【呪術廻戦】九十九由基の術式や正体は?戦犯と言われる理由

単行本23巻表紙を飾る九十九由基 呪術廻戦

呪術界に現在確認される特級呪術師は4人存在しています。それが九十九由基、五条悟、夏油傑、乙骨憂太の4名です。

そして、死滅回遊終盤の単行本23巻でようやく九十九由基の正体や術式が明かされました。

今回は九十九由基のプロフィールや術式についてご紹介したいと思います。

この記事で紹介する内容は?

  1. 九十九由基のプロフィール・正体・目的
  2. 九十九由基が『戦犯』と言われる理由
  3. 九十九由基と東堂葵の関係
  4. 九十九由基の術式について
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九十九由基のプロフィール

「どんな女がタイプかな?」と好みを訊ねる九十九由基

引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社

【名前】 九十九由基(つくもゆき)
【等級】 特級呪術師
【趣味・特技】 バイク
【好きな食べ物】 チキンブリトー
【苦手な食べ物】 海藻類
【ストレス】 任務
【声優】 日高のり子

特級呪術師でありながら依頼を受けずに海外を飛び回っている自由奔放な呪術師。

任務は受けていないので給料はストップしている模様。

初対面の人にはその人のタイプを聞くのが流儀のようで、九十九本人の好みは『泥くさい男』

ちなみに九十九の一張羅は高専時代の制服のリメイクの模様。

九十九由基の正体

九十九由基の正体は『元星漿体』

元星漿体であると発覚したのは単行本23巻202話『血と油①』の冒頭。12年前、星漿体・天内理子が殺害されたのに天元が安定している理由を九十九が訊ねた際に会話の流れで発覚します。

天元は進化することで人類の蠹害にならないよう星漿体と同化することで肉体を初期化して加齢による進化を止めていました。しかし、天内理子が殺害された後は同化を拒否しており、確証があったわけでも、自信があったわけでもないものの、同化を拒否して進化の果て自我を肉体の外に延ばしても理性を保ち結界術を利用することができたのです。

この話を聞いた九十九は『ふざけるなよ。子供達に勝手に業を背負わせ利用してきた歴史を理性的だと?あまつさえ失敗したら「同化しなくても大丈夫でした?」だ?』と柳眉倒豎。

また、九十九は天元と同化した星漿体の声を聞くことができる模様。

ただし、天元自身は同化した時点で星漿体は自分自身であるため声は聞こえないとしており、天元が星漿体は何と言っているのか九十九に訊ねれば、彼女は断固として教えませんでした。

その理由は、天元との同化が星漿体にとってどういう結末なのか教えれば善かれ悪しかれ年の功で受け止めて悟ったつもりになるという九十九なりの推測にあり、決して天元に楽をさせないために星漿体の声を教えませんでした。

そして、その際に放った台詞が『それが元星漿体の私の責任だ』であり、九十九由基が星漿体と判明した瞬間なのです。

九十九と盤星教

盤星教の始まりは奈良時代に天元が日本仏教の広がりとともに術師に対する道徳基盤を説いたものであり、天元を絶対的一神教としていました。

12年前、盤星教が星漿体を殺害したのは天元と星漿体けがれの同化を阻止するためであり、教徒の手前同化を見過ごせば会が立ち行かなくなり、かと言って行動が過ぎれば術師に潰されてしまう。

そのためヤケクソで依頼したのが伏黒甚爾だったのです。

しかし、この時盤星教が星漿体の暗殺ではなく保護隔離に動いていれば九十九は盤星教の味方をしていたと暴露。(23巻、天元との会話時)

もし盤星教が真っ当な思考をしていれば天内理子も死なずに済んだかと思うとやるせないものです。

というか、九十九は12年前海外にいたのでしょうか…。彼女が普通に任務を受けて日本にいれば天内も黒井も死なずに済んだのでは…と思ってしまいますね。

 

 

九十九由基の目的

九十九の目的は『呪霊の生まれない世界を作る』というもの。

呪霊とは人間から漏出した呪力が澱のように積み重なり形を成したもの。

九十九は呪霊の生まれない世界の作り方として『原因療法』を方針にしているため、跋扈する呪霊を狩る『対症療法』を方針にする呪術高専とは考え方が違いました。

『九十九の考える呪霊の生まれない世界の作り方』

  1. 全人類から呪力をなくす
  2. 全人類に呪力のコントロールを可能にさせる

『全人類から呪力をなくす』方法については、最高のモデルケース・禪院甚爾がいました。彼は呪力が0にも拘わらず五感で呪霊を認識でき呪力を完全に捨て去ることで肉体は一線を画し逆に呪いの耐性を得ています。

九十九は①の方法を推していましたが、甚爾には研究を断られており、尚且つ五条悟に敗北し死亡したため頓挫。

まだ禪院真希がいますが、当時は禪院甚爾ほどの資質もなく天与呪縛のサンプルが少ないという理由で見送ることに。

そのため、九十九は『全人類に呪力のコントロールを可能にさせる』方法を本命に変えています。

九十九由基が戦犯と言われる理由は夏油傑の闇堕ちを促したから?

