【ハコヅメ】黒田カナの退職は何話?西川係長の病死とアンボックスのネタバレ

ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 別章 アンボックスの警察学校時代の山田とカナ ハコヅメ

漫画『ハコヅメ』で登場する生活安全課は、要領の良い黒田カナや眉無しスキンヘッドの西川係長、若くして子だくさんの益田など、存在感ある楽しい部署です。

そんな生活安全課の面々が単行本18巻で一新されましたが、果たしてカナや西川に何が起きたのでしょうか。

今回は生活安全課の黒田カナと西川庄司係長が本編から退場した理由・経緯についてご紹介したいと思います。

この記事で紹介する内容は?

  1. 黒田カナの退職は何話?
  2. 『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 別章 アンボックス』のネタバレ


ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 別章 アンボックス

作者:泰三子 出版社:講談社

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黒田カナの退職は何話?

本編で黒田カナの退職について触れられたのは、

  • 単行本17巻その149『撮り直せない写真』…西川係長の警察手帳写真撮影回、川合・藤・牧高・カナの四人で撮った最後の写真回
  • 単行本18巻その150『それぞれが掲げる嗜好の旗印』…黒田カナ退職済

になります。

そして、カナが退職するきっかけとなったエピソードが収録されているのは『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 別章 アンボックス』になります。

また、カナが退官したのはハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 別章 アンボックス収録『別章その9:一致団結』です。

ハコヅメ別章・アンボックスのネタバレ

ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 別章 アンボックス

引用元:泰三子『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 別章 アンボックス』 出版:講談社

『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 別章 アンボックス』は、本編の連載を一時中断しモーニングにて2021年9号から18号にかけて連載

時系列的には単行本17巻と18巻の間の出来事であり、全10話(単行本1巻分に収録)構成。

始まりは黒田カナの岡島県警警察学校時代の回想で、小さな体のカナは同期生たちが走るスピードについていけずに一人遅れて隊列を見出すこととなり教官に叱咤されますが、同期の山田に助けられます。

一方で、横井教官から訓練のことで呼び出しを受けて指導室に連れていかれるカナは、廊下で源と遭遇しジェスチャーで励まされます。

しかし、横井がカナを呼び出したのは訓練のことを責めるのではなく、横井から見てのカナが周囲とうまく付き合っているように見えて他人と深く関わらないようにしているように見えたという疑念からであり、故に警察学校の指導に不満があるのか訊ねるものでした。

横井に詰め寄られたカナは『人の正義感が怖い』と白状すると、20年前の岡島災害で源の実父を巻き込んで死んだ老婆は自分の曾祖母であり、小さな田舎での出来事だったために当時妊娠中の妻を残して殉職した若い警察官に同情する者が多かったことからカナの祖父を中心に家族は村八分に遭い、建設会社を経営していた祖父の会社はあっという間に傾きある日突然自殺。その後、家族は散り散りとなり、カナは祖母が旧姓の『黒田』に戻ってまで貧しい生活の中で育ててくれたことを話します。

そういった経緯から多数の人が振りかざした『正義』から追われるような環境で生きて来たカナは多数派の『正義』側の人間になってみたくて警察官になったわけですが、訓練にも授業にもついていけないという現実から警察学校時代からいつしか退官を考えるように。

しかし、横井に諭されることで自信を取り戻すのですが、今回のアンボックスにて悲劇を迎えるのでした。

『町山市における殺人・死体遺棄事件』の詳細

アンボックスで描かれた事件名は『町山市における殺人・死体遺棄事件』と明記。

登場人物は黒田カナを主人公にした生活安全課および捜査一係(+応援の本部込み)の面々であり、大山翔と秋田るみのカップルの痴話喧嘩の通報から始まりました。(※大山翔と秋田るみは単行本13巻その107話『牧高の受難』で登場した男女間トラブルでの通報常習者)

担当のカナはるみとともに彼女の実家に赴き、るみの母と妹にるみの状況を説明(るみの父親は彼女が小6の頃に病死しているため、女三人家族)。また、週に1~2回ほどの通報を受けるたびに二人に分かれるように促すという警告を警察ができる範囲で行っていると事情を口頭説明。

