漫画『ぬらりひょんの孫』の人気キャラである大妖怪・羽衣狐。
羽衣狐の宿願は安倍晴明(鵺)の出産であり、京都を支配し妖の世を作ることでしたが、現代に蘇り奴良組と花開院家と戦った末に敗れてしまいました。
では、その後羽衣狐は死亡してしまったのでしょうか。
今回は羽衣狐の経歴・生死・その後についてご紹介したいと思います。
◆ この記事で紹介する内容は? |
羽衣狐とは
引用元:椎橋寛『ぬらりひょんの孫』 出版:集英社
羽衣狐は転生妖怪であるため、これまでに何度も転生を繰り返しています。
羽衣狐は安倍晴明の生みの親でありますが、とある事情により再び輪廻の環に還った晴明を産む必要があり、再び安倍晴明をこの世に産み落とすべく多くの力を蓄える必要がありました。
かつて人とともに闇があり、羽衣狐たち闇の化生は常に人の営みの傍らに存在。初期の羽衣狐は平安期のような考え方ではありませんでしたが、長い人生の中で人は美しいままに生きていけず、やがては汚れて醜悪な本性が心を占めていく定めと知り、羽衣狐は信じ愛していたものに裏切られるという行為を何百年も経験しその度に絶望していきました。
その結果、羽衣狐はいつしかこの世を一点の汚れもない純粋な黒で埋め尽くしたくなりました。羽衣狐が転生のための依り代に黒い髪・黒い眼・黒い衣を求めるのはそのためです。
【約1000年前】平安時代の羽衣狐の動向
羽衣狐は人間の男(安倍晴明の父)と交わり安倍晴明を出産しました。
その後、成人した安倍晴明は自身が完成させた陰と陽の完璧に交わった美しい京を永遠の秩序にしたいと考えており、そのためには永遠を生きなければならないとして、完全なる反魂の術を使い1000年を生きようと画策していました。
完全な転生を行うべく晴明が選んだのは母・羽衣狐に還りもう一度産み落とされること。それが完璧な転生となり、宿願の始まりと考えたのです。
人は死ぬと輪廻の環の中に還り様々な生き物に転生する仕組み。しかし、晴明は死して後に輪廻の環に還らず千年を生きる羽衣狐の胎内へ再び戻ることでまたこの世に安倍晴明として転生する方法を思いつきました。羽衣狐としては陽の部分は必要ないと考えていましたが、可愛い我が子の願いを聞き入れて何度でも産み落とすことを受け入れます。
しかし、誤算が。
ある時、関白である頼道が不老不死の法を得るために信田の狐──羽衣狐を討ち、その肝を喰らおうとしたのです。頼道は晴明を呼び出し討ち取った狐を箱から取り出しその肝を使って不老不死の薬を作るように命令しますが、晴明は母を殺害されたことに怒り頼道を殺害。
羽衣狐の亡骸に回復術を施すと羽衣狐はわずかに息を取り戻しますが、もう晴明を産み直すことが叶わないと謝罪を口にすると、晴明は母を討った人間たちに激昂し乱心。皆殺しにした上で羽衣狐の亡骸を抱えながら、陰と陽の共存ではなく、羽衣狐が述べていたように闇が光の上に立つ秩序が正しい世界だと考え改めるのでした。
そして、いかなる手をつかっても母を復活させ母とともに世界を闇で覆うことを決意するのです。
転生妖怪の始まり
初めて羽衣狐が転生したのは、安倍晴明没後から40年のこと。
晴明は死に際に自身を羽衣狐の身に宿すために術を施しており、一度妖として終えた羽衣狐は母体となる人間を渡り歩く転生妖怪になりました。転生後の寿命は人並みですが、死ぬ度に力を得ていく仕組みであり、やがて安倍晴明を出産するために力を蓄えるのが羽衣狐の宿命となったのです。
