術式『十種影法術』とは

十種影法術で玉犬を召喚する伏黒恵

引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社

『十種影法術』とは、影を媒介とした十種の式神を操る術式のことを指し、禪院家相伝の術式の一つです。

召喚した式神は術者の呪力により容姿も力も大きく左右される模様。

拡張術式『不知井底』を除いた十種の式神は完全に破壊された場合二度と顕現することができませんが、破壊された式神の遺した術式と力は他の式神に引き継がれていくという設定になります。

また、作中では影の中に武具を収納し手ぶらを装ったり、影を伝って相手の影の中から飛び出すなどの応用力を見せています。

十種影法術の元ネタ

十種影法術の元ネタは『先代旧事本紀』に登場する『十種神宝(とくさのかんだから)』と言われています。

十種神宝とは、饒速日命(にぎはやひのみこと)が天降りする際に天神御祖(にぎはやひのみこと)が授けたとされる十種の宝物のこと。

沖津鏡(おきつかがみ) 足玉(たるたま)
辺津鏡(へつかがみ) 道返玉(ちかへしのたま)
八握剣(やつかのつるぎ) 蛇比礼(おろちのひれ)
生玉(いくたま) 蜂比礼(はちのひれ)
死返玉(まかるかへしのたま) 品物之比礼(くさぐさのもののひれ)

その分類は鏡が2種、剣が1種、玉が4種、比礼が3種。

これらを授けるとき「布瑠之言(または十種祓詞)」と呼ばれる教えを説き、その文脈の中に布瑠部由良由良ふるべゆらゆら(伏黒が魔虚羅の召喚に唱える文)』が含まれています。

また、式神の体に刻まれている紋様は十種神宝の絵柄がモチーフ

領域展開『嵌合暗翳庭』の掌印・手印は薬師如来印の一つ

十種影法術の調伏

十種影法術の式神は『調伏』することで召喚が可能となります。

十種影法術はまず初めに二匹の玉犬(白、黒)だけが術師に与えられると、それ以外の式神は術師と玉犬で調伏を済ませるのがしきたりであり、手持ちの式神を増やしながらそれらを駆使して調伏を進めることで十種の式神を手にすることができます。

調伏の儀は複数人でも可能ですが複数人での調伏は無効になります。

しかし、裏を返せば調伏していなくとも調伏の儀としていつでも召喚はできるという意味であり、その場合は『道連れ』を目的に使用。

五条悟曰く、慶長(江戸時代頃)の禪院家と五条家の当主が御前試合で本気で戦った際に両方死んでしまったとのことですが、その理由は禪院家の当主が十種影法術で『八握剣異戒神将魔虚羅』を調伏の儀に召喚したためであり、どちらも魔虚羅を倒せなかったために共倒れ。

調伏を済ませれば自由に召喚できますし、調伏できなくとも道連れに使用できるため、十種影法術は術式の中でも大当たりなのです。

なお、調伏の儀を第三者が終わらせた場合も無効となります。

十種影法術の種類

玉犬 脱兎
蝦蟇 円鹿
大蛇 貫牛
満象 八握剣異戒神将魔虚羅

順番は単行本6巻幕間を参照。

なお、①~⑤まで幕間の並び順ですが、⑥~⑩の順番は予測・登場順になります。

玉犬(ぎょくけん)

名称 玉犬ぎょくけん 紋様 白(道反玉みちがえしのたま
黒(足玉たるたま
渾(足玉たるたま道反玉みちがえしのたま
初登場 単行本1巻1話 使用者 伏黒恵、宿儺(伏黒恵)
手影絵 左手を軸に右手を組み、親指が耳、左人差し指・中指が鼻、薬指・小指が口を再現。
最初に与えられる犬の式神

玉犬には『白』と『黒』が存在。

両方ともに爪と牙で呪いへの攻撃手段を持ち、敏捷性・感知・探索能力に優れており呪いが近づけば知らせてくれます。生得領域の中にいても出入口の匂いを覚えることも可能。

あと、人懐っこくて可愛いのが特徴です。

玉犬『白』は西東京市英集少年院の特級呪霊に破壊されましたが、京都姉妹校交流会編では『白』の術式と力は『黒』に引き継がれて玉犬『こん』と進化。渾の速度と爪は特級呪霊にも通用レベルに成長しています。

また、伏黒を抱えて移動するなどサポート面も充実。

見た目も犬からやや人狼のように変化し、額の紋様は足玉と道反玉を合わせたものに、手足とお腹周りが白い毛となっています。


宿儺バージョンは形の定まっていない真っ黒な影の玉犬と禍々しい『』を一度に召喚。渾は筋骨隆々なドーベルマンのような見た目になっており、基礎能力は伏黒仕様とは段違い。(あえて形を安定させないことで広範囲を広げ、完全に破壊されることを防ぐ。攻撃力は下がるが宿儺の呪力でカバー)

蝦蟇(がま)

名称 蝦蟇がま 紋様 羸都鏡おきつかがみ
初登場 単行本1巻7話 使用者 伏黒恵
手影絵 両の掌を外に向け、親指・人差し指・中指・薬指で口、小指を膨らませて目を表現
人間大の蛙の式神

