漫画『僕のヒーローアカデミア』に登場する死柄木弔(しがらきとむら)は、主人公・緑谷出久と因縁を重ねていきましたが、ついに終止符が打たれました。
では、死柄木弔とはどのようにしてヒーロー社会を脅かす『恐怖の象徴』になれたのでしょうか。
また、死柄木弔はどのような最後を迎えたのでしょうか。
今回は死柄木弔=志村転弧の覚醒から最後と死亡後についてご紹介したいと思います。
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死柄木弔(しがらきとむら)の死亡は何話?
死柄木弔及び志村転弧の死亡が描かれたのはNo.423『OFA vs AFO』です(最終42巻に収録予定の範囲)。
オールフォーワンに体を乗っ取られた後、出久がOFAの残り火をオールフォーワンに撃ちこむことで先になげうった死柄木弔の中の歴代継承者たちを叩き起こすと、死柄木弔の人格も目覚めてともにオールフォーワンを倒します。
しかし、死柄木弔の身体が消滅したことで死柄木弔及び志村転弧もまた死亡してしまいました。
死柄木弔(しがらきとむら)の強化・最後・死亡・結末の流れ
引用元:堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』 出版:集英社
死柄木弔はどのようにして『恐怖の象徴』となり、ヒーローとの全面戦争を引き起こし敗れたのでしょうか。
- 【ヴィラン連合vs異能解放軍編】死柄木弔の覚醒と超常解放戦線の結成
- 【ヒーロー全員出動編】死柄木弔の強化とオールフォーワンの定着
- 【黒いヒーロー編】タルタロス襲撃と肉体の安静
- 【終章】スターアンドストライプ戦
- 【終章】天空の棺の戦い
- 【決着】死柄木弔の最後と死亡
以上の六と思います。
【ヴィラン連合vs異能解放軍編】死柄木弔の覚醒と超常解放戦線の結成
神野区の悪夢編でオールフォーワンを失った死柄木弔は、ドクターを捜索する過程でギガントマキアの強襲を受けると、ドクター・氏子達磨の泥ワープでとある施設へ移動させられます。
そこでドクターが課した試練がギガントマキアの屈服。新たな脳無ハイエンド、そして死柄木のために用意した『研究』を整えていたドクターは、これらの力を授けるにはまだ後継者としては弱い死柄木に試練を課し、約一ヵ月半を超えた死闘を繰り広げます。
一方でギガントマキアとの交戦中に異能解放軍が義爛を拉致し人質としてヴィラン連合と接触。目的は解放の先導者は『デストロ』でなければならないため名を上げ過ぎたヴィラン連合の排除であり、ヴィラン連合を潰すことで解放軍再臨の狼煙にする算段でした。
愛知・泥花市に出向き異能解放軍と戦うか、その場で通報を受けヒーローに捕まるかの二択を提示された死柄木は、ギガントマキアを泥花市に引き連れて異能解放軍にぶつけるという作戦を思いつくと、ヴィラン連合を引き連れて異能解放軍本部へ向けて襲撃。
そして、死柄木はリ・デストロとの戦いで家族の手がボロボロにされていく光景を目の当たりにすると、自身のオリジンを思い出し過去のしがらみを断ち切り覚醒します。
覚醒した個性でリ・デストロを圧倒するとリ・デストロは死柄木弔を認め平伏。異能解放軍はヴィラン連合と合併することを選択し、異能解放軍を束ねる死柄木の姿を見たギガントマキアはオールフォーワンの後継者として死柄木を認めるのでした。
こうして、死柄木弔は覚醒するとともにヴィラン連合と異能解放軍を融合させた『超常解放戦線』を立ち上げます。
【ヒーロー全員出動編】死柄木弔の強化とオールフォーワンの定着
ドクター・氏子達磨の約束通りギガントマキアを屈服させた死柄木弔は、ドクターから力を譲渡するための処置を受けることになります。
すでに『崩壊』は破壊の権化と化したものの、その力と戦ったリ・デストロは両足を失ったものの健在。『破壊』の力は小細工がいらないほどに強力になったものの、無敵ではありません。また、リ・デストロ戦では一度フルに個性を発動しただけで肉体がボロボロになったため、来るヒーローとの戦いに備えて今以上の『力』が必要となりました。
ドクターは元々オールフォーワンのために進めていた研究を死柄木に施すと、死柄木は複数個性に適応した身体を手に入れるために4ヵ月間の地獄の苦しみを耐え抜き究極の肉体を手に入れようとします。
死柄木弔の強化改造
ヒーロー全員出動編にて、二重スパイを行っていたホークスは死柄木弔が現在強化中で、完成まで4ヵ月を強いるとの情報を得たことで、3月下旬に全ヒーローを出陣させた『超常解放戦線一斉掃討作戦』が決行されました。
蛇腔病院地下研究室で死柄木弔は培養槽に入れられて完成まで眠っていましたが、先行するNo.5ヒーロー・ミルコが地下研究室に到着し脳無ハイエンドと交戦。ミルコは孤軍奮闘ハイエンドと戦いながらも捨て身で培養槽を破壊します。
