『HUNTER×HUNTER』に登場する盗賊集団・幻影旅団。
通称:クモと呼ばれる彼らは、クルタ族を皆殺しにしたことからクラピカの仇として狙われており、ヨークシン編では幻影旅団の危険度が克明に描かれました。
しかし、血も涙もない集団だと思われていた幻影旅団にも、彼らが旅団を結成する原点となった悲しい出来事がありました。
今回は幻影旅団の過去と結成理由についてご紹介したいと思います。
幻影旅団(げんえいりょだん)とは?
引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』 出版:集英社
幻影旅団とは、構成員13名からなる盗賊グループでA級首の賞金首。
構成員には旅団の証となる『ナンバー入りのクモのタトゥー』が身体のどこかに刻まれており、メンバーは入団希望者が在団員を倒せば交代できる制度。それ以外で欠員が出た場合は団長がメンバーを新たに補充しています。
主な活動内容は盗みと殺しであり、たまに慈善活動を行うことも。
幻影旅団の構成員(暗黒大陸編)
| No. | 団員 | 役職 |
| No.0 | クロロ=ルシルフル | リーダー |
| No.1 | ノブナガ=ハザマ | 戦闘員 |
| No.2 | フェイタン=ポートオ | 戦闘員 |
| No.3 | マチ=コマチネ | 戦闘員 |
| 旧No.4 | オモカゲ | ? |
| No.4 | ヒソカ=モロウ | 戦闘員 |
| 新No.4 | カルト=ゾルディック | 情報処理 |
| No.5 | フィンクス=マグカブ | 戦闘員 |
| No.6 | シャルナーク=リュウセイ | 情報処理 |
| No.6 | 欠員 | |
| No.7 | フランクリン=ボルドー | 戦闘員 |
| No.8 | シズク=ムラサキ | 情報処理 |
| No.9 | パクノダ | 情報処理 |
| No.9 | 欠員 | |
| No.10 | ボノレノフ=ンドンゴ | 戦闘員 |
| No.11 | ウボォーギン | 戦闘員 |
| 新No.11 | イルミ=ゾルディック | 戦闘員 |
| No.12 | コルトピ=トノフメイル | 情報処理 |
| No.12 | 欠員 |
旅団の在り方
蜘蛛に見立てて、クロロが頭で残りの団員は手足。
手足は頭の指令に対して忠実に動くのが大原則ですが、あくまでも機能としての前提であり生死については別です。例えば、場合によっては頭より足の方が大事な時もあることを想定し、頭(クロロ)が死んでも残る他の団員が跡を継げばよいというのがクロロの考え。
クロロの命令は最優先であるものの、クロロを最優先に生かす必要はなく、クロロもまた旅団の一部であり、生かすべきは個人ではなく幻影旅団そのものです。
流星街とは?
流星街とは、ゴミも武器も死体も赤ん坊も、この世の何を捨てても許される生まれた時とから社会に存在を認められていない場所。
公式には1500年前以上前からラベ共和国と同じ位の土地面積(東京+埼玉程度の広さ)を廃棄物の処分場として活用している場所で無人とされていますが、現在800万人に近い人間が住んでいると言われています。
その中で人々がどう暮らし何を信じ教わっているかは誰もわかりませんが、10年前、流星街出身の人間が冤罪で3年間不当に拘束された事件に際に、流星街の仲間が31人が冤罪に関わった警官や裁判官などの31名を標的に各自自爆するという形で殺害した報復行為が発生。
この時、こま切れの死体脇に遺されたメッセージが『我々は何ものも拒まない。だから我々から何も奪うな』であり、仲間一人の報復のために平気で命を投げ出す異常性から流星街の人間の絆は他人より細く家族より強いと言われています。そのため、十老頭でさえも流星街出身者を敵に回すのは『相手が悪い』と引き下がるようです。
幻影旅団の過去
引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』 出版:集英社
幻影旅団の結成に繋がる過去編は単行本38巻395話~で描かれています。
