【呪術廻戦】脹相が虎杖のお兄ちゃん?存在しない記憶の理由や呪胎九相図について解説

「全力でお兄ちゃんを遂行する」脹相 呪術廻戦

京都校姉妹交流会の舞台裏で真人は高専の忌庫から宿儺の指と呪胎九相図の1番~3番を回収しており、起首雷同編で彼らは受肉し呪霊側につきました。

そして、脹相は渋谷事変で弟の仇である虎杖悠仁と交戦すると『存在しない記憶』が溢れ出て虎杖の『お兄ちゃん』としての自覚が芽生えています。

今回は呪胎九相図『脹相』についてご紹介したいと思います。

この記事で紹介する内容は?

  1. 脹相のプロフィール
  2. 呪胎九相図について
  3. 脹相の『存在しない記憶』
  4. 脹相(呪胎九相図)と虎杖悠仁の関係
  5. 脹相が虎杖悠仁の『お兄ちゃん』になった経緯
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脹相のプロフィール

「これがオマエ達のお兄ちゃんだ」と意気込む脹相

引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社

【名前】 脹相(ちょうそう)
【分類】 特級呪物『呪胎九相図(じゅたいくそうず)』
【呪胎九相図】 1番(長男)
【術式】 赤血操術
【嗜好・興味】
【嫌いな物】 加茂憲倫
【初登場】 単行本

呪胎九相図は人間と呪霊との間の子であるため、脹相は人間と呪霊のハーフのような存在。

京都校姉妹交流会の最中、真人により呪術高専の忌庫から回収されており、その後受肉しました。

出生には人間と呪霊の間に加茂憲倫(羂索)の血が与えられているので加茂家の『赤血操術』を術式として持っており、人間と違って呪力が尽きない限り血を生み出すことができるので失血死のリスクは極めて低いそうです。

かなりのブラコン。

脹相の容姿

脹相、壊相、血塗を含める呪胎九相図は死骸も含めて胎児の状態でずっと呪物化されていました。

そして、器は呪物に対する耐性があればあるほど容姿は変化しませんが、脹相たちの場合は器がおそらく一般人(血塗の描写から)なので呪胎九相図には器の面影がほぼ無いそうです。

受肉した結果の容姿に関しては「俺らってこんな感じなんだ」という解釈だと作者が回答しているので、脹相も胎児から成長していた場合の容姿だと思われます。

なお、キャラデザについては公式ファンブックで作者が以前見たことがあるファッションモデルのそのままだと回答されています。

呪胎九相図とは?

まず、呪胎九相図とは呪霊と人間の混血の異形の子の九体を指します。

誕生は明治の初めであり、史上最悪の術師として名を残す御三家の汚点『加茂憲倫(正体:羂索)』が呪霊の子を孕む特異体質の娘を使って生み出したのが始まりです。

羂索は知的好奇心から呪霊と人間の間に生まれた子に興味を持っており、特異体質の娘は身に覚えのないまま九度の懐妊と九度の堕胎を繰り返し、呪胎九相図を生み出しました。その際、羂索は人間と呪霊の子に自分の血を混ぜています

その後の娘(呪胎九相図の母親)については一切の記録が破棄されているので詳細は分かりませんが、呪胎九相図は1番~3番以外死産だったので特級呪物として呪物化している150年間脹相、壊相、血塗はお互いの存在だけを頼りに封印を保ってきており、兄弟の繋がりは強かったと言います。

呪胎九相図には母の記憶は無く、人間にも術師にも怨みがあるわけではありませんが、脹相は人間とは異なる容姿を持つ弟達を慮って彼らが生きるのに楽な呪霊側(羂索や漏瑚側)についたのでした。

壊相は血塗のために、血塗は脹相のために、脹相は壊相のために。受肉後、三人は一つとして互いを守り生きていくことを誓います。

脹相に『存在しない記憶』が流れた理由

脹相が見た兄弟と虎杖悠仁が仲良く過ごす「存在しない記憶」のシーン

引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社

単行本12巻101話『渋谷事変19』。渋谷事変の真っ只中で虎杖悠仁は駅構内で脹相と邂逅し交戦しています。

壊相と血塗の憎き仇を前に脹相は全力で虎杖を殺しにかかりますが、激闘の末に虎杖が僅かの差で敗北し気を失うことに。

しかし、決着した105話『渋谷事変23』の締めくくり、脹相が虎杖に止めを刺そうとした刹那脈打つような感覚とともに突如脹相の脳内に『存在しない記憶』が溢れ出したのです。

続く106話『渋谷事変24』では、脹相は虎杖に止めを刺すことなく頭を抱えながら駅構内をふらついていますが、脹相の脳内には『脹相、壊相、血塗、虎杖悠仁が残りの呪胎九相図の封印とともに自然の中で食事を楽しんでいる光景』が浮かんでいました。

