【呪術廻戦】夏油傑はなぜ呪詛師に闇堕ちした?過去や死亡について紹介

呪術廻戦

呪術廻戦本編では既に夏油傑は呪詛師として扱われていますが、彼はなぜ呪詛師になったのでしょうか。

今回は夏油傑が闇落ちした過去から死亡までについてご紹介したいと思います。

この記事で紹介する内容は?

  1. 夏油傑の過去と闇堕ちの経緯
  2. 夏油傑と五条悟の決別
  3. 夏油傑の死亡
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夏油傑が闇堕ちするきっかけとなった過去『懐玉・玉折編』

呪術高専二年生時代の夏油傑

引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社

夏油傑が闇堕ちするきっかけが描かれたのが単行本8~9巻収録の『懐玉・玉折編』

当時、東京都立呪術高等専門学校二年生だった夏油傑は、五条悟とともに天元の適合者『星漿体=天内理子の護衛と抹消』任務を請け負いましたが、この事件が彼が闇堕ちするきっかけとなりました。

夏油が闇堕ちから死亡までの推移は以下の通り。

  1. 夏油傑の元々の性格
  2. 星漿体護衛任務の失敗
  3. 夏油傑の変化
  4. 夏油傑の闇堕ち
  5. 夏油傑の死亡

それでは、一つずつ見ていきたいと思います。

高専時代の夏油傑の性格は『呪術廻戦0』と真逆

学生時代の夏油の性格は実に大らかで道徳的なもの。

対して五条悟は正論が大嫌いで唯我独尊の利己的なところが目立っており、二人は血の気の多く調子に乗った学生そのものでしたが、夏油にはまだ一般常識や自身の制御が働いていていました。

夏油の当時の考え方は『呪霊の発生を抑制するのは人々の心の平穏』であり、『弱者生存』があるべき社会の姿。弱きを助け強くを挫く、呪術とは非術師を守るためにあると説いています。

対して当時の五条は力に理由とか責任を乗せるのはそれこそ『弱者』がやることと蔑み、弱い奴らに気を遣うのは疲れると悪態をついており、根本的なところでよく夏油と五条は衝突していましたが普段はまさに親友のようにつるんでいました。

五条悟の一人称を『僕』に改めたのは夏油傑

『懐玉・玉折編』の一幕に、夏油が五条の話し方を指摘している場面があります。

その際、夏油は一人称『俺』は目上の人の前でやめた方がいいと助言し、天元と邂逅することを踏まえると『私』もしくは最低でも『僕』に変えることをすすめました。

今の教え子を持つ五条悟を確立させたのはこのときの夏油の言葉のおかげかもしれません。

呪術高専二年生時、星漿体の護衛任務を失敗

天元直々に指名された夏油と五条。その依頼内容は『二日間、星漿体=天内理子の護衛と抹消』というものでした。

天元は不死の術式を持っていますが不老ではありません。一定以上の老化を終えると術式が肉体を作り変えようとし、より高次の存在となるべく『進化』を始めます。進化をすると天元の意志がなくなるため、高専各校呪術界の拠点となる結界や多くの補助監督の結界術の強度の底上げをしている現在の天元の意志が消えれば最悪の場合天元自身が人類の敵となる可能性が出てきてしまうのです。

そのため、500年に一度適合者『星漿体』とと同化することで肉体の情報を作り変えて術式の初期化を図らなけばなりません。

夏油と五条は今代の星漿体=天内理子の所在が漏洩したために彼女を天元との同化が行われる二日後まで護衛をすることになりました。

しかし、星漿体を狙う組織は主に二つ。『呪詛師集団Q』と『盤星教』。これらは天元が星漿体と同化することを不都合に思っているため、天内理子を暗殺するために彼女を付け狙っています。

夏油と五条は当日に天内理子の元へ赴くと既に呪詛師集団Qの襲撃を受けていたため、天内理子と星漿体の世話係黒井美里を救出し、かつ呪詛師集団Qを迎撃し壊滅。

これで一先ずは主な脅威を振り払ったかと思いきや、次に星漿体を狙うのは伏黒甚爾だったのです。

盤星教からの依頼を受けた当時は闇サイトを通じて天内理子に巨額の懸賞金をかけて呪詛師を手駒に無下限呪術を持つ五条悟の精神と体力を削るためにぶつけることに。夏油たちは呪詛師と交戦し何とか二日間の護衛を果たし、同化当日、無事に天内理子を都立呪術高専筵山麓まで送り届けるのでした。

