劇場版名探偵コナンシリーズ第26作目『黒鉄の魚影』。
本作は黒ずくめの組織と灰原哀が接近する急展開で盛り上がりましたが、ベルモットが灰原哀を助けたのが話題になりました。
今回は『黒鉄の魚影』でベルモットが灰原を助けた理由とフサエブランドについてご紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- 『黒鉄の魚影』でベルモットが灰原を助けた理由3選
- 『フサエブランド』や『フサエ・キャンベル・木之下』とは?
名探偵コナン シネマガジン2023 作者:青山剛昌 出版社:小学館 |
『黒鉄の魚影』でベルモットが灰原を助けた理由とは?
引用元:青山剛昌『名探偵コナン 黒鉄の魚影』 制作:トムス・エンタテインメント
劇場版名探偵コナンシリーズ第26作目『黒鉄の魚影』では、老若認証(骨格から老化や若返りを計算しその顔をCGで作り出して合致する人物を割り出すシステム)によってシェリー(宮野志保)と灰原哀の顔が合致してしまい、組織に狙われることになりました。
しかし、劇中でベルモットは灰原哀によく似た顔立ち・年齢幅に変装して世界各地の防犯カメラに映り込むと、老若認証を使って再びシェリーの顔を老若認証で検索して多数ヒットしたことから老若認証はよく似た人間を同一人物と判断する欠陥システムとしてでっちあげました。
また、シェリー(宮野志保)と灰原哀の画像が保存されていた直美・アルジェントのファイル名に『test』と書かれていたことも利用し、前述の工作も合わせてジンやラムから老若認証への興味を引き剥がすことに成功するのです。
では、なぜベルモットが灰原を助けたのかと言えば、
- シェリー(宮野志保)の幼児化の露見を恐れている
- 老若認証システムが不都合
- フサエブランドの整理券のお礼
以上の理由が考えられます。
理由①シェリー(宮野志保)の幼児化の露見を恐れている
今回、黒ずくめの組織は直美・アルジェントが開発した老若認証システムを使って、直美を拉致し老若認証を改竄して過去の防犯カメラの記録から組織の痕跡を消すのを目的に動き出しました。
本来はそれだけで目的は達成できたのですが、直美のデータから成人の宮野志保と幼児の灰原哀が老若認証システムによって合致している画像ファイルを見つけたことで、ベルツリー急行で死亡したはずのシェリーが幼児化して生きているという疑念が生まれてしまったのです。
つまり、このまま灰原哀が組織の手に渡ればAPTX4869によって幼児化していたことが発覚──過去にAPTX4869により毒殺した者のリストから死体を確認されていない者があぶりだされ、工藤新一が江戸川コナンになっていることもいつかバレてしまうことになります。
また、ベルモットはベルズリー急行で殺害(未遂)したシェリーが怪盗キッドの変装であるのを黙認し報告していないため、今回老若認証システムによって灰原哀=シェリーが確定すればAPTX4869の幼児化作用とベルツリー急行での一件も同時に露見してしまうため、非常に不都合でした。
状況的にはこの件が一番の理由ではないでしょうか。
理由②老若認証システムが不都合
ベルモットと言えば千の顔を持つ魔女と称されるほどに変装術に卓越した人物ですが、どういうわけか29歳程度の見た目から年を取っていません(単行本42巻『満月の夜と黒い宴の罠~』より)。
また、赤井秀一の「中身はシワシワの腐った林檎」という発言から、外見だけ若返っている、あるいは老化を止めているか不老の可能性が考慮されます。
