【僕のヒーローアカデミア】死柄木弔(しがらきとむら)の過去と個性の発現時期は?転弧のオリジンはAFOが関与し仕組まれていた?

家族を殺害した志村転弧 僕のヒーローアカデミア

漫画『僕のヒーローアカデミア』に登場する死柄木弔(しがらきとむら)。

彼はヒーロー敵対組織ヴィラン連合の若き司令塔であり、劇中では何度も緑谷出久と交戦し因縁を育んでいきました。

では、死柄木弔はなぜヴィランになったのでしょうか。

また、死柄木弔が身に纏う『手』はどのような経緯で装着しているのでしょうか。

今回は死柄木弔の過去(オリジン)についてご紹介したいと思います。

この記事で紹介する内容は?
  • 死柄木弔とは
  • 死柄木弔の個性『崩壊』
  • 死柄木弔(志村転弧)の過去とオリジン
  • 死柄木弔の誕生
  • AFOの関与

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死柄木弔(しがらきとむら)とは

死柄木弔の誕生

引用元:堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』 出版:集英社

死柄木弔は敵連合の司令塔であり、目的は『世界を壊す』こと。

ヒーローへの憎悪は彼の生い立ちに関係しており、中でも平和の象徴であるオールマイトへの執着心はかなりのもの。

劇中では、雄英高校襲撃や林間合宿襲撃、爆豪勝己の誘拐勧誘を通して緑谷出久と因縁を作っており、死穢八斎會と共謀したことも。ヒーローとの全面戦争では名立たるヒーローを『崩壊』で葬ったことから史上最悪のヴィランとして名を残しました。

本名は志村転弧(しむらてんこ)。

個性『崩壊』

死柄木の個性は『崩壊』であり、五指で触れたあらゆる物を崩壊させます。

対象は触れられた部分から徐々に崩れて跡形も無くなりますが、伝播前に切断・分離することで対処は可能。

異能解放軍との戦いで五指で触れずともいずれかの指で触れただけで力の一端を出力、触れていない物にまで崩壊の力を伝播させるまで成長しています。


死柄木弔(志村転弧)の過去とオリジン

死柄木弔(志村転弧)の過去が描かれたのは単行本24巻・25巻(アニメ第5期第24話)

転弧が5歳の頃の出来事が語られており、彼が『崩壊』の個性を開花させヴィランに堕ちた過程が描かれました。

志村一家

転弧の家族構成は6人。

祖父母、両親、姉、転弧の6人暮らしであり、家長は実業家の志村弧太朗。祖父母は母方の両親です。

  • 父、母:弧太朗、直
  • 姉:華
  • 祖父、祖母:千津夫、真子
  • 飼い犬:モン

転弧は5歳になっても個性が発現しなかったため厳格な弧太朗はヒーロー願望を持つ転弧に無個性の現実を理解させるため厳しく躾けていました。全ては将来的に無個性の転弧が不幸にならないためにヒーローを諦めさせるための教育でしたが、弧太朗のヒーロー嫌いも合わさり志村家には弧太朗が決めた「ヒーローの話はしてはいけない」というルールがありました。

不器用な弧太朗以外の家族仲はよく、祖父母、母、姉は転弧を溺愛。転弧の無個性と弧太朗のヒーロー嫌いを除けば裕福な家庭です。

なお、弧太朗は転弧が嫌いなわけではなく、むしろ家族として愛しており、転弧の幸せを思っての教育的指導でした。しかし、弧太朗の過度な躾によって転弧の精神は限界まですり減らされてしまったのです。


OFA七代目継承者・志村菜奈との関係

志村菜奈は志村弧太朗の実母であり、志村転弧の父方の祖母にあたります。

志村菜奈は家族にAFOの魔の手が及ぶのを危惧し弧太朗を里子に出したのですが、幼い弧太朗にとって両親との別れは心の傷を作ることに繋がってしまいました。

転弧は華に誘われて父の書斎で祖母の写真を拝見すると、身内にヒーローがいたことに胸を高鳴らせ改めてヒーローへの憧憬を抱きますが、書斎で写真を覗き見たことが華によって弧太朗に露見かつ転弧に責任をなすり付けられてしまい折檻を受けることになります。

