原作において、零番隊の四人は親衛隊との戦闘シーンがカットされたため、兵主部がユーハバッハと戦う描写の裏側でどんな戦闘を繰り広げていたのか分かりませんでした。
しかし、アニメBLEACH千年血戦篇-訣別譚-では、零番隊の親衛隊の戦いが大幅に加筆され、どのように戦っていたのかその全容が明らかにされました。
今回は原作とアニメ版の零番隊vs親衛隊の加筆部分の違いをご紹介したいと思います。
零番隊は強い?弱い?どっち?
零番隊は兵主部一兵衛、二枚屋王悦、麒麟寺天示郎、曳舟桐生、修多羅千手丸 の五名の隊長で構成される少数精鋭の組織であり、その強さは五名で護廷十三隊全軍以上と言われています。
原作では兵主部や二枚屋を除いて残り三名はほとんど活躍の場を与えられないばかりか戦闘シーンをカットされて敗北する、といった退場の仕方により『零番隊=弱い』という感想が根付きました。
しかし、2023年9月23日放送『#24 TOO EARLY TO WIN TOO LATE TO KNOW』、9月30日放送の最終話一時間スペシャル『#25 THE MASTER、#26 BLACK』では零番隊の汚名を雪ぐように親衛隊との戦闘シーンが大幅に加筆されており、なぜ兵主部を除く四名は弱いのかという理由付けも説明されたのです。
その結果、原作と違ってアニメ版では零番隊の印象が一変して『零番隊=強い』という感想で溢れかえりました。
したがって、原作だけ読み進めた方にとっては零番隊は弱い。アニメ版を視聴した方にとっては零番隊は強いというふうに印象が分かれると思います。
零番隊vs親衛隊の原作とアニメの違いや変更点
『 違いや変更点のまとめ 』
- ユーハバッハが霊王宮に侵攻後、麒麟寺天示郎の登場とニャンゾルに斬りかかる場面をアニメは丸々カット
- 千手丸がニャンゾルを撃破した後、アニメ版はニャンゾルを霊王宮から落としている
- 偽の霊王宮のネタバラシ後、原作では二枚屋王悦が鞘伏を持って登場するが、アニメ版はこのタイミングで麒麟寺天示郎が登壇。麒麟寺→千手丸→曳舟→最後に王悦が鞘伏を持って登場し馴染みのラップを披露
- 王悦が親衛隊を一人で殲滅するまでは一緒であるものの、アニメは親衛隊殲滅後にユーハバッハが滅却師の意匠を空に放り投げて自分と位置を入れ替えることで産褥を脱出し兵主部と対峙
- アニメではユーハバッハ脱出後、ユーハバッハvs兵主部、麒麟寺vsハッシュヴァルト、千手丸vs石田が加筆
- アニメでは、ユーハバッハが聖別を使うタイミングが兵主部戦の途中に変更
- アニメでは、ユーハバッハの聖別に詠唱追加、および聖兵やミニーニャとキャンディスにも聖別の光が降り注ぐシーン加筆
- 原作では聖別復活後のペルニダが産褥を破壊するが、アニメではユーハバッハの聖別の光で産褥が破壊される
- 原作では聖別で復活後の親衛隊には滅却師完聖体の翼しか描かれていなかったが、アニメでは聖別で復活後に翼と光輪が描かれており、零番隊と再戦中も継続して展開(※石田とハッシュヴァルトにはない)
- 聖別で復活後の親衛隊と零番隊が対決は原作ではカットし零番隊の大敗だが、アニメでは零番隊が親衛隊と各々戦闘を繰り広げた末に敗北
- 原作ではユーハバッハは兵主部に『簒奪聖壇』を使うが特に反応がないまま終了するが、アニメではユーハバッハが『簒奪聖壇』で兵主部の『黒』をちゃんと吸い上げる描写が加筆
- 原作では描かれなかった零番隊(兵主部除く)が全力を出していない説明が加筆
- 原作では描かれなかった千手丸の卍解が加筆
※また、多くの加筆に伴い全体的に台詞も原作と変更もしくは過分に加筆されています。
零番隊の加筆戦闘シーンの詳細
引用元:久保帯人『BLEACH』 アニメーション制作:studioぴえろ
上記にある通り、霊王宮での零番隊vs親衛隊の描写は大幅に改変されていますが、カットされた箇所はあるものの兵主部vsユーハバッハ、王悦vs親衛隊四人までの展開は概ね原作通りに進んでいます。
しかし、ユーハバッハvs兵主部が繰り広げられる裏側が大幅に加筆。
王悦が親衛隊を倒した後に産褥に取り残されたハッシュヴァルトと石田雨竜ですが、産褥が破壊されかけたため曳舟は産褥の修繕、麒麟寺はお湯でハッシュヴァルトと石田を攻撃、といった具合に原作にない戦闘シーンへ突入するのでした。
詳細は以下の通り。
