『呪術廻戦』に登場した禪院真希の双子の妹・禪院真依は悲惨な最期を迎えて死亡してしまいました。
そこで今回は禪院真依が死亡した理由と真希に遺したモノについてご紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- 禪院真依の死亡と最後について
- 禪院真依が真希に遺した言葉
- 禪院真依が真希に託した刀
- 禪院真依と禪院直哉の関係
禪院真依の最期と死亡の経緯
引用元: 芥見下々『呪術廻戦』 出版: 集英社 掲載誌: 週刊少年ジャンプ
禪院真依の最期と死亡が描かれたの単行本17巻第148~152話。
禪院真希は渋谷事変の後、五条悟を封印した獄門疆を開く手段として天使を名乗るプレーヤーを探すため死滅回遊への参加を試みます。
しかしその前に、五条悟の封印後に高専忌庫の呪具は加茂家と禪院家が持ち出してスッカラカンだったので死滅回遊の参加前に禪院家に戻り呪具の回収に向かいました。
本来ならば当主もしくは当主の許可が必要な禪院家の忌庫ですが、渋谷事変で禪院直毘人が死亡したため、直毘人の遺言書通り伏黒恵が次期当主となり、真希は伏黒の威光を借りて禪院家の忌庫に立ち入ります。
しかし、忌庫に入ると通路を塞ぐようにして待機していたのは実の父親である禪院扇。
扇含む禪院家の後継者達は真希(五条悟解放チーム)達の動向を見越して既に呪具を移動していたのです。
そして、扇の足元には流血し倒れている真依の姿がありました。
禪院真依の最期
禪院扇は禪院真希を倒すと、真依と真希を引きずり忌庫の奥、2級以下の呪霊を無数に飼っている訓練と懲罰に使われる部屋へと放り投げます。
扇にとって真依と真希は出来損ないの娘であり、当主になれなかった唯一の理由として子供の不出来と指し、二人を人生の汚点と蔑んでいたのです。そして、扇は二人を呪霊に処理させようと目論見、二人をその部屋に放置し部屋を出て行くのでした。
残された真依は扇にやられて気絶したままの真希に寄り添うと、いつかこういった局面が来ることを覚悟していたようで、真希を膝枕してキスを交わします。(※呪力の受け渡しか何かの縛りに必要な所作?)
次の瞬間、真希は海辺(生得領域?)で目を覚ますと隣には真依が座って海を眺めていました。
そして、真依は自身の術式では大きな物や複雑な物を作れないと話すと、扇に斬られた傷もあることから「これ作ったら私死ぬから」と死を仄めかします。淡々と要点だけ伝えた真依は一人海へと入っていくと、真希は慌てて真依を引き止めます。
しかし、真依は呪術師にとって双子が凶兆であると言われる理由を随分前から分かっていたと語りだすと、『何かを得るには何かを差し出す』という縛りは一卵性双生児の場合は呪術において同一人物とみなされるため利害が成立しないと説明しました。
- 真希が強くなりたいと努力しても真依は強くなりたくないと思っている
- 真希が術式を持っていなくても真依が術式を持っている
つまり、真依がいる限り真希が強くなることはなく一生半端者のままでとどまることになるのです。
真依は随分前からそのことを理解しており、今回の件で真希を死なせないために真希には必要無い呪力や何もかもを持って死ぬことを決断しました。
そして、最期にこれだけは置いていくと述べると真希に『葦』を手渡して海へと投身します。
禪院真依が真希に渡したもの
真依が最期に真希に手渡した手の平大の植物の枝のようなものですが、おそらく148~152話のタイトルが『葦を啣む』で統一されているため植物の『葦』でしょう。
『葦を啣む雁』という諺があり、意味は『物事を行うときの準備が完全なこと。雁が海を渡って遠くへ飛ぶとき、海上で羽を休めるために枯れ葦を口にくわえて行くことから』となります。
真依を諺の雁に見立てており、真依が真希の枷となっていた呪力や自分自身の存在を遠くへ行った時に真希の準備か完全に整うということを伝えているのかもしれません。
また、真希が生得領域から目を覚ますと受け取った葦は『刀』に変わっています。
禪院真依が真希に遺した言葉
真依が葦を真希に手渡した後、真依と真希は仲が良かった幼少期の姿に変わっています。
そして、呪力や何もかも持って行く代わりに一つだけ約束させるのです。
『全部壊して』
どこまでを『全部』に含んでいるのかは分かりませんが、幼少期の出で立ちの真依はそれだけ言い遺すと笑顔で海へ振り返り投身するのでした。
禪院真希は真依の刀で禪院家を滅ぼす
生得領域から目を覚ました真希の手には真依が最期に作り出した『刀』が握られており、膝枕をしていた筈の真依は既に事切れて横たわっていました。
涙を流しながら真依の名前を呼びかける真希ですが真依は動きません。
そして、真希は真依が遺した『言葉』と『刀』を持ち部屋を出ると、手始めに禪院扇を瞬殺し『全部壊して』という約束を叶えるために禪院家を相手に動き始めます。
禪院家の屋敷では禪院家躯倶留隊(術式を持たない禪院家『炳』の下部組織)を全滅させ、禪院家最強の術師集団『炳』(禪院甚壱、禪院長寿郎、禪院蘭太)を殺害。