培養槽は、複数個性に適応した身体にするための定着促進と維持を備えた容器であり、死柄木弔は定着の負担を軽減するために一度仮死状態となって容器に入れられていましたが、定着率75%の段階でミルコが培養槽を破壊したため、死柄木は心停止した状態で外へ放り出されてしまうことに。
その最中、死柄木は無意識領域で家族と対面。
まず現れたのは姉・華。父は反対するが転弧を応援すると微笑みかける華は、祖母の写真の件を謝罪。死柄木は「いいんだ、その件はもう」と晴れ晴れした表情で返します。
次に現れたのは母・直。直は未だにヒーローを目指しているのか問いかけると、目の周りの引っ掻き傷を見て心配しますが、転弧は当時の姿に戻り「もう大丈夫だよ、お母さん」と応えます。
そして、父・弧太朗が現れると、転弧のトラウマを反映させているのか書斎に入った転弧を𠮟りつけようと迫ってきます。しかし、弧太朗が手の平を翳してくると転弧も手の平を翳して応戦。
が、崩壊する弧太朗の奥から出てきたのはオールフォーワンであり、転弧は再び死柄木弔の姿に戻るとオールフォーワンに誘われるがまま歩み寄っていくのです。
しかし、そんな死柄木を家族全員がそれぞれの手が装着されていた部位を掴んで引き留めようとします。弧太朗までもが死柄木の歩みを止めようとしたところに祖母・志村菜奈が出現し死柄木を引き止めますが、死柄木はヒーロー願望を抱いていた過去の自分を捨てるように「もう俺を否定するな」と述べて家族の手を振りほどきオールフォーワンを受け入れるのでした。
オールフォーワンの『本物』の譲渡
氏子達磨改め殻木球大は、オールフォーワンに『摂生』の個性を捧げて自身は複製した個性で生き永らえていました。
それと同様にオールフォーワンはオールマイトに追い詰められた段階で敗北を予期し後継に全てを託すべく自身の複製個性を取り込み本物を死柄木弔に渡すことを決めていました。
今回の死柄木の強化内容は複数個性に適応した身体を手に入れるための施術ですが、同時に後継の器にオールフォーワンの本物を取り込ませる算段でもありました。
死柄木弔の目覚めとチート化
定着率75%で培養槽を破壊され心停止の状態で放り出された死柄木は奇跡的に目覚めると、手始めに蛇腔病院を中心に周辺一帯を『崩壊』で更地に変えてしまいます。
そして、死柄木の合図を皮切りにギガントマキアを呼び寄せると本格的に全面戦争は苛烈を極めていくことになり、各地でヒーローと超常解放戦線メンバーが激突。死柄木はエンデヴァーを始めとするトップヒーローと交戦しました。
死柄木はオールフォーワンが貯め込んできた複数個性の恩恵を受けオールマイトに匹敵する身体能力を身に付けており、抑制できるようになった『崩壊』に加えて、『再生』や『サーチ』、オールフォーワンが持ち合わせた個性を奪い与える能力をも浸透していました(なお、ドクター曰く素の状態の身体能力はオールマイトには及ばない程度とのこと)。
ただ、万能感とは裏腹にオールフォーワンが唯一思い通りにならなかった力『AFO』を欲する気持ちが死柄木を駆り立てていました。
そのため、目覚めてから行ったことはOFAを持つ緑谷出久への襲撃であり、エンデヴァーや他のヒーローを無視し出久の下へ駆けつけるのです。
オールフォーワンの侵食の兆し①
OFA奪取のために出久を襲撃する死柄木でしたが、出久は死柄木の狙いを予測し被害を最小限に抑えられる場所へ誘導しエンデヴァーたちと合流しました。
ヒーロー側は『抹消』で死柄木の個性を封じるイレイザーヘッドを起点に動きますが、ニア・ハイエンドが死柄木を支援。そのため、多くのヒーローはハイエンドに人員を割かれることになり、死柄木と戦うのはエンデヴァー、グラントリノ、出久、爆豪などの少数精鋭。
『抹消』で個性を封じているとはいえ、今の死柄木は素の状態でオールマイトに並ぶパワーとタフネスを持っているため、現No.1ヒーローのエンデヴァーでさえ真っ向から挑むと圧倒される実力差でした。
しかし、戦闘中に死柄木の雰囲気が一瞬だけ豹変。ワンフォーオールを手に入れろ──という声がどこからともなく聞こえてくると頭痛が生じ、次に死柄木が顔を上げると「俺のものになれ、弟よ」と邪悪な表情を浮かべるのです。
この現象に死柄木本人と出久は困惑。
死柄木は自身の意志に反した発言に戸惑うものの、すぐに内在するオールフォーワンであると合点がいくと、育てられた恩義はあるものの今の死柄木はオールフォーワン以上の存在になりたいと告げて、幻聴を流すオールフォーワンを抑え込むのでした。
オールフォーワンの侵食の兆し②
強化されたとはいえ『抹消』で個性を封じられた状態で複数のヒーローと戦う状況に陥った死柄木は、一度追い詰められてしまいます。
