漫画『呪術廻戦』に登場する羂索(けんじゃく)は、本作の黒幕であり、虎杖悠仁を宿儺の器としてつくりあげた人物です。
渋谷事変終盤から死滅回遊編で羂索の目的が判明し本格的に動き出したわけですが、新宿決戦編でついに羂索が討たれました。
では、羂索を倒したのは誰なのか。
羂索はどのような最後を迎えたのでしょうか。
今回は羂索の死亡と最後についてご紹介したいと思います。
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羂索の死亡は何巻何話?
呪術廻戦 27巻 作者:芥見下々 |
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羂索の死亡が描かれたのは単行本27巻第243話です。
羂索は高羽と戦った末、高羽の能力によって呪力総量の多い乙骨の接近に気づかず対応が遅れてしまい急襲を許してしまい首を切断されました。
羂索の最後のネタバレ
引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社
新宿決戦前、高専側は天使の発案で五条悟と両面宿儺の決着がつく前に羂索に奇襲をかけることが決定しました。
羂索の目的は日本の人間と天元の超重複同化ですが、それには泳者を一掃して死滅回遊を終了することが条件であるため、宿儺と戦っている最中に目的が達成することはありません。しかし、五条悟が敗北した場合、あるいは五条悟敗北後に高専側が万が一宿儺に辛勝できたとしても羂索側から奇襲を受ければ敗色濃厚になるのです。
そのため、五条が宿儺を抑えている内に羂索へ奇襲を仕掛けて倒すことが理想なわけですが、五条敗北のケースを想定すると乙骨雄太を筆頭とした戦力を分散するのはナンセンス。また、羂索も特級術師・九十九由基を倒すほどの呪術師であるため、一級呪術師程度では奇襲作戦は遂行できない見込みでした。
そこで天使が推薦したのは髙羽史彦。
高専の呪術師は彼のことをよくわからない人物として認識していましたが、天使は高羽の術式が『事象の創造(高羽のイメージの具現化と強制)』であると気付いていました。しかし、高羽自身自分の術式を明確に知りえない覚醒タイプの呪術師であるため、本人が自身の術式を知れば悪い影響が出るかもしれないというのがネックであり、天使は高羽に術式を明かしませんでした。
つまり、高羽ならば羂索がこれまで築き上げた呪術のノウハウが通じないと踏んで彼を羂索の対戦相手に推薦したのです。
羂索vs.髙羽史彦
岩手県御所湖結界で泳者を狩っていた羂索の下に現れたのは憂憂の術式で移動してきた髙羽史彦。
当初、冥冥の烏の監視を連れず目の前に現れた単独の高羽を見て、刺客の人選が意味不明すぎて逆に不気味に思いつつ先制攻撃で仕留める羂索でしたが、高羽が直撃を受けてもネタに昇華して起き上がったため羂索は驚愕の表情を浮かべます。
攻撃が効いていないのではなく、効いていないことになった──。
覚醒タイプの泳者においては所詮は人数合わせだったため日車寛見以外に潜在能力を感じていませんでしたが、高羽を前に初めての感覚を覚える羂索。
一方で高羽は「世の中ね、興奮することはいっぱいありますけど一番興奮するのは人数合わせのひな壇芸人が爆笑掻っ攫う時でしょう」とドヤ顔し、臨戦態勢に入るのでした。
高羽には羂索の千年の呪術ノウハウが通用しない
羂索と高羽の戦いが始まったものの、羂索の攻撃は悉く無効化されてしまいます。
高羽は攻撃を受けるたびにこち亀の両津勘吉の真似をしたりしてネタに昇華すると効果を無効化。高羽の術式を観察した羂索は彼の術式が『事象の創造』であると推測すると、千年を費やして培ってきた呪術のノウハウが通用しないと確信を抱きました。
そのため、羂索は髙羽史彦という人間に興味を示すと名前を訊ねました。
高羽は自己紹介がてら所属事務所と去年のP-1一回戦出場者であることを伝えますが、羂索は「素人でも一回戦は通ねんぞ」というツッコミ待ちの高羽に敢えてツッコむことをせず「ツッコミ待ちが鼻についた」と揶揄うと、事務所についてもポニーかと思ったと言って彼のメンタルを削ります。