天内理子の死亡と夏油傑の敗北

同化当日、筵山麓に現れたのは伏黒甚爾であり、甚爾は五条が無下限呪術を解いた瞬間に襲撃。

そして、五条は甚爾と戦闘を開始すると、夏油は天内理子と黒井美里を連れて先に天元の元へと急ぐのでした。

高専最下層薨星宮参道で黒井美里と別れを済ませると、夏油は薨星宮本殿まで天内理子を送り届けることに。そして、本殿前に到着した夏油は、この先は星漿体しか進めないため、天元がいる大樹までの道のりを教えます。

しかし、夏油は天元との同化までの道のりを話した後、天内理子に『引き返して黒井美里と一緒に家に帰ろう』と彼女の本心を読み取るように選択肢を与えました。

夏油は夜蛾正道から今回の任務の話を聞かされた時『同化を抹消』と話した彼の台詞から、それだけ罪の意識を持てという意思を読み解いていました。天元と同化するということは、天内理子の意志がなくなるということ。理子は二度と大切な人達と会えなくなることは承知の上でしたが、夏油は今回の任務を請け負う前に星漿体が同化を拒んだ場合は同化はなしの方向で彼女をサポートすると、五条と話し合っていたのです。

たとえ天元を敵に回すかもしれなくとも、天内理子が同化を拒めば彼女の未来を夏油と五条が保証すると伝えるのでした。

夏油の言葉を受けた天内理子は堰を切ったように泣き出します。もっと皆と一緒にいたい、もっといろんな所に行って色んな物を見たいと望む彼女の本心を聞いた夏油は「帰ろう、理子ちゃん」と手を指し伸ばすと、理子は夏油の手を掴むもうと笑顔で手を差し出すのでした。

しかし、筵山麓で五条悟を下し、薨星宮参道で黒井美里を殺害した伏黒甚爾が薨星宮本殿まで侵入しており、夏油の目の前で天内理子を射殺

夏油は突然射殺されて頭から血を流して倒れる彼女を見て「理子ちゃん?」と当惑。

夏油は、甚爾が姿を現すと怒りを抑えきれずに呪霊操術を解放し臨戦態勢に移るものの、甚爾に成す術もなくやられてしまうのでした。なお、夏油が呪霊操術持ちだったため、ここで夏油を殺せば取り込んだ呪霊がどうなるか分からないので死なない程度に重傷を与えるにとどめています。

夏油の敗北後、天内理子の遺体は甚爾が回収して盤星教に引き渡しており、一方で甚爾に殺されたと思った五条は死の間際に呪力の核心を掴んだことで反転術式を習得して復活。五条は甚爾を追いかけて殺害すると、盤星教の施設から天内理子の遺体を奪い返すことに成功するのでした。

一方で夏油は家入硝子に治療してもらったあとに五条を追いかけて盤星教の施設に赴くものの、そこには天内理子の遺体(布を被せた状態)を抱えた五条と、何も知らないのか笑顔で拍手をおくる信者たちの姿が。

夏油は、呪術の核心を掴み一段階成長した五条の雰囲気にのまれそうになります。しかし、天内理子の回収も終わり施設を出て戻ろうとする夏油に五条が「コイツら殺すか?今の俺なら多分何も感じない」と告げると、見た所施設に残っているのは一般教徒であり呪術界を知る主犯の人間はもう逃げたため「(一般教徒を殺しても)意味はない」と諭し、五条を諫めました。

「意味ね、それ本当に必要か?」と訊ねる五条に対して、この時にはまだ夏油は術師にとっては必要であるという考えを貫いています。

こうして星漿体の護衛任務は天内理子の殺害により失敗に終わってしまうのですが、夏油はこの出来事を深く刻み続けることになります。

 

 

 

呪術高専三年生時、夏油傑の変化

天内理子の一件から一年後(2007年8月)、呪力の核心を掴んだ五条悟は文字通り最強となり一人で任務に就くことが増え、家入は反転術式使いであるため元々危険な任務で外出する機会がなかったことから、必然的に夏油は一人になることが増えました。

極めつけにはその年の夏、頻発した災害の影響もあり呪霊が蛆のように湧いてしまい夏油は『祓う、取り込む、その繰り返し』の螺旋に溺れていき精神が摩耗していくことに。

呪霊操術で呪霊を取り込む際には吐瀉物を処理した雑巾を丸呑みしているような味がすると夏油は語っており、この時の夏油の心理状態は『誰のためにこんなことを繰り返しているのか』と悩んでいました。

