第四次忍界大戦で薬師カブトから柱間細胞を、六道仙人から左手に陰の力を授かることで輪廻眼を開眼させたうちはサスケですが、続編『BORUTO』で相対した大筒木イッシキとの戦いで輪廻眼を失ってしまいました。
では、サスケはどのようにして輪廻眼を失ったのでしょう。
そして、『BORUTO』第一章完結直前にうずまきボルトと里を抜けたのはなぜなのでしょうか。
今回はうちはサスケの輪廻眼の消失とうずまきボルトとの里抜けについてご紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- うちはサスケが輪廻眼を失った経緯
- うちはサスケがうずまきボルトと里抜けした理由
うちはサスケが輪廻眼を失った経緯
引用元:岸本斉史・ 池本幹雄『BORUTO』 出版:集英社
サスケが輪廻眼を失ったのは単行本14巻第53話『これが現実』。
大筒木イッシキがカワキを手に入れるために木の葉の里に襲来したこの巻、ボルトはモモシキの『楔』で大筒木イッシキを別空間に飛ばすと、うずまきナルト・うちはサスケ・うずまきボルトの三人でイッシキと交戦。
ナルトが重粒子モードでイッシキの器の寿命を残り5分程度まで削ることに成功しますが、重粒子モードが解除される間際にナルトのチャクラを通して繋がる義手を辿りイッシキはカワキをこの空間に呼び寄せると、力尽きたナルト、気絶したボルトを外し、サスケとカワキの二人でイッシキの寿命が尽きる5分間を逃げ延びることになりました。
そして、影ながら修行して会得した影分身を使うことでイッシキを攪乱したカワキの機転により、カワキはイッシキに『楔』を刻まれることなく事無きを得ます。
しかし、イッシキが消滅した直後、カワキとナルトが喋っているところにサスケがやってくると重粒子モードの副作用について訊ねようとしたところ、完全に気を抜いていたサスケの背後からモモシキに乗っ取られたボルトが強襲しクナイで輪廻眼を潰すのです。
なぜモモシキが輪廻眼を狙ったのかと言えば、邪魔者のイッシキが消滅したところでカワキの『楔』の解凍率は随分と進行しているため十尾の生贄となる生きた大筒木の代わりに使おうという目論見であり、カワキに逃げられないよう一番厄介な時空間忍術を持つサスケの輪廻眼を封じたというわけです。
サスケの弱体化
大筒木イッシキ戦ではナルトが九尾を失うことに続き、サスケは輪廻眼を失いました。
正直、今のサスケは『NARUTO』の最終章でナルトと戦った後から片腕のままなので時空間移動の能力以外六道の術の恩恵は今一つ感じられません。
しかし、輪廻眼というか片目を失ったということは須佐能乎を使用できなくなったと思われるため、現実的問題として大筒木イッシキ戦の後のサスケは『時空間忍術(輪廻眼の能力の一つ)』『六道の術(輪廻眼の能力の一つ)』『五大性質変化(輪廻眼の恩恵)』そして『須佐能乎』を失ったことになります。
(※六道仙人から授かった陰の力は失った左手になるため、元々『六道の術』に関してはナルトとの大戦後から使用できないのかもしれません。しかし、アニメ版では中忍試験でのモモシキ戦で普通に地爆天星を使っているので原作『BORUTO』で六道の術を一切使わない理由は謎です)
直後に『天照』は使っているので現在使用できるのは片目の写輪眼の能力と純粋な忍術・体術だけだと思われます。
一方で薬師カブトの孤児院には写輪眼持ちのクローンが大量にいるので何とかなるという読者の見解もあったりしますが、両目写輪眼の回復はできても輪廻眼が戻って来ることは無さそうですね。
なお、モモシキに乗っ取られていたとはいえサスケの眼を潰したボルト本人は当然気に掛けていましたが、サスケは死を覚悟して臨んだ戦いで生きて勝利できたこと自体むしろ幸運だったと述べてボルトのせいではないと伝えています。
うちはサスケがうずまきボルトと里抜けした理由
引用元:岸本斉史・ 池本幹雄『BORUTO』 出版:集英社
単行本20巻では、カワキは七代目を守るためにモモシキの『楔』が8割方解凍されたボルトを倒すためにまずは七代目を襲撃し封印。そして、次にボルトを襲撃し殺害を企てています。
しかし、結果は駆けつけた木の葉の忍によりボルトの殺害は阻止され、サスケもカワキの拘束に馳せ参じましたが、カワキを捉えた所でモモシキが表に出てくるとカワキの拘束を解き逃亡を援助。
木の葉が精鋭たちを向けてカワキの捜索を進める一方で、窮地のカワキに接触するエイダ。そして、「モモシキを今のうちに黙らせなければ七代目はいずれ殺される」「七代目が大切に守ってきた里も何もかも無くなる」「七代目の息子であるボルトを殺せる奴は木の葉にいない」「味方を全部敵に回す行為は俺にしかできない」と苦悶するカワキを見て、エイダは制御不能の神術『全能』を発動するのです。
そして、星を覆うほどの広大な光に包まれたかと思えば事態は一変。『全能』とは神が世界を作る過程で用いた創生のためのプログラミング言語であり、何もかもを具現化する絶対の意志であるため、制御不能の『全能』の力が働いた結果、エイダの潜在的な願望が具現化し『カワキの願望が具現化』してしまった模様。
つまり、エイダの『全能』が発動した時点でボルトとカワキの立ち位置が逆転してしまうと、カワキは木の葉で生まれ育ったうずまきカワキとして、ボルトは現在七代目火影に救われながらも七代目火影を襲撃し恩を仇で返した孤独なよそ者という共通認識を植え付けられてしまったのです。