結果、男女間でのトラブルは急に凶悪犯罪に発展する可能性の危惧から物理的に二人が離れるのが最善であると判断し、るみを急遽実家に連れ帰り、家族が団結して大山翔とは会わない・連絡を取らないようにするという約束を取り付けます。また、実家付近の管轄署には連絡してあるものの警察がずっと警備できないという観点も補足。

万が一、大山翔へ必要な連絡がある場合は弁護士や第三者を通し警察にも連絡するように重ねて補足。

そして、最後にカナは小さい頃から不幸があったが高校生の頃に元教師の防犯ボランティアの人と再会して世界の広さを知り生き方の選択肢が見えたという半生を話すと、るみにも別な世界に目を向けることで別の生き方が見えてくるといった自分が救われた言葉の受け売りのアドバイスを教えました。

しかし、それから二日後、午後3時8分に緊急無線が入ると大山翔と秋田るみが同性していた部屋にて部屋に住人がいないものの部屋中血まみれ状態という通報があった連絡が入りカナは青ざめるのでした。

現場出動中のカナと益田は車中にて何度も通報内容を受け入れられずに「(嘘だ)、(大丈夫、秋田さんならまたいつもみたいに笑ってひょっこり出てくるはず)」と一縷の望みにかけますが、夥しい血痕が広がる凄惨な現場を見たあとは絶望感から悲痛の表情とともに膝から崩れ落ちました。

また、血が腐った匂いで眩暈がするレベルの異臭からるみの生存の見込みが薄く、カナと益田は「(どこで対応を間違った?)、(どうすればこの事態を防げていた?)」と罪の意識にさいなまれると、事件対応の初動は気が動転して西川係長に一喝入れられることに。

しかし、西川は大山翔と秋田るみにしてきた対応に問題はなく、全て自分の判断でカナと益田に命令し二人は上司に従っただけと言いくるめ、余計なことを考えずに今すべきことを考えて行動するようにと嗜めました。

その後町山署にて捜査会議が開かれると、現場アパートに遺留された血液を検査したところ賃借人秋田るみのものである可能性が高く、同棲中で内縁の夫大山翔と連絡が取れない状況から大山がなんらかの情報を握っているとして各部署から応援を集めて捜査を進めることに。

町山署および生活安全課そして被害者家族への誹謗中傷

今回の事件は部屋に大量の血痕をのこした住民男女の行方不明事件としてたちまち全国ニュースとなり、警察が認知していたDV事案が重大事件に発展したという世間の関心度が高いものになりました。

また、捜査会議中にも他部署から『今回の件、町山署員で知らない者はいないくらい取り扱い多いDV事案だった』という質問が投げかけられると、担当のカナは自責の念から息もできずに自分の失態に苛まれて言葉を詰まらせますが、西川係長が矢面に立って本件の経緯を説明。

この時の西川係長の凛とした態度に『なぜ女性を守れなかった』という世間と警察内部からの正義の目に言葉を詰まらせていたカナと益田は、今の自分にできる大事な役割を全うするべく被害者の捜索に再燃し、生活安全課の西川・カナ・益田の三人は秋田るみの家族担当として配備されます。

しかし、翌朝の捜査会議に西川係長が欠席。生活安全課課長から西川が体調を崩したとうう報告を受けると、他の課から『戦犯の警部補が入院って…休みてぇのはこっちだよ』と中傷が飛び交う中、カナは最近の西川の様子を思い出して不安になり課長に容態を聞こうとしますが、課長はカナの言葉を遮るように「すぐ戻ってくるよ」と笑顔を向けるだけでした。

ですが、一方で西川不在のために生活安全課の人員はカナと益田の二人体制となったため、捜査会議中に生活安全課に対し不安視する声が囁かれ、カナと益田はますます居心地悪く青ざめることに。そんな中、(当時)本部捜査一課だった横井が生活安全課の担当につくことを自ら立候補したことで、カナと益田は横井の気遣いに救われます。

その後、被害者家族の実家に向かっているところ、カナはSNSをチェックすると町山署員への心無い書き込みとは別に秋田るみが過去に風俗店に勤めていた宣材写真が流出して家族に対しても事件とは関係な誹謗中傷が拡散されていることを知ることに。