九十九由基が戦犯と言われる理由は12年前に夏油傑の闇堕ちに間接的に背中を押したことが挙げられます。

当時、夏油は星漿体・天内理子の護衛任務失敗につき盤星教信者を前に非術師の醜悪さを身をもって体感し、術師の在り方に疑問を持ち迷っていました。

そんな夏油と接触したのが九十九であり、九十九は『呪霊の生まれない世界を作る』という自分の目的を語るのですが、その際に余計な知識を与えてしまったのです。

その知識というのが『全人類が術師になれば呪いは生まれない』というもの。

術師は呪力の漏出が非術師に比べ極端に少ないため、術師本人が死後呪いに転ずる場合を除いて術師からは呪霊が生まれません。つまり、非術師がいる限り呪いは生まれ続けるというのです。

この事実を聞いて夏油は咄嗟に『非術師の皆殺し』を行えば呪霊が生まれないのではと道徳性に欠ける現実的な解決策を思い描くのですが、九十九は「それはアリだ」として考え方としては一番簡単な手法であると見解を述べるのです。

加えて、非術師を間引き続け生存戦略として術師に適応してもらう、恐怖や危機感を使って進化を促す──などの余計な思想を付け足す始末。

夏油本人はこの時はまだ生き方を考えあぐねていましたが、九十九は夏油に『非術師を見下す君、それを否定する君、これらはただの思考された可能性でありどちらを本音にするかは君がこれから選択する』と揺さぶっており、去り際には『星漿体のことは気にしなくていい』としてもう一人の星漿体がいたか既に新しい星漿体が産まれたか天元は安定していると述べて傷口を抉るのでした。

夏油は、後の任務先で双子(美々子 / 菜々子)を虐待し軟禁する村落にて住民を皆殺しにしていますが、その時に脳裏によぎったのは九十九の『どちらを本音にするかは君がこれから選択する』であり、少なくとも夏油が大義をもって『術師だけの世界を作る』大義名分の後押しとなったのは九十九の言葉や知恵の影響もあるでしょう。

また、結果的に夏油が呪詛師となることで百鬼夜行が決行され夏油が死亡。その遺体を呪霊操術を欲し五条悟の封印を目的に活動する羂索が手に入れることとなるほか、現状の渋谷事変、死滅回遊、宿儺の復活に直結しているので『戦犯』と言われているようですね。

ただし、現状の被害で言えば五条や甚爾など12年前の星漿体暗殺に関わった人物はほとんど意図せず結果的に戦犯になっているので九十九だけが悪いわけではありません。しかし、やはり夏油傑が呪詛師に堕ちる後押しをしたことは後の惨劇に直結する行為なので『戦犯』と言われても仕方ありません。

 

九十九由基と東堂葵の関係

九十九と東堂の関係は師弟にあたります。

東堂は小学3年生の頃に絡んできた高校生を返り討ちにしており、その一部始終を九十九は見届けて「ナイスファイト、少年ボーイ」と声を掛けました。

バイクから降りた九十九はゴーグルを上げて「どんな女がタイプかな?」といつもの決め台詞を吐いていますが、そんな九十九を眼前に東堂は『退屈が裏返る、そんな予感がした』と直感。

九十九との出会いは東堂に多大な影響を与えており、呪術師の家系でもないのに東堂は後に呪術高専に入学し頭角を現していきます。

東堂が毎回相手に女性の好みを訊ねるのは九十九譲りの癖であり、東堂が『身長と尻がデカイ女』を好みになったのは九十九由来です。また、顔の傷は呪霊との戦いではなく、九十九の無茶なしごきによりついた模様。

 

九十九由基の術式『星の怒り』

九十九由基の術式が仮想の質量を付与する『星の怒り』と判明するシーン

引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社

九十九の術式は術式対象の概念の内包と外延に収まらない程の圧倒的『質量』であり、自らに仮想の質量を付与する『星の怒りボンバイエになります。

そのため術式対象に概念が絡もうとその上から圧倒的『質量』による攻撃で打ち破ることが可能。また、『星の怒り』で質量を上げたところで調整した質量の影響を術師本人は一定の密度まで受けることはありません。