「あれはおばあちゃんじゃない、子供を捨てた鬼畜だ」

「いいかヒーローというのはな…、他人をたすける為に家族を傷つけるんだ」

弧太朗にとって志村菜奈は忌むべき存在であったため、実母への憎悪を膨らませながら、萎縮する転弧に容赦なくビンタを浴びせるのでした。

個性の発現

死柄木(転弧)の個性発現は5歳の頃です。

転弧が祖母の写真を見た当日、庭で飼い犬のモンちゃんと遊んでいるとボールを放り投げた際に手にチリっとした痛みが走ります。

転弧はアレルギー持ちではないのに普段から皮膚の痒みを発症させており、湿気が多い日はとくに荒れた肌が刺激されていたため、その延長だと思い込みました。

しかし、写真の件で弧太朗に叱られると、夜になっても転弧はモンちゃんを抱き締めて庭で泣き続けていました。

父に叩かれる時、見ているだけで助けに来てくれない家族。ヒーロー願望を否定する家のルール。転弧の心は憔悴し我慢の限界をむかえており、家族へ拒絶感を抱き始めたのです。

その時、転弧がモンちゃんの首元を無意識に触れるとモンちゃんの肉体が瞬く間に血肉へと変わることに。一瞬にして血肉と化した飼い犬の死骸を見て当惑する転弧でしたが、タイミング悪く華が謝罪するために自宅から庭先に出てくると飼い犬の悲惨な残骸を見て悲鳴。

転弧は華に説明をしようとしますが困惑と精神的不安から過呼吸のような症状に陥り声が出せなくなっており、逃げる華を必死に呼び止めようと手を伸ばしますが、転弧が縋るように助けを求めた華は転弧に捕まれた瞬間に崩れ去ってしまうのでした。

家族の殺害

転弧は華の死を間近で見た直後に絶叫と嘔吐。

騒ぎを聞きつけた家族(母、祖母、祖父)が次々と庭に飛び出すと庭一面に広がる血肉とそこに蹲る転弧の姿を見て絶句しますが、転弧は助けを求めるように家族の下へ這いつくばって前進します。

すると、転弧が触れた地面に亀裂が生じ、個性の伝播は庭に立つ家族(母、祖母、祖父)を巻き込んでしまうのです。

ただ、母だけは必死に助けを求める転弧の下へ駆け寄って抱き締めようとしますが、転弧を抱き締める直前で崩れ落ちてしまうのでした。また、わずかな距離で母との抱擁を果たせず絶望にのみこまれる転弧の目先では、祖父母が個性の影響を受けて崩れ落ちることに。

一旦転弧の個性暴走が治まったところでようやく弧太朗が騒ぎを聞きつけて自室から庭へと出向いてみると、崩壊した庭と血肉の広がりに驚愕。家族の亡骸と思しき物体を見て深い絶望に襲われますが、縋るように助けを求める転弧を見て悲劇の元凶が彼であると直感。

再び転弧の個性が暴走を初めて庭が崩壊に巻き込まれていくと、弧太朗の手元にたまたま高枝切りばさみが転がってきたため、弧太朗はそれを使って転弧の頭を殴打。意図的に殴ったのか、はたまたそれを使って転弧を引き上げようとしたのかは不明ながら、直後にハッとしたような表情を浮かべた後に転弧の殺意を察知し「やめろ転弧!」と手を翳します。

しかし、殴られたのをきっかけに転弧は明確な殺意を持って弧太朗に触れて「死ねェ」と絶叫しながら個性の力を使って殺害するのでした。

その瞬間、転弧の中には途方もない快感が貫いたと語っており、心のどこかでこの顛末を望んでいたと独白しています。また、自らの意志で父を殺害した直後から痒みは感じなくなりました。


家族を殺した罰

転弧は家族殺害後、逃げるように家を出て街中を徘徊していました。

罪悪感を抱きながら心の内側で周囲に助けを求め途方に暮れるも、異様な形相の転弧に声を掛ける人は誰一人いませんでした。

そんな中、おばあちゃんが心配して声を掛けてくれましたが、転弧が顔を上げるとその形相を見て絶句。すぐに警察かヒーローが来てくれると述べて、よそよそしく立ち去ってしまうのです。