るみ本人はもともと高校卒業後に美容師の専門学校に通って美容師になるのが夢でしたが、資金のために家族に内緒に風俗で働いた過去があったようで、過去の風俗勤務が流出したのをきっかけにネット上では『ヤリマンが死んだだけ』『女の浮気が原因だろう』という憶測だらけの心無い誹謗中傷で叩かれてしまうのです。

中には妹が通う学校名や母親のパート先を特定して『こいつらまで被害者面してて気持ち悪い』という書き込みがあり、妹は今回の件で事件以来世界が敵になったようだと精神的に追い詰められていきました。

被害者の現状を自分の過去と重ねたカナは押し黙ったまま『ひどい目に遭ったのは被害者にもなんらかの落ち度があったから』という被害関係者を責める人の心理状態を反芻し、ただるみの安否を祈るしかできません。

一方で、秋田るみ並びに大山翔の行方に関する情報を近隣住民から聞き取り調査する署員ですが、近隣住民は信用がガタ落ちした警察への不信感から捜査協力を拒むものが多く、事件発覚から現場付近に蔓延る捜査員や記者関係者に早く出て行って欲しいという気持ちが勝り、捜査は難航するのでした。

大山翔の逮捕と秋田るみの死亡確認

事件解決の糸口を掴んだのは刑事課長であり、刑事課長は一人黙々と大山翔に関する過去の資料を読みふけることで大山の行動パターンから潜伏先を絞って目星をつけた場所に捜査員を派遣し見事に発見することができました。

戸成町港付近で特捜員によって追い詰められた大山はそのまま海に飛び込んで逃走を続けるも、現場に駆け付けた中富係長と鎌田部長によって水中で捕獲。同じく駆け付けたカナは二人に抱えられて陸に上がる大山に詰め寄るとるみの居場所を問い詰めますが、大山は泣きながら「山に埋めた」と白状。

その瞬間、その場にいた捜査員全員とカナと益田は一番聞きたくなかった言葉を受けて表情が強張りシンと静まりかえるのでした。

しかし、横井はもうじき報道が来ることを予見しニュースとして全国に流れる前に自分たちの口で最悪の知らせは家族に知らせなければならないと諭し、警察官として何の希望も救いのない結果を家族に報告するために秋田るみの実家へと急行します。

その間、捜査員は大山が自白した山へと急行し遺体の捜索に励んだ末に秋田るみの遺体を発見

横井・カナ・益田が秋田家到着後、横井は『るみさんのご遺体が山中に埋められた状態で見つかり、大山翔を死体遺棄の罪で緊急逮捕した』という報告をしますが、カナと益田は放心状態であり、るみの母は覚悟していたように目を硬く閉じ、妹は現実を受け入れられないように表情を固めていました。

娘に会いたいという母の願いは、殺害後数日間土の中にいた状態という理由で可能ならば会わずにいた方がよいと横井がやんわりと却下すると、母は『あの男を私に殺させてください、謝罪も更生もいらない、るみと同じように苦しめて殺してやりたい』と泣き崩れるのでした。

黒田カナの自殺未遂

大山翔の逮捕後、そして秋田るみの遺体発見後、町山市内では本件の警察叩きに便乗したイタズラによりネット掲示板には児童誘拐宣言などの悪ノリが蔓延り、町山市内全小学校周辺で警察が警戒にあたることに。

カナもまた小学校の警備について子供たちを見送りますが、『殺人事件の被害者を担当していた警察官は氏名の公表も処分もされていない』『被害者のコもご遺族も報われない』『担当警察官にはきっちり刑事罰を与えるべき』『お咎めなしで自分はのうのうと税金をもらって普通に生きていくなんて本当許せない』という市民の不平不満の声を聞き、表情は生気を感じさせないほどに思い詰めていきました。

そんな彼女の様子にいち早く気付いたのは、同じくイタズラの件で防犯ボランティアとして市内を見回ってくれている元教師の岩本であり、岩本はカナの様子をみて声を掛けますが、カナは事件に対しての心配だと受け取り機械的に返答。

岩本がカナの顔色が悪い件について再度声をかけると、カナの地元の野田交番の警察官からカナの祖母の家に石を投げつけられたのか窓ガラスが割られてしまったという電話を受けることに。