しかし、死穢八斎會編で強奪した個性破壊弾をイレイザーヘッドに撃ちこみ気を失わせたことで『抹消』から解放されると、複数個性の使用で戦況を一変。本来のアドバンテージを取り戻すことに成功します。
が、ここで定着率75%という未完成の状態で奇跡的に目覚めたことが裏目に出てしまい死柄木の肉体が破損。移植された力の行使が仕上がっていない肉体に負荷をかけており、長期戦は自壊を招くことに。
しかし、『超回復』の個性が発動していることから死柄木は自壊を気にせず一気に『崩壊』でヒーローたちを片付けようと五指を地面に近づけますが、出久が『黒鞭』と『浮遊』の個性を併用して仲間と死柄木を上空へ持ち上げたため、そのまま空中戦へと移行。
そして、死柄木とOFA発動状態の出久は空中で乱打戦となり、出久の与えるダメージが死柄木の再生を上回ります。ですが、『超回復』を持つ死柄木を一撃で仕留められなかった時点で消耗戦に突入。そこで、死柄木を一撃で仕留めるためにエンデヴァーが死柄木を捕縛すると最大火力のプロミネンスバーンで一気に焼き尽くそうとしました。
しかし、死柄木が劣勢になったタイミングで「身体を貸してごらん、弔」と再びオールフォーワンの幻聴が聞こえると、死柄木は触手を放ちエンデヴァーと出久を庇った爆豪を撃破。
怒りに支配された出久が死柄木に向かう最中、死柄木の顔面に亀裂が入ると中からオールフォーワンの顔が不気味に覗き見るのでした。
OFAとAFOの干渉
死柄木はOFAを奪うために接触してきた出久に触れますが、ここで個性に直接干渉する力を持つオールフォーワンとワンフォーオールの干渉で出久と死柄木がOFAの中の世界で繋がってしまうという現象を引き起こします。
そこで死柄木──志村転弧は志村菜々と初めて顔を合わせることになりますが、死柄木は「安心しろよ、おばあちゃん。あんたもしっかり憎んでる」と殺意を向け、所有者の意思でしか動かせないOFAの世界の原則を殺意で浸食しようとします。
しかし、志村菜々に続き初代・与一が姿を現すと死柄木の侵食を押し返していくのです。
両者の力がぶつかった結果、結局死柄木はOFAを奪うことができずに干渉は分断されますが、この時、出久は死柄木の顔が助けを求めたように見えたと語っています。
オールフォーワンの侵食の兆し③
OFA奪取の失敗は、身体と個性が定着しきっていなかったのが理由であり、干渉分断後は未完成の体に与えられた度重なるダメージと自壊によって死柄木は気を失う寸前でした。
そのため、オールフォーワンは身体の完成のために一度退却するよう提言しますが、死柄木はオールフォーワンに抵抗するべく継戦を選択。
しかし、劣勢に陥ったヴィラン連合を逃がすためにMr.コンプレスが身を犠牲にして死柄木が逃げる時間を稼ぐと、スピナーが死柄木の死柄木の焼け爛れたスーツの中に『手』を発見し、以前死柄木が「俺の心には鉛の塊が沈んでてそこから怒りが無尽蔵に噴き出してくる」と言っていたことを思い出して顔に装着させます。
すると、死柄木は開眼。
しかし、その意識は死柄木ではなくオールフォーワンであり、オールフォーワンは死柄木の心が原点を強く抱けば抱くほど共生するオールフォーワンも強くなると解説し、死柄木に憎しみを絶やさないように助言。
そして、『電波』の個性を使って脳無に具体的な信号を送りヒーローの足止めに使うと、今回は敗北を認めて戦闘不能にされたギガントマキアとMr.コンプレスをその場に置いて、脳無を使いその他の仲間とともに戦場から離脱するのでした。
【黒いヒーロー編】タルタロス襲撃と肉体の安静
死柄木が気を失った間はオールフォーワンが主導権を握っており、全面戦争後には自身の本体を解放すべく収容されたタルタロス(対「個性」最高警備特殊拘置所)を襲撃します。
その際、目を覚ました死柄木が主導権を取り戻そうとしますが、オールフォーワンは死柄木を抑制しつつ自身の本体、更には新たな駒としてタルタロスに収容された囚人を解放しました。
囚人を解放したのは死柄木への追求を攪乱させるためであり、その間に肉体を完全な定着まで休ませる算段です。
【終章】スターアンドストライプ戦
オールマイト、エンデヴァーなど日本のトップヒーロー直々の要望を受けてアメリカ合衆国No.1ヒーロー・スターアンドストライプは国際派遣の手続きを無視し独断専行でアメリカを出立しました。
一方でオールフォーワンは最強のヒーローであるスターアンドストライプの個性『新秩序』を奪うことができれば残るヒーローとの全面戦争は消化試合と意気込み、スターアンドストライプの日本入国前に上空で待ち伏せします。
なお、『新秩序』の影響を考えてオールフォーワン本体と死柄木弔の同時出陣は控え、死柄木とオールフォーワンの人格が混ざり始めた死柄木弔が矢面に立ちます。
死柄木とオールフォーワンの人格が混ざり始める
死柄木弔はタルタロス襲撃後に目覚めてからオールフォーワンと人格が混ざり始めた影響で一人称が『俺』『僕』を混同するようになりました。
