漫画『きのこいぬ』の主人公・夕闇ほたると、その幼馴染である天野こまこ。
二人は絵本作家と編集者の関係ですが、本作の中盤には交際を始め、最終回には婚約に至っています。
では、二人はどのようにして進展を進めていったのでしょうか。
今回は夕闇ほたると天野こまこの馴れ初めからプロポーズまでをご紹介したいと思います。
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夕闇ほたると天野こまこの関係は?
引用元:蒼星きまま『きのこいぬ』 出版:徳間書店
夕闇ほたるは絵本作家、天野こまこはほたるの担当の編集者であり、二人は幼馴染です。
同じく絵本作家の上原つばきとも小学生時代の同級生のため、ほたる・こまこ・つばきは同い年で面識があります(つばきはこまこのことを認識していない模様)。
幼少期からの付き合いのため、ほたるは天野一家とも親交があり、弟のあゆみや両親とも顔馴染み。現在はあまり顔出ししていないようで、作中でも久しぶりに顔を合わせたようです。
高校時代
立て続けに家族を失い哀しみを閉ざしたほたるでしたが、星鳩高校入学後もこまことの交流は続いています。委員会を忘れていたほたるをこまこが注意する描写かた、おそらく同じクラス。
こまこは、ほたるが携帯電話を持たない理由が両親の死因に相手の過失(電子ながらの不注意運転)が起因していることを知っている数少ない人物でもありました。
ほたるには絵本作家になるという夢があったことから教室でもよく絵本を読んでおり、こまこはこの時に初めてほたるの夢が絵本作家だと知ります。また、ほたるが絵本作家になると知ったこまこは「じゃ、あたし編集者になろっかな」と自身の進路を定め、ほたると一緒に絵本を作る道を考えた時期でもあります。
こまこが編集者になると宣言すると、ほたるは「なんか心強いね、それ」と述べており、こまこはほたるに頼りにされたことが嬉しかったと独白しています。
デビューから10年後
本編開始時には、ほたるが絵本作家デビューして10年が経過しており、こまこも出版社に就職し約束通りほたるの担当編集になっていました。
基本的にはインドア派のほたるに合わせて家まで原稿を取りに行くのがこまこのルーティンであり、幼馴染ゆえに夕闇家で打ち合わせすることが多いようです(※なお、幼馴染でありながらも一度も外で酒を飲んだことがないとのこと)。
はなこが亡くなってから意欲を失ってしまったほたるを𠮟咤激励しずっと支えていたのがこまこであり、きのこいぬが出現して以降いい方向へ変化していくほたるを見て自身も無自覚ながら変化していくようになりました。
ある時、こまこはほたるを買い物に誘おうとするも気恥ずかしくて遠回しに伝えたため失敗。また、素直になれず空振りする性格に悩みを抱えるようになると、同年代の友人が結婚し子供を産んでいる現実を重く受け止め軽く焦燥感や羨望を抱くようになります。
しかし、ほたる曰くこまこは昔から「わたしは結婚しなくていい」「仕事大好き」と発言していたため、過去の発言を覆して愚痴を零す今のこまこを見て「変わったね」と告げるのです。
何気ないほたるの一言を聞いたこまこは自分が焦って考えすぎなだけだったと実感するほか、きのこいぬと過ごしていく内に余計な荷物が外れていく感覚を覚え肩の荷が下りるのでした。
告白
昔からほたるの世話を焼いていたこまこですが、矢良の登場以降は二人でほたるを取り合う三角関係のようになっており、犬猿の仲。が、ややこまこの方が一歩リードするようになっていました。
しかし、新人絵本作家である野崎優が登場すると、野崎はこまこにアピールを開始。こまこ年下に揶揄われている程度に受け止めますが、この年齢になって男性に好意を寄せられるのは「潤う」らしく仕事に身が入るようになり、履きなれないヒールなど容姿に気を遣うようになって仕事中もキラキラと輝くようになりました。