通話後、カナが祖母の家の件を岩本に話すと、岩本が知らないはずの祖母が旧姓に戻す前の名字(滝)を口走ったために、岩本がカナを息子を殉職させた滝家の人間であることを知っていたことを確信し、カナにばれてしまった岩本は渋々打ち明けることに。

岩本曰く、カナの祖母は毎年息子(誠=源誠二の本当の父)の命日には線香をあげに来るらしく、岩本はカナの祖母からカナが高校の頃から家に帰らなくなったことを聞いて赤の他人を装いボランティアとして当時のカナに声をかけたと言います。また、カナが警察官になったと聞いた時は驚きとともに町山に赴任した際には嬉しく思ったとカナに伝えます。

カナは自分が旧姓の黒田に戻ったこと、そして成長して顔も覚えていないと思い自分が滝家の人間だと名乗らずにいましたが、岩本は岡島災害の一件から滝家が辛い境遇に立たされたことを知っており、「勇敢であれ」と育ててきた息子の死によってたくさんの人が辛い思いをしたため、今でも息子の死には折り合いがつけられないものの、今の願いは『カナに幸せであってほしい』というものだということを伝えます。

岩本の言葉が心に刺さるカナでしたが、直後に子供連れの母親が声を掛けると、家の駐車場の前に誰かがペットボトルや弁当箱をポイ捨てされているから犯人を逮捕してほしいと頼まれることに。ゴミのポイ捨ての捜査について説明しようとするカナでしたが、母親は突然ヒステリックになって「このゴミを捨てた人が今度は子供を殺しに来るかもしれないでしょ!」とまくしたてると、カナは黙々と処理に励みます。

どこからだろう、どこからやり直せばるみさんを守れたんだろう──。

黙々と作業を終えたカナは、町山署の小会議室にておもむろに腹帯を外し警察官支給品を几帳面に卓上へ並べていきます。しかし、意識は常に秋田るみはどうすれば救えていたのかを自問自答。事件勃発まで大山翔を逮捕できる事案は一度もなかったことから警察ができるのは警告止まり。対して世間は後出しジャンケンで詳しい事情も知らないまま自分の正義を振りかざす。

それでも、秋田るみを担当したのが源や藤だったならきっと事件は未然に防げていたという『たられば』が自分自身を否定していきました。

悪いのは全て自分。

私さえ秋田るみの担当でなければ──。

私なんかが警察官にならなければ──。

警察学校時代に自分なんかが『強い正義』側の人間になれないと気付けていればこんなことにはならなかったのではないかと思うと、不意に『生まれてこなきゃ良かった』という感情が脳裏に過ぎりました。

そんな中思い出したのが警察学校時代に横井教官が説諭した『腰の拳銃は国民が託した警察への信頼の証だ。よってこれだけは許さん。拳銃自殺は国民と組織に対する最悪の裏切りだからな』という情景であり、カナはおもむろに床に座りこむと拳銃を抜いてこめかみにあてるのです。

誰の役にも立てず、たくさんの人を不幸にした。その思いから黙って死ぬことを選び、せめて自分は『仕事に殺された』という意味を残させて欲しいと願うと、涙を流すます。

しかし、引き金を引く直前に小会議室のドアが開くと、何も知らない山田が部屋に入ってくるのでした。

山田は床に座り込んだカナを不審に思いながらも益田がカナを探しているという要件を伝えますが、振り返ったカナが号泣し拳銃を顎に当てている様子からすぐに真顔に。異常事態にもかかわらず山田は駆け寄り拳銃を握るカナの手を掴み上げて状況を整理。机の上に並べられた警察官支給品は後々に検視しやすいように貴重品に並べられており、拳銃も撃鉄が起きている状態だったことからカナが本気で自殺を図ろうとしていたことを受け止めて「何してんの!?馬鹿かおまえ…っ」と激怒。

カナを抑え込んで拳銃を奪うと撃鉄を下ろして難を逃れる山田。そして、カナを叱ろうと振り返ったところ、カナが顔を下げたままひたすらに泣いて謝り続けていたために何も言えなくなり、山田は優しく「…拳銃外すからな」とカナから装備品を取り外すのでした。