恰好からしてもスーツを着用しその上にボロ切れマントを羽織るようになり、明らかに死柄木の好みからオールフォーワンのセンスに偏っているように思えますが、死柄木自身も自分のことを死柄木弔と断言できるがどこか変な感じを抱く不思議な心境でした。
新たな人格の形成
死柄木弔とスターアンドストライプの戦いは空中で展開されました。
死柄木の戦い方はオールフォーワンそのものであり、複数個性の発動で様子見を行い、スターアンドストライプが『新秩序』で全てを捌き切り逆に圧倒していきます。
その最中、スターアンドストライプは死柄木に触れて『トムラシガラキはここから少しでも動いたら心臓が止まる』と新たにルールを作ります。
しかし、スターアンドストライプの行動はオールフォーワンの想定内であり、新たなルールを指定された瞬間にオールフォーワンは死柄木弔の人格を取り込み始めたのです。
本来ならば2ヵ月の休養を経て完全にオールフォーワンの人格に上書きされる予定でしたが、死柄木の憎しみと破壊衝動が想定を凌駕するほどに膨れ上がり二つの人格の境界が極めて曖昧な状態で踏みとどまっていました。
しかし、スターアンドストライプの新秩序の影響で死柄木の動きが止まった刹那、オールフォーワンは無意識領域で死柄木の人格を抑え込むと、定着率97~98%まで引き上げオールフォーワンでも死柄木弔でもない二つの人格が溶け合った新たな人格を形成しました。
その結果、スターアンドストライプは目の前の敵を死柄木弔と認識しているため、『トムラシガラキはここから少しでも動いたら心臓が止まる』と指定したルールは今の死柄木弔に適用されませんでした。
スターアンドストライプ戦の傷跡
スターアンドストライプは死柄木弔という存在を日本の敵から世界の敵になると認識を改めました。
今のスターアンドストライプが繰り出せる最強の技を撃ちこみますが、死柄木は純粋な肉体強度の高さと『超回復』の個性で即死を免れると傷ついた体を再生。
そして、一気に上昇しスターアンドストライプに接近すると彼女の顔面に触れて『個性の奪取』と同時に『崩壊』を撃ちこみました。
OFAに次ぐ最強の個性を奪い取った死柄木は躍動感に駆られながらもさっそく『新秩序』を使用しますが、使用直前になぜか無意識領域に出現するスターアンドストライプに驚愕。そして、現実では死柄木弔の肉体がはじけ飛ぶのでした。
実はスターアンドストライプは個性を奪われる前に『新秩序は他の個性と反発する』とルールを設定しており、それを奪い取った死柄木の身体は新ルールよって反発した個性により破裂してしまったのです。
無意識領域ではスターアンドストライプの個性が他の個性を襲撃しており、オールフォーワンは苦虫を嚙み潰したように忌々し気に彼女を睨むのでした。
スターアンドストライプの身をなげうった行動により死柄木は『反射』などの複数の個性を破壊。そして、スターアンドストライプの個性『新秩序』も『他の個性と反発』するルールの下、跡形も無く消し去ってしまいますが、スターアンドストライプが与えた戦闘の傷は再生の個性でも癒やしきれない精神の傷として残り続けることになりました。
また、同時に現実のスターアンドストライプも崩壊の個性で死亡してしまいますが、結果として死柄木は『新秩序』を入手することができず、スターアンドストライプ戦の傷を癒やす為に退却を余儀なくされました。
【終章】天空の棺の戦い
最終章の全面戦争では、オールフォーワン率いるヴィラン連合及び超常解放戦線の残党を誘い込み『ワープゲート』をコピーさせた物間寧人を主軸に敵を分断し、『崩壊』の個性対策に用意した雄英高校──天空の棺にて死柄木弔を迎え入れました。
第一回戦|裡に潜む志村転弧
死柄木弔担当班は緑谷出久も配属されていましたが、ワープ直前でトガヒミコに出久が連れ去られたため、ヒーロー側はAFOのない状況での戦いを強いられました。
基本的戦術は物間がコピーした『抹消』で死柄木の個性を封じ、イレイザーヘッドが片目の『抹消』でサポートをしつつ物間の傍らで接触し続けることでコピー制限時間を解消し、マニュアルが水を操り目の乾燥を防ぎ、戦闘メンバーが死柄木を叩くという作戦。
ベストジーニスト、エッジショット、ミルコ、爆豪勝己、天喰環、波動ねじれ、通形ミリオが果敢に攻め込みますが、個性がなくとも触手のように指を連ねて重ねる手数の多さ、オールマイト並みのパワーと耐久力を兼ね揃える死柄木に苦戦。
そんな中、ミリオに破壊の理由を訊ねられた際に「友達がいなかったんだな」と言われると、裡に眠る志村転弧の人格が感応し「僕ちゃんと友達いるもん!」と反応。この現象には、新たに統一された今のオールフォーワン主導の人格は不可解に思っており、完全に溶け切っていない『志村転弧』の核を警戒します。