羽衣狐は晴明の計画にほれぼれすると、力を得るために何度も転生を繰り返しました。
しかし、時代の節目節目には人間によって殺されるばかりであり、羽衣狐は何度も宿願を断たれ絶望しますが、晴明のことを思い続ける一心で多くの力を蓄えるまでに至りました。
【約400年前】慶長年間の羽衣狐の動向
この時代の羽衣狐は淀殿(大阪城主・豊臣秀頼の母)を依代にしており、着実に「力」を蓄えていましたが、豊臣秀吉の死後、徳川家の天下が差し迫ったところ妖が住みにくい世になることを憂いていました。
そんな中、赤子・巫女・皇女のようにより尊い命には妖の力を増幅させる力があるという「生き胆信仰」を信じる妖が多く、羽衣狐も生まれてくるやや子のためにより多くの尊い生き胆を手下の妖怪に集めさせていました。
妖たちの標的は京都一の絶世の美女と謳われる珱姫(※ぬらりひょんの妻となる女性)にとまり、家臣は大金を用意し表向きは豊臣秀頼の側室として珱姫を豊臣家へ招き入れると、そこには珱姫と同じく公家の娘が三人おり、淀殿は彼女らの生き胆を喰らい力を得ます。
実は集められた娘たちは公家の娘でありながらそれぞれが何かの能力を有する特別な者たちであり、それを喰らうことで羽衣狐はより力を増そうと考えていたのです。
しかし、ぬらりひょん(奴良組初代総大将)が駆けつけたことで京妖怪と奴良組妖怪が激戦。珱姫と苔姫の二人は食べられそうになったところを救出されました。羽衣狐は正体を現しぬらりひょんを相手取り追い詰めますが、ぬらりひょんが鬼發を発動し祢々切丸で羽衣狐を切り裂くと、羽衣狐が長年溜め込んだ妖力が抜け落ちてしまいます。
止めを刺そうとするぬらりひょんでしたが、羽衣狐はぬらりひょんの生き胆を抜き取り捕食し失った妖力に満たない僅かな力を取り戻すことに成功。そして、ぬらりひょんを葬り去ろうと尾を放ちますが、13代目花開院秀元の援軍が入り陰陽術で動きを封じられると、その隙にぬらりひょんが祢々切丸で羽衣狐を一刀両断し羽衣狐は淀殿の肉体から抜け落ちてしまうのでした。
ぬらりひょんと13代目花開院秀元の共闘により、この時代の羽衣狐の目的は阻止されてしまいます。
狐の呪い
羽衣狐は依り代から剥がれ落ちる前にぬらりひょんに「呪い」を科しました。
羽衣狐がかけた呪いは「子が成せない呪い」であり、その呪いは未来永劫血筋を辿り何世代にもわたって縛られることになります。しかし、ぬらりひょんは人間の女と子を成したためか狐の呪いは発動せず、本人も「どこまでもよめぬ血よ」と述べています。
また、花開院には「早逝の呪い」をかけています。
【数年前】羽衣狐の復活
羽衣狐は幕末・明治・戦中・戦後と何度も転生する機会がありましたが、その都度奴良組二代目総大将である奴良鯉伴に阻止されていました。
自身の復活には奴良鯉伴を殺害する必要があると悟った安倍晴明は、同じく奴良鯉伴に恨みを持つ山ン本五郎左衛門と地獄で共謀し反魂の術で鯉伴の妻であった妖怪・山吹乙女を蘇生させたのです。
依代に転生
現世で命を落としたはずの山吹乙女は、安倍晴明の反魂の術により少女の姿で蘇ると、山ン本五郎左衛門の幻術によって『奴良鯉伴の娘』という偽りの記憶を植え付けられてしまいます。
そして、幼いリクオと接触させられると安倍晴明らの計画通り、幻術にかけられた山吹乙女はリクオの父である奴良鯉伴と自然に接触することに成功。鯉伴は山吹乙女そっくりの少女を前に生前の山吹乙女との間にできた自身の子供でないかと戸惑いを受けますが、次第に少女に心を許していきました。