舌を伸ばして対象の動きを拘束したり、味方を飲み込んで保護する役割を持ちますが、戦闘能力については不明。打撃力が低いため、おそらくサポート型の式神ですが、舌で相手を絡め取った後に振り回して叩きつけることも可能。

釘崎野薔薇を口の中に保護した際の擬音は『ゲロンチョ』

大蛇(おろち)

名称 大蛇(おろち) 紋様 生玉いくたま
初登場 単行本2巻9話 使用者 伏黒恵
手影絵 片手で頭、人差し指を膨らませて目、親指で下あごを作る
片手で手影絵を作れる巨大な蛇の式神

手影絵が簡単なので奇襲に有効、かつ巨大な口で対象を加えたり飲み込むことも可能。

西東京市英集少年院で宿儺(虎杖悠仁)に破壊されて以降は別の式神に引き継がれた描写はありません。

鵺(ぬえ)

名称 鵺(ぬえ) 紋様 不明
初登場 単行本2巻7話 使用者 伏黒恵、宿儺(伏黒恵)
手影絵 手の甲を外に向け、親指同士を引っ掛けて両の指を翼に見立てる
目元を仮面で隠した人間大の鳥の式神

飛行能力と帯電能力を持っており、帯電する翼を受けると暫くの間痺れて動きに影響を与えることが可能。基本的には突進して攻撃する模様。

狭い場所での使用は的が大きく速度が出る前に仕留められてしまうリスクがあるものの、影故に一度出しては消して再度召喚するというやり方など、使い方次第では戦略は広がります。

飛行して捜索できる距離はおよそ2km。


宿儺バージョンはビルの屋上に収まりきらないほど巨大化し形相も禍々しいものに変化。能力は帯電というよりも雷を振り下ろす。

伏黒仕様の鵺は人を運んで長距離の飛行はできませんでしたが、宿儺仕様は大きさも異なるため、人を乗せて飛行が可能。(あえて形を安定させないことで広範囲を広げ、完全に破壊されることを防ぐ。攻撃力は下がるが宿儺の呪力でカバー)

満象(ばんしょう)

名称 満象ばんしょう 紋様 邊都鏡へつかがみ
初登場 単行本5巻44話 使用者 伏黒恵、宿儺(伏黒恵)
手影絵 右手を下に左手の指を少し膨らめせて頭を作り、右人差し指・小指を牙、右中指・薬指を鼻、右親指を下あごに見立てる
象の式神

前述の式神と違い呪力の消費量が凄まじく単体でしか召喚できない式神で、主に鼻から水を放出して広範囲の水攻めが可能。

渋谷事変編や死滅回遊編では満象の重量を利用して対象の頭上に召喚して圧殺するという使い方を披露しています。

京都姉妹校交流会直前に調伏した模様。


宿儺バージョンはより大きく禍々しい。

脱兎(だっと)

名称 脱兎だっと 紋様 不明
初登場 単行本11巻96話 使用者 伏黒恵、宿儺(伏黒恵)
手影絵 手の甲を合わせて小指同士を引っ掛け、次に人差し指同士を引っ掛けた後に上の人差し指と親指をくっ付け、最後に下の中指と薬指を立てて兎に見立てる
白い兎の式神

基本的に使用時は兎を集団で召喚し、数で相手を陽動・攪乱。

また目隠しとしも利用可能。兎自身には攻撃能力はない模様。


宿儺バージョンは見た目に変化はありません。

円鹿(まどか)

名称 円鹿まどか 紋様 死反玉まかるがえしのたま
初登場 218話 使用者 宿儺(伏黒恵)
手影絵 右手親指をたたんで手刀のように構え、右手の上に左手の甲をつけて指を小指から段々になるように折り曲げて角に見立てる
目玉が四つの巨大な鹿の式神

能力は反転術式による治癒

また、相手の呪力を中和して術式効果を消すことも可能。

戦闘能力に関しては不明。

※一応、宿儺が完全に形を安定し顕現させた本来の姿と記述。

貫牛(かんぎゅう)

名称 貫牛かんぎゅう 紋様 蜂比禮はちのひれ
初登場 218話 使用者 宿儺(伏黒恵)
手影絵 かるく握り拳をつくる左手に右手の甲を乗せ、右親指と人差し指を開いて角に見立てる
巨大な牛の式神

能力は不明ながら突進による攻撃手段を持つ。

なお、直線でしか動けない代わりに距離を取るほど威力を増します。

※一応、宿儺が完全に形を安定し顕現させた本来の姿と記述。

八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎいかいしんしょうまこら)

名称 八握剣異戒神将魔虚羅まこら 紋様 八握劔やつかのつるぎ
初登場 単行本14巻117話 使用者 伏黒恵、宿儺(伏黒恵)
手影絵 左手を下、ずらした位置で右手を上に握りこぶしを作る
歴代の十種影法術師の中に調伏できた者はいないとされる最強の式神