天内理子の一件から強者術師としての責任を果たせ』と夏油は自分に言い聞かせていたのです。それは昨年、皮肉にも夏油が五条に説いた術師の在り方でした。

あの時、盤星教の施設で見たものは何も珍しくはない周知の醜悪であり、そういった背景が点在していることを知った上で術師として人々を救う選択をしてきた夏油ですが、その意思・覚悟・大義名分がブレ始めていました。

そして不意にこぼれた言葉が「猿め…」だったのです。

それでも夏油はまだ呪詛師に身を窶すことなく術師として人々を守っており、後輩・灰原雄を気に掛けるなど人の心を保っていました。

そんな中出会ったのが特級術師・九十九由基。彼女は高専とは方針が合わないとして、高専がやっているのは『対症療法』であり、九十九がやりたいのは『原因療法』だと夏油に語ります。

『原因療法』とは、呪霊を狩るのではなく呪霊の生まれない世界を作る思想。そもそも呪霊とは、人間から漏出した呪力が澱のように積み重なって形を成したモノです。すなわち、呪霊の生まれない世界を作るには『①全人類から呪力をなくす』『②全人類に呪力のコントロールを可能にさせる』の二通りのやり方が考えられます。

しかし、『①全人類から呪力をなくす』のモデルケースの最たる例・伏黒甚爾(禪院甚爾)のように呪力が完全に0なのは世界中探しても彼一人であり、甚爾は死亡。天与呪縛はサンプルが少ないとして九十九は『①全人類から呪力をなくす』の研究は保留としています。

そして九十九の現在の本命は『②全人類に呪力のコントロールを可能にさせる』であり、九十九は全人類が術師になれば呪いは生まれないと話します。その際、術師からは術師本人が死後呪いに転ずるのを除けば呪霊が生まれないこと、術師は呪力の漏出が非術師に比べて極端に少ないことを教えています。

それを聞いた夏油は「じゃあ非術師を皆殺しにすればいいじゃないですか」と思わず口を滑らせるとハッとして顔を見上げますが、九十九も「それはアリだ」と選択肢としては正解と同調。むしろ、非術師を皆殺しにするのが一番簡単なやり方であり、非術師を間引き続けて生存戦略として術師に適応してもらうのが理想だと続けると、夏油は困惑するしかありませんでした。

なお、選択肢として告げた九十九自身も「私はそこまでイカれていない」と述べており、あくまでも呪いを生まないための可能性の一説として扱い、その手段は行わないことを主張しています。

しかし、九十九は夏油の心理状態を読み取ったように「非術師は嫌いかい?」と問い掛けると、夏油は呪術は非術師を守るためにあるという考え方や非術師の価値というものが自分の中で揺らいでいることを白状します。弱者故の尊さ、弱者故の醜さ、そんぶ分別と受容ができなくなり非術師を見下している自分がいること、その自分を否定する自分がせめぎ合っていると。

そして、術師としてのマラソンゲームに果ての映像が曖昧で何が本音か分からないことに悩んでいると話しました。

九十九は『非術師を見下す夏油』『それを否定する夏油』もただの思考された可能性に過ぎないと説き、どちらを本音にするかは夏油自身がこれから選択していくことだと教え導きます。

九十九の去り際の台詞、星漿体のことは気にしなくていい、あの時もう一人の星漿体がいたのか既に新しい星漿体が生まれたのかどちらにせよ天元は安定しているという言葉を受けた夏油は「……でしょうね」と思い詰めた表情で返答をしています。

ちなみに夏油はこの時期に特級呪術師になった模様。

夏油が非術師を『猿』と蔑む理由

夏油は薨星宮本殿で伏黒甚爾に敗れています。

その際、甚爾は呪霊操術を持つ夏油にとどめを刺さず「親に恵まれたな。だが、その恵まれたオマエらが呪術も使えなぇ俺みたいな猿に負けたってこと。長生きしたきゃ忘れんな」と吐き捨てていました。

夏油自身は重傷で気を失っていたように見えますが、夏油が非術師を一貫して『猿』と呼ぶのは、おそらくこの時の甚爾の台詞が尾を引いているのかもしれません。

同年、夏油傑の闇堕ち・呪詛師へ転身

ある日、2級呪霊の討伐任務に出かけた七海健人と灰原雄が帰還すると、夏油は灰原雄の遺体と直面することになります。

負傷した七海が言うには、2級呪霊を祓いに出かけたのに実際には産土神信仰の1級案件の土地神であったらしく、灰原は任務で死亡してしまうのでした。

夏油は灰原の遺体に布を被せると任務は五条が引き継いだと報告し七海に休息を促しますが、七海はよほど疲れていたのか「……もうあの人一人で良くないですか?」と口を滑らせます。そして、同時に夏油もまた術師というマラソンゲームの果てにあるものが仲間術師の屍の山なのではないかと危惧することに。