しかし、鯉伴が山吹の花を前に古歌を歌ったところで山吹乙女が摘んでいた山吹の花束が魔王の小槌に変化し、油断していた鯉伴を後ろから突き刺します。
また、鯉伴の古歌が生前の記憶を呼び起こす鍵となっており、鯉伴を魔王の小槌で突き刺した直後に山吹乙女は記憶を思い出して激しく動揺。しかし、これもまた山ン本五郎左衛門の計画の内であり、山吹乙女は自ら愛した男を刺し殺した絶望に襲われると、その心の闇を突いて羽衣狐が依代に完全に憑依することになり現代に復活してしまったのです。
そのため、八度目の転生となった依代は安倍晴明が反魂の術で蘇らせた山吹乙女の肉体となります。
【現代】京都編の羽衣狐の動向
13代目花開院秀元は京都の八つの場所に強力な封印を施したため、400年近く太平を得ていました(秀元の封印は、地脈を結んで作られたらせんの封印であるため、妖が京都へ入るためには一つ一つ順に封印を解く必要がある)。
しかし、復活した羽衣狐は京妖怪を従え400年前に13代目花開院秀元が張った八つの結界のうちの2つを破壊(結界の守護者である花開院秀爾と花開院是人を殺害)。これにより、浮世絵町にいた花開院ゆらは京都に帰還することになり、リクオも奥州遠野一家の妖怪たちに修業を受けて京都へ発ちます。
羽衣狐の目的は陰陽師と全面戦争を起こし京都を全滅させた後、新生・弐條城を中心に洛中を妖で満たすこと。
最初の封印破壊から13日後には5つの封印を破壊し、花開院秋房・花開院破戸・花開院雅次を下し6つ目の封印を解除。第二の封印「相剋寺」では、花開院ゆらが破軍で先神を呼び出したことで13代目花開院秀元が現代に顕現し羽衣狐と400年ぶりの対峙。今回は力の差で京妖怪が圧倒していたため陰陽師は撤退し、7つ目の封印を解除しました。
最後の封印第一の封印「弐條城」は京妖怪に一任し、羽衣狐はやや子を産む準備に取り掛かります。
羽衣狐の陣痛
羽衣狐および京妖怪の宿願はやや子の誕生──つまり、安倍晴明(鵺)の生誕です。
第一の封印「弐條城」を落とした後に、羽衣狐は入城後数週間は出産に備えて地下鍾乳洞らしき洞穴の池溜まり(封印を解いたことで放たれた京の怨念が流れ込み黒く染まった妖気終焉の地・鵺ヶ池)に身を沈めると、力を得るべく出産まで供物の女性の生き胆を摂取。
そこへぬらりひょんが登場し、400年振りに交戦。ぬらりひょんは400年振りに羽衣狐と対話して改めて奴良組と京妖怪が相容れないことを悟ると、羽衣狐の二代目殺しのケジメをつけるのは三代目(奴良リクオ)だと宣戦布告。
そのタイミングで羽衣狐は陣痛が始まり、ぬらりひょんは羽衣狐の出産を阻止しようとしますが、敵幹部たちに阻まれたため、敵本拠地から手傷を負いながら逃亡するのがやっとでした。
羽衣狐の出産
ついに出産時間に迫ると、弐條城に到着した奴良組たちの前で羽衣狐は純然たる黒を纏い再び顕現。また、安倍晴明の原型となる鵺ヶ池から巨大な赤子と思しき黒い水の塊が出現します。
その場で花開院家のゆら・秋房・竜二・魔魅流と交戦しますが軽くあしらう羽衣狐。しかし、彼らの目的は完全復活前の赤子の方であり、竜二は羽衣狐の注意を惹いている内に赤子を滅します。