通称:魔虚羅まこら

召喚前に布瑠部由良由良ふるべゆらゆらと唱えるのが特徴。

左手に装着する刀身は対呪霊に特化した『退魔の剣』であり、反転術式と同様に正のエネルギーを纏っているので呪霊が触れれば一撃で消し飛ぶ仕様。

背中に浮かぶ法陣は回転することで治癒と事象への適応が可能。布瑠の言と法陣は完全な循環と調和を意味する模様。

宿儺曰く魔虚羅は『最強の後だし虫拳(じゃんけん)』とのこと。

つまり、魔虚羅の倒し方は『初見の技で適応前に屠る』しかないのです。

モデルは、仏教における天部(天界の住民の総称)・十二神将の摩虎羅大将(薬師如来または薬師経を信仰する者を守護する十二尊の仏尊)。


なお、宿儺バージョンは法陣のみを術者の頭上に顕現させることで戦闘中に相手の術に適応することができる模様。

拡張術式『不知井底』

名称 不知井底せいていしらず 紋様 羸都鏡おきつかがみ(蝦蟇と同様)
初登場 単行本3巻17話 使用者 伏黒恵
手影絵 鵺と蝦蟇の手影絵を続けて使用
翼の生えた蝦蟇の式神

おそらく能力自体は鵺と蝦蟇の長所を足して弱体化したもの。(蝦蟇同様に舌を伸ばして拘束する手段、交流戦で加茂憲紀の矢を死角で防いだことは描写済み)

不知井底は伏黒恵が十種影法術をベースに勝手に作った式神のため、いくら破壊されても問題がありません。その代わりかなり弱いとのこと。

しかし、十種影法術の蝦蟇と鵺を融合させたものであるため、どちらかが破壊されるともう出せなくなるほか、蝦蟇と鵺は『渾』で混ざらないそうです。

領域展開『嵌合暗翳庭』

領域展開「嵌合暗翳庭」を使う伏黒恵

引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社

名称 嵌合暗翳庭かんごうあんえいてい 紋様 なし
初登場 単行本7巻58話 使用者 伏黒恵
掌印・手印 両の指を交差して掌を閉じて親指を重ねる

嵌合暗翳庭は、起首雷同編で伏黒恵が使用した不完全の領域展開。

影の奥行を全て吐き出すイメージと具体的なアウトラインを後回しに呪力を練ったそばから押し出していったために不格好な領域であるものの、領域内を影の沼で埋め尽くす術。(建物の空間を利用した場合は上も影に満たされる)

しかし、結界を閉じて相手を封じ込めるものでないため、結界や必中効果の役割は無い模様。

術式の解釈を自由に広げた結果、領域内では伏黒自身の影を生み出し影武者のように仕立てることや、それこそ影分身を量産して数で圧倒したり、式神との併用などできることは様々。

現時点での伏黒恵の領域展開は『十種影法術を拡張し潜在能力を120%引き出す』ためのものであるため、領域による術式性能の上昇はとてつもなく高くなっています。

ただし、領域の足場に広がる影は呪力で強化しなければ吸い込まれる仕様。影に格納できる物の重量を自身で引き受けるため、呪力のないものを影に吸わされると自重によって伏黒は身動きが取れず、また圧し潰されてしまう模様。

そのため、影に出し入れできる武具の数などは限られます。

なお、影の中には酸素・浮力・抗力が無いため、伏黒の意志次第でどこまでも沈んでいきます。

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まとめ

  1. 『十種影法術』は、影を媒介とした十種の式神を操る術式
  2. 元ネタは『先代旧事本紀』に登場する『十種神宝(とくさのかんだから)』
  3. 最初に与えられる式神・玉犬(白・黒)から順番に調伏の儀を進めて式神を増やしていくのが基本
  4. 十種の式神は完全に破壊された場合は二度と顕現できないが、破壊された式神の術式と力は他の式神に引き継がれる
  5. 十種の式神で判明しているのは『玉犬、蝦蟇、大蛇、鵺、満象、脱兎、円鹿、貫牛、八握剣異戒神将魔虚羅』の9体で、残る1体は不明
  6. 伏黒恵が調伏を済ませているのは6種(玉犬、蝦蟇、大蛇、鵺、満象、脱兎)
  7. 伏黒恵の拡張術式『不知井底』は、蝦蟇と鵺を足した伏黒オリジナルの式神
  8. 伏黒恵の領域展開『嵌合暗翳庭』は、結界・必中効果のない不完全な領域だが、領域内を影の沼で満たし十種影法術を拡張し潜在能力を120%引き出す

十種影法術は調伏を済ませることで自由に式神を召喚できる術式であり、影の中に武器を格納したり、影を行き来できる応用力・利便性の高い術式です。

宿儺の言う通り現段階の伏黒では宝の持ち腐れですが、宿儺のように術者の呪力が高ければ反転術式も使えるまさに万能の術式となるほか、最強の式神魔虚羅を調伏することができれば大抵の特級呪霊程度なら楽に勝てるでしょう。

ただ、たとえ禪院家の血筋でも五条悟や宿儺クラスになれる保証はないので、やはり宝の持ち腐れなのかもしれません。

術式自体は数多く存在する術式の中でも大当たりの部類です。

呪術廻戦 画集 Vol.1

原作:芥見下々 出版社:集英社

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