そのため、死柄木は長引かせるのは危険と考え、緑谷出久と仲が良い爆豪勝己に攻撃の手を集中させ致命傷を与えるのでした。
また、その過程で手負いのヒーローに脅威を感じたことで裡に眠る転弧の人格が誰も手を差し伸べてくれなかった怒りを思い出し、現在の死柄木弔の身体が最適な形へと変貌し強化されました。
そして、緑谷出久到着までの間にミリオを除く戦闘員のヒーローを行動不能に陥れるのです。
第二回戦|死柄木弔・志村転弧の目覚め
到着した緑谷出久が見た光景は凄惨なものでしたが、ミリオが出久を宥めたことで冷静さを取り戻し、OFA継承者として死柄木と対峙します。
まだそこに死柄木はいるのか──という問いかけに対し、死柄木弔とオールフォーワンの二つの人格が溶け合い完全に統合された今、ここに死柄木弔はおらず、長く生きた分、主体となっているのはオールフォーワンだと回答します。
しかし、ミリオが一度『子供のような人格』を見たと告げたことで、出久はまだ死柄木弔──志村転弧の人格が生きていると確信しました。
OFAと歴代継承者の個性を併用した出久は死柄木を圧倒しますが、タイミング悪く、スピナーがセントラル病院で拘束されている黒霧を起こしたことでワープゲートが起動。起動したワープゲートはヴィラン連合に好ましい状況を作り出すと、トガヒミコが分倍河原仁の血液のストックを使用し『二倍』の個性でトゥワイスに変身しサッドマンズパレードを各所で引き起こしました。
天空の棺にもワープゲートを介してサッドマンズパレードの集団が襲撃すると、物間やイレイザーヘッドの『抹消』が阻害され、死柄木は個性を取り戻します。
死柄木は『破壊』で一気に片をつけようと画策しますが、出久の窮地を救ったのはかつて敵対していたジェントルとラブラバ、レディ・ナガンの助け舟であり、彼らの救援が稼いだ時間を使って出久は死柄木を天空の棺から引き剥がし地上戦にもつれ込むことになりました。
しかし、これらの戦いの最中に死柄木弔(志村転弧)の核はオールフォーワンに気づかれないように内側から自身を取り戻していたのです。転弧は、オールフォーワンが自分に接触したのはオールマイトへの嫌がらせのために志村の血縁を利用するため、そのためだけに転弧の身体を乗っ取る計画を進めていたことに気づいていました。
そのため、肉体改造後にオールフォーワンの人格と融合するのが嫌で『原点(核)』は心の奥底に隠していたのです。
死柄木弔=志村転弧の望みは『あの家から連なる全ての崩壊』であると慟哭すると、死柄木はオールフォーワンの人格を抑え込み再び肉体の主導権を握り表に出てくることができました。
第三回戦|死柄木弔vs緑谷出久
主導権を取り返した死柄木弔と対峙する緑谷出久ですが、『あの家から連なる全ての崩壊』を望む彼に対し、「泣いていた君を見なかった事にはしない」と主張し死柄木の野望を打ち砕くと同時に彼を助ける道を模索します。
死柄木は『崩壊』の力を面ではなく深さに向かわせることで静岡の一部を一瞬で消失させると、土壌を失ったところに海水が流れ込み濁流を生みます。そして、天変地異に等しい激闘の最中、死柄木は出久に触れてOFAの奪取しようとしました。
その際、死柄木はOFAの中に干渉し僅かな接触時間で4代目の『危機感知』を強奪。取り込んだ『危機感知』を使用し出久の攻撃を回避し、『全てを破壊する』その一歩としてまずは一番邪魔な緑谷出久の崩壊を宣告しました。
蛇腔戦でOFAとAFOの感応で繋がった時、出久は死柄木が泣いているように見てたため、死柄木を助けるつもりで挑んでいますが、死柄木は「そこに俺はもういない。まだ俺を人間扱いしているのか。ちゃんと見ろ」と出久の手を振り解くように迎撃。
戦場が富士山付近に移ったところで『地平線』を作るために富士山の破壊を宣告し『崩壊』を放つと、出久は残った個性の併用で崩壊の予測範囲ごと風圧で抉り飛ばすという手法で富士山に崩壊が伝わり噴火する危機を凌ぎました。
例え破壊に愉悦を抱こうともそれらの感情すべてが死柄木を構成するものであり、出久にとっては依然死柄木弔は人間でした。一方で、自分を哀れみ助けようとする出久に対し、死柄木は「泣いていた少年はもうとっくに乗り越えた。どこまでも解釈を拡大し少年は死柄木弔になった。俺は何も困っちゃいないんだよ」と突き放します。
最早勝敗で死柄木を説得できる段階ではないと考えた志村菜奈は一撃で跡形も無く消すしかないと出久に提言しますが、出久は死柄木が寂しい過去を心に据えて蓋をしていたことからまだ助ける猶予はあると判断し志村菜奈の提言を却下。
死柄木が自ら塞いだ心の蓋が壊れるまで戦うことを決意するのでした。
死柄木弔の『憎しみ』の崩壊
戦闘の最中、OFAの中の八木俊典がスターアンドストライプが遺した『傷跡』に気づくと、駆藤はこのまま死柄木と戦っても勝ち目がないことを悟り、ならばスターアンドストライプが遺した精神の傷にワンフォーオールを譲渡という形でぶつけて傷をこじ開け死柄木の精神を直接叩くという作戦を立てます。
