2001年から2010年、荒川弘先生が月刊少年ガンガンで連載した大人気漫画『鋼の錬金術師』。
主人公エドワード・エルリックの最大の敵にしてアメストリス国に巣食う巨悪の根源であるお父様が生み出した7体の『ホムンクルス』は、第1巻から暗躍し悲劇を生み出してきました。
今回は敵キャラとして活躍し続けたホムンクルスの死亡と最後について紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- ホムンクルスの死亡が描かれたのは単行本何話・アニメ何話なのか
- ホムンクルスの死亡と最後の詳細
※アニメに関しては2009年~2010年に放送された『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』を基準。
ホムンクルスが死亡した巻数と話数一覧
引用元:荒川弘『鋼の錬金術師』 出版:スクウェア・エニックス アニメーション制作:ボンズ
名前 | 単行本 | アニメ | |
傲慢 | プライド | 26巻106話『傲慢の深淵』 | 61話『神を呑みこみし者』 |
色欲 | ラスト | 10巻39話『錯綜のセントラル』 | 19話『死なざる者の死』 |
暴食 | グラトニー | 21巻87話『地下道の誓い』 | 48話『地下道の誓い』 |
嫉妬 | エンヴィー | 23巻95話『烈火の先に』 | 54話『烈火の先に』 |
強欲 | グリード グリード(リンver) |
8巻31話『己の尾を噛む蛇』 27巻108話『旅路の果て』 |
14話『地下にひそむ者たち』 63話『扉の向こう側』 |
怠惰 | スロウス | 24巻96話『二人の女傑』 | 55話『大人たちの生き様』 |
憤怒 | ラース | 26巻105話『神の御座』 | 61話『神を呑みこみし者』 |
色欲のホムンクルス『ラスト』の死亡と最後
- 漫画:10巻39話『錯綜のセントラル』
- アニメ:19話『死なざる者の死』
- 死地:第三研究所地下の扉前
- 討伐者:ロイ・マスタング
- 殺害:コーネロ
- 備考:ジャン・ハボックを下半身不随
第五研究所から脱走したバリー・ザ・チョッパーが余計なことを喋る前に始末するため、バリーの元の肉体に実験動物の魂を定着させてバリーを追うホムンクルスと、バリーを手中におさめ囮にしてバックにいるホムンクルスを誘き出すマスタング。
バリーの肉体が大総統府直轄第三研究所に逃げ込んだ後、マスタングチームはマスタングとハボック、ホークアイとアルフォンスの二チームに別れて地下を散策すると、マスタングの前にラストが現れます。
ラストはマスタングとハボックに致命傷を与えてその場を立ち去ると、次に扉の前までやってきたバリー、ホークアイ、アルフォンスの許に登場し、バリーを破壊。
そして、マスタングが殺害されたと聞かされ慟哭するホークアイと、記憶を取り戻し手合わせ錬成が可能となったアルフォンスと交戦。しかし、ラストの最強の矛は容易くアルフォンスの防壁と鎧を斬り裂くのでした。
そんな絶望的な状況の中、突如ラストを爆炎が包むと、現れたのは殺した筈のマスタング。マスタングは、ラストに貫かれた傷を焼いて塞ぎ応急処置を施しました。
『まだまだ死なない』──そう告げたラストを相手に、マスタングはラストが死ぬまで燃やして殺し続けると賢者の石のエネルギーが底をつきやがて朽ち果てるのでした。
最期にラストが述べた通り焔の錬金術師に手も足も出ずに『完敗』です。
暴食のホムンクルス『グラトニー』の死亡と最後
- 漫画:21巻87話『地下道の誓い』
- アニメ:48話『地下道の誓い』
- 死地:スラム『カナマ』付近の森の中
- 討伐者:プライド
- 殺害:コーネロの側近
- 備考:嗅覚と空腹感がプライドに移行
『約束の日』前日、単独行動をしていたアルフォンスをプライドと共に発見し捕縛(プライドが影で操る)すると、その夜中、スラム『カナマ』付近に潜伏するエド達を森の中へ誘い出すも、リン(グリード)にアルがプライドに操られていると見破られて戦闘開始。
エドがスラム一帯を停電させることで影の能力を無力化しアルからプライドを引き剥がすと、暗闇の森の中でプライドvsハインケル、グラトニーvsエド、リン(グリード)、ダリウスに別れます。
