全8巻で完結した青春ラブコメ漫画『正反対な君と僕』。
本作の中心となるのが鈴木みゆと谷悠介の二人です。元気で周りを気にしやすい鈴木と、寡黙で自分の意見をはっきり持つ谷。正反対の性格から始まった交際は、告白、初キス、受験と進路、そして高校卒業まで、青春の節目を丁寧に描いていきました。
今回は鈴木みゆ×谷悠介の二人の出会いから卒業までをご紹介したいと思います。
『正反対な君と僕』鈴木みゆ×谷悠介の告白・初キス・進路・卒業・その後
【鈴木みゆと谷悠介】告白
引用元:阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』 出版:集英社
鈴木みゆ×谷悠介の告白が描かれたのは、単行本1巻第1話「鈴木と谷」。
鈴木みゆは、「周りの目」が気になる性格で、常日頃空気を読んで周囲の人間と接していることから表面上は楽しそうに見えても時折疲れてしまうことがありました。そんな中、一見して寡黙な眼鏡男子の谷悠介という人間は、自分の意見をしっかり述べ、人によって態度を変えたり無駄に合わせたりしないことから、鈴木にとって秘かな憧れであり、自分と正反対な谷に好意を抱いていました。
しかし、鈴木は周囲の目が気になる性分なので彼を好きだと言うことがバレないような接し方しかできず、結果、周りからはダル絡みのように見えてしまっていました。
ある日、鈴木は下駄箱で鉢合わせた谷に勇気を出して「途中まで一緒に帰ろ?」と誘うと、谷は承諾。その道中、いつのもように一方的に話を振っていると、珍しく鈴木の話題に質問し食べに行く約束までする谷。谷の新鮮な反応に驚く鈴木ですが、手がぶつかった直後、谷の方から手を繋ぐという行為を受けて、鈴木の心臓は爆発寸前になります。
その翌日、興奮し眠れなかった鈴木は寝坊し昼時から登校。すると、山田から開口一番「お前、谷と付き合ってんの?(ガパチョが二人で下校しているのを見た)」と質問。鈴木は一番絶妙な時期にいじられたくない一心で「そんなんじゃないから」と強く否定すると、背後にはタイミング悪く谷が立っていました。谷は自分の机から教科書を取り出すと、何も言わず教室を立ち去ってしまい、鈴木は「最悪だ」と、谷に誤解を与え傷つけたのではないかと懊悩することに。
そんな中、下校時刻になると谷の方から「昨日のこと忘れて。ごめん」と明確に距離を置かれてしまいます。そのショックからしばらく放心していた鈴木ですが、谷が立ち去った後、山田たちがやってきたところで「私、谷くんのこと好き。片思いしてんの。で、一緒に帰ろうって私が誘ったの。それって、何か…おかしい…?」と心の内を曝け出します。山田はただ二人が一緒に帰っていただけだと思って聞いただけでしたが、鈴木が谷に本気で恋をしていることを知ると罪悪感を覚えつつ、すぐに谷を追いかけるように背中を押します。
一方で谷は手を握った行為に対し魔が差したと後悔しており、教室で鈴木に否定されたことに思うところがありました。谷にとって、いつも話しかけてくれる鈴木の存在は予想よりも大きくなっていたようで、鈴木がいないだけで静かだと感じるようになっていました。
しかし、谷が歩道橋を渡り階段を下っていたところ、彼を追いかけてきた鈴木が「谷くん!好きーーーッ!!!」と大声で不意打ちの告白。驚いて振り返る谷ですが、鈴木は階段を駆け下りると、これまでの絡み方や教室でのことを謝罪し、自分の気持ちが周囲にバレるのが怖かったと正直に打ち明けます。
そして、それでも谷と一緒にいたいことを伝えると、谷もまた「鈴木さん、僕、鈴木さんが喋るのやめないと間が持たないような、そんなダサい人間なんだけど、…それでもいい?」と頬を紅潮させながら自分の弱さを打ち明け鈴木の告白を受け入れるのでした。