が、寸での所で土蜘蛛が竜二の術を破ったため赤子は無傷。怒った羽衣狐は竜二を殺害しようとしますが、ここでリクオが間に入り、因縁を持つ者同士が対峙することに。しかし、羽衣狐は依代となった人間の頃の記憶がないため二代目を殺害した記憶がありませんでしたが、今回リクオと接触することで依代の記憶が一部蘇ることに。
転生するたびに強くなる羽衣狐と相対するリクオは苦戦を強いられますが、戦闘中に羽衣狐の中の人間の部分に呼びかけると、羽衣狐は依り代の記憶の片鱗を更に呼び起こし、リクオに止めを刺す直前には鵺のカケラに映るリクオの記憶の映像が目に入りついに自身が二代目を殺害した記憶を取り戻すのです。
羽衣狐は頭を抱えて蹲ると、奴良組と花開院家が総当たりで羽衣狐の動きを封じ込め、リクオはついに祢々切丸で羽衣狐を貫くことに成功するのでした。
一方で、安倍晴明がついに現世で蘇ってしまいます。
羽衣狐の死亡
リクオに祢々切丸で貫かれた羽衣狐は、舞い散る鵺のカケラに映る幼少期の記憶を見て完全に人間の頃の記憶を取り戻しますが、貫かれた依代が気を失うと、羽衣狐は依代となる女性から剥がれ落ちます。
依代に完全に憑依していたはずなのに記憶のない人間の頃の記憶を見せられた途端に激しい頭痛が襲ったため、羽衣狐は自身を復活させた鏖地蔵が転生の際に何か細工したと考えますが、自身の復活までの背景に安倍晴明が糸を引いていたことを知り動揺。
しかし、晴明が依代となる女児を選んだのは自分であると白状すると、羽衣狐は彼を許し、転生に成功した我が子を抱き締めます。しかし、その遥か足元の奥底に地獄が開かれると、羽衣狐は晴明によって地獄へ突き落とされてしまい、そのまま炎の中へと引きずり込まれてしまうのです。
羽衣狐は最期まで息子に愛を捧げていましたが、晴明は最愛の母に背を向けてこそ自身の道を歩めると考え、羽衣狐の犠牲を背に現世に蘇るのでした。
その後、リクオは安倍晴明に殺されそうになりますが僅かに動く依代(羽衣狐の抜け殻)がリクオを庇い再び致命傷を負うことに。ただ、晴明の肉体がまだ馴染んでいなかったため彼は京妖怪の一部を従えて一時撤退することになり、リクオたちは命拾いします。
安倍晴明を追いかけようとするリクオを制止したぬらりひょんは、打ち捨てられた依代を見て、彼女がかつて山吹乙女と呼ばれていた二代目(奴良鯉伴)の妻に瓜二つだと教えます。
羽衣狐の依代は、残り僅かな生命力の中、自身が安倍晴明と山ン本五郎左衛門の策謀によって反魂の術で蘇られた山吹乙女本人であり、現世に復活後、山ン本五郎左衛門の幻術で鯉伴の娘という偽りの記憶を定着させられて鯉伴と接触し鯉伴暗殺をやらされたことを告白。また。かつて愛した男を手にかけた心の闇を突いて羽衣狐が肉体に完全に憑依したことを打ち明けるのです。
また、最期には鯉伴と瓜二つの顔をしたリクオに対し「妾に子が成せたならきっとあなたのような子だったのでしょう」と言い放つと、幸せになるはずだった鯉伴との未来を想像しながら息を引き取るのでした。
【現代】葵螺旋城編の羽衣狐の動向
江戸から現代まで約300年の時を経て御門院家歴代当主たちが結集し再び清浄を開始。全国の妖怪が奴良組と共闘し御門院家の手の者とたちと交戦し始めます。
そんな折、羽衣狐は再び生を受けることになりました。
九度目の復活
安倍晴明の一派が退散した後、リクオは羽衣狐改め依代となった山吹乙女の遺体を彼女を慕っていた狂骨ら京妖怪の残党に託しました。