グリードはリンに入れ替わると気配を読む術で暗闇の中でもグラトニーの居場所を知覚し反撃。怒ったグラトニーは腹部の口(真理の扉の失敗作)でリンたちを丸呑みにしようとしたところ、機械鎧をつけたランファンが参戦し、リンとランファンに何度も殺されるはめに。
一方でスラムに明かりが点き始めたことでプライドが光源を確保しハインケルがピンチに陥ると、閃光弾でプライドの影を切り離すエド達。
プライドとグラトニー、エド達とランファンとフーが合流し対峙たところで、プライドはグラトニーに何回死んだか訊ねると同時に地面に影を展開していきます。
そして、プライドは舌なめずりをすると次の瞬間にはグラトニーを捕食し賢者の石を補給するのでした。グラトニーの最期は涙ながらにラストの名前を呼びながら死亡しました。
嫉妬のホムンクルス『エンヴィー』の死亡と最後
- 漫画:23巻95話『烈火の先に』
- アニメ:54話『烈火の先に』
- 死地:第三研究所地下通路
- 討伐者:ロイ・マスタング
- 殺害:マース・ヒューズ
- 備考:内乱の引き金を引いたホムンクルス(穏健派の軍将校に変身してイシュヴァール人の子供を殺害)
『約束の日』当日、人形兵が解放された中央司令部内。第三研究所地下で人形兵と出くわしたエド、スカー、ダリウス、ザンパノ、ジェルソは人形兵と地上に出さないために入口を封鎖して交戦。
その最中、マスタングとホークアイが乱入し焔の錬金術で人形兵を一掃。
すると、エンヴィーに追いかけられて逃げてきたメイとシャオメイが現れ、エド達は第三研究所地下の扉前でエンヴィーと対峙することになしました。
問答の末に、マスタングはようやくヒューズの仇であるエンヴィーに辿り着くと、復讐に取りつかれてすごい剣幕に。マスタングは左右の手で大小の火力を使い分けエンヴィーを翻弄し、何度も焼き殺します。
賢者の石を消耗したエンヴィーは入り組んだ通路へ逃走を計ると、マスタンは後を追い、エド達も追従。
騙し討ちでエド達を奇襲するエンヴィーでしたがマスタングには通用せず返り討ちに。遂に賢者の石を消耗して本体である小さく醜い異形の姿に身を窶すと、今にもマスタングに踏み潰されようとしていました。
しかし、エドやホークアイは激情に任せ畜生の道に堕ちかけていたマスタングの復讐を阻止するためにエンヴィーを引き離すと、マスタングは周囲の人間に諭され復讐を断念。
そんな綺麗事を並び立てる様子を目の当たりにしたエンヴィーはそれぞれの因縁を口ずさみ復讐を煽るものの、エドに本当は人間に嫉妬していると核心を突かれてエンヴィーは放心。
人間をクソだと思い生きてきたエンヴィーは、よりにもよってその中でもクソみたいなガキであるエドに理解された事を屈辱の極みと表現し自ら賢者の石を引き千切り自決を選びました。
数多くの内乱や因縁を生んだ元凶でもあるエンヴィーですが、最期はやるせない終わりを迎えました。
怠惰のホムンクルス『スロウス』の死亡と最後
- 漫画:24巻96話『二人の女傑』
- アニメ:55話『大人たちの生き様』
- 死地:中央司令部
- 討伐者:アレックス・ルイ・アームストロング、ジグ・カーティス
- 殺害:フォックス
- 備考:国家錬成陣のトンネルを掘り進める
『約束の日』当日の中央司令部で裏切り者のオリヴィエ・ミラ・アームストロングの始末に動いたスロウスは、人質にされていたフォックスを誤って圧殺。
その後、オリヴィエと中央兵を相手に戦い追い詰めると、アームストロング少佐が駆け付け、スロウスvsアームストロング姉弟と中央兵の構図に。
『最速の人造人間』であるスロウスは、その巨体と重量を持ちながら目にも止まらぬ速さで突進することが可能で、アームストロング姉弟でも追いきれない速度で中央兵を突進で圧殺。そして、オリヴィエを庇ったアームストロング少佐は肩を脱臼していまいます。
更に人形兵の集団が押し寄せてくると中央兵は瓦解寸前となりますが、オリヴィエが指揮を執ることで人形兵を掃討。一方で相手の攻撃を利用して脱臼を治したアームストロング少佐はスロウスを殺し続けるものの、すぐに再生するためジリ貧に。
そんな中現れたのはカーティス夫妻であり、イズミはスロウスを体術で圧倒。アームストロング少佐もまた、筋肉の友シグと邂逅したことで勇気百倍となり、少佐とシグの二人掛かりスロウスをボコボコにすると最後には棘の上に投げ飛ばして串刺しにするのでした。