こうして鈴木と谷の交際がスタートしますが、当初は鈴木一人が盛り上がっているのではと少し不安を抱くも、谷が鈴木の性格を心配し交際を公にするかどうか気遣っていたこと、スマホの検索履歴に「彼女 会話、会話 続ける、映画 人気」とあることから彼が色々と考えてくれていたことなどを知ったため、谷も自分同様に悩んでいることを知って感激します。
また、交際後初めての下校の際に、谷から鈴木を抱き締め「…鈴木さん、…好きです」と言葉で伝えたことで、鈴木は漠然とした不安から解放されました。ちなみに作中によく登場するキャラクターは、初デートの際に見た映画の中のキャラクター「イエティ」。
夏祭りのデート回では、鈴木は渡辺に来年も関係が続くと思わず「出し惜しみするな」と言われ、浮かれながらも谷とイチャイチャして楽しむ一方で、唐突に自分の俯瞰して見て赤面。しかし、高台で花火を見る傍らで谷が来年も花火を見に行こうと約束してくれたため、鈴木は谷の中の来年に自分が含まれていること喜びを感じます。
【鈴木みゆと谷悠介】名前呼び
引用元:阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』 出版:集英社
鈴木みゆ×谷悠介の二人が初めて名前呼びをしたのは単行本2巻第13話「文化祭」。
2年生の夏休み、谷は鈴木と勉強するために図書館へ向かいますが、席が埋まっていたため急遽谷家で勉強会を開くことに。その日、谷の家族は用事で全員出かけていたため、家に誰もいないと言われた鈴木は心臓をバクバクさせながら谷家へと出陣するも、ダイニングでみっちりと勉強会が始まったため、期待とは裏腹に静かな、でも心地良い時間を過ごします。
一方で、谷の自室を見学させてもらうと中学の卒業アルバムを見て現在と眼鏡が違うことに衝撃を覚えるほか、唯一家にいた谷の家族である猫(てんぷら)に交際の挨拶を済ませ大満足。しかし、帰り際に谷の祖母と鉢合わせしてしまいパニックに陥りながら挨拶を交わすと、谷から祖母に「彼女」と紹介。祖母から庭で獲れた野菜をお土産に渡され帰路につくと、お土産を渡しつつ母親にだけ「彼氏」ができたことを報告しました。
なお、鈴木の帰宅後、祖母は谷を見てニヤニヤ顔を浮かべる模様。
文化祭では鈴木の同中かつ元交際相手の岡理人が登場し、鈴木と再会。実は周囲に流されその場の勢いでお互いが「まあ無理ではない」程度のノリから交際することになった──という経緯ですが、これまた互いに「違う」と思い数日で破局し友達に戻りました。互いが自分に非があると思っているため再会時も気まずさを覚えていましたが、文化祭での再会を契機に和解。
対し、谷は鈴木から元カレとの交際経緯を説明されるも所謂ヤキモチを抱いて自信の無さから一人で悩んでしまいますが、鈴木は過去の反省と学びを受け入れ目の前の谷に真摯に向き合うと決意し、谷に向けて改めて「好き」であることを伝え、谷のモヤモヤを解消させました。この出来事がきっかけで、初めて谷は鈴木のことを「みゆ」と、鈴木は谷を「悠介」と、初めて名前呼びします(※なお、その後はまた苗字呼び)。
文化祭後、鈴木は母から父と兄が留守であることを聞くと、谷を自宅に招待。母親は娘の彼氏がくるのを楽しみにご飯の準備を進めていましたが、いざ谷が到着すると、育ちの良さそうな雰囲気から急激に緊張する模様。なお、緊張して喋りまくる母の姿を見て「鈴木さんのお母さんって感じ」と感想を漏らす谷に複雑な心境の鈴木でした。
一方で、鈴木の自室で二人きりになると雨音で沈黙が強調される中、鈴木からの申し出で抱擁。その際、谷の鼓動の高鳴りを感じて谷も自分と同じ感覚を抱いていることを知り、嬉しく思います。また、再び名前呼びを模索する二人ですが、依然として恥ずかしく、しばらくは今まで通りに苗字呼びに戻ることに。