──楽しそうに談笑する兄弟の表情。

──「ほら、兄ちゃんも!」と笑顔でパンを差し出す虎杖の姿。

文字通り存在しない記憶を垣間見て脹相は「どういうことだ?なんでオマエが…」と混乱すると、しばらくの間、その場にとどまり茫然自失と考え込むのでした。

そして、133話『渋谷事変50』で存在しない記憶から目を覚ました脹相は虎杖悠仁が何者なのか、自分自身は何者なのか確かめるために立ち上がると、単行本16巻134話『渋谷事変51』で夏油傑(羂索)と交戦する虎杖たち呪術高専組と遭遇。

その場で夏油の正体が母に呪霊の子を孕ませ弄んだ加茂憲倫(羂索)だと気付くと、全てを悟るのです。

脹相は術式『赤血操術』の影響で血の繋がった弟達の異変はどんなに遠くいようと感じ取ることができます。『死』とは生物の最期にして最大の異変であり、起首雷同編では壊相と血塗の『死』を脹相は感じ取っています。

そして、虎杖悠仁に止めを刺す際に脹相が『存在しない記憶』を見たのは眼前で虎杖悠仁の『死』を強烈に感じ取ってしまったためでした。

こうして、脹相が虎杖悠仁の『死』を前に異変を感じ取ったという事実から、脹相は虎杖悠仁もまた血の繋がった弟だったと確信を得たのです。

脹相に流れた『存在しない記憶』は脹相の術式の副次効果によるものと照明されましたが、東堂葵が見た『存在しない記憶』は完全にネタです。

つまり、東堂は頭がおかしい……。

脹相(呪胎九相図)と虎杖悠仁の関係

呪胎九相図は呪霊の子を孕む特異体質の娘と呪霊の間に加茂憲倫(羂索)が血を混ぜることで誕生しました。

そのため、厳密には呪胎九相図には母・呪霊・加茂憲倫(羂索)という三人の親がいることになります。

そして、単行本17巻143話『もう一度』にて、虎杖悠仁の母・虎杖香織には羂索が脳を入れ替えた証として額に縫い目の傷があったことが判明しており、虎杖もまた香織の体を乗っ取った羂索が出産したか何らかの手を加えられて誕生したと考えられています。

つまり、脹相と虎杖悠仁には羂索により生み出されたという共通点があるため『兄弟』になるのです。

とはいえ、一般的な異母兄弟(または異父兄弟)とは違い、

  1. 脹相は人間の母と呪霊の父の間に羂索の血を混ぜられて生まれ落ちた
  2. 虎杖悠仁は香織の死後に香織の肉体を乗っ取った羂索と虎杖仁(虎杖の父親)との間に生まれた

という複雑な誕生経緯があるので、あくまでも現時点では第三の親に羂索を介している兄弟となるため、呪胎九相図と虎杖悠仁の生まれ方は別物だと考えられます。

ただ、脹相が虎杖悠仁の異変を感じ取れるのは血が繋がっていることが大前提なので、少なくとも虎杖の中にも羂索の血が流れているということになります。

 

虎杖悠仁の出生についてはまだ確定情報ではないため、そもそも香織の肉体で出産したのか、香織の肉体とは関係なくどこかで知的好奇心の一環として作った赤子を虎杖家に届けたのかは分かっていません。

しかし、虎杖出生について宿儺が何かを知っている、もしくは関係している描写があるので虎杖出生についてはまだ謎が多く残されています。

脹相は虎杖悠仁の『お兄ちゃん』を遂行

渋谷事変終盤で虎杖たち呪術高専組と合流した脹相は虎杖悠仁に血の繋がりを確信すると、その勢いのまま夏油傑(羂索)と敵対して虎杖の味方となっています。

その際、夏油傑(羂索)に「虎杖を!弟を!殺させようとしたな!」と利用されていたことを激怒しており、呪霊側につく裏梅が間に立つと「どけ!俺はお兄ちゃんだぞ!」と意味不明な供述で対抗。

虎杖を兄弟と認めた時点で脹相の中では自分は『虎杖のお兄ちゃん』として確立されており、脹相は『全力でお兄ちゃんを遂行する!』の信条のもと赤血操術で夏油たちを攻撃して完全に彼らとは対立。

夏油傑(羂索)に「無理するなよ、疲れてるだろ」と煽られるもそれが弟の前で命を張らない理由になるのかと反論する脹相を見て、パンダは虎杖に「一応聞くけど他人だよな?」と確認。虎杖は他人どころか一回殺されかけてるよと訳が分からない状況に困惑しており、パンダが「東堂といいヤバイフェロモン出てるんじゃないか?」と虎杖を心配するシュールなシーンとなりました。

そんな中、裏梅に氷漬けにされて窮地に立たされた脹相を救出する虎杖。「味方でいいんだな!?」と確認を取る虎杖に対し、脹相は「違う!」と一度否定すると「俺はお兄ちゃんだ」と真顔で言い直すのです。なお、虎杖は真面目にやってくれとツッコんでおり、脹相はもう一度お兄ちゃんと呼んでみてくれないかと頼み込むものの無視された模様。

