原作・大場つぐみと作画・小畑健のタッグで描かれた少年漫画『DEATH NOTE』。2003年から2006年まで連載され2006年には藤原竜也と松山ケンイチによる実写映画が放映された人気超大作です。
本作の主人公である夜神月の最大のライバルとなるのが迷宮入りの事件を解決してきた名探偵のL。しかし、Lは志半ばで死神レムによってノートに名前を書かれて死亡してしまいました。
その際、Lは「(が…ま…)」と何か言いかけて息を引き取っています。
今回はLの最期の台詞「が…ま…」の意味についてご紹介したいと思います。
Lの最期の台詞「が…ま…」とは
引用元:大場つぐみ・小畑健『DEATH NOTE』 出版:集英社
ヨツバ編の終盤、ヨツバキラ(第三のキラ)を火口と断定した捜査本部は火口の逮捕に向かい完全包囲しますが記憶を取り戻した月によって火口は心臓麻痺で死亡。しかし、火口の証言で『顔を知っている人間の名前を書くと書かれた人間が死ぬノート』と実物、そして死神の存在を捜査本部は知ります。
一方で、ノートの存在を機にLは『夜神月と弥海砂が青山で会った』『青山でノートを見せ合う』『第二のキラ』という情報を紐解き、ノートが二冊以上存在することを確信し、火口の逮捕(及び死亡)後も本件が終わっていないとふみます。
そんな中、月がリュークに書かせた嘘のルール『このノートに一度名前を書き込んだ者は13日以内に次の名前を書き込まないと死ぬ』によって、Lは切れたノートの紙切れに名前を書き込んだとしても人間を殺せるのかどうか確証を得られず、50日以上監禁された月がノートに触れていないことからキラ=月が成り立たずにいました。
しかし、13日ルールとノートの切れ端でも人間を殺せるのなら月とミサがキラ或いは第二のキラであることが有力になるため、Lはノートを死刑に使用し13日ルールの検証と解明に当たろうとします。
が、ここまでは全て月の計画通りであり、監禁監視から解放されたミサに犯罪者を裁かせLに再びミサを怪しませるように仕向けることで、最終的にミサがキラとして捕まるように誘導。そうなればミサを助けるためにレムはLの本名を自分のノートに書くしかなく、レムがLを殺せばミサの寿命に関わったことになり死神は消滅。これにより、月はLとレムの邪魔者二人を同時に排除できる計算でした。
そして、Lがワタリを通してノートの検証に動こうとした直後、月の計算通りレムは捜査本部から姿を晦ませ、まずはワタリの本名をノートに書いて殺害。ワタリは心臓麻痺で死亡する間際にデータを消去したことで、Lはワタリが死亡したことを確信しますが、月はワタリの顔を見ていないことからワタリの名前を書き込んだのは死神レムだと断定します。
しかし、Lが「皆さん、しにがみ…」と次の指示を出そうとした直後、レムはワタリの名前を書いて40秒以内にLの本名をノートに記載。これでミサの寿命に関わったレムは消滅してしまいます。そして、椅子に座っていたLは直後に言葉を詰まらせると持っていたスプーンを落とし床へ崩れ落ちてしまいます。
倒れる直前に月が体を支えますが、Lが死の間際に見たのは月の勝ち誇った表情。その表情からLは「(夜神月…!やはり…私は…間違って………なかった…。が…、ま…)」と独白しながら心臓麻痺で息を引き取るのでした。
この時Lが独白した最期の「が…ま…」は最後まで回収されることはなく、当時はLが何を言おうとしたのか考察する読者が続出しました。
大場つぐみ先生の回答
本作の制作秘話やキャラクター情報が収録された公式解析マニュアル『DEATH NOTE HOW TO READ 13』にて、実は『Lの最期のセリフ「が…ま…」の意味は?』という質問に大場つぐみ先生が回答されています。
大場つぐみ先生によると「皆さんにそれぞれの解釈をして頂くのがいいと考えています」とのことです。例えば、最終話で松田が魅上の獄中死はニアの仕業だと推理していますが、これも確定ではなく個々の解釈で完成させて楽しんでいただくための要素として用意しているようで、つまり、答えは読者それぞれの解釈に捉えてよいということになります。
ちなみに担当の方は「私は間違っていなかった〝が〟…ここは〝負〟けか…」と次章で登場するニアとメロを匂わせているのではないかと考えているようです。
ネット上の「が…ま…」の代表的な考察
ネット上では主に三つの考察が有力視されています。
- 「〝が〟…〝間〟違っていてほしかった…」
- 「〝が〟…〝負〟けは負けか…」
- 「〝が〟…〝ま〟だ(負けてはいない)」
1、「〝が〟…〝間〟違っていてほしかった…」
一つ目は「〝が〟…〝間〟違っていてほしかった…」という考察。