少年時代のクロロたちは流星街で暮らす至って普通の子供(悪ガキ)のようなもので、まだ全員が団結せず、クロロ・シャルナーク・フランクリン、ウボォーギン・マチ、フィンクス・フェイタンのように各自ナワバリを持って対立していました。また、パクノダにとってクロロは弟分のようで、幼少期のクロロは彼女のことを『パクちゃん』と呼んでいます。
当時のクロロはゴミ山からビデオ(外国語講座など)を拾って全宗教会の鑑賞室で勉強をしており、パクノダも他の連中がこない教会でクロロの勉強に便乗。クロロはこの時点でゲルマ語に加えて公用語とジャンナ語を習得しており、流星街の上役も探求心が強く勉強熱心で独創的な発想をするクロロの将来に期待を寄せていました。
第一回、清掃戦隊カタヅケンジャーの吹き替え上映会
ある日、クロロが持ち帰ったビデオにたまたま清掃戦隊カタヅケンジャーが録画されていたため、パクノダは皆を呼んで一緒に見ようと提案します。しかし、クロロは賛成するものの『話はわかった方が楽しい』と述べ、パクノダに頼んで吹き替えのメンバーを集めてもらいます。
パクノダによってカタヅケンジャーの女性隊員の吹き替えは同じ女性であるシーラとサラサに頼み、人数を増やすとバレる危険が高くなるため他の役は全てクロロが演じることに。
| 配役 | 演者 |
| クリンピンク | パクノダ |
| クリンパープル | シーラ |
| クリンオレンジ | サラサ |
| その他全て | クロロ |
初回は定期集会に特別上映として行いますが、ウボォーギンやフィンクスに絡まれるクロロ。しかし、最年少のサラサがフィンクスらにお菓子配りなどを手伝わせ、滞りなく上映が開始されます。また、この時、クロロは最年少のサラサに護られている内は『皆の弟』と揶揄われています。
上映開始からしばらく4人の吹き替えは好評でしたが、機械トラブルで映像が停止。せっかくの盛り上がりも一気に冷めていく流星街の子供達でしたが、クロロがマイクを持って登壇し生でキャラクターを演じることで場を繋ぐと会場は大盛り上がり。機械の修復時間を稼ぎ再び本編が流れると、今度はクロロら4人とも登壇し、映像をバックに生で吹き替えを行いました。
この時のクロロの演技力に後の旅団員は引き込まれており、上映会は大成功となりました。
ナントカ旅団
上映会後、皆が見守る中、クロロは勝手にビデオを使ったケジメとしてウボォーギンに呼び出されますが、ここでサラサが両者の間に立ちクロロに向き直り『クロロー!お前本当にスゲェー奴なんだなー!オレは見直したぜこのヤロー!!』とウボォーギンの心の声を吹き替え。
呆気にとられるウボォーギンですが概ね心境は合っていたようで、ウボォーギンはクロロの演技が今までくらったどんな奴のパンチよりも効いたと感銘を受けており、クロロを呼び出したのは、次の怪人役の吹き替えを自分にしてほしいと頼むためでした。
ウボォーギンの提案を皮切りにノブナガ・フェイタン・フィンクス・シャルナーク・フランクリンも役を希望。こうして対立していたクロロたちは清掃戦隊カタヅケンジャーの吹き替えをきっかけに結束するのでした。なお、マチはお姫様役を回されると「……いやだ」と断り、悪役を希望する模様。
その後、二回目の上映を更に大成功で収めると、次のエピソードに向けての話し合い中に自分たちの立ち位置の話に脱線。
- 人手不足だね、団員募集する?(シャルナーク)
- オレらって団なの?何団?(フランクリン)
- 劇団だろ(ウボォーギン)
- オレは劇団ってゆーよりか旅の一座ってイメージ(ノブナガ)
- じゃ、旅団とかどうかな(パクノダ)
と話が流れ、クロロたちの集まりは『旅団』として決定します。また、旅団の上に何かつけようと誰かが発案すると、まだ仮のため旅団の頭にナントカをつけた『ナントカ旅団』と命名しました。
なお、クロロは旅団とは人数構成が千人以上であると説明しますが、ウボォーギンが細かいことは気にするな、各自百人力って事でいいだろと言いくるめた模様。
また、この時にウボォーギンは自分のやりたいこととして「クロロと劇で世界中巡って世界一の悪役になる事」と告げています。