対して、ほたるはこまこの変化を察知すると、こまこが嬉しそうに野崎のことを話すため、野崎に恋をしていると勘違いし無意識にショックを受けてしまいますが、自身の感情にも疎いため今の感情に気づきません。また、野崎の宣戦布告を受けても自身の感情に気づけていないため、対抗心を燃やすこともなく自然と周囲の変化を受け入れる姿勢を見せるのでした。
しかし、自分が見たことがないこまこの笑顔を引き出した野崎に対して、絵本作家でありながら読者モデルで活躍し社交性のある好青年の野崎と自身を比較して鬱々としていると、つばきが「なんで比べるの」と一言。彼女の一言で、ほたるはなぜ野崎と自分を比較して悩んでいるのか引っかかりを覚えてしまいます。
そして、同時期に編集長からの辞令でこまこが夕闇ほたるの担当を外れて他の新人作家の担当に配属されることが決定すると、こまこは一度ほたると相談して返事をしようとほたる宅を訪問(※ちょうどプラムを預かっていたためプラム同席)。しかし、ほたるが「仕方ないね」と即断したため、こまことしてはほたるに相談して一緒に決断したかった気持ちが簡単に割り切られたことで憤りを覚えるのでした。
また、両者の関係は「仕事」であるため仕方ない部分も認めているものの、こまこは自分にとっては「大事な時間」だったものが、ほたるの態度を見てあからさまな温度差を感じて落ち込んでしまいます。
一方で、ほたるは自分にとってはこれまで大切な人がいなくなるはよくあることで、仕事上とはいえ、こまことの別れも「またか」と考えてしまうことを吐露します。
すると、別れを当然のように受け止めようとするほたるに対し、こまこは「私死んでないし、私は生きてここにいるじゃん」と声を荒げると、ほたるのすぐ諦める性根に言及するのでした。
ほたるが怒って家を出ると、プラムは引き止めようとしないほたるを蹴り飛ばします。ほたるは痛みを感じる最中、ようやくこまこがいつも自分を心配して哀しんでいたことに気づきます。
プラムが「はやく、おいかけて」と入力した携帯を見せると、ほたるはやっと自分の気持ちに従って行動を開始。野崎が現れた時も、こまこがキラキラし始めた時も、ほたるは自分には何もできないと言い訳を作り、ただ変化を受け入れているだけだったと内省します。
そして、家を飛び出したほたるは、こまこに追いつくと謝罪。
加えて「失ったところをこれまで支えてくれていたのはこまこ」だと実感し、ようやく自身の中にずっと存在していた気持ちが「恋」だと認識すると「こまこちゃん、好きです」と告白に至るのでした。
また、長い付き合いの中で気づくのが遅くなった旨を伝えると、こまこはほたるがずっと前から自分のことを好きだったと知り頬を紅潮させます。
互いに気恥ずかしそうにしつつも、ほたるが歩み寄るとこまこは「私も好き」と告白の返事をし、二人は晴れて両想いとなり交際することになるのでした。
交際するまで長い時間がかかりましたが、二人は自分たちらしいと笑い合いました。
プロポーズ
交際後、こまこが弁当作りや化粧をし始めたため天野家の母は娘に彼氏ができたと察知。また、きのこいぬは二人の初々しい距離感を微笑ましく見守るようになりました。
クリスマスにはほたるはピアスを、こまこはキーケースをプレゼントしており、キスを交わすまでに接近。
正月には正装で天野家を訪問し天野一家に正式な挨拶と交際の報告をしますが、元々幼少期からの付き合いで顔見知りであったことと、一番の報告がきのこいぬの紹介及びその正体が「きのこ」であるとの報告だったために、こまことの交際の報告は印象が薄まりすんなりと受け入れられるのでした(天野父がUMA好きだったため、交際そっちのけできのこいぬに夢中)。