人口密度の高い場所こそトラブルが頻発するもののヒーローが溢れている証拠ですが、それでもヒーロー溢れる社会で転弧の下に誰も助けに来なかったのは家族を殺した罰が当たったのだと転弧は考えました。

すると、転弧は発作のように依然のような痒みが再発してしまいます。

死柄木弔は当時のことを振り返ると、この時もし誰かが手を差し伸べてくれたらこの痒みは治まっていただろうか──と独白しています。

転弧は自身のオリジン(個性の発現と家族の殺害)を記憶から忘れていましたが、異能解放軍との戦いで思い出すことになりました。

AFOの接触

行く宛もなく彷徨い続けた転弧は浮浪者のように高架下に身を潜めていると、一人の男性が手を差し伸べます。

その人物こそAFOであり、AFOは転弧を保護すると氏子達磨に引き合わせメンタルケアを行います。転弧自身コントロールできない破壊衝動抱え、痒みは破壊衝動が溢れている体への信号と解説すると、破壊衝動を我慢する必要はないと諭すのです。

心のままに動けばいい──そう諭された転弧は長く苦しんだ破壊衝動から解放されるように明確な殺意を振るうことを選択し、手始めに自分を殴った男2名の殺害を決行。

また、AFOから贈られた家族の手を装着するようになりました。

ここからAFOが志村転弧を自身の後継者として公に育て始めます。

死柄木弔の誕生と家族の手

死柄木弔が顔や体に装着している手は『崩壊』で殺害した家族と2名の男性の手になります。

まず最初に家族の手を装着するように提言したのはAFO。

怒りや悲しみといった負の感情が風化しないように肌身離さず持ち続けることを勧めると、転弧は家族の手を装着。そして、記憶を閉じ込めた結果感情だけが浮つく不安定な状態で自身を殴ったとされる男2名を手始めに殺害するのです。

破壊を貪る恐怖の象徴として大いなる一歩を踏み出した転弧は、後日、AFOから殺害した2名の男の手をプレゼントされます。この2人の男の手は転弧の門出を祝福してくれた記念すべき思い出として用意されました。

家族と男2名の手を装着した転弧はAFOに死柄木弔と名付けられます。弔は、死を悲しみ別れを告げる意味。死柄木はAFOの苗字。こうして、志村転弧は弔いを招く存在『死柄木弔』へと生まれ変わったのです。

※なお、転弧は家族の手を受け取った際に指先が触れると崩壊が発動して一つ壊しています。そのため、AFOは新たに2名分の手を差しだした際に一つおまけ、つまり新たに5つプレゼントしました。

  • 顔:弧太朗(父)
  • 首2本:直(母)
  • 上腕部2本:千津夫(祖父)
  • 腕2本:真子(祖母)
  • 手首2本:華(姉)
  • 両肩、両脇4本:男2名
  • 後頭部1本:おそらく補填(転弧が壊してしまった父の手の代用?)

AFOの関与

壮絶な過去を経て自らの意志でヴィラン連合を築き上げた死柄木弔ですが、実は全てはAFOの計画の内・・・・・・・・・・でした。

万縄大悟郎と揺蕩井煙と続く二度の接触でOFAの奪還には意志力で上回らなければならないと確信したAFOは、オールマイトに追い詰められる最中にいつの日か彼の意志力を削ぎうる魂の持ち主(最も強い感情、イドを抑圧することで生じる心の機能、原始の欲求、憎しみを醸成する苗床の持ち主)を捜していました。

そこで目を付けたのは志村菜奈の実子である志村弧太朗の家族

接触時には長女は育ち過ぎていたため二人目の子供である志村転弧を苗床に選ぶと、個性発現前に個性因子を奪い取り、抑圧を増進させ、他の子供たちとの差を目の当たりさせ憧憬を与えると、転弧が育った頃合いに再び接触し手を繋いだところで気づかれないように『個性』を譲渡したのです。