また、カワキの意向で七代目火影はボルトに殺害されたと通達されたため、ボルトは七代目火影殺しの罪を被り『火影殺しの大筒木』という大義名分で大罪人となりました。
そして、うちはサスケも当然ながらエイダの『全能』による共通認識の効果を受けて『大筒木のボルト』が里を抜ける前に決着をつけようと出陣します。
うちはサスケがボルトの味方についた理由
ボルトがカワキを強襲し殺しかけた直後、サスケはサラダと合流。
戸惑うサラダを見て「当然の反応だ、カワキを本気で殺されかけたんだからな…それにナルトやヒナタまで…。ボルトが里を出てしまう前に決着をつける」とボルトの殺害を表明しますが、実はサラダと筧スミレの二人だけはエイダの『魅了』の対象外であったため今回の『全能』の効果を受けておらず、サスケや木の葉の認識がおかしいことに気付きました。
スミレからの連絡を受けたサラダはこの異常事態にはエイダが関係していると確信すると、なぜボルトばかりが酷い目に遭わなければならないかと涙。悲痛の表情でサスケにボルトの七代目殺しは無実であり、全員騙されていることを訴えますが、サスケの認識は『ボルトはよそ者』と改変されているためサラダの主張は伝わらないのです。
そのため、サスケはサラダが仲間だったボルトが裏切っただけという想いから当惑していると思っていましたが、サラダが涙を零しながら「聞いてパパ…あたしの最初で最後のわがままを…」と万華鏡写輪眼を開眼させたことで事の次第を懐疑的に抱き始めました。
「お願い…ボルトを…助けて…パパ…お願い!!」
万華鏡写輪眼を開眼させる程の何かが娘に起きたと悟ったサスケは、エイダの『全能』による改変を受けながらも木の葉の忍に追われていたボルトを救出すると、その足で逃避を始めます。
そして、逃走の最中に『よそ者のボルト』相手にかつてナルトの家に立ち寄った時に初めてカワキに出会い、その日の内にカワキはオレへの弟子入りを志願し瞬く間に螺旋丸を会得、ナルトを救うためにモモシキと戦い勝利した、それがサスケの今の認識であると伝えます。
木の葉の感知班が届かない場所に移動し休息を取る傍らに話を進めると、今度はボルトが認識が逆転しているのになぜ助けてくれたのかを問えば、サスケはカワキに渡したはずの額当てをボルトが持っていること、そしてカワキとともに倒した筈のモモシキがボルトの中に共生していることを告げると、そういった違和感が湧き出てくると同時に違和感の一つ一つが自分の中で急激に薄れていくのを感じると話します。
しかし、それらの違和感のおかげで自分の記憶を疑うようになるともはや何を信じればいいのか分からなくなる──故にサスケは自分の記憶を疑っても娘のサラダの言葉を信じることに決めたのです。
サスケはサラダの言葉を信じてボルトの力になるために命を懸けることを決めた──そうボルトに伝えると、サラダの『正義』をボルトが証明するように告げました。
また、かつてのナルトは今のボルトのように何も持っておらず多くの者から疎まれれる存在だったものの、自らの努力で己を里に皆に認めさせて七代目火影になったと話すと、ボルトが本当にナルトの息子だと主張するならばナルトと同じようにやってみせろと発破をかけるのです。
こうしてボルトは七代目火影うずまきナルトの血、日向家の日向ヒナタの血、祖父は四代目火影、何より木の葉の火の意志を継ぐ忍者であるとしてうちはサスケから譲り受けた額当てをつけるとこの逆転現象を沈めるために修業期間に移るのでした。
サスケとボルトは反逆者として里抜け
ボルトは七代目火影殺しの首謀者という罪で殺害命令が発令されており、彼への制裁は規定通りかつ木の葉の民意により極刑が言い渡されているため、木の葉は死に物狂いでボルトの捜索を続けています。
一方で、エイダは制御不能兼無自覚で『全能』を発動させてカワキとボルトの立ち位置を逆転させた事実から多少なりも罪悪感を抱いており、木の葉の感知班から逃れたボルトとサスケの元に訪れると今回の罪滅ぼしからボルトが修行し再び里へ戻って来る間まで里抜けしたボルトとサスケのことは千里眼で探さないという約束を交わしました。
こうして千里眼から逃れることはできましたが、木の葉の追求が途絶えるわけでもないため、サスケはボルトを連れて出立すると3年間ボルトの修行に付きっきりになるのでした。
まとめ
- うちはサスケは単行本14巻第53話『これが現実』で、モモシキに意識を乗っ取られたうずまきボルトの手で輪廻眼をクナイで潰される
- 輪廻眼を失ったサスケは、その効果である『時空間忍術』『六道の術』『五大性質変化』、そして両目で発動できる『須佐能乎』を失ったと考えられる
- 単行本20巻でエイダの『全能』の影響によりカワキとボルトの立ち位置が逆転した際、うちはサスケは自分の記憶を疑いながらも娘のサラダの言葉を信じてボルトを救出し一緒に里を抜けた
- サラダの『正義』をボルトが証明するように発破をかけると、三年間ボルトに修行をつける
ナルトと同じく最強だったサスケですが続編『BORUTO』にて輪廻眼(片目)を失ったために大幅に弱体化させられてしまいました。
これで完全に六道の術が使えなくなったと考えられますので、今後の大筒木との戦いではほぼ機能しないと考えた方がよいでしょう。
第二章で再び戦場に立つことも考えられますが、三年間の修行でボルトが成長していればサスケが大筒木を相手にすることはない、もしくはボルトの修行が終えたことで役目を果たしたサスケの死亡フラグが見えてきているため、第二章でサスケが登場すれば一喜一憂しそうですね。