漫画『呪術廻戦』の登場キャラクター・釘崎野薔薇は、田舎が嫌で上京してきました。
呪術師になったのも呪術高専東京校に入れば金銭の心配をせず上京できるという理由で、「自分が自分であるため」に命を懸けられるのが釘崎という人間です。
しかし、これまで釘崎の家族に関しては祖母の存在しか匂わされていませんでしたが、新宿決戦の後に五条悟の手紙で母親について触れられると、最終巻収録のエピローグでついに母親が登場しました。
今回は釘崎野薔薇の母親とその関係性についてご紹介したいと思います。
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釘崎野薔薇の母親について
本編で釘崎野薔薇の母親について触れられたのは数えるほどです。
- 単行本15巻125話:ふみの回想で母親の存在を示唆
- 単行本30巻268話:五条悟が遺した手紙に母親の情報を記載
- 公式ファンブックにて、釘崎の訛りについて母親が関係していることを記載
なお、いずれも母親の名前や人物像がわかる要素はなく、人柄や容姿・性格などを想像することはできません。
しかし、30巻に収録されたエピローグにて、ついに母親の容姿や性格が判明するのでした。
五条悟の手紙の内容
新宿決戦の後(単行本30巻268話)、虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇の三人が揃ったタイミングで虎杖は家入硝子から預かっていた五条悟からの手紙を二人に手渡しています。
野薔薇に宛てられた五条からの手紙の内容は『釘崎野薔薇の母親が今どこで何をしているか』の情報でした。
野薔薇曰く母親の情報については「別に興味ない」ものであり、手紙を読んだ開口一番の台詞が「げ」と予想外の内容に引いてしまうリアクション。また、あらかた読み終えると手紙を握り潰すほか、「あんな女」と嫌悪する様子から母親との関係が悪かったことがうかがえます。
【エピローグ】釘崎野薔薇の母親の登場
野薔薇の母親が登場したのは単行本30巻収録『エピローグ 釘崎野薔薇』。
五条悟の手紙に書かれていた情報を基にわざわざ母親がいるであろう場所に赴いたようで、どこかの飲食店で二人は再会します。
母親の容姿は明るい髪色(白黒版のためカラーは不明)のロングヘアに長いつけ爪、胸元が見えるシャツの上にヒョウ柄の上着を着た水商売を想像するような出で立ち。
顔立ちは二十代~三十代程度に若く、普段は優しい口調であるものの、素の性格は野薔薇と似ており口調も砕ける模様。また、自分をろくでなしの母親と自認しており、娘の前でも平気でタバコを吸い吹きあてたり、金持ちをたぶらかして酒を飲み若い男を漁って生きるのが楽しいと開き直るどうしようもない性格をしていることが判明。
母親の口ぶりから田舎を出て行く以前からこのような性格は変わっていないようで、自堕落な生活は現在進行形のようです。
野薔薇と母親の再会
エピローグ開始とともに母親の前に立ちはだかる野薔薇。野薔薇の訪問は突然だったらしく、母親は野薔薇の出現にたいそう驚きました(おそらく飲食店でご飯を食べているところに野薔薇が現れた、という状況)。
母親は娘が自分に会いにきたと思ったようですが、野薔薇は五条悟の遺言を蔑ろにするとバツが悪いと思っただけで、母親に会いたいから来たわけではないと強調。しかし、母親はよく理解せずとも、野薔薇が普通に暮らしているように見えたのかさらっと受け流すのでした。なお、母親と再会した野薔薇は『あぁ、やっぱムカつく』と内心憤るだけであり、母親の『分からないことを分からないままにできる』性格が自分に興味がない証拠であると苛立ちの理由を独白します。
一方で、母親は子供をあやすように「野薔薇ちゃん呪術師になれたんだねぇ。私は才能なかったから」と、祖母は自分ではなく才能のある野薔薇にばかり構っていたことを綴ります。
しかし、野薔薇は「アンタになかったのは術師じゃなくて親の才能だよ」と一蹴。また、母親がいてもいなくても呪術師をやっていた──。逆に自分がいなければアンタは呪術師やめられなかっただろう──。そんなに祖母が怖かったのか──と、つまらなそうに煽るのです。
すると母親は一転してタバコを吸い始めると素の状態をひけらかすことに。
娘にタバコの煙を吹きかけながらも「アンタ、私に認められたかったんでしょ。記憶の中のろくでなしの母親を少しでもマシにしたかったんでしょ」と野薔薇の考えを推量し、自分は今も昔も変わらず男を漁り人生を楽しんでいることを告白。いつまでもアイデンティティの根っこに母親を住まわせているのはみっともないと、説教をかますのでした。