その後、山田はカナが自殺しないようにカナの部屋で寝泊まりする生活を続け献身的にサポート。取り調べなどで帰りが遅くなる日も必ずカナの部屋に泊まり監視。

カナは自分ではなく源や藤が担当だったら──たられば理論を再び口遊みますが、山田は鬼瓦教官でさえ無理した結果流産し退官することになったと説諭。ただ、カナは後ろ向きながらも山田が側にいてくれたおかげで考える余裕ができたとし、今は秋田るみのご遺族にできる限りのことをしなければ自分が許せないと再起を決意するのでした。

そんなカナに向けて、山田は「キツイってなったらすぐ俺に言えよ」と述べるほか、もう無理しないように念を押すのでした。

山田の献身的に支えられたことでカナは自殺を思い止まり職に復帰することができました。

空白の三日間の捜査

大山の供述によれば連絡してきたのは秋田るみからであり、大山にはその気がなかったもののヨリを戻したいというるみと一度話し合うために車で事件アパートに赴いたものの、いざ別れ話になるとるみが包丁を取り出して「ヨリを戻さないなら死ぬ」と自暴自棄に出て自ら腹部を刺したとのこと。

しかし、死にきれずに苦しむるみが大山に止めを刺すように懇願したため大山はやむを得ず背中から包丁で心臓付近を突き刺し絶命させたとして、被害者への積極的な殺意を否認していました。

そんな中、本事件の焦点となるのは秋田るみが失踪した当日の午後1時10分頃から大山と合流したと思われる午後4時頃までの『空白の3時間』であり、友人と連絡をとっていなければ周辺のカメラにも映っていないというもの。この足取りを追うことが大山翔と秋田るみとの間で本当は何があったのかを立証する筋道となります。

なお、全国ニュースにもなった本事件の取り調べ捜査官は当初本部の中富係長に指名されますが、町山署の刑事課長の一声で源を指名し源が担当することに。また、源の取り調べにより凶器となる包丁は山に捨てたとして、数日間かけて捜査員が山狩りをして何とか凶器を発見。(藤や川合も捜査員として派遣され、発見に貢献)

秋田るみ殺害から一週間、疲労と寝不足の果てしない捜査員たちの集中力が切れかけたこの頃、源と山田は大山翔の取り調べを続けるも成果はありません。ただし、大山から担当警察官の黒田カナに対しての暴言を聞いた山田は目元を覆って俯くのでした。(なるべく苦しんで死んでほしい。ダンプに5回くらい轢かれて内蔵ぶちまけて泣きながら死んだらウケる、などの暴言)

一方で復帰したカナは秋田るみの空白の3時間を捜査するために再び秋田家を訪問。

しかし、やはり家族もるみが行きそうなところには見当がない。また、母親に関しては父親が亡くなってから妹の面倒を見てくれていた娘は自分でアルバイトして専門学校に通う自慢の娘であったものの、仕事の忙しさを理由に大山翔と付き合うようになってからおかしくなっていった娘を放っておいた自分が悪いとして、世間の誹謗中傷通り母親の自分が悪いとネガティブな思考に陥るのでした。

そんな中、母親が家族三人の食卓でるみが「カナさん、私と年が変わらないのに良いこと言うよね」と話していたのが最後と呟くと、カナはあの日自分がるみに言った言葉を思い出しました。

『世界は広いからいろんな生き方が選び取れます』

これはカナが高校生の頃に岩本からもらった言葉であり、小さな田舎の片隅しか知らなかったカナに世界の広さを教えてくれた大切な言葉でした。

カナが警察官になる生き方を選んだ原点でもあるこの言葉を思い出したカナは、帰り際にとある場所に目星をつけると、横井と益田とともに現場に急行。

そこは何と秋田るみの父親が眠る墓苑。

一週間前の事件当日、空白の3時間に秋田るみは父親の墓参りに訪れていたことが判明。生活安全課の調査により、花屋店員が秋田るみと思しき人物がチョコレートコスモスを購入したのを覚えており、墓前には朽ちかけのチョコレートコスモスが供えられていました。

そして、その花はかつて秋田家の庭に二人の娘のために父親が咲かせた思い出の花だったのです。

花屋の店員から今になって重要な証言を得れたのは、店員がネット等で知った派手な印象の被害者と実際に店を訪れた柔和な女性客との印象が一致していなかったためであり、生活安全課の聞き込みによってようやく同一人物と判明しました。

