2006年に上映されたアニメ映画「時をかける少女」。
原作は筒井康隆先生の短編小説であり、実写映画やドラマなど本作を含めていくつも映像化されている作品ですが、細田守監督のアニメ映画「時をかける少女」は夏の風物詩として金曜ロードショーでよく放送されています。
そして、アニメ映画は放送されるたびに話題にあがるのが紺野真琴と間宮千昭のその後や再会についてです。
今回はアニメ映画「時をかける少女」のその後や二人の再会の可能性についてご紹介したいと思います。
アニメ映画「時をかける少女」の結末
引用元:細田守・筒井康隆・ 奥寺佐渡子『時をかける少女』 制作会社:マッドハウス
細田守監督作品「時をかける少女」の結末は、現代人の紺野真琴が紆余曲折を経てタイムリープ能力を使用してしまったことを未来人の間宮千昭に打ち明け、現代人にタイムリープがバレてしまった千昭が未来へ帰ることになります。
そして、一度は真琴の前から去っていった千昭が泣きじゃくる真琴の元に戻ってくると、後ろから真琴を引き寄せ耳元で「未来で待ってる」と一言。真琴は「うん、すぐいく。走っていく」と表情を明るくします。
しかし、その次のコマではすでに千昭は真琴の前からいなくなっており、未来へ帰ってしまったことが窺えます。
後日、真琴は津田功介やボランティア部に所属する下級生の藤谷果穂・上杉盛子・野分析美ら五人で野球をやっており、巧介は自分たちに何も告げずに勝手に留学のために退学しいなくなった千昭に怒っている様子。
そんな巧介に対して「やりたいことが決まったんだよ、きっと」と朗らかな雰囲気の真琴は、「あたしもさ、実はこれからやることが決まったんだ」と打ち明けます。
しかし、気になった巧介が「へえ、何?」訊ねるも、真琴は「ひ・み・つ」と返答。真琴が決まったというやることは明かされないまま、野球を続ける風景で物語は終わるのでした。
エンディングのその後は?
アニメ映画「時をかける少女」のその後は描かれていません。
そのため、千昭の生まれた未来や、千昭と真琴が将来再会できるのか、真琴がやりたいこととは何なのか──など、視聴者が気になることは全て敢えて分からないようにしたまま終わっています。
真琴と千昭はいつか再会する?
引用元:細田守・筒井康隆・ 奥寺佐渡子『時をかける少女』 制作会社:マッドハウス
映画の最後、千昭は未来に帰る前に「未来で待ってる」と約束していますが、タイムリープ能力のない真琴が未来人の千昭に会いにいく術はありません。
また、千昭の発言(自転車に初めて乗ったなどの発言)からタイムリープ技術が開発されたのは現代より当分先の時代と考えられるため、真琴が生きている間にタイムリープ技術が開発されることはほぼないと考えられます。
そのため、千昭の方から会いに来ない限りは二人が再会することはありません。
しかし、千昭は別れ際に「未来で待ってる」と述べているため、もう千昭の方からタイムリープすることはない──と考えるのが妥当。もしも、一度未来に帰った千昭がもう一度タイムリープできる環境にあれば「未来で待ってる」とは言わず原作の未来人・深町のように「また会いにくる」でも良かったでしょうし、元々、タイムリープの使用に制限が設けられているか、立場上あるいは金銭的などの事情で二度とタイムリープできないといった事情が背景にあったのかもしれません。
映画だけの情報で考えると二人は二度と会えないのでしょう。
千昭が過去にタイムリープしてきた理由は?
引用元:細田守・筒井康隆・ 奥寺佐渡子『時をかける少女』 制作会社:マッドハウス
千昭が未来からこの時代にタイムリープしてきた理由は作中で語られているように『白梅ニ椿菊図』の絵を見るためです。
白梅ニ椿菊図とは、東京国立博物館で絵画の修復を仕事にしている芳山和子が修復している作者も不明で美術的価値もあるのか分からない謎の絵です。修復の過程で分かったのは、何百年も前の歴史的大戦争と飢饉の時代に描かれたものということだけでした。
そして、千昭は、巧介と果穂を助けるために最後のタイムリープを使用した際にこの時代に来たのは「どうしても見たい絵があった」と言っています。
なぜ白梅ニ椿菊図を見たかったのかは語られませんが、千昭がいる時代では白梅ニ椿菊図はすでに消失しているらしく、真琴のいる時代以前の所在も不明されており、確実に記録に残っていたのはこの時代の夏の東京国立博物館であったため、この時代にタイムリープしてきました。
真琴の「やりたいこと」とは?