一方で意外とお笑いに詳しくテンポの良い会話を回せる羂索を前に高羽はシンパシーを感じると、羂索が知的好奇心から日本の人間と天元を同化させようとしていることを知り、ではもっと面白いことがあればそんな凶行には及ばないのではと閃き羂索を笑わせようとするのでした。
こうして二人の戦いは暴力の戦いからお笑いの戦いへとおかしな発展に──。
羂索を笑わせようとする高羽
羂索が超重複同化を諦めるくらいに面白おかしく笑わせてやろうと決意した高羽は、手始めに著作権フリーの一発ギャグ『余計なお世Wi-Fi』を披露しますが、羂索は高羽がこのギャグを閃いた経緯に理解を示しつつもテレビの前の視聴者には伝わらないとダメだし。
また、同じ芸人であるFUJIWARAの原西の一発ギャグを例に出して、高羽のギャグのどこがダメなのかをロジカルに否定していくと、高羽は相方に「お前とやっても楽しくねぇんだよ」と言われたトラウマを想起することに。
その後、羂索が「もう少しお客さんを意識してネタを作って下さい」と述べて高羽に攻撃すると今度は手ごたえを感じたため、高羽の術式の発動条件が術師本人の自信と確信にあるのではないかと予測しました。
一方で高羽は再び復活しますが、にらめっこ勝負では羂索が額の紐を引いて脳を見せながら変顔をしたため鼻から噴き出すと、にらめっこなのに急にあっち向いてホイをして頬を殴り飛ばされてしまい泣き崩れます。
結果、高羽は自分よりも素人の羂索の方が面白いのではないかと自信喪失に陥ると、かつて先輩に言われた『売れ続ける奴にはずっと面白い奴とずっと自分のこと面白いと勘違いできる奴の二種類がいる』という言葉を思い出し、暗示をかけるように自分も面白いと言い聞かせます。
しかし、殴り飛ばされた先で羂索が殺した他の泳者の死体を目の当たりにすると途端に現実を突きつけられたかのように怖気づいた表情を浮かべることに。
羂索が「どうした?笑えよ、芸人だろ」と煽るも、高羽は自分がなぜ芸人をやっているのかわからなくなるのでした。
高羽の意思表明
羂索との戦いで笑顔を忘れた高羽でしたが、自分がお笑いを始めたのは「みんなに自分を知って欲しいから」という原点を思い出しました。
しかし、羂索との戦いで人を笑わせるという根本的な部分を見失い、いつからか傷つかないために笑いに対して誠実に向き合えていなかった自分を恥じると当時お笑いを始めたばかりの初心を思い出すのです。
そして高羽は土下座をして100人中99人にウケたとしても意地でも最後の一人を笑わせたいと今の想いを吐露すると、自分を守るために羂索を笑わせることを諦めたことを反省し、羂索が胃袋吐くまで笑わせてやると意思表明。
すると、羂索は口角を上げながら「できんの?君に」と若干期待を込めたように受けて立ちます。
なお、高羽が土下座した際には再び高羽の術式が影響を及ぼしたため、羂索は「美しい土下座だ。私がこの域に達したのは20代後半……。いや私は何を言ってるんだ?」と心の中で一人ツッコミをしています。
羂索vs.高羽②|呪術とお笑いの交錯
高羽のメンタルが復活したところで二人の戦いは仕切り直し。
※以下高羽ワールド強めになります。
羂索は特級叛霊『悪路王大嶽』を召喚しますが、高羽の術式によって唐突にトラックが飛び込んでくると悪路王大嶽はトラックに轢かれて死亡。
運転席から高羽が「大丈夫か?」と声を掛けると一緒に跳ねられた羂索は頭から血を流しながら「10:0でお前が悪い」とツッコミ。しかし、次のコマでは警察官に扮した羂索が高羽の飲酒運転を指摘してアルコール測定を促すと袋を差し出しますが、袋の中にはすでに瀕死状態の金魚。
二人は医者に扮装して金魚を病室へ搬送すると意識レベルを確認して除細動器を使用。
が、羂索が除細動器を高羽に使用したため金魚は心停止しお亡くなりになり、二人は現代医療の限界を感じて悲しみに打ちひしがれるのでした。
そして、高羽は患者を亡くした悲しみから自分のことを好きなナースを集めるように指示しますが、ナースに扮した羂索はそれを拒否。そのため、二人は公平にジャンケンをしますが、「ひらけ!ポンキッキ」で扱われたジャカジャカジャンケンをした結果、お互いの鼻の穴にチョキを指して鼻血を出すという怪我を負います。