その後、鈴木は母親に谷を途中まで車で送ってほしいと頼みにリビングへ降りると、帰宅していた父親と鉢合わせ。その流れで鈴木は父親に谷を「彼氏」と紹介します。谷は文化祭を通し鈴木の中学時代の姿を知り、鈴木家で鈴木の両親を知ると、鈴木の今までを知ることで全部ひっくるめて鈴木みゆであることを知り、より理解を深めるに至りました。
その帰り、鈴木が秋雨の終わり時に「私ね、中学の文化祭の終わった日にもこのぐらいの気温だった時があってさ。それ以来このヒュワ~って空気感じると、あー今年も文化祭終わったなって思うんだよね」と述べると、谷は「僕は多分…今日を思い出すと思う」と伝えます。
【鈴木みゆと谷悠介】ほっぺにキスと初キス
引用元:阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』 出版:集英社
鈴木みゆ×谷悠介の初キスが描かれたのは、単行本5巻第34話「クリスマスイヴ」。
谷の誕生日、谷は普段早く寝ているためうとうとしていました。日を跨ぐ一分前、鈴木から着信が入ると、結局意識が飛んでいた谷は起こされる形で通話を開きます。そして、日が跨いだ瞬間に誕生日を祝う鈴木ですが、谷の反応が鈍かったので、彼が睡魔に負けたと思い無音の通話越しに「好キダヨ~」と囁きました。しかし、鈴木が独り言で照れているところに「…うん、好き」と返事がきたため、軽く宇宙に飛び立つことに。
その翌日、改めて二人で誕生日を祝うと、鈴木はマフラーをプレゼント。なお、谷が手を握って見つめてきたのでキス確定演出と勘違いし緊張しますが、ただ感謝を伝えるだけだった模様。
博物館デートでは、谷は「鈴木さんと一緒にいる時間が楽しい」と本心を伝えることで、鈴木もまた「谷くんと行く〇〇に行きたい」と共感を示すと、その帰り道、別れ際に二人は抱擁を交わします。が、鈴木はもう一歩踏み出して谷の頬にキスをすると、恥ずかしそうに立ち去ります。結果、谷はしばらく鈴木を意識しすぎてしまい、いい意味で何となく気まずい雰囲気に。
修学旅行では、鈴木は進展を望み谷の方からもっと迫ってもらえればと望んでおり、東に「流石にそろそろチューしたい」とぼやくことも。風呂上がり、鈴木は自販機前で休憩している谷を見つけると声をかけて風呂上がり姿の感想を求めますが、谷が普通に「ドキッとした」と答えたため、逆に心臓を射止められてしまう反撃に。なお、谷が「知らない人かと思ってビックリした」と訂正したため、すぐに素に戻ります。
また、谷は、一年前まで人の輪の中で過ごす自分を想像できていませんでしたが、一人でいる時にはなかった迷いや悩みが出来たことで色々と気づけた部分がある──として、鈴木と出会えたことに感謝を伝えると、鈴木もまた今一度「大好き」であることを伝えました。
修学旅行三日目はUSJを二人で行動しお揃いのキーホルダーを購入。クラスメイトと合流する直前、谷の方から「みゆ…ちゃん、…少し遠回しして行こう」と踏み出し、より一層距離が縮まります。なお、修学旅行後、学校ではやはり人目があることから互いに名前呼びは慣れず、皆がいるところでは苗字呼びに。
横浜デートでは、中華街を回りつつ、夜はベイサイドの観覧車に乗って夜景を堪能。鈴木は少女漫画でよく見る憧れのシチュエーションに胸を躍らせますが、家族連れの子供が覗いていたので微妙にいいムードには至らず。しかし、その帰り、信号待ちをしている際に心が通ったのか再びいい雰囲気になった二人は視線を交わしながら顔を近づけていきます──が、まさかの鈴木夫妻が運転する車が交差点の信号待ちに引っかかり二人をたまたま発見。そのため、二人はお慌てて離れ、今回もキス未遂はお預けとなりました。