夏油傑(羂索)が撤退した渋谷事変後、虎杖悠仁の死刑執行が決定した際には虎杖と行動をともにしており、「いいのか?俺はオマエの弟も殺したんだぞ」と罪悪感に駆られる虎杖に対して「アレは事故だ。壊相も血塗も俺の立場なら同じようにしたはずだ。赦す赦さないじゃない、兄弟とはそういうものだ」と諭しており、渋谷に溢れる呪霊の祓除に協力しています。

死刑執行人として乙骨憂太が、禪院家の事情で虎杖悠仁を暗殺しにやってきた禪院直哉が襲来した際には、虎杖と術師(人間)を戦わせずかつ脹相に引け目を感じさせない戦略を提案するなど虎杖のことを何かと気遣っており、「フッ…世話が焼ける…」と弟を世話することに喜びを示しています。

九十九由基らとともに天元の薨星宮に訪れた際には、道中に高専が保管する呪具や呪物の忌庫に呪胎九相図の残りがあることから術式効果で場所を特定し天元がいる薨星宮の迷路を突破ことに貢献。

その際、脹相を皆に紹介する虎杖が「とりあえず俺の…兄貴ってことで…」と発言したため脹相は「悠仁ーーー!!!!」と感動を露にしていますが、虎杖は無視して先へ急ぎました。なお、九十九は笑顔で脹相を見ていた模様。

そして天元に邂逅した後は、羂索が天元を狙って薨星宮に来ること、死滅回遊に参加する虎杖悠仁には乙骨憂太か九十九由基の協力が不可欠であることから、天元の護衛として薨星宮に残ることを選択しています。

虎杖が立ち去る間際に脹相に感謝を述べると脹相は「…死ぬなよ」と送り出しており、虎杖も背中越しながら手を振って別れました。

なお、脹相は感激して泣いており目元を手で押さえているものの、九十九が「泣いてんの?」とちゃかすと片手で『しっしっ』と追い払っています。

そして脹相は自分や弟達の半身である母の呪いのために、虎杖悠仁の未来のために薨星宮で羂索を殺すことに命を懸けるのでした。

脹相の後悔

虎杖の未来のために羂索を殺すことに命を費やす脹相ですが、九十九は虎杖の未来に脹相は必要ないのかと問い掛けています。

ですが、脹相は『俺は何の信念もなく人を殺したから悠仁とは生きられない』として、ここで死ぬことを選択しました。

脹相は受肉した際に異形の肉体を持つ弟たちを『人』は受け入れられないと考え『呪い』として生きる道を選んでおり、人として苦しむ弟を見たくないという理由で楽な道を選んだ結果、弟たちが殺し合い壊相と血塗を失いました。

また、渋谷で脹相は大勢の人間を殺めると、今度は人として苦しんでいる虎杖悠仁が現れたのです。

この一連の流れから脹相は『きっと俺たちは四人で戦う運命だったんだ』と正解の道筋を見つけており、自分が楽をしたせいで虎杖を独りにしていると後悔しています。

そのため自分の命の使いどころを元凶の羂索に費やすことを決意しました。

 

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まとめ

  1. 脹相は『呪胎九相図』の1番目
  2. 脹相と虎杖悠仁の関係は、第三の親に羂索を介している兄弟
  3. 呪胎九相図は人間の母と呪霊との間に羂索の血を混ぜて誕生したもので、虎杖悠仁は香織の死後に香織の肉体を乗っ取った羂索が出産したかどこかから作って寄越したもの
  4. 脹相が『存在しない記憶』を見たのは虎杖悠仁と血が繋がっており、術式の副次効果で兄弟の異変を感じ取ることができるため
  5. 脹相は虎杖悠仁が血の繋がった弟と確信すると『お兄ちゃん』を遂行し味方になる
  6. 脹相は異形の姿をする弟たちが生きやすいように『呪い』として生きたことを後悔している

京都校姉妹交流会編後に受肉して登場した脹相ですが、渋谷事変編ではまだ残忍な呪霊という印象でした。

しかし、虎杖悠仁との戦闘後に一転し『お兄ちゃん』となってからは読者が推す人気キャラへと昇華し、どこか東堂と同じ匂いを感じさせるシュールなキャラにもなりました。

今では『お兄ちゃん』の相性で親しまれる脹相ですが、呪いとして生きると決めた時から人間を殺め、弟同士で殺し合い、結果兄弟を亡くすことになったため、後悔しても仕切れない境遇に立たされてています。

そして罪の償いとして残った兄弟の虎杖悠仁のため、そして兄弟と母の呪いのために羂索との決着に命を懸ける姿は人間らしく感じました。

また、所々発言がおかしいのが脹相の憎めないところですね。



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