死柄木の中になる鉛のような黒い塊は彼自身の幾つもの怒り・不満・記憶が一つに集約されたものであり、死柄木の決意・憎悪で固められた精神です。
そこにOFAに取り込まれた歴代の因子──九人分も強化された特別な因子を砕け散るほどに強く譲渡すれば力が死柄木に渡ることなく裡から破壊できると考えました(※OFAの譲渡は意思次第で相手を破壊できる)。
OFAを手放す覚悟を決めた出久は細工をして死柄木に『譲渡』を当てると、これまで加速度的に進行していたAFOとOFAの感応が今回の譲渡で臨界点に達し、死柄木弔と緑谷出久の記憶の交錯が発動(※ヴィラン連合結成や体育祭など、二人が体験してきた場面が掘り起こされることに)。
出久の思惑を察知した死柄木は二度目の『譲渡』を拒絶しますが、出久は『譲渡』によって引き起こされる感応によって死柄木弔の原点まで近づいていることを確信すると、拒絶されても何度も『譲渡』を試しました。
結果、出久は七代目以外のOFAをなげうち志村転弧の無意識領域に侵入し『原点』に辿り着くと、転弧が個性を発現するきっかけとなった舞台に介入し、志村菜奈は志村弧太朗を止め、出久は転弧に救いの手を差し伸べます
しかし、志村菜奈が志村弧太朗とともに消滅すると、場面は転弧がモンちゃんを殺害したシーンへ移行。出久は転弧がモンちゃんを殺害し当惑する姿を見てここが志村転弧の核心だと理解しました。
そして、転弧が華を殺害しようとしたところに介入し転弧の手を両手で受け止めるのです。
この時の転弧は強い憎しみとカタルシスと同時に悲しみと困惑を抱いており、自身の誕生を肯定するために自らの意志で家と家族を壊したと主張し出久の手に憎しみを乗せて拒絶しますが、出久は殺して止める以外に方法がないのだとしても自身が困っている時に手を掴んでもらうと安心できたことから死柄木にもそうするために来たと告げます。
その瞬間、出久の両腕は崩壊で塵になってしまいますが、出久の思いが伝わり死柄木の中の『憎しみ』が打ち砕かれて暴走が止むのでした。
オールフォーワンの乗っ取りと復活
出久に救いの手を向けられたことで志村転弧の『核心』にある『憎しみ』は砕かれてしまいます。
しかし、『憎しみ』が砕かれた転弧が見るのは「みっくん」と「ともちゃん」とヒーローごっこをしている幼い頃の自分であり、転弧は「僕はヴィランだ。悪意を持って壊す」とオールマイト役を断りヴィランに在り続けようとしました。
その瞬間、転弧の姿がみるみる崩壊していき現在の死柄木弔に変貌すると、その背景にはヴィラン連合の仲間が立ち尽くしており、死柄木は例え憎しみを打ち砕かれて空っぽになろうとも『敵のヒーローにならなきゃ』と前進を始めようとするのです。
しかし、突如流れる志村弧太朗とオールフォーワンと思しき男との対話の記憶に当惑すると、裡に眠るオールフォーワンが無意識領域に復活。出久にねじ伏せられた瞬間に裡から再び目覚めたオールフォーワンが現れると死柄木弔を吞み込んでしまうのです。
出久がOFAをなげうったことで志村転弧の核心を突き憎しみを打ち砕くことができましたが、同時に転弧の心が押し負けたおかげでオールフォーワンが意識を取り戻すきっかけを作ってしまいました。
そして、転弧の心が弱ったところで志村転弧のヴィランまでの人生の歩みが全てオールフォーワンの手の内だったと明かすと、崩壊の個性も家族の殺害も悲劇・試練・否定・肯定に至る全てがオールフォーワンの計画だったと知り、追い詰められた転弧の心は完全に消し去られてしまうのでした。
こうして死柄木弔の身体を再び乗っ取ったオールフォーワンによって死柄木弔の人格は死亡しました。
【決着】死柄木弔の最後と死亡
死柄木弔の人格が死亡しオールフォーワンが再誕してしまいますが、死柄木弔という器は精神のダメージが肉体に反映され器としても機能しなくなりました。
オールフォーワンにとって、長年必死に捜した器を失い、OFA(即ち弟の与一)も失った今、最終目標である世界の破壊だけが行動理由となり、日本だけではなく世界へ向けて動き始めます。
しかし、無意識領域で転弧に触れた際に両腕を失った出久の下にイレイザーヘッドがワープゲートで現れるとエリが譲渡した角を宛がい2~3分前の状態に巻き戻すと両腕が再生。また、ワープゲートを通じてA組を始めとする全ヒーローがその場に集結。
そして、出久は最後に残った無個性の身体に染みつく『OFAの残り火』をオールフォーワンに撃ちこむことを決意すると、ヒーローたちは攻撃を防ぎながら出久をオールフォーワンの下へと送り届けました。
こうして出久はヒーローたちに背中をおされながらもオールフォーワンに『OFAの残り火』を撃ちこむことに成功。