24日のクリスマスイヴは、二人で材料の買い出しに出かけた後に鈴木家でケーキ作り。その作業中、落としかけたシャンメリーを二人でキャッチしたところ、向き合った瞬間に軽く上唇が触れるような感触を覚え、時が止まる二人。その後、二人は思考が停滞したように「?」を浮かべながら黙々とクリスマスパーティー(食べたりくつろいだり)を続けていきますが、しばらく普通に過ごした後、鈴木はふと一瞬で分からなかったものの間違いなく「キス」をしたことに鼓動が高鳴り赤面。とはいえ、所謂事故チューだったため、実は自分の勘違いで唇同士は触れていないのではと疑心に陥ります。
しかし、それは谷も同様だったようで、谷もまた色々と思案した末に鈴木に向けて「やり直そう。さっきの…は、違う…と…思…から…」と声を振り絞り、やり直しを要求。こうして二人は覚悟を決めて正式にキスを交わそうと身構えますが、唇が触れる直前に鈴木兄が帰宅したドアの音に驚き、盛大に歯をぶつけるのでした。なお、その後やり直したのかは不明ですが、西を送り届ける道中にて鈴木が「今日のどれが初キスカウントになるんだろ…」と素朴な疑問を抱いているので、本編外でやり直しをした可能性あり。
【鈴木みゆと谷悠介】二年生の三学期
引用元:阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』 出版:集英社
25日は互いに別予定で一緒にいなかったものの、谷は男友達と遊ぶ楽しさからその思い出を共有したくなり鈴木に動画を送るなどの心の機微が描かれており、互いに何かを共有したいと思った先に相手の姿を思い浮かべる二人の姿が強調されます。
大晦日のデートでは、今年の初めは知り会いですらなかったと振り返る一方で、鈴木は一方的だった片思いを成就させたという奇跡の喜びは告白した側にしか分からないとドヤ顔。一方、谷は「好きになったのはどっちが先かなんてわからないでしょ」と反論。そのため、鈴木が「最初に連絡先聞いた時、私あの時もう好きだったからね」と述べると、谷は珍しく二度「え?」と衝撃を受けるのでした。
なお、鈴木に逆にいつ好きになったのかと問われた谷は、説明しづらいと踏まえつつ、自分が気持ちを自覚した瞬間と好きになってたと感じる時期にズレがあるため、明確に「いつ」とは言えないと答えると、鈴木はつまびらかに答える谷を一層好きになる模様。
元旦、谷は毎年やってくる親戚が来れなくなったと残念がる家族を見て、ふと交際している人を招待していいかと提案し、祖母以外の家族に初めて交際を打ち明けることに。翌日、谷家に招待された鈴木は急遽朝早くに薬局でヘアカラーを購入し頭髪を黒に染め直すと、清楚に見えるように服を選び、菓子折りを買うため街中を疾走。しかし、谷家を訪れた際に緊張のしすぎで転倒し菓子折りを潰してしまうミスをしでかしたことで、印象良く足掻いた末に付け焼き刃の行動が全て裏目に出て失敗した自分が情けなくなりすっかり自信を無くしてしまいます。
谷は鈴木の落ち込みように気付いて一旦お参りに出かけることを口実に連れ出し悩みを聞き出すと、鈴木は自分の失敗を吐露。しかし、谷は鈴木が考えているような厳しい家庭ではないから「ちゃんとしなくちゃ」なんて思わなくていいと慰めると、不安ときっかけを作ったことに謝罪。その一方で、今回鈴木を誘った理由として家族の中に鈴木がいたらいいなと思ったからと説明すると、鈴木はまるでプロポーズされた気分に陥り浮かれてしまうのでした。
その後、谷家に戻ると少し緊張が解けたのか谷のアルバムを話題に谷母と話せるようになり、帰り際には「次来る時は手土産はいらないからもっと気軽に来てね」と言われ安堵。なお、谷は事前に修学旅行の集合写真(ぎこちない笑顔の鈴木)を両親に見せていたため、谷母は鈴木が写真と同一人物か分からなかったと打ち明けると、自分の写真写りの悪さに複雑な思いを抱く模様。
