バイオハザードのナンバリングシリーズ9作目となる『バイオハザード レクイエム』。
本作の主人公として登場したのがFBI分析官のグレース・アッシュクロフトであり、旧作バイオハザードアウトブレイクで登場したアリッサ・アッシュクロフトと同じ姓であることに発売前から大盛り上がりとなりました。
レクイエム終盤では、物語の鍵となったグレースの正体(出自)が判明しますが、彼女の正体は意外なものでした。
今回はグレース・アッシュクロフトの正体についてご紹介したいと思います。
グレースのプロフィール
引用元:カプコン『バイオハザード レクイエム(BIOHAZARD requiem)』
グレース・アッシュクロフトは、ナンバリングシリーズ第9作目『バイオハザード レクイエム』の主人公の一人。FBI所属の分析官として働いており、事件の推理や心理プロファイリング、データ解析などを担当しています。
年齢は20代前半と推定され、身長165cm程度の細身。声優は女優の貫地谷しほりが担当。
優れた頭脳とは裏腹に極めて内向的で臆病な性格なのが特徴で、母親を失った過去の影響からなのか職場でも人付き合いは苦手な傾向にあり、職場以外の他人や子供に至るまで、吃音とまではいかないまでも話始めに詰まったり、急に早口になるのが印象的。
もう一人の主人公のレオン・S・ケネディとは対照的に、銃の扱いはぎこちなく、照準が揺れ、走れば転び、敵に追われれば悲鳴を上げて逃げ惑う様から、本作ではレオンが爽快なアクションとすれば、グレースは一般人視点のホラーを担当。戦闘能力は低く、持てる武器は個人所有の小型拳銃や即席のナイフ、感染者の血液を加工した溶血アンプル程度に限られます。
なお、レオンとのダブル主人公制により、グレース編はリソースが極端に少なく、逃げながら謎を解く展開が中心。彼女の存在は、歴戦のレオンと対比させることで「普通の人間がバイオテロに巻き込まれる恐怖」を強調する役割を果たします。シリーズ30周年記念作として、過去作の要素を織り交ぜつつ、新たな主人公像を提示した点で注目を集めました。内気ながらも事件を通じて少しずつ成長する姿は、プレイヤーに強い共感を呼んでいます。
グレースの過去 / 母親の死
本編序章、グレースは上司からとある変死事件の調査を命じられますが、その現場となるのが数年前に母親が殺害されたレンウッドの廃ホテルであり、調査中にグレースが母親を失うことになった回想が描かれました。
グレースの彼女の母親とされる人物は、アリッサ・アッシュクロフト。2003年に発売された『バイオハザード アウトブレイク』でプレイアブルキャラクターとして登場したラクーンシティの新聞記者です。アリッサは28年前のラクーンシティを生き抜いた後も、アンブレラの闇を追い続けていました。
レクイエムの舞台から8年前、グレースが学生(と思われる)頃、二人はレンウッドホテルに滞在していました。ある夜、部屋に不審な電話がかかりグレースが受話器を取ると「アッシュクロフトさん?」と訊ねられ、返事と同時にすぐに切られます。妙な電話にアリッサが神妙な面持ちになると、今度は停電。グレースが嫌な感じを覚えていると、アリッサは「奴らがくる。グレース、行かなきゃ」とホテルからの非難を急かします。
ホテルを脱出しようとしたところ、フロントで従業員がフードの男に殺害される現場を目の当たりにするアッシュクロフト親子。親子はフードの男から逃げる一方、唐突な殺人現場を前にグレースはパニックに陥りますが、アリッサは彼女を「グレース、約束する。いつの日か必ず説明する。グレース、覚えておいて。あなたは私の希望なの」と抱擁し落ち着かせます。
しかし、突然フードの男がアリッサの背後に現れたかと思うと首を切り裂いて殺害。母親の突然の死に狼狽し悲鳴を上げることしかできないグレース。一方で、男はアリッサに撃たれた重傷の体を無理に起こしていたからか、アリッサ殺害後に倒れてしまいます。倒れた拍子にランプを巻き込み、辺りは一瞬で火に呑まれることに。
何が起きたのか現状を理解できてないグレースは、アリッサの遺体に寄り添い悲痛の声をあげます。
この事件がグレースのトラウマとなり、以来彼女は人目を避け、仕事に没頭する内向的な性格を形成していきました。一方で、アリッサは逃げる道中にホテル内の絵画の裏にバッグを隠しており、これが後にグレースの運命を変える鍵となります。
グレースの正体発覚
本作の敵対勢力となるコネクションのゼノとヴィクター・ギデオンは、グレースをエルピス解放に必要な『鍵』として接触してきますが、グレースの正体が判明するのは物語終盤ARK地下研究所になります。