すると次はクイズ番組が始まり、問題の解答で正しいと思うAとBどちらかの壁に飛び込む形式のクイズにて二人はほぼ同時に駆け出しますが、高羽は横断歩道で車に轢かれそうになっている猫を助けるために脱線。
しかし、その猫の正体は羂索であり、高羽は羂索に蹴り飛ばされて車に轢かれてしまいます。
が、今度は猫に扮した高羽が濁流にのまれている場面に早変わりすると、羂索に猫を助けるためにサーフボードで波の上を走るも、後方からジェットスキーを飛ばす高羽に跳ねられることに。
そして、お互いに出し抜いたところで二人は青春の真っ只中のように浅瀬で水をかけあい楽しそうに笑うと、「ああ、楽しいな。何百年ぶりだろう、こんなに心躍るのは。やってよかった死滅回遊!」という、おそらく羂索の台詞であろう独白が流れるのでした。
羂索の心情
高羽との戦いの最中、羂索はノリノリでお笑いを交えていますが、途中途中に自我意識が挟み込まれています。
高羽と馬鹿をやっている内側では、高羽の術式が術師のイメージの具現化と強制どころではなく、自分のイメージさえも取り込んで反応させる『魂の共鳴』に近いと分析をしており、このままでは自分は負けると確信を抱いていました。
というのも、高羽にとっては模擬でしかない数々の状況(上述の高羽ワールド)ですが、そのいずれもが羂索に着実にダメージを与えて蓄積していたのです。
羂索は一緒にお笑いを演じていますが、その裏側では確実に痛みを感じていた模様。
羂索vs.高羽③|お笑いコンビ結成
この状況は高羽のお笑い欲が満たされるまで終わらないと予測した羂索は、暴力では決着がつかない戦いに終止符を打つべく高羽の土俵であるお笑いの本質『漫才』で決着をつけることにしました。
スーツに袖を通した二人はC-1ファイナリストとして観客のいる舞台へ登壇すると、羂索がボケ、高羽がツッコミ役として漫才ネタを披露します。
『桃太郎』をネタ構成に漫才を広げる二人と、馴染みの審査員役の芸能人。
二人は楽しそうに思う存分漫才を続けるのでした。
羂索vs.高羽の決着
漫才がオチに差し掛かったところで高羽は急に押し黙ってしまうと、お決まりの「もういいわ」がなかったため羂索は「……おい、どうした?」と視線を移さず訊ねます。
すると、高羽もまた視線は観客に向けたまま「いや、終わっちまうんだなぁって」と、夢の舞台だったステージ上から観客を見渡し、泣きながらこの瞬間を終わらせたくないという本心を零すのです。
そして、そんな高羽を横に羂索は「泣くな、白けちまうだろ」と呟くと、軽く高羽の胸を叩いて「もういいよ」と漫才の終わりの掛け声を放つのでした。
漫才が終わった瞬間、場面は元の舞台である岩手県御所湖結界へ戻ると、高羽は白装束を纏って横たわっており、羂索は高羽を見下ろす構図に。
高羽は清々しい表情で羂索に顔を向けると「ありがとう」と謝意を伝えると、羂索は「君、超面白かったよ」と満面の笑みを浮かべるのでした。
高羽は羂索を笑わせるという発言を有言実行したわけですが、その後、倒れたままフェードアウトしたためこれで本当に死亡したのかは不明。
乙骨憂太の奇襲
羂索と高羽の決着がついた刹那、羂索の背後に現れたのは乙骨憂太でした。
乙骨の気配に気づいた羂索は咄嗟に振り返りつつ術式反転『反重力機構』を放とうとしますが、直前に『カァァァンッ』と音が響くと、後ろにいた筈の乙骨が一瞬の内に反対側に移動しており、羂索はまたしても背後を取られてしまいます。
そして、乙骨が振り被った斬撃によって羂索は首を切断されてしまうのでした。
羂索が乙骨の接近に気づかなかった理由
羂索は自分の周囲と新宿に結界術を施した監視用の呪霊を多数忍ばせていました。
その監視基準は、
- 呪力総量:新宿に集結している術師達の呪力総量を常に把握し一人でも新宿を離れれば知覚できる
- 視覚共有:すべての呪霊と視覚を共有しフィジカルギフテッドと空間転移系術式に対応
であり、乙骨憂太や禪院真希の奇襲を想定していました。
しかしながら、羂索は乙骨の接近に最後の瞬間まで気づけませんでした。
実はこれにも髙羽史彦の術式が影響を及ぼしていたようで、高羽の誰にも邪魔されたくないというイメージが事象として現れたらしく、羂索が事前に用意していた乙骨と真希の奇襲対策を阻害していたのです。
