漫画『GANTZ』で登場した千手観音は玄野以外を全滅させた驚異の星人でしたが、何と江戸時代を舞台に連載中の『GANTZ:E』にも登場しています。
果たして『GANTZ:E』に登場する千手観音は『GANTZ』の千手観音と同一個体なのでしょうか。
今回はGANTZの代表的星人でもある千手観音についてご紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- 『GANTZ』で登場した千手観音のおさらい
- 『GANTZ:E』で登場する千手観音について
- 『GANTZ:E』の千手観音の強さと100点説
- 『GANTZ:E』の千手観音の最後とその後
千手観音とは?
引用元:奥浩哉『GANTZ』 出版:集英社
千手観音とは、あばれんぼう星人・おこりんぼう星人編で登場した通称:仏像編のボスのこと。名前の通り千手観音像の星人。
羅鼎院境内の建物内に設置されている千手観音がこれにあたり、千手観音を守るように4体の仏像星人が並んでいます。
特徴は見たままの通り手が多く、それぞれ特殊能力が付与された武器を握っています。
千手観音の武器・能力
千手観音はそれぞれの手に特殊な能力を有する武器を持っています。
代表的なものが『剣』『水瓶』『香炉』『円盤』の4つ。
【千手観音の武器】
- 『剣』…ガンツスーツの耐久度を無効する切れ味。
- 『水瓶』…ガンツスーツの耐久度を無効する強酸。
- 『香炉』…ガンツスーツの耐久度を無効するレーザー照射。
- 『円盤』…体を粉砕されても元の状態に修復及び相手に触れれば体を消滅させる。
- 脳を食べるとその生物の言語知識を取得
千手観音の正体
千手観音の正体は千手観音像の中に入り擬態をしていた怪物のような姿の異星人です。
加藤勝がYガンで転送した際に首を切断し中から出てきたのが千手観音像の中に潜んでいた生命体であり、4本腕に尻尾を生やした首の長い異形の生物。
しかし『GANTZ MANUAL』ではこの姿さえも正体かどうか不明であるとして、不定形生物の可能性を示唆されています。
千手観音の弱点
千手観音には弱点という弱点はありませんが、強いて言えば千手観音の腕の一つが持っている『水瓶』が逆転の手立てになります。
『水瓶』に入っている強酸は千手観音自身に通用するため肉体を溶かすことができます。そして、この強酸は千手観音が持っている『円盤』などの武器も溶かすことが可能なので、作中で桜丘聖が水瓶を蹴り返して千手観音に強酸を浴びせてダメージを与えたように、千手観音に接近し水瓶を利用できるならば勝機はあるでしょう。
しかし、千手観音には『剣』や『香炉』があるため、桜丘聖が接近できたのは千手観音の気まぐれに過ぎず現実的な弱点とも言えません。
素直に一度100点を取りZガンかハードスーツなどの強力な武器を使わなければ、まず一周目で勝てる見込みのない強敵となっています。
本編【GANTZ】では玄野以外全滅
本編では、おこりんぼう星人・あばれんぼう星人、大仏星人、その他仏像星人などを殲滅し残り数体でクリアという希望が湧いてきた直後に登場。
GANTZに参加して初めて協力的な仲間を経た玄野たちでしたが、千手観音は田中星人編から死地をともにした北条政信と鈴村貞代、岸本恵を殺害し、主人公・玄野計たちを初めて絶望へ叩き落としたのです。
そして初参加ながら格闘技に精通した桜丘聖、自衛隊員の東郷十三、割と協力的なトマオとコンタなどの期待のメンバーの奮闘もむなしく、玄野計と加藤勝を除く全てのメンバーが全滅。
玄野は目の前で岸本が殺されたことで激昂し強襲するが千手観音はXガンで粉砕された個所を『円盤』で修復し、玄野の右腕を『剣』で切断、左足を『円盤』で消滅させたため、田中星人編でめざましい活躍をした玄野が重傷を負い倒れてしまった現状、戦えるのは加藤だけでした。
加藤は岸本を殺された怒り、そして自分がボスを倒して早くクリアすれば玄野が生還できるかもしれないという切羽詰まった状況の中、千手観音に挑みました。
戦いの最中、左腕をレーザーで切断された加藤。しかし、加藤は千手観音をYガンで捕縛することに成功します。ですが、転送しかけた際に千手観音は自ら首を切断すると、中から異形の怪物が出現。それが千手観音の本体であり、加藤は千手観音と第二ラウンドを開戦します。
そして、千手観音との殴り合いの末にスーツがオシャカになった加藤は、意識が朦朧とする中で千手観音の『剣』を拾うと千手観音の腕を切断した後、ついに首を落とすことに成功するのでした。
ボスを倒した──そう思い最愛の弟が待つ家に帰れると歓喜する加藤でしたが、千手観音は倒れる間際に尻尾を振るうとそのまま加藤の胸部を貫くのです。