2月14日には、鈴木からバレンタインのチョコを受け取るも、あまりにカラフルすぎて食べられるのか躊躇する谷。口に入れたところ味はおいしかったので感謝を述べますが、鈴木がもうひとこえの感謝を示してほしいと目で訴えると、若干迷いつつもキスを交わす谷。ホワイトデーにはお菓子類(謎キャラ付きの謎色ラムネや飴など)を贈ると、彼女の趣味にあったようで、鈴木は大喜びしました。
鈴木の誕生日である3月30日には、彼女がやってくれたように谷から誕生日1分前に電話し、日付が回ったタイミングで「誕生日おめでとう」と伝え喜ぶ鈴木。翌日、花見を兼ねたデートに出かけると、花見後に渋い喫茶店でショートケーキを注文し再度鈴木の誕生日をお祝い。その流れで鈴木の名前入りのマグカップをプレゼントすると、鈴木は彼氏っぽい谷に大満足し破顔させます。
が、幸せを享受する反面、鈴木はこの関係が続くように谷に愛想尽かされないようにしなければと若干の翳りを見せました。
食後、日が落ちライトアップされた桜並木を歩く傍らで、谷は鈴木の不安を聞き出すと、鈴木はクラス変更で一緒になれなければ会える機会が減るとナーバスになっていたと打ち明けます。しかし、谷が「今までよりは会える時間も減るだろうけど、自分自身の将来の為に大切な時間だと思うから…。気にしないようにって飲みこむんじゃなくて、伝えてほしい。それで気持ちが離れたりしないし、変わらないよ」と述べると、鈴木は少し安心して笑顔に戻ります。
一方で、谷もまた同様に不安を抱いており、本音を伝えるフリをして見栄を張り、自分に言い聞かせる言葉でもありました。
【鈴木みゆと谷悠介】進級と受験と遠距離
引用元:阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』 出版:集英社
3年生に進級すると、鈴木は3年7組、谷は3年8組と分かれてしまいますが、鈴木は山田と同様にたまに隣のクラスを覗きに来る模様。
とはいえ、楽しい期間はあっという間に流れ3年生は受験シーズンに突入すると、二人で会う機会がめっきり減ってしまい、鈴木は勉強の傍らで谷成分不足に陥ります。そんな中、谷が1年生の頃から進路希望調査で教職を進路に見据えていたことに対し、目標がない鈴木は「将来の夢とかなりたいものとか特にない」と進路に悩んでいました。
夏の花火大会時、谷は鈴木が志望校で迷っていることを気にかけると、鈴木は皆のように将来の目標はないものの「なるべく先の選択肢を増やす為に大学に行きたい」と現在の進学理由を示します。反面、谷のように夢がある人生の方がまっすぐ道を進んでる感じがしてちゃんとしてるように思えると、未だ煮え切らない心境を吐露。しかし、谷が「目標があってもなくても進学はゴールじゃないから、今、完全に決める必要はないと思う」と諭すと、少し肩の荷が下りたように思えました。
その一方で、谷は鈴木から言われた「夢がある人生」に引っかかりを覚えます。谷が教職を目指すのはただ何となく父親が学校の先生をしている姿を幼少期から見ていたからという漠然としたもので、教師になる道しか見ていなかったことを自覚。しかし、鈴木と過ごしたことで今まで見逃していた景色があることに気付くと、道を一つに絞れるほど自分はまだ何も知らないと思い至り、進路について迷いが生じていました。
そのため、谷は当初希望していたA大の指定校推薦申込を却下します。
3年の文化祭では、二人で各クラスの出し物を見て回った後、谷のモヤモヤスポット(外階段の踊り場)で二人きりになると、進路についての話題に。谷はA大の指定校推薦を辞めた代わりに鈴木の志望校に近い大学を第一志望に選択したと報告すると、鈴木はお互いに本命に受かれば大学が近いため卒業後もたくさん会えると喜びます。