そして、既に揺らいでいた夏油の心理状態を壊す最後の引き金となった任務が『村落内での神隠しと変死、その原因と思われる呪霊の祓除』であり、夏油はとある村に赴くと檻(座敷牢のような檻)に閉じ込められた双子の女の子を目の当たりにします。

双子は術師であり、村民は双子が不思議な力で度々村人を襲うことから神隠しや変死事件の原因を双子と断定し暴行し監禁していたのです。(なお、事実はよくある差別から村人が双子を攻撃していたため双子は抵抗した)

夏油は村人の主張に耳を傾けながらも顔中血だらけで震えて抱き合っている双子を見て「これはなんですか?」と質問。しかし、その頃には既に夏油の脳内では非術師の言語が『■■■』と変換されており、■■の後にわざわざ『■■■(~~~)』といった具合に意訳するという演出がなされています。

そして、一連の事件の原因は双子ではないこと、事件の原因の呪霊は夏油が取り除いたことを伝えると「皆さん、一旦外に出ましょうか」と偽物の笑顔を貼り付けて村民を外に連れ出すと、村民を皆殺しにするのでした。

夏油が想起するのは『非術師を見下す自分』『それを否定する自分』のどちらかを本音にするのは夏油自身であるという九十九の言葉でしたが、夏油はこの任務が最後の引き金となり『術師だけの世界をつくる』ために『猿は嫌い』という本音を選んだのでした。

こうして2007年9月■■県■■市(旧■■村)に夏油傑を派遣して五日後、住民112名の死亡が確認されると、残穢から夏油傑の呪霊操術と断定。夏油は逃走し、呪術規定9条に基づき呪詛師として処刑対象となりました。

 

五条悟との決別

夏油は自分が進むべき道を選択したことで住民を皆殺しにすると行方を晦ましていますが、その始まりのために実の両親(非術師)も殺害しています。

特級呪詛師として処刑対象の犯罪者となった夏油でしたが、街中で自ら『運試し』として家入硝子の前に現れると、自ら冤罪の可能性を否定して『術師だけの世界をつくる』という目的を彼女にありのまま話しました。

家入は五条に連絡すると、夏油は新宿の街中で五条と再会。

夏油が呪詛師に身を窶した理由が分からなかった五条は説明を求めますが、夏油は家入に語ったことが全てであると回答。しかし、五条には親を含めた非術師を皆殺しにすることに到底納得できませんでした。

そして、五条は一年前に夏油が説いた『意味のない殺しはしないのではなかったのか』と詰め寄ると、夏油は非術師の間引きには意味も意義も大儀もあると回答。五条は非術師を殺して術師だけの世界を作ることは無理で意味がないと反論しますが、夏油は「傲慢だな」と返すのでした。

その意図は『五条悟ならば術師だけの世界を作ることができる』というものであり、夏油は五条に対して自分にできることを他人には「できやしない」と言い聞かせるのかと反論。もし自分が五条悟になれるのなら、夏油の理想も地に足が着くと言い聞かせるのでした。

そして、自分の生き方は既に決めたこと、後は自分にできることを精一杯やるだけだと告げました。

その瞬間、五条は虚式茈の構えを取りますが、夏油は「殺したければ殺せ、それには意味がある」と述べて翻るとそのまま五条の前から立ち去っていきます。しかし、どうしても五条はこの時夏油を殺せず、また追いかけることもできずに黙って見逃すことしかできなかった模様。

一方で夏油はその後、伏黒甚爾に話を持ち掛けた孔時雨と手を組んだのか、盤星教とはまた別の団体を支配。

袈裟を纏い、村で救出した双子を伴うと、財源と呪霊の確保のためにこの宗教団体を乗っ取るのでした。





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夏油傑の死亡は『呪術廻戦0』

「誰が何と言おうとも非術師は嫌いだ」と突っぱねる今際の際の夏油傑

引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社

夏油傑の死亡が描かれたのは映画化もされた『呪術廻戦0』のラスト。

夏油は双子を始めとする家族(仲間)を集うと、呪術高専に宣戦布告を行います。

2017年12月24日、呪いの坩堝『東京・新宿』と呪術の聖地『京都』の二カ所に千の呪いを解き放つ百鬼夜行を決起。

夏油側の勝率は3割程度、呪術師連合が出てくれば2割にも満たない無謀な戦いでしたが、なけなしの勝率を9割9分まで引き上げる手段が乙骨憂太が持つ特級過呪怨霊・祈本里香だったのです。

