漫画『鋼の錬金術師』に登場するフーは、50の少数民族からなる国家シン、その皇子リン・ヤオに代々使える家系の老人です。
老人とは思えないシン国特有の武術を扱いホムンクルスを圧倒する身体能力を持つフーですが、本編の最終章にあたる『約束の日』で命を落とすことになり、多くのファンが悲しみました。
では、フーの最後はどのようなものだったのでしょうか。
今回はフーの最後と死亡についてご紹介したいと思います。
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フーの初登場と死亡は何巻何話?
フーの初登場と死亡は以下の通り。
漫画 | アニメ | |
初登場 | 8巻32話「東方の使者」 | 15話「東方の使者」 |
死亡 | 24巻99話「永遠の暇」 25巻100話「開かずの扉」 |
57話「永遠の暇」 58話「ひとばしら」 |
中央司令部の籠城戦にて、キング・ブラッドレイとの戦いで致命傷を負い死亡しました。
フーの最後
引用元:荒川弘『鋼の錬金術師』 出版:スクウェア・エニックス
「約束の日」当日、フーは中央市街の様子を見に行くため一人離脱しており、その間にエドたちが第三研究所地下へと赴いています。
マスタング大佐およびブリッグズ兵によるクーデターが開始されると、中央司令部作戦本部がブリッグズ隊が占拠。敷地内の人形兵をもある程度一掃し勝利が目前に迫っているところでしたが、キング・ブラッドレイが帰還。
司令部正門前に現れたブラッドレイは正面からブリッグズ兵の防衛を打ち破り司令部正門上階まで進軍すると、正門の開門を要求。
正門を守るバッカニア大尉が敗れたため絶体絶命に陥るブリッグズ兵でしたが、このタイミングでグリード(リン・ヤオ)が登場し、因縁の対決が火蓋を切ることに。
しかし、グリードがリン・ヤオと協力しながら攻め立ててもブラッドレイに後れを取り始め、バッカニア大尉が身を挺してブラッドレイから剣を取り上げるも、ブラッドレイはブリッグズ兵からナイフを奪い依然グリードを圧倒。
そんな中、司令部正面に煙玉が上がると、煙幕の中を駆け抜けて正門上階にフーが到着しブラッドレイに斬りかかるのでした。
こうしてフーは中央司令部正門上階広場でキング・ブラッドレイと戦うことになります。
キング・ブラッドレイとの戦い
キング・ブラッドレイと初めて対峙したフーは、グリードから『キング・ブラッドレイ』本人であると聞かされると、孫娘の腕を斬り落とした男を前に怒気を孕ませます。
グリードは部分的に硬化能力を纏い、フーはシン国独特の流れるような武術と短剣を用いて二人がかりで挑みますが、ブラッドレイはナイフ二本と体術を駆使して完璧に防御、かつ隙あらば反撃に出ます。
そんな中、グリードの羽織にナイフを突き立て地面に固定すると、すかさずフーに接近し斬りかかるブラッドレイ。怒涛の連撃の末、フーの短剣を弾き飛ばすと、ナイフを投擲し、宙に舞う短剣を奪取。対して、フーは投擲されたナイフを白刃取りすると、互いに武器を入れ替える結果となり、そのまま斬り合いを継続。
しかし、武器の扱いはブラッドレイが上であり、リーチを得たブラッドレイの一閃がナイフを砕くと、フーの額にも斬り傷が生じ視界が霞んでしまいます。
フーが目を拭った瞬間、ブラッドレイは間合いに踏み込むとそのまま短剣を振り上げてフーに致命傷を与えるのでした。
「私より年寄りなのによく動いたものだ」
ブラッドレイが放った一撃は防具を砕く威力があり、フーの胴体に深手を負わせました。
永遠の暇
ブラッドレイが止めを刺そうとした直前にリンの人格が表に出てフーを救出。
皮肉にも、以前リンがランファンを助け庇った時の光景と酷似した状況に陥ったため、ブラッドレイは「前に腕を斬り落とした女と同じだな。またそうして捨てられない物のために己の命を危険にさらす」と忠告。
フーもまた足手纏いとなった自分を捨て置くように進言しますが、リンは拒否します。
対峙するアメストリスの王はリンが目指す王とは程遠い存在。自身の信念と異なるキング・ブラッドレイと同類になることを嫌いフーを見捨てない選択をするのです。
そして、リンは吐血するフーを見て休むように促しますが、ここでフーは自身の出血量を見て覚悟を決めることに。
「そうですな、休みを…いとまをいただきましょう」
突如そう呟いたフーはリンを当身で倒すとグリードにリンを守るように硬化を指示。フーの意図を察したグリードがリンの身体を硬化で覆う最中、フーは走り出し胸元を解禁。腹部に巻きつけられたダイナマイトの導火線に着火し、ブラッドレイへと飛び掛かるのです。
「永遠のいとま…頂戴いたす!地獄へ付き合ってもらうゾ、ブラッドレイ!」
心中を計ろうとするフーの思惑に気づいたリンが叫ぶ中、フーはブラッドレイの頭部を掴みますが、それと同時にブラッドレイは冷静に横薙ぎに一閃。ダイナマイトの導火線を破断し、その過程でフーの腹部をも切り裂くのでした。
しかし、命を懸けた攻撃を無力化されフーが口惜しくも散っていく最中、背後からバッカニア大尉がフーの身体ごとブラッドレイに剣を突き立てます。
ブラッドレイの『神の眼』をもってしても死角からの攻撃は防ぎようがないため、バッカニア大尉の機転によってブラッドレイはフーとともに腹部を剣で貫かれるという重傷を負ってしまうのです。
また、バッカニア大尉自身もブラッドレイに受けた傷が深手だったため、この奇襲が成功した暁には脇腹から夥しい出血を伴いながら「じいさん、地獄への道行き付き合ってやるぜ」と笑いかけており、フーは自身の捨て身を無駄にせず勝機に繋げてくれたバッカニア大尉に向けて「おォ…かたじけなイ…」とほくそ笑むのでした。