ウボォーギンら加入後の吹き替え配役は以下の通り。マチだけは不明です。
| 配役 | 演者 |
| クリンレッド | クロロ |
| クリンピンク | パクノダ |
| クリンパープル | シーラ |
| クリンオレンジ | サラサ |
| クリングリーン | ノブナガ |
| クリンイエロー | フェイタン |
| クリンブルー | フィンクス |
| 天才博士 | シャルナーク |
| 魔黒大王 | フランクリン |
| 怪人 | ウボォーギン |
サラサの死亡
引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』 出版:集英社
ある日、サラサは8話以降のビデオを探すべくクリンオレンジの出番が少ない日に前倒しで仕分け作業の仕事を変わってもらいます。サラサはカタヅケンジャーの公用語を覚えたため、皆には内緒にしているウガ森横の企業ゴミの中で見つけた大量のビデオテープの中からカタヅケンジャーのタイトルを探して皆を驚かせようとしていました。
そんな中、クロロたちは定期集会でカタヅケンジャーの特別上映会を行っていましたが、珍しくサラサが来ていないことから嫌な予感が。クロロはシーラと共にサラサの乳母衆を訪ねますが、サラサの行方は掴めず。フィンクスとフェイタンは途中まで一緒だったようですが、聞き込みの結果、二人と別れてから集落に戻っていないことから一人で集落外に出たと予測。
昨晩、残りの話数が少なくなってきたためクロロがオリジナル脚本を書くかどうか話し合っていたことから、一同はサラサがビデオを探しに集落街を出たと推察します。
そのため、クロロは上映会開始時間になると登壇し上映の中止を告知。仲間のサラサが昨晩から行方不明であり、最近流星街各地で子供の誘拐・失踪が頻発している危険な状況であることを伝えると、サラサがいなくなったのは一人で家に帰した自分の責任であることを謝罪しつつサラサ捜索のため公演の休止を伝えました。
すると、カタヅケンジャーの上映を楽しみにしていた流星街の子供達は率先してサラサの捜索を志願。ウボォーギンもフィンクスも立ち上がり、サラサ捜索に乗り出すと、クロロは皆の協調性に涙ぐみます。
しかし、フィンクスのバイクを借りてウボォーギンと共に集落街を捜索していたクロロは、雨の中、ウガ森近くの道端でサラサの私物らしきポシェットを発見。旅団の仲間を集めて森に入ると、とある木に貼り紙と木の枝に何かが入った袋がロープで吊られていました。
全員が息を飲む中、ウボォーギンは「まだ、誰かは…確かめ…てみねェと」と希望は捨てませんが、クロロは「僕が見る」とゆっくりと袋の真下に移動。ウボォーギンは貼り紙を取ってクロロに内容を聞きますが、クロロは答えず、ただロープで吊るされた袋を下ろしてほしいと頼みます。
ウボォーギンは木に登ってロープをナイフで切断すると、クロロは自分の身体ほどの袋をキャッチ。そして、その場に座り込み袋を開けて中を覗くと、バラバラにされたサラサの身体が視界に入り、クロロは悲壮感溢れる表情で口許を結びます。また、サラサの額にはメッセージが書かれた髪がピンで貼り付けられていました。
クロロの沈黙から全員が袋の中身がサラサであると察すると、唯一クロロの背後から袋の中を一緒に覗いていたウボォーギンは「クロロ、答えろ…!これ…何て書いてある!?」と詰め寄ります。ですが、クロロが「言わない」と返したので、ウボォーギンは激怒し胸ぐらを掴むと、サラサを殺した奴らが何と書き残したのか尋問。しかし、それでもクロロは「絶対…!!口にしない…!!死んでもッ」と口を紡ぐと、ウボォーギンはクロロを投げ捨てるのでした。
一方で、マチはサラサが入った袋を抱き締めると「早く…連れて帰ろう。このままじゃ可哀想…。痛かったよね。怖かったよね。ごめんね」と声をかけ、パクノダとシーラは号泣するのでした。
幻影旅団の結成
引用元:冨樫義博『HUNTER×HUNTER』 出版:集英社
その後、クロロたちサラサの死体を持ち帰ると、全宗教会の神父の紹介でエンバーマーのレンコに遺体をエンバーミングしてもらい、サラサは生前の姿の状態に復元され棺に入れられます。