再び再生して動き出そうとしたスロウスでしたが、既に賢者の石のエネルギーが底をついていたため自壊が始まると、考えるのも生きるのも面倒くさいと呟きながら大の字になり消滅しました。
憤怒のホムンクルス『ラース』の死亡と最後
- 漫画:26巻105話『神の御座』
- アニメ:61話『神を呑みこみし者』
- 死地:中央司令部地下空洞
- 討伐者:スカー
- 殺害:デビルズネストの合成獣たち、フー、バッカニア、ブリッグズ兵など
- 備考:大総統候補生十二番目の被験体
『約束の日』前日、東部の合同演習の視察中に列車が爆破され行方不明になるも、『約束の日』当日、中央司令部を制圧し歓喜の声を上げるブリッグズ兵の許に帰還し、正面入り口から突入、反撃開始。
門前広場でブリッグズ兵を一掃しバッカニア大尉に重傷を負わせると、リン(グリード)が登場し因縁の対決へ。ブラッドレイ一人にリン及びブリッグズ兵は疲弊し被害が続出すると、フーが駆け付け再び持ち直しました。
しかし、ブラッドレイがフーに致命傷を与えると、死期を悟ったフーはダイナマイトに火を点けブラッドレイと共に心中を試みますが、ダイナマイトの着火部分を斬られて不発。が、バッカニア大尉がフーの死角からブラッドレイ共々刀で突き刺すことで致命傷を与えられました。
更に、一瞬の隙を突かれてたじろいだブラッドレイにリンが攻撃を仕掛け左目(最強の目)を破壊。
バランスを崩したブラッドレイは堀に落ちそうになるとリンを掴み落下を免れますが、ブリッグズ兵に右肩を撃ち抜かれて落下。しかし、水路の穴から中央司令部地下に抜けると、地下通路で金歯の医者と対峙するマスタング達と鉢合わせ、5人目の人柱を作るためにマスタングを強襲。
プライドと結託してお父様の許へマスタングを送り届けた後は、その場に残ったスカーと対決することに。
最後は『名無し』同士(ブラッドレイの肉体に残った魂が誰のものなのか本人も分からないため)の戦いが繰り広げられており、錬金術を取り入れたスカーと満身創痍のブラッドレイとで拮抗した勝負に。
しかし、神を否定したブラッドレイは逆光により視界を奪われるとスカーに両腕を破壊され瀕死に陥ります。両腕を失っても口で折れた刀身を咥えてスカーに致命傷を与えますが、そのまま出血多量で仰向けに倒れると、今際の際にランファンが到着。
言い遺す事はないかと訊ねられたブラッドレイは無いと断言。ランファンに愛する者へ遺す言葉も無いのかと問われると、ブラッドレイは愛だの悲しみはくだらない言葉と一蹴し、妻に対しては「あれは私が選んだ女だ」と述べ、二人の間に余計な遺言など必要ないことを告げます。
そして、ランファンと問答を広げている内にブラッドレイの寿命が尽きると、一気に老け込んだように皺が広がり黒髪が白髪に変化すると息を引き取るのでした。
お父様に用意されたレールの上の人生だったものの、最期にはエド達のような人間たちのおかげでやりごたえのある良い人生だったと綴っており、満足した表情で亡くなっています。
傲慢のホムンクルス『プライド』の死亡と最後
- 漫画:26巻106話『傲慢の深淵』
- アニメ:61話『神を呑みこみし者』
- 死地:中央司令部地下(※死亡ではない)
- 討伐者:エドワード・エルリック
- 殺害:スミス(ブリッグズ兵など)、グラトニー、ゾルフ・J・キンブリー、金歯の医者(人体錬成の贄)
- 備考:始まりのホムンクルス
まず初めにプライドは死亡していません。
『約束の日』前日、単独行動中のアルを捕縛し影で操るとスラム『カナマ』でエド達を強襲。しかし、光源を断たれたり閃光弾を使われることで作戦は失敗に終わり、ハインケルに何度も殺されると賢者の石の補給のためにグラトニーを捕食。
エネルギーを回復したもののアルの作戦にはまりホーエンハイムの錬金術で巨大なドームの中に閉じ込められると、影を封じられてアルと共にドームの中で『約束の日』を過ごすことに。
しかし、『約束の日』当日、軍用信号を送ることで地下道を巡るお父様に現状を知らせるとキンブリーが救出に到着。キンブリーは紅蓮の錬金術師でドームを破壊しハインケルに重傷を負わせると、プライドは脱出。一方で、ハインケルはアルに賢者の石を託し、賢者の石で錬金術を増幅したアルはプライドとキンブリーを圧倒。キンブリーはハインケルに喉元を食い破られて瀕死になります。