また、緑谷はギリギリのラインで歴代の欠片が残るようにぶつける力を調整していたらしく、そこに『残り火』を撃ちこむことで感応を起こし僅かな残滓となった歴代継承者たちを叩き起こすと、目覚めた歴代継承者たちとともに内部からオールフォーワンを攻めました。
加えて、緑谷が叩き起こした中にはオールフォーワンに吞み込まれたはずの死柄木弔の姿もあり、死柄木は出久や歴代継承者たちとともに拳を振るいオールフォーワンを消滅させるのでした。
完全にオールフォーワンに人格を殺されたと思われた死柄木でしたが、彼の心を消えないように繋ぎ止めていたのは志村菜奈でした(おそらく出久とともに無意識領域の核心の場に立ち会った際に志村弧太朗と消滅しておらず死柄木を守っていた)。
死柄木は今度こそ消滅する志村菜奈の残滓を見て「おばあちゃん」と独白。また、最後まで死柄木の意識を取り戻そうと死柄木の身体を守ってくれた黒霧の消滅を目の当たりにして「黒霧…」と儚げに独白するのでした。
死柄木と出久の対話
オールフォーワン消滅後、無意識領域にて二人の拳は小突き合うように重なります。
出久がOFAをなげうったことで現実の死柄木の身体は消滅の一途を辿っており、無意識領域の死柄木もまた徐々に消滅を迎えていました。
死柄木は出久が述べたように結局は自分は泣いているガキだったことを認めます。対して出久は本当は悲しみが紡がれないように死柄木を止めたかったと前置きした上で、死柄木のやったことは許せないから戦ったと応えます。
そんな出久の言葉を鼻で笑って見せると、死柄木はスピナーへの伝言を出久に託しました。
『死柄木弔』は最期まで壊す為に戦った──。
死柄木の伝言に出久が「もう…壊したよ」と応えるも、死柄木は朗らかな顔つきで「それは…明日のおまえら次第だな。せいぜい頑張れ」と言い放つのでした。
死柄木弔の消滅
無意識領域で出久と最期の対話を終えた段階で死柄木弔──志村転弧は完全に消滅しました。
しかし、最期に対話した出久の目線には泣いている少年はおらず、死柄木の最後は朗らかな表情でした。
出久は志村転弧を助けることができなかった後悔の念に駆られていましたが、オールマイトが最期にどんな表情だったかが重要であり、死柄木弔が泣いていなかったのなら心は救ったのだと思うと諭したため、出久の心は多少救われています。
オールマイトの述べた通り死柄木の最期の表情は泣いている少年とは程遠い表情であったため、出久によって死柄木の心は最期に救われているのでしょう。
スピナーが死柄木弔を紡ぐ
全面戦争後、復興が進む6月頃に『死柄木弔とはなんだったのか』というテレビ特番が組まれました。
多くの人間を巻き込んだ未曽有のテロを引き起こしたヴィラン連合のリーダーとして死柄木弔の悪名は轟いており、インタビューを受けた民衆の回答は「退治されてホントよかった」「最悪な殺人鬼」「初めはただのチンピラだと誰もが思っていた」「誰もここまでの脅威とは思ってなかった」「破壊が目的の破壊行為なんてのはなんの大義もない」「畜生」などとネガティブなものばかりです。
世間は第二・第三の死柄木やAFOが息を殺しているかもしれない現実に目を向けていきます。
しかし、死柄木の友人として生き残ったスピナーはいずれ死柄木弔やヴィラン連合を忘れて笑って生きていくであろう人間に向けて『死柄木弔という恐怖の象徴は壊す為に生きた』と本を書くことを決意し、出久に宣言。
死柄木の伝言を伝えにきた出久に、自分が死柄木弔を紡ぐのだと意思表明しました。
それに対し出久は「一生忘れない」と固く誓っています。
死柄木弔の境遇に似た少年
決戦後、個性がどこにも属さない突然変異という理由で家族に見捨てられて何年も地下室に監禁されていた少年のエピソードが差し込まれています。
この少年は最終決戦時には地下室に監禁されたままであり、ある日突然「この国は終わる」と告げられると少量の食糧を放り込まれて放置されていました。訳も分からず地下室に閉じ込められたまま過ごしていると戦いの衝撃波で地下室に亀裂が入り脱出することができました。
しかし、ずっと恐怖に浸されていた少年が何年かぶりに見た外の世界の人間は笑顔だったことから、『何で自分だけがこんな目に』と憎悪の気持ちが芽生えていったのです。
ですが、少年が周囲に憎悪を向けて徘徊していると一人のおばあちゃんが声を掛けます。このおばあちゃんこそが志村転弧のオリジンで登場した一度声を掛けてくれたおばあちゃんであり、おばあちゃんはかつて転弧を見捨てたことを後悔していました。
しかし、今回は緑谷出久が死柄木弔との戦いでもたらした『何かせずにはいられない』気持ちに駆り立てられると勇気を出して少年の手を掴むことができたのです。
そのため、この少年はおばあちゃんに保護されたことで支援を受けることができたようで、8年後には雄英高校に通っている姿がひっそりと描かれています。
