漫画『BLEACH』の死神代行消失篇では、初代死神代行・銀城空吾が登場し、代行証の真実は明かされました。
しかし、銀城空吾がなぜ死神を恨むのか、なぜ浮竹十四郎をそこまで嫌悪するのか──などは本編やアニメでも回収されないままでした。
ですが、その真相が小説『BLEACH Can’t Fear Your Own World』にてついに明かされました。
今回は銀城空吾と浮竹十四郎が敵対する真相についてご紹介したいと思います。
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【死神代行消失篇のおさらい】初代死神代行・銀城空吾と浮竹十四郎の因縁
引用元:久保帯人『BLEACH』 出版:集英社
死神代行消失篇で登場した完現術者・銀城空吾。彼は完現術者ですが初代死神代行であり、黒崎一護の先代の死神代行を務めていました。
そんな銀城は死神に──とくに浮竹十四郎へ強い恨みを抱いていました。
死神代行の掟は銀城空吾のために作られた
尸魂界には死神代行の発生に対応した法律があります。
現れた死神代行が尸魂界にとって有益であると判断された場合のみ代行証を渡すのが決まりになっていますが、これは初代死神代行・銀城空吾のために作られた掟です。
発案者・浮竹十四郎と代行証の真実
死神代行に渡される代行証の正式名称は『死神代行戦闘許可証』。
つまりは現世での死神代行の活動を許可する証明証になる代物ですが、黒崎一護も薄々感じていた通り現地着任の担当死神には認識されておらず効力を発揮できたためしがありません。
実は代行証の役目は監視と制御。
代行証に監視機構を組み込んだのは浮竹十四郎であり、代行証を手にした死神代行の居場所を正確に捕捉、霊圧の制御も可能になります。
そのため、代行証とは尸魂界との通信装置でありながら死神代行の霊圧を吸収し解析し制御するための装置でもあり、初代死神代行である銀城空吾以降も死神代行には有益か無益に関係なく代行証を渡すのが慣例となっています。
このことから銀城は自分たちを監視し制御し尸魂界の手駒として使い、反抗すれば抹殺するといった浮竹へ不信感を募らせており、とある体験から浮竹へ恨みを抱いていました。
死神代行の抹殺計画
初代死神代行である銀城空吾の一件から、尸魂界は次に死神代行が現れれば銀城空吾が接触することを想定していました。
そのため、もし次の死神代行が現れればその人物を銀城空吾の居所を洗う餌として監視し、然るのちに両者とも抹殺すべし──という意見が護廷十三隊隊長たちの大勢だったのです。
しかし、黒崎一護に触れてきたことで、抹殺するはずだった彼に死神の力を譲渡するほど現在の護廷十三隊は考え方を改めました。死神代行消失篇では、現死神代行を殺すためではなく黒崎一護の決断を見届けるために隊長格を派遣し、黒崎一護が真実を知っても浮竹を信じ敵に回らなかったため抹殺を撤回しました。
銀城空吾と浮竹十四郎の因縁
死神代行消失篇では銀城空吾と死神側の因縁については深掘りされていません。
ただ、
- 浮竹十四郎が代行証に監視機構を組み込んでいたこと
- 死神たちに裏切られたこと
の二点のみ明かされています。
そのため、死神代行消失篇ではなぜ銀城が代行証に監視機能を仕組んだだけで浮竹をそこまで恨んでいるのか、そして死神たちに裏切られたと言っているのか真相はわからないままでした。
銀城空吾の目的
死神代行消失篇時点での銀城の目的は黒崎一護に完現術を習得させてその力を奪い取ることでしたが、その後の目的については少し謎が残っています。
自分を裏切った死神たちを叩き潰す・世界をひっくり返すとは言っていますが、一護の力を得た後は死神への恨みを晴らすために尸魂界を転覆するつもりだったのか、浮竹十四郎に戦いを挑もうとしていたのか、先の目的は明かされていません。
しかし、小説『BLEACH Can’t Fear Your Own World(第二章)』において、千年血戦篇で再登場を果たした銀城が一護に借りを返した日に浮竹に会うつもりだったと明かされています。