この一撃がブラッドレイを崩す序章となり、グリードはすかさずブラッドレイを強襲し「神の眼」を破壊。
ブリッグズ兵と協力しさらにブラッドレイに傷を与えて正門上階から水路へと転落させたことで、中央司令部正門入口を死守することに成功しました。
フーの死亡
ランファンが正門上階へ到着したのはちょうどフーがバッカニア大尉とともにブラッドレイに致命傷を与えた場面であり、グリードがブラッドレイを水路に落としたところで参戦する形となりました。
ランファンは護衛としてブラッドレイに足を捕まれて落ちそうになっているグリードの引き上げを優先しますが、その行動からグリードに「おまえはじいさんの心配を…」と怒られることに。しかし、ランファンは涙ながらに「もウ…間に合わなイ…」と告げます。(※ここで中央軍と交戦を続けるブリッグズ兵の一人が倒れたフーの脈を確かめる描写が差し込まれています。)
ブラッドレイを水路に落とした後、ランファンの言葉に反応したリンが表に出るとフーのところへ駆け寄ります。己の中にある賢者の石を使えば重傷でもフーの命を繋ぎ止めることができると考えたリンは医者を募りますが、錬金術を使える医者はここにはいませんでした。
「ここは錬金術大国だロ?誰かいないのカ!なんでダ!」と当惑するリンは、危険を冒してまで手に入れた不老不死の力があってもどうにもならない現実に泣き崩れることに。
また、フーの死を無駄にせずブラッドレイに致命傷を与えてくれたバッカニア大尉に向けて傷の治療もしてあげられないことを嘆きます。
しかし、無力感に苛まれているリンに対しバッカニア大尉が最期の頼みとして中央司令部正門の死守を願うと、フーやバッカニア大尉の死を無駄にしないためにグリードの力を借りて全身硬化を行い正門入口を死守するのでした。
この間、フーはブラッドレイから引き剥がされた直後からここまで終始静止したままであるためどのタイミングで死亡したのかは分かりませんが、注意してみてみるとブリッグズ兵がフーの脈を確かめたシーンでブリッグズ兵が首を横に振っているためランファンがグリードを引き上げている最中にはすでに息を引き取っていたようです。
フーのその後
ホムンクルスの親玉であるお父様を倒し、エルリック兄弟が体を取り戻したことでこの戦いは人間の勝利となりました。
戦いの結果をラジオ・キャピタルが国民に放送する中、戦場となった中央司令部では負傷者の救護や搬送、治療などが行われており、それぞれが勝利に歓喜し、犠牲者を弔っている状況。
そんな中、フーの遺体は担架に乗せられその上にはシーツが掛けられている状態(おそらく、フーの死後も遺体を守っているブリッグズ兵が描かれていたので、処置もブリッグズ兵がやってくれたものと予想)であり、近くにはグリードの犠牲を経て手に入れた賢者の石を持ってボーっとしているリンの姿があります。
賢者の石を手に入れたことで帝位の継承権を獲得したリンは、ランファンの頼みもありチャン家を含めたその他の一族を全て受け入れる意志を表明すると、戦いの終結後すぐにシンへ帰還することをエドたちに伝えます。
アニメ版では「早くフーを埋葬してやりたいしな」というリンの台詞が追加されており、漫画版ではランファンはフーの手を取って「じいさま、帰ろう。シンへ」と涙を滲ませました。
そのため、フーの遺体は故郷のシンで埋葬されています。
まとめ
フーの最後と死亡のまとめ
- フーの初登場
- 漫画:8巻32話「東方の使者」
- アニメ:15話「東方の使者」
- フーの死亡
- 漫画:24巻99話「永遠の暇」、25巻100話「開かずの扉」
- アニメ:57話「永遠の暇」、58話「ひとばしら」
- フーの最後
- 中央司令部正門上階広場でキング・ブラッドレイと戦闘
- ブラッドレイに深手を負わされるとダイナマイトで心中を決意
- ダイナマイトの導火線ごと腹部を斬られて心中は失敗に終わるものの、バッカニア大尉がフーの死を無駄にせずブラッドレイに致命傷を与える
- ランファンが到着しリン(グリード)がブラッドレイを水路に落としている間にフーは息を引き取る
- 中央軍との交戦中にフーの脈を確かめているブリッグズ兵が首を横に振る描写がある
- 終戦後、フーの遺体は担架に乗せられその上にはシーツが掛けられている
- リンたちが帰国する際にフーの遺体を持ち帰っている
- 漫画版ではランファンが「じいさま、帰ろう。シンへ」と語り掛けている
- アニメ版では「早くフーを埋葬してやりたいしな」という台詞が追加されている
鋼の錬金術師はおっさんがカッコイイ漫画の代名詞ですが、フーは爺さんでありながら現役で戦える有能キャラであり、人格も尊敬できるできた人間でした。
そのため、老体かつ脇役でありながら読者人気は高く、フーの死亡には多くのファンが悲しんだことでしょう。
しかし、フーとバッカニア大尉の犠牲によってブラッドレイを討ち取ることができたため、彼らの犠牲なくしてアメストリスを守ることは叶いませんでした。
一つ気になるのがシンまでの帰路ですが、フーの遺体が傷む前に過酷な砂漠を超えることができたのでしょうか…。
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鋼の錬金術師 作者:荒川弘 |
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