しかし、初代総大将が京都を訪れると京妖怪と接触し交渉。狂骨たちから羽衣狐の遺体を預かると、人と妖の間の者のために御門院五代目が造ったという半妖の里に連れていき復活させます。
こうして、転生妖怪羽衣狐は八度目の転生の依代となる山吹乙女の肉体のまま九度目の転生を果たすことに。
復活後は狂骨たち京妖怪に逢うため、御門院天海と交戦中の京妖怪および花開院家の竜二や魔魅流の窮地に現れ天海を撃退。自身を地獄から蘇らせた者を特定するため、一度安倍晴明に会うことを決心します。
安倍晴明との訣別
最終決戦の日、奴良組より早く葵螺旋城を訪れた羽衣狐は安倍晴明と再会し対話。昔話に花を咲かせつつも今の晴明の目的を訊ねると、晴明は今も変わらず『平穏で美しい世』を作るために下らない生物を駆除し秩序ある住みやすい社会を築くことを掲げます。
晴明は母の死を契機にこの世は強く正しい自身こそが全てを調整するべきと考えるようになり、自身に寿命さえあれば今もその世は続いていたはずであると豪語。そして、晴明が強く在り続けるためには母に死んでいてもらわなければ困るというのが彼の言い分でした。
晴明の意志を確認した羽衣狐は思想の相反から息子との訣別を決意。
1000年の命は人の愚かさや生死、妖怪の全ての移り変わりを見るには十分すぎる年月であり、羽衣狐は今の晴明の思想に理解は示すものの、それでは愛する京妖怪たちが清浄の対象になってしまうことを懸念し、京妖怪たちを守るために母子の絆を断つのでした。
そして、これからは自分の思うがままに生きることを決意すると、今後は人間も妖怪も全てを慈しむ母になることを表明するのでした。
九度目の転生を経た羽衣狐は山吹乙女と羽衣狐の魂が融合した結果『母性』を宿す妖怪に変化していたのです。
安倍晴明との決着
安倍晴明と訣別した羽衣狐は実の息子と交戦。しかし、晴明の力は羽衣狐を超えており、羽衣狐を守るために京妖怪たちが総出で羽衣狐の援護に入ります。
そんな中、羽衣狐は晴明を見据え、今の晴明は母の死を経て辛い経験を多々乗り越えてきた果ての姿と悟り、もし自分が生きて抱いてあげればこのようなことになっていなかったのではないかと後悔の念を覚えることに。しかし、狂骨が自身を庇い致命傷を負ったことで晴明はもう自分の子供ではなく敵と考え改めます。
戦況は羽衣狐率いる京妖怪が不利に傾きついに羽衣狐が晴明に追い詰められてしまいますが、奴良組が葵螺旋城上階に間に合い、リクオが羽衣狐を救出。リクオは羽衣狐と晴明の会話を少し聞いていたようで、今の羽衣狐は自分たちと同じ考えであると告げます。
一方で、志や刃を向ける相手が合致していても京妖怪と奴良組は相容れない関係であると羽衣狐は突き放しますが、リクオはそれはお互い様として今は魑魅魍魎の主として京妖怪も守る理由があると伝えると、羽衣狐はリクオとともに晴明に立ち向かいます。
戦闘の最中、羽衣狐は晴明を捕まえて自身の肉体に戻そうと試みますが、真正面から術を受けてしまうことに。しかし、リクオが庇ったことで直撃を免れますが、代わりにリクオが致命傷を負い倒れてしまうと、羽衣狐はリクオを庇い、そして、自らを憑依させることでリクオは羽衣狐を纏い鬼纏『襲色・黄金黒装鵺切丸』を発動し最強の妖の姿に変貌。
最終的にはその姿で晴明に祢々切丸を振るうリクオの後押しをして晴明の討伐に助力しました。