その個性はドクター(氏子達磨)の施設にあった可逆性を取り払い破滅にのみ突き進む粗悪な複製品であり、幼い転弧は意図的に『崩壊』の個性を与えられていたのです。

その後の悲劇も否定も試練も肯定も全てAFOが与えたものであるため、個性の暴走で家族を殺害したことも、その後死柄木弔として生きた選択も全て誘導されたものでした。

死柄木弔の行為はけして許されない悪行ですが、彼は本作一番の被害者でもあります。


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まとめ

死柄木弔の過去や個性発現理由のまとめ

  • 死柄木弔の過去
    • 本名は志村転弧(しむらてんこ)
    • 死柄木弔は無個性として生まれる
    • 家族構成は、父母・姉・祖父母(母方)・飼い犬
    • 父方の祖母はOFA七代目継承者・志村菜奈
    • ヒーロー願望を抱く子供だったが、父がヒーロー嫌いであり、無個性の転弧の生来を心配してヒーローを諦めさせようと教育する
    • 転弧は原因不明の痒みを発症させる
  • 死柄木弔のオリジン
    • 個性『崩壊』の発現は5歳の頃
    • 父に叱られた晩に庭で泣いていると飼い犬に触れた瞬間に『崩壊』が発動し飼い犬を殺害
    • 謝りにきてくれた姉が飼い犬の死骸を見て悲鳴を上げて逃げると、引き止めようと掴んだところで『崩壊』が発動し姉を殺害
    • 異変を察知して庭に出てきた母と祖父母に助けを求めようと這いつくばったところ、『崩壊』が伝播して母たちの足元まで影響を与えると、母と祖父母を殺害
    • 遅れて出て来た父が現状を理解したところで再び『崩壊』が暴走すると、父が高枝切りばさみで殴ってきたため明確な殺意を持って父を殺害
    • 家族全員を殺害した後、街中を徘徊していると誰一人助けてくれずヒーローも来ない状況の中、手を差し伸べたのはAFO
    • AFOから家族の手を贈られると「怒りや悲しみといった負の感情が風化しないように」肌身離さず持ち続ける
    • 浮浪中に自分を殴った男二人を殺害したことで『破壊を貪る恐怖の象徴』として大いなる一歩を踏み出す
    • 装着した手は『家族の手』と新たな門出の一歩となった『男二人の手』である
    • 弔は、死を悲しみ別れを告げる意味。死柄木はAFOの苗字として、AFOに『死柄木弔(しがらきとむら)』と名付けられ、志村転弧は弔いを招く存在『死柄木弔』へと生まれ変わる
  • 全てはAFOの計画の内
    • OFAの奪還に意志力が必要と考え、オールマイトの意志力を削ぎうる魂の持ち主を捜す
    • 志村菜奈の実子である志村弧太朗の家族に目をつける
    • 志村転弧の個性発現前に個性を奪い、抑圧を増進させ憧憬を与えて転弧が育った頃合いに氏子達磨の施設にあった可逆性を取り払い破滅にのみ突き進む粗悪な複製品『崩壊』を与える
    • 志村転弧が個性の暴走で家族を殺害したのも、その後死柄木弔としてヒーロー社会を壊す選択をしたのもAFOの計画通り

平和の象徴と対を為す恐怖の象徴として君臨した死柄木弔でしたが、全てはAFOが仕組んだことだと判明しました。

元々個性を持って生まれたはずの転弧の個性を発現する前に奪うことで無個性としての劣等感を植え付け、個性持ちへの憧憬を育み、抑圧を増進し、土台が整ったところで『崩壊』の個性を与えていました。

一人になった転弧にヒーローの手が差し伸べられなかったのは偶然かAFOの差し金かは不明ですが、転弧がヒーロー社会に憎悪を抱いたタイミングでAFOが手を差し伸べて自身の後継者、見事に次の器として育てることに成功しました。

死柄木の過去を見ると、デクの言った通り彼がやったことは肯定できませんが、AFOの関与がなければ普通の個性を発現させて普通の人生を送っていたはずなので作中一番の被害者だと思われます。


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