大山翔の自供により事件解決

生活安全課(横井、カナ、益田)の報告書により秋田るみの空白の3時間の足取りがつかめた他、捜査員(中富、鎌田、川合)の聞き込み報告書を受け取った源はついに勝負に出ます。

生活安全課と捜査員の報告書で合致していたのは『くろすけ』という単語であり、くろすけは秋田るみが愛用している黒猫グッズのシザーケース(誕生日に母と妹がプレゼントしたもの)。花屋では、るみが電話越しで大山に対して『お墓まり終わったら近くのファミレスの駐車場にくろすけをもらいに行く』という会話を店員が聞いており、事件当時には、隣人が『さっきから約束が違うよ、くろすけ持って来てくれてないし』という男女の口論を聞いたという証言がありました。

そして、源は勝負に出るいつものルーティンをこなして取調室に入ると、補助についていた山田は源の後ろ姿越しに大山翔が自供する様を見届けるのでした。

大山の供述によると、秋田るみが大事にしていた黒猫のシザーケースを使えば彼女を誘い出せると考えたらしく、実際にるみと会って関係修復を迫るも断られたために口を塞いで台所の包丁で腹部を刺したというもの。また、それだけでは即死せず、逃げようとするるみの背中から心臓辺りを突き刺したというのが事件の全容でした。

小学3年生の頃の大山は、母親が父親に虐待されている環境で育ちますが、ある日母親が自殺をはかると、母の死体を前に『母ちゃんはもう殴られない。これで父親に怯えなくていい環境で母ちゃんと二人きりになれた』と歪んだ感情が芽生えました。その生い立ちの結果、るみが自分の前から去る直前に『るみが俺の知らない場所で知らない生き方をしようとするのが怖くて不安』と気持ちが昂り、捨てられて一人ぼっちになるくらいなら彼女を殺そうと思い立ったのです。

こうして全ての捜査員の協力の下『町山市における殺人・死体遺棄事件』は多くの不幸をばらまきながら解決することに。

西川係長の病死

事件解決後、カナと益田は報告とお見舞いを兼ねてようやく西川係長の病院へ行くことができました。

当初、西川の性格からしてきっと彼は一番大変な時に責任者が不在にして申し訳ないという気持ちでいっぱいだろうから病室では事もなげな顔をしようと二人で決めることに。そうすれば西川は安心して療養に専念できると思ったのです。

しかし、二人が病室に入った瞬間目に飛び込んできたのは面影もないくらいに瘦せ細った西川の姿でした。

さっきまでの表情が曇り開いた口が固まったまま微動だにできない二人でしたが、西川は「責任者の俺は一番大変な時に不在で本当に迷惑をかけた」と想像通りのことを言います。

狼狽える益田でしたが、カナはベッドに腰掛けて平然といつもの様子・いつもの口調で「みんなでブーブー言ってたんですよ、さっさと戻ってきてくださいよ」と対話。

そんな中、西川は以前罹ったガンが再発していたにも関わらず仕事の忙しさにかまけて検査を後回しにしていたことを告白。元々刑事一筋の警察人生でガン復帰後は生活安全課を通し、しばらくして刑事に戻ろうと考えていたそうです。しかし、実際には生活安全課は想像を絶する忙しさだったとのこと。

ただ、その中でもカナや益田のおかげでやりがいを感じており、西川は満ち足りていました。なお、ここで「可愛くて良い部下を持ちましたね」とカナが茶々をいれると、西川もいつもの調子でツッコミ。

しかし、西川がカナが生活安全課のくノ一としてやってきた当時の話を切り出すと、カナはぐっと泣きたいのを我慢したような顔で静かに話を聞きます。思い出話に浸る西川は部下の活躍を人に褒められるのが嬉しくてたまらなかったと打ち明けると、またみんなで秘匿捜査をしようと意気込むのでした。

カナが事件の端緒を見つけて益田が取り調べる──三人で本部の奴らが驚くような大きな事件を解決しようと今後の夢を語ると、益田は泣きそうな表情で、カナは明るく振る舞った表情で「もちろんです。西川係長のご命令なら喜んで」と答えました。