老若認証システムは骨格から老化や若返りを計算しその顔をCGで作り出して合致する人物を割り出すため、もしベルモットが本当に若返っているとすれば老若認証そのものが不都合になります。(事実、老若認証によってピンガは江戸川コナンと工藤新一が同一人物と割り出し、ジンの失脚を狙ってコナンを連れ帰ろうとしていたので、老若認証は非常に不都合)
一応組織は老若認証を使い過去の防犯カメラの記録から組織の存在を消す算段でしたが、それが使い物にならないと報告を受けたあとはベルモットのスマホに『──つぶせ(罫線の部分はベルモットの指で隠れて不明だが、おそらくパシフィック・ブイをつぶせの意)』と指令が下っています。ラムが老若認証を使用して『あの方』の所在を突き止めようとした様子から、慎重派の『あの方』にとっても老若認証は使い方一つで不都合なのでしょう。(パシフィック・ブイ=八丈島近海に建設されたインターポールの海洋施設。最大級の技術で開発した監視用施設で世界各国の防犯カメラが捉える映像をネットワークを介してリアルタイムで閲覧)
ベルモットやボスにとって決して開けてはならない玉手箱となったわけですね。
理由③フサエブランドの整理券のお礼
物語冒頭、バーボンとベルモットが会話をしている最中、ベルモットはスマホを操作しながらマリオ議員の画像を開いていますが、しばらく画面をスワイプした後にフサエブランドの新作限定アクセサリ販売のお知らせという広告を見つけて指を止めています。
この時、フサエ・キャンベル・木之下が手掛けるFusaeCampbellのアニバーサリーを祝して限定ブローチ(ブランドの顔であるイチョウの葉をモチーフにした輝くダイヤモンドとアコヤ真珠を装飾したブローチ)の販売が決定。
その限定商品の購入整理券の配布がコナンたちが訪れた商業施設で行われており、灰原は最後の整理券を手に入れました。
しかし、ベルモットはこの時おばあちゃんに変装して灰原の後ろに並んでいましたが、残念ながら数に限りがあるので整理券を手に入れることはできませんでした。ですが、諦めて帰っていくおばあちゃんを見かねた灰原が適当な理由をつけて整理券を譲ったのです。(この時、おばあちゃんが手元に手をあてて笑う仕草で爪のマニキュアがベルモットと同じと判明)
そして本編のエンディング後、新たなパシフィック・ブイが建設された国へ旅立つ直美を見送るために灰原・コナン・阿笠博士は空港にやってきましたが、直美が旅立った後にその様子を二階フロアから眺める冒頭のおばあちゃんが再登場。
コナンたちが立ち去るのを見届けた後にエレベーターに向かうおばあちゃんですが、ここで変装を解いてようやくおばあちゃんがベルモットの変装だったと確定するわけですね。
ベルモットがシェリーに変装して世界各地の防犯カメラに映り込んで灰原を助けた理由はバーボンもコナンも分からずじまい。結局最後まで本人の口からも明かされませんでしたが、ベルモットが「(助けたワケ?それを探るのがあなたの仕事でしょ?シルバーブレット君)」と独白した後、和服の帯に限定商品のイチョウのブローチが装飾されているコマがアップで映されています。
つまり、物語冒頭に偶然灰原からフサエブランド限定商品の整理券を譲ってもらったお礼でもあるようにとらえられます。
とは言え、ベルモットはシェリーの殺害には同意派なので、あくまでも今回は老若認証によって不都合な真実が露見するというリスクがあったため灰原を助けただけに過ぎません。フサエブランドの件も理由の一つにはなりますが、優先度的には自分に不都合なことを隠蔽するおまけ程度のものでしょう。
フサエブランドを立ち上げたフサエ・キャンベル・木之下とは?