羂索の最後と死亡
乙骨に首を切断された羂索ですが、即死はせず、かつ会話可能の状態。
高羽に人は殺せない──それが高専側の判断なのか乙骨ははじめから高羽と羂索の決着後に奇襲する算段でした。
羂索は乙骨から作戦を聞いて納得を示すと「道半ば…残念だよ」と敗北を認める口ぶりですが、死の淵で「だが、私の意志は受け継がれる」と謀計を示唆するのでした。
呪霊操術の暴走
次の瞬間、羂索の胴体が脈打つと羂索の支配を失った胴体から呪霊操術の暴走が始まり呪霊たちが跋扈。
乙骨はリカとともに飛び出した呪霊たちを祓除していきます。
死滅回遊の総則追加
呪霊操術の暴走に紛れて羂索の首を呪霊が持ち去ると、羂索はコガネに死滅回遊の総則追加を指示します。
『天元による人類との超重複同化の発動権は伏黒恵が持つこととする』
羂索は事前に宿儺と継承の儀を済ませていたため、コガネが総則追加を承認すると実質的に発動権は伏黒の肉体に受肉した宿儺が持つことになりました。
そのため、コガネが承認した直後に呪霊操術の中に取り込まれていた天元と思しき胎児のような生物が宿儺の下へと飛び立っていきました。
羂索の最後の言葉
羂索が総則追加をして天元が飛び立った直後、乙骨は東堂のサポートを借りて間合いまで距離を詰めると刀で額を突いて止めを刺します。
すると、羂索は最後に「千年分楽しんだとは言わないさ。でも、最後に遊ぶのが彼で良かった。後は君たちの番だ。きっと楽しいよ」と述べると、その生涯を終えました。
これで本当に羂索が死亡したのかは怪しいところですが、本人が最後に高羽と戦えて良かったと述べていることや、宿る肉体を失い直接脳を破壊されている描写からして、本当に死亡したのだと思われます。
羂索の遺体をリカが摂取
羂索の遺体(頭部)はリカが摂取しています。
元々、乙骨は一年前の百鬼夜行で因縁のある羂索との決着をつけるつもりでいましたが、それ以前に対宿儺への最終手段として羂索の『肉体を渡る術式』を模倣する必要がありました。
そのため、羂索を倒した後にその首はリカが摂取しているので羂索は完全に死亡したのではないでしょうか。
まとめ
羂索の死亡と最後のまとめ
- 単行本27巻第239話:羂索vs.髙羽史彦、開幕
- 単行本27巻第243話:羂索vs.髙羽史彦、乙骨雄太の急襲により決着、死亡
- 羂索の対戦相手は髙羽史彦
- 高羽には羂索の千年の呪術ノウハウが通用しない
- 高羽は「もっと面白いことがあれば羂索が超重複同化という凶行に及ばない」と考えて笑わせることを決意
- 高羽の術式の影響で呪術バトルにお笑い要素が加わる
- 羂索と高羽はお笑いコンビを結成してC-1ファイナリスト出場
- 高羽は最高のお笑いをできたと満足し白装束で永眠(死亡?)し、羂索は「君、超面白かったよ」と満面の笑みを浮かべる
- 乙骨憂太の奇襲で羂索は首を切断される
- 高羽の術式の影響で感知が働かず奇襲を許してしまった
- 乙骨の奇襲は高羽が人を殺せない性格とわかった上での作戦
- 羂索の支配を失った胴体から呪霊操術の暴走が始まるが乙骨とリカが対処
- 羂索は総則追加『天元による人類との超重複同化の発動権は伏黒恵が持つこととする』を行う
- 総則追加後、乙骨に額を貫かれて死亡する
- 羂索の遺体(頭部)はリカが摂取
本作の黒幕であり、『肉体を渡る術式』で1000年以上を生きる羂索ですが、死滅回遊編で虎杖の仲間に加わった高羽が対戦相手に選ばれました。
1000年も呪術を学んできた羂索にとっては高羽の術式『事象の創造(高羽のイメージの具現化と強制)』は天使がにらんだとおり最悪の相性であり、羂索を直接的に倒すことはできなかったものの、ある意味で羂索を一番満足させることができた術師となりました。
高羽のおかげで乙骨が羂索を仕留める隙を作れたわけですので、高羽の活躍なくしては羂索の討伐は叶わないか、多くの負傷者が出ていたかもしれません。
一方で羂索の最後は案外あっという間という印象でしたが、九十九由基戦で戦闘シーンは十分に描かれているので高羽と乙骨に倒されるのは予定調和だったのではないでしょうか。
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