そして、『炳』筆頭の禪院直哉に致命傷を負わせた後、禪院家に居た者を全員殺害したのち母親をも斬るのでした。(母親は真希に喉元を斬られた後、致命傷を負って這いずり回っていた禪院直哉を殺害)
更に、その日禪院家に不在だった『炳』『灯』『躯倶留隊』を皆殺しにして真依の言葉を実行完了しました。
また、真依の死体は西宮桃に渡しています。
※真依が遺した刀は読者から『真依ソード』の愛称で呼ばれることも。
真依が遺した刀
真依が遺した刀は呪具『釈魂刀』のレプリカです。
あらゆるモノの硬度を無視し魂を切り裂く効果を持ちますが、その効果を充分に発揮するには無生物の魂すら観測する目が必要になります。
真希の天与呪縛は禪院家の一件ではまだ未完成でしたが、真希は死滅回遊で真依の刀を扱えるまでに成長しました。
禪院真依が殺害された理由
五条悟の封印後、禪院家は変動する勢力争いに勝つために裏で動いていました。
禪院家当主禪院直毘人は渋谷事変で死亡しましたが、次期後継者を相伝術式持ちかつ領域習得済みである正当な禪院の出自である伏黒恵に指名。しかし、禪院家の後継者候補たちは加茂憲紀と五条悟と友好がある伏黒恵が当主というのには否定的な考えを持っていました。
伏黒恵を消そうにも、加茂家と五条家と繋がりがあるため、理由もなく消せば立場が悪くなるのは禪院家。勢力争いに遅れが生じることになります。
そんな中、五条家を蹴落とそうとする総監部が『五条悟を渋谷事変共同正犯とし呪術界から永久追放。かつ封印を解く行為も罪と決定する』と定めたため、その項目を利用することにしたのです。
つまり、禪院家は五条悟解放を企てた謀反者として伏黒恵・禪院真依・禪院真希の三名を誅殺することに決定しました。
実の父親である禪院扇が娘にかける役目を請け負ったのは、実の娘を殺した方が総監部への信頼の強固となると考えたためであり、禪院真依は禪院家のゴタゴタに巻き込まれた完全なとばっちりで殺害されたことになります。
しかもこの計画の発案者も扇であるという事実が真依の救われなさを表しています。
禪院真依と禪院直哉の関係
単行本16巻第138話『禪院家』で登場した直哉は、真希・真依の母親の目の前で二人を比較し、真依を「真希ちゃんと同じ顔同じ乳、強がっとるけど自分が女やと心底理解しとる」と評価しており、渋谷事変で死にかけているのが真希の方だと報せを受けると「そうなん?ほなええわ」とどうでもいい素振りでした。
何故か真依に関しては好感触なのが直哉です。
そして、第194話『桜島結果④』では、死後呪いに転じて復活した禪院直哉と真希は戦っており、呪いに転ずることで真依の死と引き換えに完成された真希を圧倒する強さを手にした直哉は「子供ができないことを大人は当たり前にできるようになり、大人になるとできなかった時のことを思い出せない」と例え優越感に浸りました。
その際、真希が「イマエが大人だったことがあんのかよ」と皮肉を込めて言い放つと直哉は「どうやろ、真依ちゃんに聞いてみよか」と返しています。
その意図は真希の精神を揺さぶるための嘘なのか、本当にそういった行為があったのかは分かりませんが、禪院家での発言があるためかなり怪しい発言でした。
禪院家の人間達から見ても直哉はかなりのクズで作者からも論外の男とお墨付きなので、真依と直哉に深い関係があった可能性は無くも無いでしょう。
ちなみに、真希が死滅回遊で直哉を完全に殺すと再び真依は真希の生得領域(海を背景にした砂浜)に現れると「ちゃんと壊せたね」と称賛し握手をしていたことから、真依にとって直哉は『全部壊してね』の対象の筆頭だったのかもしれませんね。
禪院真依の死亡のまとめ
- 真依の最期と死亡が描かれたの単行本17巻第148~152話
- 禪院直毘人死亡後、遺言で次期当主が伏黒恵に決まったため、禪院家の後継者候補は伏黒恵を公的に殺害する理由を作るのに『五条悟を渋谷事変共同正犯とし呪術界から永久追放。かつ封印を解く行為も罪と決定する』という総監部の定めを利用し、伏黒恵・禪院真依・禪院真希の三名を誅殺を決定
- 禪院扇が計画の発案者であり、真依と真希は扇に斬られた後、禪院家が呪霊を飼っている部屋に閉じ込められた
- その場から生き残るために真依は自分を犠牲に真希が強くなるために必要のない呪力と他のものを持ち死亡を選択
- 真依は命と引き換えに呪具『釈魂刀』のレプリカを作り出し真希に与える
- 真依は真希に『全部壊して』と言い遺し死亡した
真依の死亡は完全なお家騒動の被害者であり、実の父親の扇が発案した計画によって命を絶つことになるというかわいそうな最期でした。
更に直哉から匂わせ発言があったことから、真依が禪院家でどんな扱いをされていたのかは想像に難くなく、禪院家のクソさが際立ったエピソードという印象です。
真希は真依の居場所を作るために禪院家を出て強くなる道を選びましたが、強くなるには真依が死ななければならないという不条理に立たされていた、救いようのない運命でした。
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