千手丸vs石田
お湯を抜け出した石田と千手丸が交戦となり、石田は静血装を纏った組手で千手丸の『刺絡(始解の針)』を受け流すと跳躍して『光の雨』で応戦。しかし、千手丸は背中の腕を前方に和傘を展開して防御。
防御後、和傘で霊子の雨粒のようなもの(石田の光の雨?)を回転させて遊ぶとそれを石田に打ち放ち攻撃。石田は追跡能力のある無数の霊子から逃げ出しますが、あっという間に追いつかれて撃墜されてしまいます。
(石田はこの攻撃でダウンしますが、後に聖別で復活)
麒麟寺vsハッシュヴァルト
麒麟寺は解号して『金毘迦』でハッシュヴァルトに斬りかかると、ハッシュヴァルトは『身代わりの盾』で受け止めます。しかし、麒麟寺は何度も盾を斬りつけると、ハッシュヴァルトが金毘迦の突きを盾で受け止めた所で盾をハッシュヴァルトから引き剝がして投げ捨てるのでした。
そして、両者が抜刀し交差すると、ハッシュヴァルトは麒麟寺に斬られてダウン(生死は不明。後に聖別で復活)。
王悦vsナックルヴァール
獲物を麒麟寺と千手丸に取られた王悦は手持ち無沙汰をぼやくものの、ここでナックルヴァールの聖文字『D:致死量』で王悦の血を摂取して致死量を操作すると、あとは原作通りの展開で王悦は己を斬り裂いて致死量以下に調整。
失血死する前に麒麟寺に血を入れ替えてもらうとナックルヴァールを撃破し「生まれ変わったちゃんボクはかっこいいkai?」の名言を放ちます。
王悦vsナックルヴァールは概ね原作通り消化した模様。
ユーハバッハの聖別発動シーン
原作では産褥の中で親衛隊が全滅した段階でユーハバッハは聖別を発動しましたが、アニメではユーハバッハが兵主部の一文字で名前を真っ二つにされたタイミングで聖別を発動。(ちょうど上述の零番隊vsハッシュヴァルト、石田、ナックルヴァールが終わったタイミング)
また、聖別に詠唱が追加。
『掲げよ。銀の紋章、灰色の草原、光に埋もれた円環の途。瑪瑙の眼球、黄金の舌、頭蓋の盃、アドナイェウスの棺。掲げるものはお前の心臓。聖別』
右手を中心にブラックホールのように黒く銀河のように神々しい霊子の渦が発生。「掲げるものはお前の心臓」の直後に霊子の円環が展開すると、詠唱後、円環から無数の根が生えて瀞霊廷にいる聖兵や星十字騎士団に光の柱が降り注ぎ力を吸い取っていきます。(アニメ版では聖兵も対象であることが判明)
これにより親衛隊とハッシュヴァルトと石田は復活。また、ハッシュヴァルトと石田以外は滅却師完聖体の翼と光輪を常時展開。
聖別で復活後の親衛隊vs零番隊の戦闘シーン
兵主部とユーハバッハが戦う中、偽りの霊王宮の舞台にて残りの零番隊は聖別で復活し滅却師完聖体となった親衛隊と再戦。(※ただし、原作で親衛隊が見せた滅却師完聖体後の恰好の変化はなく、ただ光輪と翼のみを展開)
初手でリジェの万物貫通で王悦の肩が射抜かれ、次に曳舟と麒麟寺が斬魄刀で防御しながらも胸を撃ち抜かれて王悦が一度倒されるのは原作通りですが、麒麟寺が金毘迦の発光で目つぶしをすると、千手丸が王悦を回収。
千手丸はどこからか綿を取り出して王悦の体に空いた穴に綿を詰めると、穴が塞がって肉体の損傷が完治し王悦が復活。仕切り直しで四人がそれぞれ口上を述べると、曳舟が手を合わせたのを合図に足場からいくつもの木が成長し偽りの霊王宮を産褥の檻を優に超えた木々が埋め尽くし包囲。
これにより戦場は外界から断たれ、木々の中で戦闘開始。また、それぞれが各個撃破を狙います。
千手丸vsジェラルド
千手丸に刺突を放つジェラルドでしたが、目の前の千手丸は繊細に作り込まれた千手丸を模した人形。
本物の千手丸は背後からジェラルドを強襲すると、背中の義手でジェラルドを素早く地面に張り付けると『刺絡』を胸に突き刺します──が、ジェラルドの胸を貫けず心臓を潰すことに失敗。
そして、逆に仰向けに倒されてしまうとジェラルドに踏みつけられることに。
次の場面では産褥の大木を支えにしてのされている姿が描かれました。
曳舟vsペルニダ
初手は曳舟が懐からいくつかの種をばら撒き風圧で飛ばすと、無数の木が触手のように蠢きペルニダを強襲。しかし、ペルニダは自分に触れる手前で全て撃ち落としていきます(おそらく『強制執行』)。
ペルニダは完聖体の翼を手のように使って曳舟を掴もうとしますが、曳舟が一歩後退して回避、かつ木を成長させて翼を掴むとペルニダの周囲にも木を発生させて押しつぶしました。