元々信用されていなかった死神代行の銀城はいざしらず、なぜ完現術者の仲間たちが殺されなければいけなかったのか──その真相を聞き出そうと最悪刺し違える覚悟だったそうですが、浮竹は神掛を終えた後で話ができる状態ではなくそのまま真相を聞き出せず死亡してしまったのです。
そのため、銀城は結局仲間が殺された理由を知ることができませんでした。
なお、銀城は浮竹がいなくなったことで愚痴をこぼす相手が欲しかったのか檜佐木修兵に上記の経緯を打ち明けました。
銀城空吾と浮竹十四郎の裏切りの真実
銀城空吾と浮竹十四郎の間に何があったのか──その仔細は小説『BLEACH Can’t Fear Your Own World』で少し判明しました。
黒崎一護に語った過去の話は一部真実
死神代行消失篇では、銀城は月島に自分自身の過去を改変させて『完現術者から虚の力を排除するために協力してくれた半分死神の人間と昔の仲間たちを月島に皆殺しにされた』という設定を作り、一護に説明しました。
しかし、実際には一護のような半分死神の仲間は存在していません。
月島の完現術『ブック・オブ・ジ・エンド』は、月島自身を他人の過去に挟み込む能力ですが「思い出」や月島が関わった「結果」を挟み込めても存在しない人間を挟み込むことはできません。
そのため、半分死神という設定の人間は実際には本当の死神であり、逆上した銀城が斬り殺した死神の一人でした。
つまり、銀城が名前も知らない死神連中の襲撃を受けて当時の仲間たちを皆殺しにされたのは真実だったのです。
そして、代行証の監視機能はこの時に気づきました。
銀城空吾を襲撃し仲間を皆殺しにしたのは綱彌代家
銀城空吾の仲間を皆殺しにするように命令を下したのは当時の綱彌代本家だということが小説『BLEACH Can’t Fear Your Own World』で明らかにされました。
代行証に盗聴器をつけるよう指示したのは綱彌代家の貴族
代行証に盗聴器をつけて監視するように指示したのは綱彌代家の貴族であり、浮竹は猛反対していました。
最終的に貴族の圧力に負けて代行証に監視機構を仕込む決断をしたのは紛れもない浮竹ですが、浮竹は監視機構を組み込む決断をした際に「銀城への疑いは無駄足に終わる。四十六室もすぐに理解してくれるだろう」と銀城を信じていました。
銀城の仲間が皆殺しにされた理由
なぜ銀城の仲間たちは死神に殺害されたのかというと、理由は完現術者の力の因子が霊王の欠片に由来するからです。
完現術者が虚に狙われる理由は生まれる前から魂魄に霊王の欠片が混ざり込んでいるからであり、特殊な霊圧が混ざり込んだ幼い魂を虚が優先的に襲うようになります(織姫とチャドの場合は代々受け継いできた霊王の因子が虚の襲撃に合わせて防衛本能で開花したもの)。
その霊王の欠片(因子)を回収するために綱彌代本家は銀城を襲撃し完現術者である仲間たちを殺害したのです。
すべては綱彌代家が完現術者から霊王の因子を回収するためであり、殺害後、完現術者の魂魄は綱彌代に回収されました。
また、一連の事件は浮竹が施した代行証の監視機能を利用されています。
綱彌代時灘によって銀城の行いは改竄され浮竹に伝えられる
当時、分家だった綱彌代時灘は綱彌代家が行った銀城関連の事件に関与していませんでしたが、時灘は嗜好から綱彌代家の暴虐と完現術者の真相を浮竹に伝えませんでした。
また、時灘は映像庁のデータを弄って「銀城が乱心して連絡役の死神と仲間たちを斬り殺した」と真実を虚偽を混ぜて浮竹に伝えたのです。
浮竹はそれを信じようとはしませんでしたが、後に銀城が浮竹の部下の死神までも返り討ちにしてしまったことで、浮竹は立場上裏切り者である銀城の始末に動くことになりました。
なお、時灘はいっそ真実を教えた後に浮竹の弟たちを人質にとり口止めするという手段も考えていたそうですが、下手につつくと京楽春水が感づく恐れがあるほか、浮竹を追い込めばミミハギ様を刺激する恐れがあったため、そこまではしなかたっとのこと。
真実を知った銀城の心境