そして、まんまとアルたちに逃げられたプライドはハインケルに致命傷を与えられたキンブリーを捕食すると、次に中央司令部へ向かい、5人目の人柱を作るために地下通路でマスタングをブラッドレイと共に強襲。金歯の医者を構築式に強制的に真理の扉を開くと、マスタングと共にお父様の居る地下最奥へ転送。
お父様が人柱を使い神を取り込んだ後は、プライドは残ったエドと対決することに。しかし、プライドはマスタングに強制的に扉を開けさせた影響で肉体は既にボロボロでした。
そのため、お父様(ホーエンハイムの肉体)と同じ血族のエドの肉体を奪い取ろうと企んだところ、プライドの内側に眠るキンブリーが魂の暴風雨の中から『ホムンクルスの矜持を宣いながら自身に危機が訪れた途端に下等生物と見下す人間の入れ物に逃げ込もうとする有様が美しくない』と苦言を呈し乗っ取りを邪魔だてします。
その隙にエドは自身を賢者の石に変えてプライドの中に侵入すると本体を確保し、プライドの入れ物(セリム)は消滅しました。
しかし、エドの掌に収まるサイズの赤子の姿でプライドは生きており、『約束の日』の内戦の後にはエドからブラッドレイ夫人へ手渡しされています。2年後にはブラッドレイ夫人に育てられて幼児ほどの背丈に成長しており、心優しい人格となっています。
監視付きではあるものの、人間とホムンクルスが真に心を通わせることができるのかはプライドにかかっているかもしれません。なお、額には謎のボタンのような印があり、27巻巻末の四コマでは額のボタンを押すと「さわらないでくださいよ下等生物」と以前の人格が出現。更に5年後には人間の4~5倍に肥大化した背丈に成長しているネタが描かれました。
強欲のホムンクルス『グリード』の死亡と最後
- 漫画:8巻31話『己の尾を噛む蛇』
- アニメ:14話『地下にひそむ者たち』
- 死地:中央司令部地下最奥
- 討伐者:お父様、キング・ブラッドレイ
- 殺害:ーー
- 備考:デビルズネストの親玉
半世紀前にお父様の許から立ち去ったグリードは、南部ダブリスの街の酒場『デビルズネスト』をアジトに合成獣の仲間たちを率いて不老不死の術を探っていました。
その最中、鎧に魂を定着させたある種不老不死とも言えるアルを仲間が発見すると、拉致して魂の定着方法を聞き出そうと目算。一方で、人柱の人材を発掘するために南部の視察に訪れていたブラッドレイがエドとイズミの話に聞き耳を立てており、ウロボロスの入れ墨をした男の情報に反応を示すと、軍を率いてデビルズネストを制圧。
グリードは取引のために訪れたエドと交戦する最中、アメストリス軍が掃討にやってきた騒ぎに紛れてアルを連れ逃亡。しかし、下水道でブラッドレイと鉢合わせることに。
そして、ブラッドレイに合成獣の部下を全滅させられた上に『最強の眼』の前に硬質化が間に合わずに賢者の石のエネルギーが底を尽きる寸前まで殺されると、そのまま捕縛されお父様の許に連れ戻されてしまいます。
お父様の居座る中央司令部地下最奥にて、グリードは磔にされた状態でホムンクルスの兄弟たちと百年振りの再会。お父様にもう一度ここで働く気はないかと訊ねられるも「NO!」と即答。
すると、磔にされたまま溶岩ほどの高温高熱の液体(溶解炉のような液体)の中に降下させられると賢者の石(液体状)に戻され再びお父様の中に戻されるのでした。
最後は痩せ我慢にも似た雄叫びとお父様への軽口を放っており、笑いながら溶かされています。
なお、単行本14巻でリン・ヤオの肉体に賢者の石を流し込むことで人間ベースのホムンクルスを生成した際、生前の記憶が無いグリードが復活しています。
しかし、リン曰く記憶は魂に刻まれているらしく、グリードがビドー(デビルズネストの仲間)を殺害した際に記憶を取り戻しているため厳密には肉体(入れ物)が消滅しただけであり、魂(核となるグリードの賢者の石)としては生きている判定にあたるかもしれません。
『グリード(リンver)』の死亡と最後
- 漫画:27巻108話『旅路の果て』
- アニメ:63話『扉の向こう側』
- 死地:中央司令部門前
- 討伐者:お父様(フラスコの中の小人)
- 殺害:ーー
- 備考:記憶を取り戻し再びお父様を裏切る