中盤から終盤にかけ、ゼノはエルピス解放に必要な4桁の解除コードを知る存在となるのがグレースと信じ、エルピスが眠るラクーンシティのARK地下研究所まで彼女を案内しますが、肝心のグレースは解除コードを知らないと判明します。直後、レオンの介入によって、レオンはグレースを連れてゼノの前から一度撤退しますが、レオンの任務は生物兵器であろうエルピスの破壊のため、もう一度ゼノがいるエルピスの下へ向かわなければなりません。
しかし、グレースも覚悟を決めて共にエルピスを壊すために同行する覚悟を見せると、ARK地下研究所を抜けてエルピスが安置される広場を目指すことに。
その道中、グレースはレオンと別行動をとると、巨大なモニタールームへ辿り着き、機材からMOディスクを発見。それを見た瞬間、グレースはアリッサがホテル内に隠したバッグの中に同じ規格のMOディスクが入っていたことを思い出し、機材に挿入。いくつかのデータフォルダの中にはアリッサがオズウェル・E・スペンサーに行った独占インタビューの録画データが収められていました。
グレースの正体
引用元:カプコン『バイオハザード レクイエム(BIOHAZARD requiem)』
アリッサの残したMOディスクの中には「GRACE」と題されたデータも存在し、その映像にてグレースの出自が明かされます。
「GRACE」に収められていたのは、スペンサーの後悔の記録であり、彼はこれまでの行いに対し間違いを認め悔やんでいたのです。そして、インタビューの終わりを切り出すと、部下がスペンサーの下へ赤子を受け渡します。
赤子はスペンサーの実験の被験者ではなく、彼が贖罪のつもりで迎え入れた普通の子であり、彼の口ぶりからすると何らかの理由で親がいない孤児であることが匂わされています。スペンサーはこの赤子を「私の希望」と呼んで可愛がっていました。
スペンサーは取材を終えたアリッサに赤子を抱いてみるかと託すと、アリッサは言われるままに赤子を抱き上げることに。そして、アリッサが赤子の名前を訊ねると、スペンサーが「グレースだ」と返答したことで、この映像を見ていたグレースは意図せず自分の出自を知ることになったのです。
グレースとアリッサに血縁関係はない
アリッサが遺したMOディスクに記録されたインタビュー映像によって、グレースがスペンサーに拾われた孤児であることが判明しました。そのため、アリッサは義理の母親であり、二人に血縁関係はありません。
本編ではグレースがアリッサの養子になった経緯は明かされていませんが、スペンサーは2008年に死亡しているため、アリッサが彼女を引き取ったのは2008年以降と思われます。なお、スペンサーがアリッサにグレースを託した理由は不明。
グレースはエルピス解放の「鍵」ではない
グレースは、スペンサーが最期に遺したウイルス兵器『エルピス』の解放に必要な鍵としてギデオンやゼノに狙われていましたが、グレースの正体は『普通の子』であるため、特別でも何でもありませんでした。
グレースが狙われた原因はギデオンがスペンサーの論文を間違った方向に解釈したことにあり、コネクションのゼノはウイルス兵器を手に入れるためにエルピスの解除コードを知るであろうグレースを狙いました。しかし、グレースはMOディスクの中身を見るまで解除コードを知らない状態であり、そもそもアリッサがMOディスクを遺していなければ知る術もありません。
また、コネクションとギデオンはグレースの居場所が掴めない間、彼女の代用を生み出すため、多くの子供(エミリーやクロエといった少女)たちにグレースのDNAや血液記録を基に作られたクローン実験を繰り返していましたが、グレースの記憶を再現できても何も知らないため意味のない実験となっています。
結果的に、グレースはインタビュー映像から解除コードを割り出しエルピスを解放していますが、肝心のエルピス自体もコネクションが求めたウイルス兵器ではなく、スペンサーが人類への謝罪と贖罪で創り上げた究極の抗ウイルス剤であったなど、コネクションは莫大な資金と時間をかけていたのに徒労に終わる結末となりました。
まとめ
以上「グレースの正体」についての紹介でした。
グレースの正体はまさかの何の情報も知らない無関係な人間であり、かつてスペンサーが拾った孤児をアリッサが引き取っただけというオチでした。グレースを巡る展開で多くの命と資金が消費されていますが、どちらかと言えばエルピス解放に必要な鍵はグレースではなくアリッサだったように思えます。