バレンタインデーにはこまこからチョコレートをプレゼントされており、きのこいぬと実食(※きのこいぬ用のチョコも一緒にプレゼント)。交際以降は用事がなくともいつも以上にほたるの家に通うようになるほか、カフェや映画館などに一緒に出掛ける回数が増えました。
ある時、ほたるはこまこのことを考えるとボーっとするようになり、こまこが会社の後輩の結婚式に出席する服を購入すると、こまことの結婚を意識し始めます。しかし、大切な人を失ってから心を閉ざしてきたほたるにとって、相手に「好き」と伝えるには中々タイミングを掴めないでいました(それがストレスになるほど悩む)。
一方で、こまこはほたるを誰よりも理解していたため、今更待つことに慣れていたことから閉じた状態のほたるが自分から切り出すタイミングを待っていました。
そして、ほたるは覚悟を決めるなり百貨店に赴くと偶然目に留まったとある商品を購入。その晩、仕事帰りのこまこを誘い星鳩公園のベンチで本題を切り出すのです。
ほたるは「こまこちゃんのこととても大切だと思ってる。ずっと一緒にいてほしいなって思ってる」と伝えると、百貨店で購入した「結婚指輪が作れるキット」を取り出します。絶対指輪ではないと察知できる大きな箱を前に困惑するこまこですが、ほたるはこれからの人生を一緒に作りたいという理由でこの商品を選んだと伝えます。
また、自身の大切な人はみんないなくなってしまう恐怖心から、こまことの未来を考えて不安で涙を流しますが、こまこはほたるの背中に手を添えて「一緒に生きていこう。私とほたる、あときのこいぬ」とほたるのプロポーズを受け入れるのでした(なお、ほたるはこまこが「あと、きのこいぬ」と付け足したため深くにも笑った模様)。
こうしてほたるのプロポーズは成功に終わりました。
その後、ほたるの家で「結婚指輪が作れるキット」を二人(+きのこいぬ)で作る姿が描かれています。
ほたるが見た「黒い場所」の夢
ほたるはこまこへのプロポーズ前に「黒い場所」の夢を頻繁に見るようになりました。
夢の中でほたるは黒い空間にポツンと佇んでおり、これまで大事にしていたスケッチブックが無くなっていることに気づきます。また、そこには一本の道があるだけで、なぜか道案内をするきのこいぬに従って進んでみると、大事なスケッチブックは地面に埋まっている状態でした。
二度目に同じ夢を見た際には、今度はスケッチブックが氷に埋まっており、ほたるはスケッチブックを取り出せない不安から恐怖心を抱え込むようになります。
しかし、プロポーズ後に三度目の夢を見ると、今度は黒い空間の中で亡くなった両親たちが勢揃いで出迎えるのです。母親はほたるが探していたというスケッチブックを見せますが、母親が持っているのは分厚い新しいスケッチブックであり、見るからに別物。
ほたるがスケッチブックが違うと否定していると、いつの間にかほたるの姿が子供の姿に変化しました。
不意に母親はほたるに寄り添い、辛い時に自分の道を選ぶのは大変だったが「頑張った」と褒めると、ほたるの手を引いて道を進みます。道中、母親はほたるはどんな時も自分で考えて自分で選び自分で歩いてきたと諭すと、これからは新しいスケッチブックでも大丈夫だと言います。
そして、母親は道の先を指差すと、そこには古いスケッチブックを持つきのこいぬの姿があり、きのこいぬは古いスケッチブックを火の中に投げ込みました。
すると、ほたるの姿は大人に戻り、ほたるはきのこいぬの行動に呆れます。
また、ほたるの家族が新しいスケッチブックを開いて中を見ると「もうこんなにたくさん描いてあるじゃん」と微笑み、ほたるに新しいスケッチブックを渡して「大丈夫だよ」と伝えます。
そして、ほたるが家族から新しいスケッチブックを受け取った瞬間目を覚ますと、それ以来「黒い場所」の夢を見なくなるのでした。