致命傷を負った加藤はそのまま千手観音と相打ちで倒れると、GANTZの部屋に転送されたのは玄野計ただ一人だけとなったのです。
GANTZ:Eで登場した千手観音
引用元:奥浩哉・花月仁『GANTZ』 出版:集英社
江戸時代を舞台にした『GANTZ:E』では、本編で登場した宿敵の千手観音が登場。
場所は『大羅鼎院』。(本編の寺は『羅鼎院』)
時代の経過か修繕のためか境内の様子が随分と違うため、同じ場所かは不明。また、おこりんぼう星人・あばれんぼう星人(GANTZ:Eでは名称不明)は同じ場所に配置されている他、大仏星人も登場。彼らも本編と同じ個体なのか別個体なのか不明。
そして、本編同様に別の建物に千手観音像が置かれているものの、千手観音を守る四体の仏像は別個体。千手観音そのものは本編の千手観音とほとんど同じ姿形をしているものの若干デザインが違います。
本編と同じく未知の言語で語り掛けていることから人類の生物に興味があるのも同じの模様。
GANTZ:Eの千手観音は強すぎ?100点説の浮上
GANTZ:Eでは、既に何回もクリアしたキャラクターが何人か参加しているという設定であり、中にはハードスーツやガンツロボットを所有している者も存在。
今作の千手観音は、そんな強者たちが千手観音を一目見て「こいつだまちがいねえ、大将首」「やばいなこいつは…」「こんな奴始めてだ…足がすくみやがる」と口を揃えて緊張を高めると、異常な強さから「あいつ100点か?」と推測するほど。
更に、千手観音の『水瓶』が放つ強酸はハードスーツをも溶かす性能を持ち、『香炉』のレーザーもハードスーツを貫通して切断する他、ガンツロボットですら切断する威力。
そして、Zガン・ハードスーツ・ガンツロボットを所有するこの時代最強の雷蔵さえも倒すことができない他、雷蔵にガンツソードで斬られたあとは二回りほど大きくなったマッチョ体型で再生し『香炉』の破壊力が向上、最大で六発同時にレーザー照射可能に。この状態では少しだけ人語を発音することができるのか逃亡した雷蔵に向けて「どこいったー」としっかり発声。
神通力を使う市松(本編で言うところの坂田と桜井と同じ能力)が千手観音を粉々に打ち砕くも、今度は五体に分裂(分裂体も同じ武器・能力を使用)。本編の千手観音とは違い、随分と好戦的かつ素早い動きでステルス状態の100点メンバーを次々と虐殺していくと、再び雷蔵と一騎打ちに。(なお、二回目は千手観音五体を相手)
雷蔵は千手観音のレーザーで左腕と右足を失うも三体を始末しますが、残った二体の千手観音は更に進化を始めると胴丸鎧を装着した鎧武者モードに変貌。
死を覚悟した雷蔵が片方の鎧武者に飛び付くとZガンで心中をはかったため、主人公・半兵衛と政吉たちは残る一体と戦うことになりました。
千手観音の最後
- 半兵衛、政吉、お咲、雪姫…前回参加者
- 市松…初参加ながら神通力で千手観音と渡り合う
- その他の参加者たち数名…スーツがないので見物
- 100点メンバー…雷蔵を中心としたベテラン勢は全員千手観音に敗北
鎧武者状態になった千手観音が雷蔵を含める100点メンバーを殲滅した後、今回初参加でありながら神通力で千手観音を圧倒する出力を持つ市松と一騎打ちに突入。(※初参加の市松はスーツなし)
市松は千手観音の『剣』『香炉』を全て神通力のバリアで防ぐと、千手観音を内部から破壊。しかし、千手観音は胴体が千切れると、そのまま上半身と下半身が一回り小さな鎧武者として復元し二体に分裂。
二体で攻めると、力の使い過ぎでバテはじめた市松の右腕を切断するのでした。
しかし、市松が倒れた刹那、Zガンで照準を合わせていた半兵衛が千手観音の一体を撃破。この勢いに乗じて残る一体を畳み掛ける主人公たちでしたが、千手観音の首を落とすも、お咲は両足と左腕を欠損。
これで勝利かと思えば千手観音は生首となっても動き始めました。また、生首状態でも浮遊し両目からレーザーを照射することが可能な模様。
ここで雪姫が両足をレーザーで撃ち抜かれて欠損。そして、政吉が生首を両断するも反撃を受けてスーツがオシャカになると、縦真っ二つになった生首と半兵衛が対峙することに。
Zガンで片方の生首を圧殺するも、もう片方の生首のレーザーにより両腕を欠損し絶体絶命のところ、政吉が拾ったZガンで生首に止めを刺したことでミッションクリアとなりました。
なお、四肢を欠損した半兵衛・雪姫・市松は生還しましたが、お咲は既に死亡していたため転送されませんでした。しかし、今回100点に達した政吉がお咲を再生したため、主人公組は全員生存しています。
千手観音のその後
政吉が千手観音は倒したので転送が開始されていますが、その最中に糸状のものが千手観音の遺体跡からフワフワと浮遊すると人間の死体周りを飛び回りました。