なお、母親の推量は全て的外れの見解であり、野薔薇にとって母親の存在は心底どうでもいいという認識です。そのため、母親の説教を前にしながら「すげえ、同じ惑星の重力とは思えない軽い説教だったわ」と唖然。
そして、野薔薇はあくまでも母親に会いに来たのは五条悟の遺言を立てたことと『めちゃくちゃ面白いものが見られるから』という理由を改めて強調するのです。
野薔薇の話を聞いていた母親は不快感を示し睨みつけますが、野薔薇が母親の後ろに向けて「ねえ!おばーちゃーん」と声を掛けたため瞬時にして息を呑みこみます。
次の場面、母親の隣に立っていたのは野薔薇の祖母──母親の母にあたる人物──がものすごい形相で立っていたのです。思わず母親は困惑顔で「おか、おか、お母さん」と冷や汗を浮かべますが、祖母の台詞はなく、ただ険しい表情で母親を見下ろすだけでした。
そんな母親を前に野薔薇は今日一番の笑顔で「ごゆっくり」と言い渡すと、エピローグは終了。その後、母親が祖母に何をされたのかは読者の想像に委ねられる形となりました。
野薔薇と母親と祖母の関係性
野薔薇は高専に入る以前から地元で呪術師として活動しています。
そもそも野薔薇の祖母が呪術師であり、公式ファンブックに野薔薇の芻霊呪法は祖母から教わったものと記載されていることから、野薔薇と祖母の関係性は師弟関係でもあるためそこそこ良好かと思われます。
一方で母親は本人が認めているように田舎にいる頃から「ろくでなし」だったこと、自身に呪術師の才能がなく、祖母が野薔薇にばかり構っていたことから三者間の関係は母親が一方的に嫌っていた可能性が示唆されています。
母親の性格が「ろくでなし」になったのは呪術師の家系なのに術師の才能がなく居場所がなくなったからだとも推察できますが、エピローグだけでは判断できません。ただ、母親が祖母に恐怖心を抱いている様子から、母親は祖母の意思に反して勝手に田舎を飛び出したのかもしれません。
野薔薇も上京の際には祖母ともめたようですが、今回のエピローグで祖母を呼び出すことに成功しているため、そこまで関係性は険悪ではないようにうかがえます。祖母も孫娘には甘いのかもしれません。
田舎嫌いは母親の影響?
単行本15巻のふみの回想にて、小学生の野薔薇が田舎を嫌う理由の一つに「狭ぇ村だからさ、友達になるより他人になる方が難しい」と上げているシーンがあります。
ふみはその意味を後々に思い知ることになりますが、この時の出来事を振り返ったふみは野薔薇が時々子供らしからぬことを言っていたのは『誰かの受け売りだったのではないか──例えばお母さんとか』と勝手に相手を想像しています。
公式ファンブックにて野薔薇の母親が田舎育ちなのに訛りがないことは分かっているため、もしかしたら小学生の頃の野薔薇のように、母親も田舎の閉鎖的空間と差別に嫌気がさしていて都会に憧れていたのかもしれません。
その鬱憤を小さい野薔薇に吐き出していたとすれば、ふみの想像通り母親の受け売りが野薔薇が田舎を嫌う要因となったのではないしょうか。
まとめ
釘崎野薔薇の母親とその関係性のまとめ
- 本編で釘崎野薔薇の母親に触れている回
- 単行本15巻125話:ふみの回想で母親の存在を示唆
- 単行本30巻268話:五条悟が遺した手紙に母親の情報を記載
- 公式ファンブックに母親の存在が記載
- 釘崎野薔薇の母親の登場
- 単行本30巻収録『エピローグ 釘崎野薔薇』
- 名前は不明
- 容姿は明るい髪色のロングヘア、長いつけ爪、胸元が見えるシャツの上にヒョウ柄の上着
- 術師としての才能がない
- 曰く「分からないことを分からないままにできる」性格であり、野薔薇に興味がない
- 今も昔も変わらず男を漁り人生を楽しんでいる
- 釘崎野薔薇と母親と祖母の関係性
- 祖母:呪術師として活動(芻霊呪法)
- 母親:術師の才能がない
- 野薔薇:祖母に芻霊呪法を教わる
- 祖母と野薔薇の関係はそこまで悪いように思えないが、母親は祖母が苦手なのか再会時に顔を引きつらせている
釘崎野薔薇の母親は本編には関与しないキャラクターですが、反面教師という意味合いで野薔薇の人格形成にはそれなりに影響を与えた人物のようです。
母親の発言を基にすれば、術師の才能がないことが擦れた根本のように思えますし、祖母が自分よりも野薔薇に構っていたことも逃げ出した原因であり、かつ呪術師家系から逃げ出せた理由なのかもしれません。
術師家系では御三家のように内部でも派閥があったり上下関係が築かれているので、母親も誹りを受けていたからこそ都会に羨望を抱いていたのでしょうか。
エピローグで祖母と再会した後にどのような会話をしたのかはわかりませんが、母親の怯えようから推察するにこっぴどく叱られるのは既定路線かもしれませんね。
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