しかし、二人が地元から通える大学(鈴木は私立のP大学、谷は公立のS大学)を志望し、休みの日も一緒に勉強してたところ、鈴木は谷の部屋で『T市大学』の赤本を見つけてしまいます。鈴木が訊ねると、T大はI県の□□駅近くにある公立の大学だと答える谷。鈴木は谷が淡々と答える声色から、これが滑り止めではなく本命であることを悟ります。
が、谷はS大でも目的の教員免許は取得でき、選択した学科以外の講義も受けられるので視野が広がる──と説明し、色々と考えた末にT大は辞めてS大を選択したと言います。
その一方で、鈴木がT大が気になった理由を訊ねると、谷は今まで「教職に就く」ことを目的にしていたところ、日々の日常を経て本当にそれ一つに絞っていいのかと考えるようになり、何となく調べていたところでT大に興味を持ち、夏にはオープンキャンパスに赴き学芸員の資格取得を目指せることや、キャンパスの雰囲気を気に行って候補に入れたと話し、選択肢から消した今も頭の中に残っていると綴ります。
鈴木は谷らしくない決断の違和感に納得できないでいる反面、受験の合間に少しでも一緒にいようと隙あらば絡んでいた自分こそが谷に言いづらくさせていたのではないか──と自省。そのため、勉強会の帰り道でこれまでの我儘に対しての謝罪をすると、谷の邪魔になりたくない一心で「距離を置こう」と提案しました。
また、鈴木はもし自分がいなくてもその選択(T大からS大に変更)をしていたか──と訊ねると、谷は本当はそれらしい理由をつけて鈴木から離れてしまうことから逃げているだけで本心に蓋をしていたことに気付き、もう一度進路について真剣に考えると約束。それに伴い、距離を置くことに関しては撤回してもらいます。
12月初旬、7組で菓子パーティが開催されると、谷たち8組も参加。途中、谷が塾で抜けた際には廊下で呼び止めて追加でお菓子をお裾分けし笑顔で見送りました。
その一方、鈴木は予備校の帰りに谷と遠距離になるが乗り越えるしかないという意気込みを川崎に述べる反面、谷が志望校が決まって迷いがなくなってからストイックすぎて心配になると不安を募らせていました。
谷が志望校をT大に変更してからも休み時間や放課後などタイミングが合えば一緒に過ごすのは変わりないものの、鈴木は春からの遠距離に漠然とした不安を抱えます。また、鈴木が不安を見せたせいか、最近は谷から会う時間を増やしているようで、そのせいで谷が無理をしているのではないかという心配もありました。そのため、しんどい時はしんどいと言って欲しいと思う鈴木ですが、以前自分が「距離を置く」と言ったせいで、またまた自分が言いにくくして追い詰めていることに気付き自省。
谷は進路を変えてから勉強と鈴木の両面で矛盾を抱えていました。勉強時間のリミット、一緒にいられる期間のリミット、早く終えてしまいたい気持ち、終わらないで欲しい気持ちなどから、何をしても足りていない気に陥り、初めて先の事に「不安」を抱いていしまいます。そのため、睡眠時間の減少も伴い、疲弊状態に。
しかし12月25日のクリスマス、馴染みの喫茶店で食事を終えた帰り、鈴木は自分が谷に無理をさせていないかと切り込むと、谷に全てを吐き出させます。谷は鈴木の真っすぐな瞳を見てようやく自分の脆さを認めると、謝罪と共に抱えている弱音を全て吐き出しました。鈴木は自分が谷を救ってあげられるとは思っていないものの、谷がしんどい時に「しんどい」と言える場所になりたいと伝えると、谷は強いフリをすことを止めることにしました。また、自分の欠点を反省し、鈴木に感謝を伝えます。
その後、大学受験を通過し卒業式を迎えます。
【鈴木みゆと谷悠介】高校卒業
引用元:阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』 出版:集英社
単行本8巻第64話にて、卒業式が淡々と描かれます。