『約束の日』前日の夜、プライドの奇襲を受けたもののエド達と共闘し、ホーエンハイムの力でプライドを捕獲すると、ラスト、エンヴィー、グラトニーは死亡、ラース(ブラッドレイ)は東部の演習で不在、プライドはホーエンハイムにより捕縛され動けず、残すは中央にいるお父様とスロウスだけという状況に。
世界の王を目指すグリードはその晩エド達の前から姿を消すと、『約束の日』当日、中央司令部門前でブラッドレイと死闘を繰り広げるバッカニアたちブリッグズ兵の前に登場。そして、ブラッドレイと交戦します。
激闘の末、フーとバッカニアが命と引き換えにブラッドレイに致命傷を与えて堀に落とすと、門を死守して欲しいというバッカニアの最後の頼みを聞き入れたリンに力を貸し硬化能力で門前の中央兵を壊滅させました。
その後、日食が始まると5人の人柱を使い国土錬成陣を発動し神を取り込もうとしたお父様の背後に出現し奇襲。お父様が手に入れようとしていたものを奪い取ろうと目論んだグリードでしたが、行動を予見していたお父様は座標となる中心を偽っており、グリードの奇襲を躱して本来の中心に移動し錬成陣を発動、神を手に入れます。
ですが、日食の影を円とするホーエンハイムの錬成陣でお父様は取り込んだアメストリス国の魂を解放、神を制御できなくなるとエネルギーを求めて地上へ。グリードも後を追います。
そして中央司令部広場でのお父様との最終決戦では、エドを筆頭に中央兵やブリッグズ兵と協力してお父様のエネルギーを消耗させると、お父様はいよいよ神を抑えきれなくなりました。
その際、お父様はエネルギーを求めて近くに居たグリードの胸を貫くと、リンの体内から生みの親であるお父様に魂が引っ張られるグリード。リンは魂の中でグリードを掴むと、諦めるなと叱咤します。
このままではリンまでもお父様に吸収されると悟ったグリードは、一緒に戦おうと最初で最後の嘘を吐くと、リンが油断した際に手許から抜け出し接合するお父様の腕を炭化能力で一番脆い『炭』に変えてランファンに切断させることでリンと分離しました。
お父様に取り込まれたグリードは次にお父様の左足を炭に変えて破壊するものの、お父様に完全に魂を噛み潰されて消滅が始まると、消えゆく自分を見つめるエド、リン、ランファンを前にして本当に欲しかったもの『仲間』を既に手に入れていたことに気づき満足したように消滅しました。
最期の言葉は『じゃあな、魂の友よ』です。
ホムンクルスの最期についてのまとめ
- ラストの最期は単行本10巻アニメ19話、ロイ・マスタングに敗北して死亡
- グラトニーの最期は単行本21巻アニメ48話、プライドに捕食されて死亡
- エンヴィーの最期は単行本23巻アニメ54話、ロイ・マスタングに敗北し自決
- スロウスの最期は単行本24巻アニメ55話、アームストロング少佐とシグ・カーティスに敗北し死亡
- ラースの最期は単行本26巻アニメ61話、フーとバッカニアとグリードと戦い満身創痍となった後、スカーと戦い敗北し死亡
- プライドの最後は単行本26巻アニメ61話、強制的にロイ・マスタングに真理の扉を開かせた後、ボロボロになった肉体でエドワード・エルリックと戦い敗北、赤ちゃん化
- グリード(初代)の最期は単行本8巻アニメ14話、アメストリス軍がデビルズネストの制圧を始めた後、下水道でキング・ブラッドレイと鉢合わせ敗北。お父様のアジトに連行され協力を拒んだことで溶解炉で溶かされ賢者の石としてお父様の中に戻る
- グリード(リンver)の最期は単行本27巻アニメ63話、エネルギー不足に陥ったお父様にリンごと体を貫かれると、リンまで引きずりこまれると考え自らリンと分離。お父様の体を『炭』に変えて抵抗するも魂を噛み潰されて消滅
作中では到底許し難い悪逆非道な行いを人間たちにやってきたホムンクルスたちですが、その最後はどれも救われないものでした。
その中でも満足して死ねたグリードやブラッドレイはホムンクルスの中でも考え方が異端であり、ホムンクルスとして最後まで矜持を守り消滅したラストは格好良かったですね。
遺恨を残したまま自死で逃げたエンヴィーしかり、味方に殺されたグラトニーや、何も考えずに消滅したスロウスなど、様々な死に方がありましたが、最初に生み出され人間を下等生物と蔑むプライドが生きて人間と心を通わせる最初の可能性になりえるかもしれないという役割を与えられるのは面白いと思います。