小説『BLEACH Can’t Fear Your Own World』の終盤、一連の真相を綱彌代時灘から聞かされました。
銀城はこれまで自分がやってきた事を後悔していないとした上で「最初に斬る死神は手前にしとくべきだったぜ」とさまざまな感情を乗せて言い放っています。
また、浮竹に真実を教えなかったことを恨みました。
浮竹は銀城に斬られる覚悟を決めていた
小説『BLEACH Can’t Fear Your Own World』のエピローグ、銀城は京楽から浮竹が山本元柳斎重國や京楽春水に仮に銀城が浮竹を斬ってもその罪を不問にしてほしいと言い続けていたことを聞かされます。
護廷十三隊十三番隊隊長としての立場があるため無抵抗でやられる気はなかったと考えられますが、それでももしも銀城が浮竹を斬ることがあればその全ての責は自分にあることにしてほしいと嘆願していたのです。
浮竹が銀城を監視することも敵として追う決断をしたことも覆せない事実ですが、綱彌代時灘の一件を終えた後の銀城ならば打ち明けてもいいと京楽は判断し、伝えました。
一方で銀城は時灘の一件で真相を知ったとしても、依然浮竹の敵になった事実は変わらないとしてわだかまりを抱えたままでしたが、京楽に浮竹のことを聞いたあとは心境に変化が現れました。
銀城空吾は浮竹十四郎の墓参りを決意する
京楽は銀城に浮竹のことを話すついでに今後瀞霊廷と流魂街の行き来の手続きが簡略化されることになったことも伝えています。
そして、銀城は京楽と話し終えた直後に過去に死神の敵に回った自分でも瀞霊廷に入ることができるのかと訊ねました。
当然瀞霊廷に立ち入る目的次第では却下されますが、京楽がその目的を訊ねると銀城は「浮竹の墓の場所を教えちゃくれねぇか」と述べるのです。
本作で銀城が浮竹の墓参りに赴くシーンまでは描かれませんでしたが、銀城は自らの過去に区切りをつけて新たな道へと歩むために浮竹と向き合うことを決めたようです。
まとめ
銀城空吾と浮竹十四郎の過去のまとめ
- 【死神代行消失篇】銀城空吾は代行証の監視機能と死神に裏切られたことから浮竹十四郎を恨んでいたが、詳細は不明だった
- 【BLEACH Can’t Fear Your Own World】銀城空吾は完現術者の仲間たちを死神によって皆殺しにされたことが判明
- 綱彌代家が死神代行を監視する機能をつけるように浮竹に強制し、浮竹は銀城の疑いがすぐに晴れると考え渋々承諾した
- 綱彌代家が霊王の欠片を回収するために銀城たちを襲撃
- 銀城は死神に仲間を殺害されたため逆上して斬り伏せる
- 綱彌代時灘が映像庁のデータを改竄し『銀城空吾が乱心して死神を斬り殺した』と虚偽の報告を上げる
- 浮竹は銀城を信じていたが、虚偽の報告とその後に銀城が浮竹の部下も斬り殺したため始末に動く
- 綱彌代時灘は綱彌代家の暴虐と完現術者の真相を浮竹に伝えなかった
- 【BLEACH Can’t Fear Your Own World】浮竹は仮に銀城に斬られてもその罪を自分の責として罪に問わないほしいと山本元柳斎重國と京楽春水に嘆願していたことが判明
- 【BLEACH Can’t Fear Your Own World】本作終了後、銀城は真相を知ったことで京楽に浮竹の墓の場所を聞いているためいずれ墓参りにいく予定である
死神代行消失篇では不明のままだった銀城と浮竹が敵対する原因は、小説にて回収されました。
すべては綱彌代家の陰謀であり、浮竹は何も知らなかった──むしろ時灘の悪意によって改竄された虚偽の報告を受けて護廷十三隊の立場から銀城と敵対することを決意したという結果となり、銀城も浮竹に裏切られたと思い恨みを抱いていました。
残念ながら銀城が真相を知るのは浮竹の死後になりましたが、それでも浮竹とのわだかまりを解消できたのはせめてもの救いでした。
BLEACH Can’t Fear Your Own World 合本版 原作:久保帯人 著者:成田良悟 |
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