術式対象が九十九自身と凰輪のみであるため、必然的に戦術は主に肉弾戦か凰輪を使ったものになります。その打撃力は、天与呪縛のフィジカルギフテッド並みかそれ以上のゴリラな印象。

しかし、『星の怒り』により密度が上がっても術師本人の強度は上がらないので防御は持ち前の呪力頼りとなります。

なお、術師本人の負傷具合により『星の怒り』の出力が落ちるようです。(反転術式で治療すれば復活)

九十九由基の式神『凰輪』

九十九の周囲に展開されている機械的な見た目の生物は彼女の術式により呪具化した式神凰輪ガルダ

九十九以外唯一『星の怒り』の術式対象となります。

攻撃手段は九十九が『星の怒り』を付与した凰輪を丸めてサッカーボールのように蹴り飛ばしてぶつけたり、凰輪自身が自在に浮遊し尾鰭で攻撃可能。九十九と凰輪で標的を挟撃し連携するなどの戦術も得意としています。

また、凰輪を鞭の要領で手持ち武器にすることもできるようで、羂索戦では凰輪を振り回して叩きつけた個所を粉砕する膂力を披露(鬼滅の刃の甘露寺蜜璃の日輪刀に類似)。当たれば大ダメージは必至でしょう。

『ガルダ』とは、インド神話に登場する太陽のように輝く光を発する神鳥。

九十九由基の拡張術式は?

作中では明記されていないものの、九十九の拡張術式は『ブラックホール(仮)』と予想されています。

ブラックホールは超高密度で強い重力を持ち物質や光が抜け出すことができないと言われており、地球を直径約2cmまで圧縮する密度で生まれると作中内で解説されています。

そして、九十九は羂索相手に奥の手として使用したのがブラックホールと思しき自爆前提の圧縮技であり、これにより戦場の舞台となった薨星宮直上『空性結界』は半壊。

技名などは結局明かされませんでしたが、実際に技を受けた羂索が『星の怒りで後付できる質量に制限がないとすれば…』と推測しているので、生得術式を応用した呪力出力の高いオリジナル技という観点から『ブラックホール(仮)』が九十九の拡張術式と予想されました。

また、九十九が自爆する直前に「重力も質量も時間も突き詰めれば(ここで途切れているためおそらく圧縮された可能性)」と発言しているので、術式解釈を広げる拡張術式の概念に沿ったものと思われます。

九十九由基の反転術式

九十九は羂索戦で負傷した肉体の治癒を行っていたことから反転術式を使用できます。おそらく五条と同じく自分自身のみ可能。

戦闘中に反転術式を使うと『星の怒り』の制御が甘くなるデメリットがあります。

九十九由基の領域展開は不明

作中では領域展開は使用されませんでした。

羂索戦ではシン・陰流「簡易領域」を使用。

 

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まとめ

  1. 九十九由基は4人の特級呪術師の1人
  2. 九十九由基の正体は『元星漿体』
  3. 九十九由基の目的は『呪霊の生まれない世界を作る』
  4. 九十九由基は結果的に術師の在り方に疑問を持ち迷っていた夏油傑が闇討ちする後押しをしたため『戦犯』と言われている
  5. 九十九由基と東堂葵は師弟関係
  6. 九十九由基の術式は自らに仮想の質量を付与する『星の怒りボンバイエ
  7. 九十九由基は九十九以外唯一『星の怒り』の術式対象となる式神『凰輪ガルダ』を伴っている
  8. 九十九由基の拡張術式は『ブラックホール(仮)』と予想されている
  9. 九十九由基は反転術式が使える
  10. 九十九由基の領域展開は明かされなかったが、シン・陰流「簡易領域」は使用可能

自由に遊び歩いている印象の九十九ですがその目的や思想は『呪霊の生まれない世界を作る』という、夏油傑とは別方向に舵を切った活動家でした。

世界を渡り歩いているのは彼女なりに目的のための情報収集や手段の確立なのかもしれませんね。

一方で夏油の闇堕ちに間接的に背中を押してしまったために読者からは『戦犯』としてネタにされているようです。

東堂との師弟関係を鑑みるに、五条悟同様あまり後輩を教え導く素質はないのかもしれませんね。



呪術廻戦 単行本23巻

作者:芥見下々 出版社:集英社

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