が、西川係長はそれから二週間後に帰らぬ人となったのです。

なお、西川の葬儀などの描写は描かれていませんので、これが西川の最後の出番となりました。

黒田カナの退官決意

西川係長の死後、カナは猿渡署長から呼び出しを受けることに。そこには猿渡署長、副署長、生活安全課課長の三人が揃っていました。

実は、副署長はカナの部屋に山田が行き来する姿を目撃しており、直近のカナと山田の様子の変容から副署長直々にカナに確認を取ったところ、カナは拳銃自殺しようしたところを山田に止められたという経緯を自供。その後、山田には口外したら自殺すると口止めをしていたことを説明しました。

今回呼び出されたのは副署長から報告を受けた署長の意向であり、カナの今後を話し合う場でもありました。

副署長はカナが拳銃自殺を図ったことによる拳銃の不正利用で咎める意思はなく、自分は一言も相談ももらえないほどに頼りない男だったのかという不甲斐なさや、カナが撃鉄を起こす瞬間まで誰一人同僚の顔が浮かばなかったのかという悲しさから失意に呑まれることに。

猿渡署長は、『町山市における殺人・死体遺棄事件』においてカナは被害者ご遺族の担当や西川係長の不在が相まって大変な思いをしたという心情から、しばらくの休職とカウンセリングを受けるようにという提案をします。

そんな二人の最大限の思いやりも虚しく、カナは「私は警察官を辞めます」と辞職の意向を示すのです。

もはや警察官でいることに耐えられなくなったと述べるカナを前に、かつて同じように退官を決意した現在の妻・鬼瓦を思い出して引き留める言葉が見つからない副署長。

そんな中で生活安全課課長はカナの意思を尊重しカナが辞めたいのならば辞めていいと後押しするのです。その真意は部下を亡くすのはこりごりという西川の一件を含めた課長の本心であり、カナならばどこででもなんでもやれる事を知っているため、カナが決めたことなら応援すると述べました。

こうしてカナは退官を決意し『誰にも知られず職場を去りたい』という最後のわがままを頼み、人知れず最後の業務に移るのでした。

黒田カナの退官当日

数日後、17時30分に最後の業務を終えたカナは人知れず片付けたデスクから最後の荷物を段ボール箱におさめていました。

そんな中、生活安全課に訪れたのは警察学校時代の教官でもある横井であり、横井は課長に仕事の報告をするとカナに向き直ると「カナ、今日で警察辞めるらしいな」と他の署員の前で暴露してしまうのです。

当然、知らなかった署員はカナの下に駆け寄りあれやこれやと質問攻めにしますが、横井は「『誰にも知られず職場を去りたい』そうだね、何甘えたこと言ってるの、引き留める手を全て振りほどいて出て行きなさい」と凛とした佇まいでカナに告げました。

カナは咄嗟に段ボール箱を抱えて部屋を飛び出しますが、署員たちはカナを追いかけます。

生活安全課の署員たちはカナを必死に引き留めますが、カナは無言で廊下を疾走。署員の知恵で同期の刑事課にも応援要請がいき、捜査一係の源や牧高も参加。そして、山田もカナを追いかけて肩に手をかけるとなぜ辞めるのかと問い詰めました。

その様子を見送る横井は教官としての警察学校時代を振り返ると、同期の隊列についていけなかったカナに手を差し伸べてくれた当時の同期が仲間に思えなかったとしても、今必死にカナを引き留めようとしてくれている手があの頃よりちょっと違うように見えているか、と心の中で問いかけます。

そして、カナが山田の手を振りほどいて町山署の外に出たところで、未だ大勢の署員に囲まれている中、生活安全課(二階)の窓から横井が身を乗り出して自分の名前を呼ぶ姿が目に飛び込んできたため思わず立ち止まりました。

あの横井教官がカナを引き留めたい気持ちを押し殺し涙を流しながら「カナ!頑張れよ!」と門出を後押ししてくれたのです。身体には気をつけろ、もう無理はするな、頑張れ、超頑張れ──。