卒業式後の自由時間、3年生たちは校舎前や校門付近で思い思いに記念写真を撮り合います。そんな中、鈴木と谷はそれぞれクラスメイトと記念写真を撮り終えると、谷は鈴木を見つけて二人で記念写真を撮ることに。なお、鈴木は西のスマホではなく加工アプリの入った自分のスマホで撮らせて欲しいと頼むと、二人は鈴木のスマホで高校生活最後のツーショットを撮影します。
一方で、二人をじっと眺めている平の視線に気づく谷。すると、鈴木はなぜか「しゃーないな」と平を間に挟んで写真を撮り始めるのでした。
春休み(大学入学までの長期休暇)には、谷と共に高校時代の友達と最後の高校生割を楽しむようにカラオケに行ったり、アミューズメント施設で遊んだり、山田と西を誘いダブルデートをしている描写も。
そして桜が咲く大学入学前の時期、二人はいつものベンチに座るとついに遠距離になることへの心境を語らいます。お互いに新しい環境で新しい交友関係ができて自分の存在が少しずつ薄くなっていくのではないかと不安は残りますが、谷は「寂しい」と素直な想いを吐露。しかし、例え鈴木が自分の事を忘れる時間があっても、彼女が戻って来る場所になりたいという想いを伝えました。
【鈴木みゆと谷悠介】その後
引用元:阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』 出版:集英社
最終話では、谷視点で高校2年の春に鈴木がダル絡みしてきた回想が描かれており、最初こそ彼女の行動を理解できないでいたもののいつの間にか理解できないものに対する嫌悪感がなくなり、ふとした時に鈴木が話していたことが日常に繋がる瞬間が増え、それが悪くないと思えるようになっていたことが語られます。
そして、谷が鈴木を好きになったのは一緒に下校を誘われた瞬間だったり、気持ちが傾いていたのはそれ以前からだった──など、谷の当時の心境が明かされました。
大学入学前、ついに谷は一人暮らしに向けて地元を旅立ちます。その際、谷は電車に乗る直前に鈴木を抱き寄せると「ずっと好きだから。それだけは覚えてて」と伝え、鈴木は「…うん。いってらっしゃい」と送り出します。
その後時は流れ、それぞれが大学生活を送りながら時折連絡を取る姿、一人暮らしの谷が家具の組み立てに手こずる姿、夏には帰省し夏祭りで花火を見る姿。また、冬には鈴木が鍋の材料を手土産に谷の部屋を訪れる姿も描かれており、いつかのクリスマスで鈴木が言っていた「買い物袋からネギをはみ出す」という夢を叶えていました。
また、最終コマでは谷の部屋で二人が高校時代の友達と集まった時の写真(花見)を見て笑っている姿が描かれています。
アニメ版の最終回では、EDで鈴木が大学で講義を受けている姿、大学でできた友達と雑談している姿、漫画版の描写を加筆するように夏祭りに帰省した谷の浴衣姿にときめく鈴木の反応、神社で年を越す様子などが新規カット。
また、漫画版のラストに描かれた花見写真に繋がるエピソードが、ED後のCパートで描かれており、その後、谷の部屋で写真をアルバムに貼りながら語らう鈴木と谷が描かれました。
まとめ
以上「鈴木みゆと谷悠介の交際とその後」の紹介でした。
鈴木と谷は、性格の違いを抱えながらも、交際をスタート地点に互いを尊重する関係を築いていきました。
告白から初キス、受験期の揺れ、進路の決断を経て、高校を卒業したあとも交際は続いており、遠距離になっても関係を終わらせず、それぞれの道を歩きながらつながっている姿は、作品のテーマである「正反対でも一緒にいられる」を体現しています。
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正反対な君と僕 1 阿賀沢紅茶 (著) |
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