ホールケーキアイランド編のラスト、ルフィがビッグ・マム海賊団からサンジを取り戻して出航した後に描かれた世界情勢の最中にて、ビッグ・マムがカイドウと接触をはかります。
その際、ビッグ・マムはカイドウに対して「お前おれにでかい借りがあるよね、カイドウ」と発言し、カイドウは「昔の話だ」と跳ね返しました。
そして、ワノ国編で海賊同盟を結んだビッグ・マムとカイドウの会話中に『借り=ウオウオの実』だと判明しました。
今回はビッグ・マムが言うカイドウへの「でかい借り」と悪魔の実を手に入れた経緯をご紹介したいと思います。
ビッグ・マムが言うカイドウへの「でかい借り」とは?
初出は単行本90巻第907話「空の玉座」。
ビッグ・マムは麦わらの一味に面目を潰されたためルフィの首を取りにカイドウが牛耳るワノ国へ出航しますが、カイドウに対し「麦わらの首はおれが取る」と一報を入れます。
対してカイドウもスマイル工場とドンキホーテ・ドフラミンゴの件で麦わらの一味に恨みを抱いていたため、一報を入れたビッグ・マムに対し「あの小僧に恨みがあるのはおれだ。来るなら殺すぞリンリン」と牽制。
しかし、その際にビッグ・マムは「お前、おれにでかい借りがあるよね、カイドウ」と昔の話を持ち出すのでした。カイドウも「昔の話だ」と相手にしませんが、ビッグ・マムが「いや、一生の恩さ…」と釘を刺すとカイドウは言葉を飲み込んでしまうことに。
このやり取りからしてカイドウにとって重要なことであることが窺えますが、ビッグ・マムが言う「でかい借り」の正体はワノ国編中盤で明らかにされるのでした。
でかい借り=悪魔の実「ウオウオの実(幻獣種)」
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
「でかい借り」の真相が明かされたのは単行本99巻第999話「君がため醸みし待酒」。
麦わらの一味を待ち構えるビッグ・マムとカイドウ。ビッグ・マムは目前に迫る『ひとつなぎの大秘宝』を視野に入れますが、カイドウは「本性を出すのが早すぎるだろう」と牽制。
その際、ビッグ・マムは「見くびるな!おれはお前を今でも弟の様に思ってんだよ!」と憤慨。そして、続けざまに「ロックスが滅びたあの日ゴッドバレーでおれがお前にそのウオウオの実の幻獣種をくれてやったんだ!恩は一生だぞカイドウ!」と借りの真相を明かしてくれました。
つまり、ロジャーとガープが手を組んでロックスという海賊を滅ぼした38年前のゴッドバレー事件の最中にビッグ・マムがウオウオの実をカイドウに譲渡したというのが「でかい借り」の真相のようです。
では、どのようにしてウオウオの実を入手しカイドウにあげたのでしょうか。
カイドウが「ウオウオの実(幻獣種)」を食べた経緯
結成して真新しいロックス海賊団に在籍していた若い頃のカイドウは、白ひげの能力を見て自身も悪魔の実を食べることを視野に入れていました。ただ、白ひげに「じっくり探すんだな、一生その体になる」と忠告を受けたため、食べる悪魔の実には慎重になっていたようです。
しかし、38年前のゴッドバレー事件──ゴッドバレーで行われる先住民一掃大会の賞品に誘拐されたシャクヤクが出品されるという情報を掴んだロックス海賊団。その際、ビッグ・マムはその他の出品リストに悪魔の実があることをカイドウに教えると、カイドウはすぐに「能力は?」と食いつきます。
この時、ビッグ・マムは自分の子供に食べさせることを検討している様子なので、出品されている悪魔の実の名前が情報に載っていたことが窺えます。
こうしてロックス海賊団はシャクヤクの奪還と共に賞品を強奪するためにゴッドバレーへ出航しました。
ビッグ・マムが「ウオウオの実」を獲得
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
38年前のゴッドバレー事件の真っ只中、奴隷としてゲームに参加させられていたイワンコフ・ジニー・くまもまた自由になるべく悪魔の実を狙っていました。
そして、島内で世界政府及び神の騎士団がロックス海賊団やロジャー海賊団を筆頭とする海賊達を相手にしている混戦の最中、賞品が保管された第一倉庫に浸入したイワンコフとくまは今大会の目玉賞品の一つ『ウオウオの実』と『ニキュニキュの実』を発見。
二人は何の能力が秘められた実なのか知らないため、現状を生き抜くためにとりあえず食べようとします。
しかし、いざ食べようとした直後にビッグ・マムが強襲しイワンコフから悪魔の実を奪取。この時、イワンコフが持っていたのが『ウオウオの実』であり、もう一つの『ニキュニキュの実』はくまがその場で食べてしまったため、ビッグ・マムはもう一つの悪魔の実を諦めました。
カイドウがビッグ・マムから「ウオウオの実」を強奪
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
その後、「ウオウオの実」をビッグ・マムは将来の海賊団の強大な戦力として息子・カタクリにこの実を食べさそうと野心を燃やしていました。
しかし、第一倉庫付近で意気揚々と悪魔の実を握り締めているところを背後からカイドウが急襲。金棒でビッグ・マムの頬を殴り飛ばすと、油断していたビッグ・マムは悪魔の実を手放してしまいます。
そして、カイドウはビッグ・マムの手元から零れ落ちた悪魔の実に食いつき一口で飲み込んでしまうのでした。すぐに起き上がるビッグ・マムですが時すでに遅し。カイドウは笑みを浮かべながら実を咀嚼し、ビッグ・マムはブチ切れるのでした。
こうしてカイドウは念願の能力を手に入れることができたのです。
なお、早速龍の形態になったカイドウはロックスに「おれも遂に能力を手に入れたぞ!もっと力を試してェ!」と報告すると、ロックスは「よかったな。おれの知る限りお前今一番楽しそうだぜ」と笑い飛ばす模様。
一方的な「一生の恩」
引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社
ゴッドバレー事件終盤、ロックス海賊団は流れで解散することになりそれぞれが島内から脱出を試みます。
そんな中、別れる前にビッグ・マムはカイドウに向けて「いいか、カイドウ。一生の恩だよ。借りは必ず返して貰う」と釘を刺すと、カイドウは「バーカ。お前は争奪戦に負けただけだ、リンリン」とふんぞり返ります。
しかし、ビッグ・マムは「生意気になったね。お前がおれに勝てる日は来ねェ!取り立てに行くぞ」と宣告。カイドウは「返り討ちにしてやる」と意気込みます。その後、ビッグ・マムはシュトロイゼンと共に他のお宝を抱えて島内を脱出し、カイドウは龍に変身して空を飛んでゴッドバレーから脱出しました。
これがビッグ・マムが言う「でかい借り」と「一生の恩」の真相となります。
まとめ
以上「ビッグ・マムが言う「でかい借り」と「一生の恩」の真相」のまとめでした。
当初から「でかり借り」については悪魔の実関連と予想されていましたが、実際には38年前のゴッドバレーの大混戦の最中にウオウオの実を手に入れたビッグ・マムからカイドウが強奪したというものでした。
カイドウを弟のように可愛がっていたのでてっきり獲得したウオウオの実をあげたのだと思っていましたが、まさかの普通に強奪されたというのがビッグ・マムの迂闊さを感じさせられます。
全盛期ではない若い頃とは言え、少し情けないエピソードでした。
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