ある意味でおばあちゃんが死柄木弔という破壊の象徴を生むきっかけとなりましたが、この少年がヴィランに流されなかったのは緑谷出久と死柄木弔の戦いを通して民衆が誰かを助ける行動を学んだ結果であるため、死柄木弔の悪行も負の遺産だけではないようです。
死柄木弔の面影
8年後、出久は完全に無個性に戻りながらも雄英教師になっていました。
無個性でありながら困った人を見かければ体が動くのは相変わらずのようで、そんな出久がもう一度ヒーローになれるように爆豪勝己を中心にA組の旧友は強化服の開発に共同出資しており、メリッサ・シールドと発目明が協力して開発に従事していました。
オールマイトはマルチに個性を使いこなした出久で更なるデータを取りたいと口上し、開発中の強化服を出久にサプライズでプレゼントしたのです。
出久はオールマイトから渡された強化服を着て8年ぶりにヒーロー活動に羽搏きますが、その際、飛び立った出久の視界に映ったのはこちらを見上げる死柄木弔の面影でした。
おそらく、ここで死柄木の最期の台詞「それは…明日のおまえら次第」がかかってくるのかと思われますが、出久は死柄木の面影を一瞥しつつ今日もまた誰かに手を差し伸べるため出動するのでした。
8年経っても出久は死柄木のことを忘れていません。
まとめ
死柄木弔の最後・死亡・その後のまとめ
- 死亡が描かれたのはNo.423『OFA vs AFO』(最終42巻に収録予定の範囲)
- 【ヴィラン連合vs異能解放軍編】
- 死柄木弔が覚醒し崩壊が強化される
- 【ヒーロー全員出動編】
- 死柄木弔を複数個性に適応した身体に改造手術
- オールフォーワンが自身の複製個性を取り込み本物を死柄木弔に渡す
- 死柄木弔が複数個性とオールマイト並みのパワーとタフネスを持って目覚める
- OFAとAFOの干渉でOFAの世界に繋がると、死柄木弔は志村菜奈と対面、出久はこの時の死柄木弔が「助けを求めたように見えた」と語る
- オールフォーワンの定着率が進むにつれて死柄木弔とオールフォーワンの人格が統合されていく
- 【黒いヒーロー編】
- 自身の本体を解放すべく収容されたタルタロス(対「個性」最高警備特殊拘置所)を襲撃する
- 【終章】
- 死柄木とオールフォーワンの人格が混ざり、二つの人格が溶け合った新たな人格を形成する(※主はオールフォーワン)
- スターアンドストライプとの戦いで幾つかの個性を破壊されるとともに回復の個性でも治りきらない『精神の傷』を負う
- 【最後の戦い】
- ベストジーニスト、エッジショット、ミルコ、爆豪勝己、天喰環、波動ねじれ、通形ミリオとの戦いで死柄木弔の身体が最適な形へと変貌し強化される
- 遅れて到着した緑谷出久との戦いで死柄木弔(志村転弧)の核がオールフォーワンの人格を抑え込み体を取り戻す
- スターアンドストライプが遺した死柄木弔の精神の傷に緑谷出久が歴代継承者の個性を譲渡することで、死柄木弔を内側から叩くために死柄木弔の核心(無意識領域)に乗り込むと、志村菜奈とともに幼い志村転弧に手を差し伸べたことで死柄木弔の『憎しみ』が打ち砕かれる
- 死柄木は『憎しみ』が無くなってもヴィラン連合の仲間のためにヴィランのヒーローであろうともがく
- 死柄木弔の心が弱ったことで抑え込まれたオールフォーワンの人格が目覚めてしまい、今度は確実に死柄木弔の人格が殺されて完全に肉体を乗っ取られてしまう
- 緑谷出久は『OFAの残り火』をオールフォーワンに撃ちこむことで感応を起こすと、僅かな残滓となった歴代継承者たちを叩き起こすとともに、死柄木弔をも叩き起こし、ともにオールフォーワンを消滅させる(※志村菜奈は死柄木弔の心が消えないように繋ぎ止めていた)
- 死柄木弔の無意識領域で死柄木と出久は拳を重ねて思いの丈をぶつける
- 死柄木弔は消滅の間際に出久にスピナーに宛てた伝言を託す
- 「壊す為に戦った」という死柄木に出久は「もう壊したよ」と返すが、死柄木は朗らかな顔つきで「それは…明日のおまえら次第だな。せいぜい頑張れ」と言い放ち消滅する
悲劇的な個性の発現と誰も手を差し伸べてくれなかったという生い立ちから憎しみをヒーロー社会にぶつけた死柄木弔でしたが、その全てがオールフォーワンの手の内であることが判明しました。
しかしながら、死柄木弔がやったことは許されないことであり、出久によって救済されてもヴィラン連合のためにヴィランのヒーローで在り続けることを選択し、最期までヴィランとして生を全うしていきました。
オールフォーワンに人生を壊された被害者であり、ヒーロー社会を破壊した加害者でもある死柄木でしたが、最期には出久によって心は救われているので、落としどころとしては良かったのではないでしょうか。
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