物語序盤でキラと第二のキラが繋がりを持ったと推理するL。キラの正体は月だと考えていたLはこの段階で月がキラである疑いを少し軽減していますが、月が自分の疑いを晴らすために仮に自分がキラであるならLの性格を知っているからそんなことはしないと主張すると、Lは「そうですね…月くんはキラじゃない」と対外的には概ね同意。
そして、続けて「いや、月くんがキラでは困ります。月くんは──私の初めての友達ですから」と述べています。もし本当にLが月に友情を感じていれば月がキラであってほしくなかったとも解釈できます。
しかし、物語上Lはすぐ後に近日中に自分が殺されたらキラは月と断定するとワタリや総一郎に伝達しており、本心でもどこまで月のことを疑っているのかわかっていないと話しています。
Lの『初めての友達』発言に関してもどこまで本心でブラフだったのかは明言されていないため、展開上、死の間際に『〝が〟…〝間〟違っていてほしかった…』と続く可能性は低いように思えます。また、月と殴り合いの喧嘩をした際に「月くんがキラであって欲しかった…」と本人に伝えている通り、自分の推理が当たっていて間違っていて欲しかったと思うのは少し違和感を覚えます。
なお、ヨツバ編では月と奇妙な友情を演じていたL、共同捜査ではいいコンビだった──と書かれているため友情とまではいかないまでも張り合い的な存在としては認めているのかもしれません。
2、「〝が〟…〝負〟けは負けか…」
二つ目は「〝が〟…〝負〟けは負けか…」という考察。
ヨツバキラ出現時、Lは自分の推理が外れて月がキラではないとわかったことでやる気をそがれてしまうと、月はLを殴って喝を入れます。その際、Lは「一回は一回です」と殴られたお返しに蹴りを返しますが、これはLが負けず嫌いな子供じみた性格の代表例です。
Lは最期までキラ=月、第二のキラ=ミサという図式を崩さずに捜査してきましたが、最終的には推理通りキラ(月)によって殺害されてしまいます。負けず嫌いなLですが、この勝負においては推理は間違っていないものの結果的に負けてしまったので『負け』を受け入れたのかもしれません。
こちらの説は担当さんと同じ考えですね。
3、「〝が〟…〝ま〟だ(負けてはいない、メロとニアがいる)」
三つ目は「〝が〟…〝ま〟だ(負けてはいない)」という考察。
二つ目の考察で述べたようにLが『負けず嫌いな子供じみた性格』を前提に、次章で登場するニアとメロの存在を匂わせる台詞として「〝が〟…〝ま〟だ(負けてはいない、メロとニアがいる──などに続く意思の旨)」という説。物語の進行上としては最も自然な流れになるため、一番有力視される考察です。
実際、二部で月はニアに負けているため最終的にはLの推理が正しかったことが証明されます。また、本作を13(不吉な数)巻と108(煩悩の数)話で終わらせる構成を立てていたことから、元々メロとニアの登場は視野に入れていたと考えられるため、Lが彼等に託す台詞だったと解釈できます。
一方で、二部は編集の引き延ばし被害ではないかというネット上の意見もあるため、仮に二部が引き延ばしによる結果だとすればこの説は薄くなります。
しかし、全体的な仕上がりを見ると三つ目の説がそれらしくもありますね。
ネット上の「が…ま…」のネタ考察
最後にネット上で浸透しているネタ考察を紹介。
- 「〝ガ〟チれば…〝負〟けなかった…」
- 「〝が〟〝ま〟がえる…」
- 「〝が〟〝ま〟ん…」
正直「〝ガ〟チれば…〝負〟けなかった…」は一番好きな考察です。ある意味、レムに殺されるより早くLが司法取引を使ってノートの検証に動いていれば『13日ルール』と『ノートの切れ端』が証明されるため、ガチれば勝っていたのは確かです。
また、月が勝ち誇った際の表情がガマガエルに見えなくもないので、Lは最期にガマガエルを連想したのかもしれません…。
一方で、心臓麻痺を耐えるために我慢をしていた説もあります。
ネタ考察ですが逆にLならどれも抱きそうな内容なので不自然ではないのかも…?
まとめ
以上『Lの最期の台詞「が…ま…」の意味と考察』の紹介でした。
結局、原作者が自ら読者のそれぞれの解釈に委ねていますので真相は不明ということになります。
一方で物語上自然な台詞が続くものが考察されており、「が、間違っていてほしかった」「が、負けは負けか」「が、まだ~」など、三つが有力視されています。
担当さんは「私は間違っていなかった〝が〟…ここは〝負〟けか…」とお考えのようですが、果たして真相はどれなのか、それとも考察には上がっていない台詞なのでしょうか。
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