おそらく、古いスケッチブックは家族との思い出が詰まると同時に閉じていた「哀しみ」であり、新しいスケッチブックはきのこいぬたちとの新しい思い出と閉じていた「哀しみ」が開いたもの。きのこいぬと出会ってから哀しみを乗り越えて生きる意欲を取り戻していった、ほたるの新しい人生が描かれたものだと思われます。
新しいスケッチブックには、今後もこまこと一緒に生きていく思い出が描かれていくのではないでしょうか。
同棲
「きのこいぬ」の最終話で、こまこは実家からほたるの家に引っ越しし同棲を始めました。
なお、本編ではプロポーズの後日談と思われるエピソードが最終話のため、結婚式は描かれていません。しかし、ほたるの家で祝いと称してピザパーティーが開催されているので、関係者にはプロポーズしたことを報告しているようです。
まとめ
夕闇ほたると天野こまこの関係のまとめ
- 夕闇ほたると天野こまこの関係
- 夕闇ほたるは絵本作家、天野こまこはほたるの担当の編集者
- 二人は子供の頃からの幼馴染(小・中・高時代を共に過ごす)
- 高校時代にこまこはほたるの夢が絵本作家と知り、編集者を目指す
- 告白
- こまこは、最後の家族であるはなこを失ってから生きる意欲を失ったほたるを𠮟咤激励し、ずっと支え続ける
- きのこいぬの出現から徐々に生きる意欲を取り戻していくほたるの変化を受け入れて、こまこ自身も新しいスタートを切る
- こまこは「結婚しなくていい」「仕事大好き」と公言していたが、同世代が家庭を持ち始めたため焦りを覚えるものの、ほたるに「(考え方が)変わったね」と言われて自分が周囲と比較して考えすぎていたことに気づき肩の荷が下りる
- 新人絵本作家である野崎優が登場により、こまこが(化粧や身だしなみを意識するようになり)キラキラと輝くようになると、ほたるは野崎と自分を比較し「自分には何もできない」と言い訳を作りこれまで通り周囲の変化を受け入れようとする
- こまこが担当編集が変わることを報告するとほたるが当然のように即断で承諾したため、こまこはすぐに諦めるほたるの性格を指摘し激怒して家を飛び出すと、ほたるは「失ったところをこれまで支えてくれていたのはこまこ」だと気付く
- ほたるはこまこを追いかけると、自身の中にずっと存在していた気持ちが「恋」だと認識して告白し、こまこはほたるの告白を受け入れて交際が始まる
- プロポーズ
- 交際後は会う回数も増え季節のイベント(クリスマスやバレンタインデー)を堪能し、正月には天野家に訪問し交際を報告し両親公認となる
- 最終回前にはこまことの結婚を意識してこまこにプロポーズし、こまこはプロポーズを受け入れる
- プロポーズ時、ほたるはこれからの人生を一緒に作りたいという理由で「結婚指輪が作れるキット」を渡しており、後にほたるの家で「結婚指輪が作れるキット」を二人(+きのこいぬ)で作る
- 最終回では、こまこがほたるの家に引っ越ししている
家族を失ってからというもの「哀しみ」を閉じ込め、生きる意欲を失っていたほたるは自分の気持ちをしっかりと伝えることができなくなっていました。
作中でも登場キャラクターにそのことをしばしば指摘されていたほたるですが、多くの人物に自分の感情を気づかされたことで、ようやくこまこへの感情が「恋」であると実感し告白に至りました。
その後はもう流れるようにプロポーズまで駆け足でしたが、幼少期から培われた二人にとって時間は十分すぎるほか、きのこいぬの存在がほたるから欠け落ちていた意欲を取り戻したことで最後は自分から気持ちをしっかりと伝えることができたようです。
結婚式に参列するきのこいぬを見て見たかったですね。
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きのこいぬ 作者:蒼星きまま |
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