横井の精一杯のエールを受けたカナは号泣。

そして、涙を流しながらも、町山署を、警察を辞めて去っていくのでした。

黒田カナのその後

5年後、カナは日本から約4000km離れたカンボジア北西部で暮らしていました。

現地ではアロマオイルを作る起業家として自ら従業員とともに働いており、現地の人にハーブを栽培してもらいそれをアロマオイルにして日本に売るという活動をしています。

ハコヅメ本編での発言通り『ボールペン1本を1万円で売る』という自信があったカナは、言葉の問題で苦労はしたものの勉強をして事業を立ち上げたとか。なお、仕事をして相応の収入を得るということはそれだけ選択肢と世界が広がるということだと述べており、現地の人の手伝いができたらいいなと思って始めたという彼女の言葉から、精神的にだいぶ立ち直っている様子。

また、今でも町山署で踏ん張り続けてくれている仲間を思わない日はないと述べており、空を見上げた際には生活安全課課長、西川係長、藤、横井、源、益田、川合、牧高、そして山田の顔を思い浮かべています。

一方で、カナはSNSを通じて発信しているようで、興味を抱いた大学生が現地に赴いてきたため自分の仕事を教えるなどといった交流を積極的にしています。

秋田家のその後

事件解決から5年後、岡島新聞社の五十嵐という記者が秋田家に訪問し、5年後の今だからこそ事件当時の悲痛や世間に訴えたいことがないかという名目で話を伺っています。

五十嵐曰く、事件当時の世間の反応で困ったことや必要性を感じた支援、またどういった制度が欲しいかという意見を聞かせてほしいというものであり、事件当初から本件を担当していた五十嵐は最大限の礼儀を持って秋田家に接しました。

その際、秋田るみの妹が現在は姉の夢を継いで美容師になっていると判明。当時母を一人にしまいと地元に居座ると述べていた妹でしたが、勤め先のオーナーから都会の系列店で勤務しないかという提案を受けたところ、母が『るみの分までいろんな世界を見て欲しい』と送りだしたそうです。

そのため、母は一人暮らしであり、妹は都会で美容師として日々奮闘中とのこと。

あの日以来娘を思わない日は一日たりともないと語る母ですが、最後にはるみの心が家族のもとに帰って来てくれたことがカナたちの捜査で証明されたため僅かな心の救済はされており、現在では笑顔を浮かべるように。亡くなった夫と娘との家族の思い出がつまった家で静かに日々を重ねています。

また、居間の仏壇には夫とるみの遺影が置かれています。

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まとめ

  1. 黒田カナの退職が描かれたのは『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 別章 アンボックス(別章その9:一致団結)』
  2. 西川庄司係長が病死したのは『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 別章 アンボックス(別章その9:一致団結))』
  3. アンボックスの加害者は大山翔、被害者は秋田るみ
  4. 黒田カナが拳銃自殺を試みた理由は、自分が担当していたDV事案で死亡者が出て世間や警察内部で誹謗中傷を受けたことと、西川係長不在による仕事の多忙による重圧とストレスによるもの、及び岡島災害での生い立ちが関係している
  5. 西川係長は以前罹ったガンが再発していたが多忙により検査を先延ばしにしていたために悪化し病没
  6. 被害者の秋田家は事件当時世間から誹謗中傷を受けるが、生活安全課の捜査により秋田るみの空白の3時間が証明されたたため僅かに救済されている
  7. 黒田カナは警察を退官後、カンボジアでアロマオイルを作る起業家として働いている

ハコヅメ・アンボックスは、本編で登場した男女カップルをキーキャラクターとして展開する黒田カナを主人公にした作品でした。

しかし、その内容は本編では到底描けないようなリアルかつ凄惨な事件内容であり、SNSが発達した現代の警察官だからこそ受ける誹謗中傷を描いたバッドエンドの内容でした。

あの要領の良いカナがここまでの闇を抱えて追い詰められる経緯は見ていて辛いですし、被害者の背景を知るとそこでも胸が痛み、加害者の生い立ちを知れば本当に過去に受けたDVがこういった事件へ繋がる元凶であることを再認識されますね。

かといって、警察でできることにも限界があり、児相でできることも限りがあるので、非常に難しい題材でもありました。

アンボックスの事件は誰も救われない結果に終わりましたが、多少なりにもカナや被害者が前向きに生きることができたのが唯一の救いでもあります。

 

 



ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 別章 アンボックス

作者:泰三子 出版社:講談社

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