この攻撃にはかなりの霊力をつぎ込んだのか曳舟は痩せた体系に変化し息切れ。
しかし、ペルニダは木の中から飛び出てくると真っ直ぐに曳舟に突っ込むと、次の場面ではペルニダに敗北したのか仰向けに倒れています。
麒麟寺vsナックルヴァール
ナックルヴァール曰く『あんたと俺は相性が悪い』ということで、ナックルヴァールは麒麟寺とまともに打ち合うことはなく、とにかく逃走開始。
麒麟寺の温泉効果がどこまで有効なのかは分かりませんが、麒麟寺はナックルヴァールを追いかけ回すことに。
しかし、麒麟寺が得意の瞬歩でナックルヴァールの前方に先回りして金毘迦を叩きつけると、ナックルヴァールは攻撃を回避。そして、背後を取ると「俺をナメてかかるのは致命的なんだぜ」と口上すると神聖滅矢で麒麟寺の背中を射抜くのでした。
次の場面では横たわっている姿が描かれています。
王悦vsリジェ
王悦は一度リジェの万物貫通を受けて学習したため、曳舟が生やした木を隠れ蓑に使い素早い動きでリジェを翻弄。そして、照準を合わせないようにしながら接近しリジェに斬りかかります。
が、リジェの体は王悦の斬魄刀をすり抜けることに。
驚愕する王悦ですが改めて距離を取ると、今度はリジェの銃口の直線状に上空で戦うユーハバッハを巻き込んで王悦は再度斬りかかります。一度リジェが能力を明かした際に述べた『銃口とターゲットの間にあるものをすべて等しく貫通する』という能力を手玉にとっての考えでした。
しかし、直線状にユーハバッハがいればリジェが撃てないと思った王悦でしたが、リジェの能力は『銃口とターゲットの間にあるもの』をすべて等しく貫通するため、見事にターゲットの間にいた王悦は左腹部を万物貫通で射抜かれてしまうのでした。
零番隊が弱い理由と千手丸の卍解
曳舟がダウンしたせいか産褥が散開。
原作のように零番隊の四人が撃破された描写を挟むものの、まだ息はあり「まだ護廷一隊ほども力を出していない」と王悦が発言。集結する親衛隊とハッシュヴァルトと石田を前に、王悦の掛け声で零番隊が立ち上がります。
そして、王悦が「千手丸、やつらを斬るのはお前だ」と告げたのを皮切りに、曳舟が「千の手を持つあんたなら6人くらいお手のもんだろう?」、麒麟寺が「やり過ぎんじゃねえぞ」と意味深に警告。
零番隊の本気を見せてやる──王悦がそう告げた途端、三人は首に斬魄刀をあてて自害を図ると、どこかの離殿に置かれた四つのロウソクの内三つが鎮火。また、中央に置かれた円形に象られた文様の四分の三が消失。(おそらく東西南北の神将の文様とロウソク)
その直後、千手丸から輝く莫大な霊圧が発現。
何と零番隊の内、兵主部を除く四人は袖を振るだけで三界天地に影響を与えるほど能力を秘めているため互いの命を結び合うことで真の剣を封印していたのです。
そして、互いに結び合った命が三つ亡くなったことで三人の命と引き換えに血盟の封印は解き放たれると、今回は相手との相性を考慮して千手丸が代表して真の力を取り戻したのです。
力を取り戻した千手丸は卍解を展開すると、あっという間に親衛隊とハッシュヴァルトと石田を反物に封じて撃破──とここまでがアニメBLEACH千年血戦篇訣別譚の内容として描かれました。
おそらく、2024年に放送決定されたアニメBLEACH千年血戦篇-相剋譚-にて、原作通り零番隊の敗北に繋がるのだとは思いますが、アニメ版ではどのように改変されて敗北に繋がるのか、今回の千手丸の卍解によってちょっと読みづらくなりましたね。
まとめ
- ユーハバッハが親衛隊とともに霊王宮に踏み入った直後から、アニメ版は加筆傾向
- 零番隊vs親衛隊の戦闘シーンが大幅に加筆
- 聖別後の零番隊vs親衛隊の戦闘シーンが大幅に加筆
- 千手丸の卍解が加筆
今回アニメ化にあたって零番隊の戦闘シーンが大幅に加筆されましたが、零番隊は強大すぎる力を封じていたことが分かりました。
しかし、零番隊の力が制限される理由が三界に影響を与えるからとはいえ、四人の命を結び合い、誰かが死んで血盟を解放しなければいけないのは難儀なものです。
とは言え、零番隊の戦闘シーンの追加や千手丸の卍解はかっこよかったのでアニメは大好評でしたね。
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