そして、それぞれがサラサの棺に花を手向けており、クロロはポシェット、ウボォーギンはカタヅケンジャーのビデオテープを棺に入れて別れを済ませます。また、マチはレンコを追いかけエンバーミングの技術を習おうとしますが、レンコはエンバーミングではなく特殊能力──つまり『念』による能力だから無理だと一蹴。しかし、マチがレンコの体を覆うオーラを見破ると、レンコは乳母衆の許可が下りれば、と師事を許可しました。
サラサの埋葬後、お参りの帰りに二人きりになったクロロとウボォーギン。クロロは3年後(14歳になる)までに自分の力も流星街のシステムも整えるから待ってほしいと言いますが、ウボォーギンは3年も待てないとして今すぐにでもサラサの仇を探しに流星街を出て行こうとします。
しかし、クロロはサラサを殺した犯人達は顕示性の強いメッセージを残し周囲にタバコの吸い殻が何本も落ちていたことから映像を記録していた奴がいると確信。3年経てば世界で通信の革命が起こりインフラが整えば個人発信の情報を世界中の人々が目にする環境が整うと考え、もし犯人達がサラサの殺害現場を記録していれば、自分達の『作品』を世界中に発表できる機会があると知れば我慢できず公開すると予想を立てるのでした。
そして、悪事は闇に潜るのと同様に通信環境でもこういった輩は抜け道を探すため、クロロはその抜け道を自分たちが先に用意しようと決意。流星街を利用し警察の追跡を避けるシステムを作れば悪人は必ずそこを経由することになり、クロロは悪人の隠れ家を作ってノコノコ集まってきた悪人の中からサラサを殺害した犯人を見つけ出そうと考えたのです。
この話に聞き耳を立てていたナントカ旅団のメンバーはその場に姿を現すと、クロロの『3年』という待機時間に賛成し、それぞれが犯人に近づくための知恵と道具、犯人を見つけた時に必要な力と技術を身に着けることを決断。そして、その準備加え、クロロはこれ以上流星街でサラサのような犠牲者を出さないようにするために『自分の人生を捧げる覚悟』を差し出します。
クロロは、サラサを殺した犯人達が現行の法体系の中で心から深く反省し悔い改める姿を想像できないとして、残りの人生を世界中の人間が恐れ慄くほどの悪党として生きる覚悟を皆の前で誓います。小悪人共が震え上がり決して流星街に近づかないようにするため、3年後、例えサラサが望んでいなくても多くの人間を殺すことを宣言するのでした。
演説を終えたクロロはその理想とする旅団のリーダーをウボォーギンにお願いしますが、ウボォーギンは旅団の頭はクロロだ──、お前が頭ならオレは死ぬまでついていくよと人差し指を掲げます。それは、カタヅケンジャーのクリンパワー終結の決めポーズであり、ウボォーギンに続き全員が人差し指を掲げると、クロロは旅団の頭として生きる覚悟を固めるのでした。
こうして3年後、ヨークシン編でパクノダが一瞬回想した旅団結成のシーンに繋がり、幻影旅団が誕生します。
まとめ
以上「幻影旅団の過去と結成」についての紹介でした。
旅団のオリジナルメンバーは全員流星街の出身であり、企業ゴミの中から見つけた戦隊モノの作品『カタヅケンジャー』が旅団結成の原点で、元々は流星街の子供達を笑顔にする普通の集団でした。
しかし、団員のサラサが殺されたことを皮切りに、クロロはサラサ殺しの犯人を見つけ出すのと流星街の子供達を守るために自分の人生を捧げて悪党になる決意を固め、他の団員もクロロの考えに同調し、クロロを旅団の頭に据えた『幻影旅団』を結成しました。
唯一旅団に加入しなかったシーラのその後も気になりますが、冨樫義博先生が旅団は全員死ぬと回答されているため、全員それなりの報いは受けそうです。
![]() |
HUNTER×HUNTER 38 冨樫義博 (著) |
|
![]() |
HUNTER×HUNTER 冨樫義博 (著) |
|
![]() |
HUNTER×HUNTER グッズ |
|
![]() |
TVアニメ「HUNTER×HUNTER」 | |