フサエブランドの初登場は単行本40巻FILE.7『博士の初恋』~。
フサエブランドを立ち上げたのは木之下フサエ(現、フサエ・キャンベル・木之下)であり、阿笠博士が小学校時代に三ヵ月間だけ仲良くなった女の子。突然の引っ越しが決定した際、阿笠に直接の別れを言えず手紙にて『10年後のこの日、お日様が沈む前に思い出のある場所でまた会おう』と再会を約束する文が綴られていたものの、阿笠は約束の場所を思い出せず40年の月日が経ってしまいました。
『会えなかったらそのまた10年後、おばあちゃんになっても待ってる』と書かれていた葉書をもとに、少年探偵団とともに40年後の今約束の場所を推理し向かってみると、美人の金髪女性が待ちぼうけていました。
この時、コナンは小学1年生の頃に約束の場所(イチョウの木の下)で雨宿りをしていた蘭がフサエとおぼしき女性から傘を譲ってもらった話を思い出します。申し訳ない気持ちで渋る蘭に、フサエは「傘の代わりにお嬢ちゃんが大きなったらおばさんがデザインしたアクセサリーかバッグを一つだけ買ってくれること。目印は銀杏の葉っぱ。今はまだ有名じゃないけど、おばさん頑張っちゃうから。約束よ」と蘭と指切りを交わして傘を差しだしました。
フサエは引っ越した日から10年おきに約束の場所で阿笠との再会を待ち望んでいましたが、40年ぶりに再会を果たすも残念ながらフサエは阿笠が少年探偵団を連れていたことから子供たちを阿笠の孫と勘違いすると、阿笠が40年もバカな女を待たせていたと知れば心を痛めると思い初恋をきっぱり諦めることを決意し運転手のビリーを夫と伝えてしまうのです。
しかし、小学校時代の初恋を諦めて車を出した直後、阿笠が「今でもイチョウは大好きですよ」と叫んだことからフサエは次の10年後も約束の場所を訪れる決心を固めました。なお、運転手のビリーは次に会うのはそんなに時間がかからないと思うと呟いていますので、今後、フサエの再登場はあるかもしれません。(フサエブランド自体は稀に本編でも名前が登場し、灰原のお気に入りのブランドとなる)
このエピソードの後、本編では幾度かフサエブランドが登場し有名になっていることが窺え、彼女が初恋である阿笠との思い出のイチョウの葉をモチーフにデザインしたブランドが世間に好評の模様。『黒鉄の魚影』は彼女のデザインしたブローチが灰原とベルモットを繋ぐ接点となりました。
ベルモットとフサエの関係は?
今の所、ベルモットとフサエに直接的な繋がりはありません。
また原作でもベルモットがフサエブランドに興味を示していた描写はないので、『黒鉄の魚影』にてベルモットが変装してまでブローチを手に入れようとしたいた描写からベルモットとフサエに繋がりがある伏線という考察が散見されるようになりました。
今後の展開でフサエが黒ずくめの組織と関わる──という展開も無くなないので、注目のキャラクターでもあります。
まとめ
- ベルモットが灰原を助けた理由は、
①シェリー(宮野志保)の幼児化の露見を恐れて
②老若認証システムが不都合
③フサエブランドの整理券のお礼 - フサエブランドは、阿笠博士が小学校時代の初恋相手木之下フサエ(現、フサエ・キャンベル・木之下)が阿笠との思い出のイチョウの葉をモチーフに立ち上げたブランド
- ベルモットとフサエの関係・接点は不明
今回、老若認証というシステムの導入によってコナンや灰原は組織に正体がバレそうになったり、あの方やベルモットにとっても脅威になる観点から不都合なシステムを潰すことになりました。
ベルモットが灰原を助けた理由は結局のところAPTX4869の幼児作用をバレたくない、そしてシェリーが幼児化していることが組織に露見すれば工藤新一や毛利蘭にも危害が及ぶ恐れがあったり、ベルモットやあの方自身も不都合になるというのが理由なのでしょう。
それでも灰原からフサエブランドの整理券を譲ってもらったことも直接灰原を助けた理由の一つだとも考えられます。
ベルモットがフサエブランドに興味または執着する理由は分かりませんが、この設定は今後本編でも関わってきそうですね。
名探偵コナン シネマガジン2023 作者:青山剛昌 出版社:小学館 |
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