晴明討伐後は鬼纏を解除し、かつ陽光を浴びて人間の姿に戻ったリクオを支えると、勝利を分かち合う奴良組の釘を刺すように重傷を負ったリクオを治療するため彼を半妖の里へ連れていく旨を発言。奴良組の妖怪たちに反発されるものの、氷麗が彼らを説得したことで余計な諍いは未然に収まり、羽衣狐はリクオを抱えて京妖怪たちとともにその場を立ち去るのでした。
また、戦闘中に重傷を負った狂骨を守ってくれた氷麗に礼を述べています。
羽衣狐のその後
最終決戦の後、羽衣狐は半妖の里に致命傷を負った仲間とリクオを連れていくとそこで彼らの快癒を待ちます。
奴良鯉伴との再会
半妖の里の地には、奴良リクオの父である奴良鯉伴が眠っており、ぬらりひょんにこの地に連れてこられた羽衣狐は数日間今のリクオのようにこの地の湖に浸かり復活を待っていました。
その際、この地に眠る鯉伴と再会しており、山吹乙女と鯉伴の魂はこれまでのすれ違いや誤解を晴らすことができました。本当はそのまま鯉伴とともに黄泉路を歩きたいと願っていましたが、全ての運命の呪縛を解くために安倍晴明に会う必要があると称し現世に戻ってきたのです。
しかし、鯉伴との別れの前にもう一度ここに戻ってこれたら今度こそ黄泉路を一緒に歩くと約束を交わしていました。
山吹乙女の消失
ぬらりひょんによって半妖の里に連れてこられた羽衣狐は、復活直前に鯉伴と「もう一度ここに戻ってこれたら今度こそ黄泉路を一緒に歩く」と約束を交わしています。
安倍晴明との戦いで重傷を負った奴良リクオの治療のためにもう一度半妖の里に戻ってきた羽衣狐ですが、約束通り羽衣狐の中の山吹乙女は鯉伴とともに黄泉路を歩いていきました。
したがって、羽衣狐の中から山吹乙女は消失しています。
また、同時にぬらりひょんの血筋にかけられた狐の呪いも解けています。
狐の消失
安倍晴明を倒した段階で狐にかけられた転生の念は消えてしまったようです。
羽衣狐が自身の中に狐はもういないと述べているため、転生妖怪羽衣狐は九度目の転生で終了したようです。
羽衣狐自体は生きている
転生妖怪羽衣狐も山吹乙女も今の羽衣狐の中から消えてしまいましたが、羽衣狐自身は山吹乙女の姿のまま現世に生きています。
羽衣狐曰く「乙女も狐も消えた…だが、おぬしらとの絆が消えたわけではないぞ…?それが妾なのじゃから」とのこと。山吹乙女と羽衣狐の魂が融合した結果、人と妖を守る『母性』を宿す妖怪が今の羽衣狐という認識なのでしょうか。
全てが終わった後は狂骨らとともに立ち去っています。
まとめ
羽衣狐の死亡や過去・目的・その後のまとめ
- 羽衣狐の概要
- 羽衣狐は転生妖怪であり、何度も転生を繰り返す
- 羽衣狐は安倍晴明の生みの親
- 羽衣狐は信じ愛していたものに裏切られるという行為を何百年も経験しその度に絶望した結果、この世を一点の汚れもない純粋な黒で埋め尽くしたいと考えるようになる
- 【約1000年前】平安時代
- 人間の男(安倍晴明の父)と交わり安倍晴明を出産
- 成人した安倍晴明は京を永遠の秩序にしたいと考え、羽衣狐に還りもう一度産み落とされる計画を立てる
- 頼道が不老不死の法を得るために信田の狐「羽衣狐」を討つ
- 激怒した安倍晴明が頼道を皆殺しにし、闇が光の上に立つ秩序が正しい世界だと考え改め支配する
- 転生を繰り返す羽衣狐は、安倍晴明を出産するためにその後も時代の節目節目で人間に殺されながらも力を蓄える
- 【約400年前】慶長年間
- 淀殿(大阪城主・豊臣秀頼の母)を依代にする