夏油は祈本里香を手に入れるために百鬼夜行を仕掛けて乙骨憂太を孤立無援に追い込む算段でしたが、結果は乙骨憂太の側に禪院真希がいたり、夏油の思惑を察知した五条が狗巻棘とパンダを転送したことで夏油が三人を戦闘不能に追い込んだため乙骨が覚醒。そして、乙骨憂太に敗戦し逃亡することに。

しかし、その道中で五条悟と邂逅すると潔く諦めるのでした。

夏油は戦闘後、乙骨憂太の起爆剤として狗巻とパンダが夏油にやられることを前提に五条が送り込んだと読んでおり、対して五条は夏油が理由もなく若い術師を殺さないと信用して送り込んだと白状。夏油は「信用か。まだ私にそんなものを残していたのか」とクツクツと笑いあげます。

最期に言い残すことはないかと五条が訊ねると、夏油は「誰がなんと言おうと非術師さるどもは嫌いだ」と最後まで主義を変えませんでした。しかし、別に高専の連中まで憎かったわけではないと弁明しつつ、ただこの世界ではもう心の底から笑えなかったと打ち明けました。

そんな夏油の今際の際に五条は「傑、────」(罫線で伏字の言葉)と投げかけると、夏油は一瞬間の抜けた顔を浮かべた後に「はっ、最期くらい呪いの言葉を吐けよ」と笑うのでした。

そして、夏油は五条によって殺害されてしまいます。

 

五条が夏油の最期に投げかけた言葉は不明

五条が夏油の最期に投げかけた言葉は伏字のため、原作・小説・劇場版でも知ることはできません。

ただ、夏油が『最期くらい呪いの言葉を吐けよ』と言っているので、ポジティブな意味合いの言葉は確かだと思われます。

『呪術廻戦0』のラストで五条が乙骨憂太に無くした学生証を返却した際に拾ったのは僕ではなく「僕の親友さ、たった一人のね」と語っていることから、もしかしたら五条が最期に夏油に投げかけた言葉は『親友』に関する言葉だったのかもしれません。

なお、芥見下々先生がこの伏字については作中で口にしている台詞と語っているらしく、読者の中では五条が乙骨に語った「僕の親友さ、たった一人のね」が有力視されています。(言い方に関しては崩したり変えていると予想)

 





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まとめ

  1. 夏油傑が闇堕ちする過去が描かれたのは単行本8~9巻収録の『懐玉・玉折編』
  2. 夏油傑は『弱者生存』を信条に呪術とは非術師を守るためにあるという考え方だった
  3. 夏油傑は呪術高専二年生時に星漿体の護衛任務を失敗し、非術師の醜悪な部分を再認識させられて心がブレ始める
  4. 夏油傑は呪術高専三年生時に『非術師を見下す自分』と『それを否定する自分』のどちらが本音か迷っていたが、灰原雄の死と九十九由基との会話、そして『村落内での神隠しと変死、その原因と思われる呪霊の祓除』の任務を引き金に呪詛師へと身を窶した
  5. 夏油傑の目的は呪いを生まないために『術師だけの世界をつくる』ことに集約(そのために非術師は皆殺しにする計画)
  6. 夏油傑は2017年12月24日の東京新宿京都百鬼夜行を仕掛けた結果、乙骨憂太に敗北し、五条悟に殺害される

呪術廻戦0や本編の呪術廻戦で敵側として登場した夏油傑は、本来、呪術は非術師を守るために存在する力とする善良な呪術師であり、五条悟のたった一人の親友でした。(なお、素行は悪い模様)

しかし、『懐玉・玉折編』で天内理子や黒井美里を護れなかったこと、非術師の醜悪な部分を再認識させられたこと、後輩の死、九十九由基から呪いが生まれない方法を聞いたことなど、あらゆる積み重なりが夏油の抑制を振り切ることとなり、夏油は呪詛師へと転じてしまいました。

よく幽遊白書の仙水忍と闇堕ちの経緯が比較されていますは、人間の醜さから思考が揺らいでいくのは定番であり、夏油もその被害者の一人のようなものです。

過去編で良いキャラだっただけに、その後の呪術廻戦0の容赦ない煽りを見るとその変化ぶりにびっくりでしたね。

また、その夏油の遺体もまた第三者に利用されてしまうというのも報われない最期となっています。

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原作:芥見下々 出版社:集英社

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