引用元:細田守・筒井康隆・ 奥寺佐渡子『時をかける少女』 制作会社:マッドハウス
物語の最後に真琴は自分のやりたいことを見つけたと巧介に述べていますが、それが何なのかは明かされていません。
一方で、千昭がこの時代にタイムリープしてきた理由に『白梅ニ椿菊図』の絵を見るためだったと明かしていますが、結局千昭はその絵を見ることなく未来に帰っています。
白梅ニ椿菊図自体は芳山和子が修復しているため真琴は千昭に「もう少ししたら見れるんだ。今はまだ直してるところなんだけど」と伝えていますが、千昭がタイムリープしてきているということは時代のどこかで消失していることが窺えます。
つまり、真琴のやりたいこととは千昭が見たかった『白梅ニ椿菊図』の絵を未来に残すことだと考えられます。とはいえ、叔母のように絵画の修復師になるのか、博物館に就職して保存活動に励むのかなどは予測不能です。
また、千昭の「未来で待ってる」に対する「すぐいく、走っていく」という真琴のメッセージは、『白梅ニ椿菊図』の絵を届けるということにも当てはまり、もしも真実が約束を果たせば千昭は未来に戻ってすぐに『白梅ニ椿菊図』の絵を見る夢を叶えることができると考えられます。
二人が再会することは叶いませんが、『白梅ニ椿菊図』の絵を通して通じ合うことはできるでしょう。
千昭の生まれた時代は人類滅亡の危機的状況?
千昭の生まれた時代背景についてはいくつか情報が散りばめられています。
例えば、最後のタイムリープを使用した際に停止した時間の中で千昭は「川が地面を流れてるのを初めて見た」「自転車に初めて乗った」「空がこんなに広いことを初めて知った」「こんなに人がたくさんいるところを初めて見た」「野球もあるし」と語っています。
そして、『白梅ニ椿菊図』は歴史的大戦争と飢饉の時代に描かれたものと言われているため、千昭の時代は歴史的大戦争か飢饉の真っ只中、あるいはそれに近い危機的状況に陥っていることが窺えます。
原作小説「時をかける少女」の主人公・芳山和子の登場で本作が原作をベースに展開していることが窺えますが、原作準拠となれば、小説に登場する未来人・深町一夫(ケン・ソゴル)は2600年代の生まれ。深町はタイムリープ(時間跳躍)の薬品を開発した研究者であるため、それが一般的に使用されていると考えれば千昭の時代はそれよりだいぶ後だと推察されます。
そうなると、真琴の時代から千昭の時代まで少なくとも600年以上は離れていると思わるため、寿命的にも真琴が千昭のいる時代に行くことができません。
千昭が『白梅ニ椿菊図』の絵を見ることを目的としてタイムリープしてきたと考えると、千昭のいた時代は終焉を迎えている可能性もなくはないのでしょうか。
原作小説も未来人と再会できていない
原作小説も同様に主人公・芳山和子と未来人・深町一夫は別れていますが、アニメ版と違ってこちらは未来人の深町の方から「また会いに来る」と再会を約束しています。
しかし、アニメ版の設定より厳しいのか、違う時間軸の人間に影響を及ぼさないために未来人が関わった人物の記憶を消去するという設定であるため、和子の記憶から深町に関する記憶は消されてしまい、和子は『誰かとの再会の約束』のみを覚えて待つこととなります。
ですが、原作小説やその他の派生作品でも、和子は深町と再会できていません(なお、2010年版「時をかける少女」では、和子の娘がタイムリープして深町に和子の伝言を伝えるというあらすじで、記憶を思い出した和子は深町と一瞬だけ再会しますが、再び「未来で会う」という約束を交わした後に記憶を消されています)。
一方で、アニメ映画(2006年)では真琴の叔母として登場しており、原作とは違ってタイムリープについての記憶を保有していますが、深町と思しき未来人とはまだ会えていないことを示唆しています。
過去の住人にタイムリープの存在を知らせてはならない──という設定は原作小説もアニメ映画も一緒なので、和子の件から考えても、真琴と千昭が再会できる可能性はほぼないと考えられます。
とはいえ、もしかすると真琴の今後の活動によって白梅ニ椿菊図が未来まで残ることで何か変化が生まれることも考えられるため、千昭が未来に戻った後に再びタイムリープできるという可能性もなくはないと思います。
ひょっとすると映画の締めの後や何日か間を空けてひょっこり会いに来てるかもしれませんね。
まとめ
以上「時をかける少女のその後や真琴と千昭の再会の可能性」についての紹介でした。
『その後』や『再会』や『未来』については何も語られていないためあくまでも予想や想像に過ぎませんが、作中に語られた内容や原作を参考にすると、真琴と千昭が再会できる可能性は極めて低く、千昭の未来も何かとんでもない事態に陥っていることが窺えます。
映画の最後は千昭がいなくなってまだ一日とか数日程度であるため、本当に千昭がもう戻ってこないのかはわかりませんし、言葉通り未来で待ち続けているのか、真琴が本当に未来にいる千昭に会う術を見つけてしまうのかなど妄想が止まりません、
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