- 妖の力を増幅させる生き胆を食べるため、尊い命を家臣に集めさせ更に力を蓄える
- ぬらりひょんの意中の相手である珱姫を標的にしたため、ぬらりひょんと交戦
- 祢々切丸で斬られたため長年溜め込んだ妖力が抜け落ちる
- ぬらりひょんと13代目花開院秀元が共闘し羽衣狐を討伐
- 羽衣狐はぬらりひょんと花開院家に「狐の呪い」をかける
- 【数年前】羽衣狐の復活
- 転生に邪魔な存在である奴良鯉伴を暗殺するため、地獄で安倍晴明と山ン本五郎左衛門が結託
- 安倍晴明の反魂の術で山吹乙女を娘子の姿で復活させ、山ン本五郎左衛門の幻術をかけて鯉伴に接触させ暗殺させる
- 自ら愛した男を刺し殺した絶望に襲われる山吹乙女の心の闇を突き、羽衣狐が乙女の体を依代に復活する
- 【現代】京都編
- 羽衣狐は京妖怪を従え400年前に13代目花開院秀元が張った八つの結界を破壊して回る
- 第一の封印「弐條城」を落とした後に出産に備えて鵺ヶ池で生き胆を食べて力を蓄える
- 安倍晴明(鵺)を出産する
- 奴良リクオとの交戦で人間時代(反魂の術で蘇生された山吹乙女が奴良鯉伴を殺害した時)の記憶を思い出し取り乱す
- 奴良リクオの祢々切丸に斬られて依代から剥がれ落ちる
- 復活した安倍晴明に地獄へ堕とされる
- 依代となった山吹乙女の亡骸はリクオから京妖怪たちへ戻される
- 【現代】葵螺旋城編
- ぬらりひょんが羽衣狐を復活させるために京妖怪から亡骸を預かり半妖の里へ連れていく
- 羽衣狐は奴良鯉伴の魂と再会するが全ての運命の呪縛を解くために黄泉を歩く前に今一度現世に戻ることを決意し復活
- 葵螺旋城で安倍晴明と対話するも思想の違いから訣別する
- 京妖怪たちの援護を受けながら安倍晴明と戦うが苦戦
- 奴良組が葵螺旋城に到着し、羽衣狐は奴良リクオと共闘
- リクオは羽衣狐を鬼纏い安倍晴明を撃破する
- 安倍晴明撃破時に狐にかけられた転生の念が消失する
- 安倍晴明戦で重傷を負ったリクオを癒やすため彼を半妖の里へ連れていく
- 羽衣狐のその後
- もう一度半妖の里を訪れたタイミングで、羽衣狐の中の山吹乙女は奴良鯉伴とともに黄泉路を歩く(成仏)
- 今の羽衣狐の中には「狐」も「乙女」もいない
- 今の羽衣狐は人も妖も等しく愛する「母性」を宿している
- 最後は狂骨ら京妖怪とともにどこかに姿を消している
本作の中ボスでありながら根強い人気を集める羽衣狐ですが、最終決戦ではリクオと共闘し、リクオが羽衣を鬼纏して安倍晴明を倒すことができました。
その後は、リクオの傷を癒すために彼を半妖の里へ連れていき快癒させていますが、安倍晴明を倒した段階で狐は剥がれ、里に戻ったところで乙女は鯉伴とともに旅立ったため、今の羽衣狐は二つの魂が融合した「母性」の妖怪なのかもしれません。
そのため、羽衣狐は今も京妖怪を束ねて生きています。
今の羽衣狐の思想は人と妖を守ると述べているので、今後は奴良組のようにひっそりと悪い妖怪から人間を守っているかもしれませんね。
『ぬらりひょんの孫』の番外編収録! | |
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ぬらりひょんの孫 25巻 作者:椎橋寛 |
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ぬらりひょんの孫 作者:椎橋寛 |