お咲、半兵衛の頭上を通り過ぎた後、その糸状のものは今回生き残った参加者の一人・拾蔵(すてぞう)という少年の鼻から体内に入り込むと、捨蔵に寄生するのです。そのため、拾蔵が転送される際に白目を向くという現象が起きています。
そして、そのままガンツの部屋に転送された拾蔵は不敵に笑うと、その場では何をするでもなく解散し、千手観音は拾蔵として日常へ溶け込むのでした。
なお、生前盗みをやっていた拾蔵を奉行所へ連行しようとする大人たちが現れると、拾蔵は目を光らせ香炉と同じ光線を照射し大人たちを殺害。また、周囲から拾蔵(すてぞう)と呼ばれることで千手観音は初めて宿主の名前が拾蔵と知ることに。
しかし、人間の体に寄生したためか空腹が起こると殺した大人から巻き上げた銭で魚を購入するという世俗的な行動を取る一面も。拾蔵の記憶から人間社会の在り方を得たのか、それとも仏像として潜伏している段階で知識を得ていたのかは不明。
一方で千手観音の意志とは裏腹に知らず知らずの内に拾蔵が妹弟と住んでいたボロ屋に足が運ぶと、拾蔵の帰りを待っていた妹弟が笑顔で出迎えて抱擁。その際、千手観音の意識とは別に涙が零れると奇妙な感情が芽生えて妹弟を抱きしめるのでした。
千手観音が拾蔵に寄生した段階で少年のすべて食べ尽くしたと思っていましたが、なぜか拾蔵の妹弟たちを前にすると奇妙な満足感に包まれることから拾蔵の意志を喰い切れていなかったことに気付きます。
そしてこの満足感の正体は千手観音が食べきれていない拾蔵の強い想いだと結論づけるのです。
そのため、千手観音は人間に近い感情が芽生え始めたのか自問自答するように「お前と一緒に生きていこう、二人で一人だ……」として拾蔵の想いと共生する道を選択するのでした。その後は、拾蔵の想いに応じるように妹弟に購入した魚を食べさせてあげている姿が描かれています。
2023年9月時点では、まだ『GANTZ:E』は未完のため拾蔵がこの先生き残るのかは分かりません。
そのため、拾蔵と共生する千手観音が『GANTZ』で玄野たちが対峙した千手観音と同生命体なのかも不明。もしかしたら、千手観音が寄生した拾蔵の肉体が何らかの事情で消滅したか、或いは千手観音自身が肉体から出ていったという展開であれば、後に現代の羅鼎院に繋がるのかもしれませんね。
GANTZ:Eの千手観音とGANTZの千手観音は同一人物?
先にも述べていますが現段階では『GANTZ:E』が未完のため、千手観音が拾蔵に寄生した後の展開は分かりません。
江戸時代の千手観音は度重なる戦闘で分裂しており、最終的には政吉によって残る一体も討伐されています。しかし、転送中に拾蔵に寄生した千手観音は討伐された千手観音の残滓のようなものに思えるので、もし現代の千手観音と同一の生命体だとすれば力のほとんどを消耗した千手観音なのかもしれません。
拾蔵に寄生した千手観音が現代の千手観音と同一の生命体だと仮定すれば、加藤勝が奮闘した千手観音が雷蔵や市松戦で見せたような能力を使わなかったのは弱体化していたからという理由でギリギリ説明できます。
拾蔵に寄生した段階でも香炉と同等のレーザーを放つ力はあるので充分に脅威ですが、玄野や加藤が戦った千手観音は本来の力とは程遠いのかもしれません。
また、現代の千手観音が最後の一人とは対話をしてみたかったと語ったのは、江戸時代に拾蔵に寄生した経験からくる興味なのでしょうか。
または現代の千手観音と江戸時代の千手観音は別人であり、同じ種族の異星人が地球に来訪した可能性もありますが、GANTZ:Eを読み進めるとその変の設定が見えてくるかもしれませんので注目したいところです。
まとめ
- 『GANTZ』に登場した千手観音は仏像に寄生した不定形生物であり、加藤勝と相打ちで死亡するが玄野計以外を全滅させている
- 『GANTZ:E』で登場した千手観音は『GANTZ』の時より好戦的で進化を繰り返し何度も100点を獲得したメンバーを殲滅する強さ
- 『GANTZ:E』で登場した千手観音は最終的に総力戦で主人公たちに敗北するが、転送間際に参加者の子供に寄生し共生を選択している
- 『GANTZ』では千手観音を倒した加藤勝が死亡したため点数は不明だが、『GANTZ:E』では政吉が千手観音を仕留めており100点未満と判明している
- 『GANTZ』の千手観音と『GANTZ:E』の千手観音が同一個体かは現段階(※2023年9月)では明かされていない
本編で登場した千手観音を筆頭とする仏像星人が江戸時代にも登場しました。
おそらく不定形生物の異星人(千手観音の中身の星人)が仏像に寄生しているだけなので、風神雷神、大仏に寄生しているのも玄野たちが遭遇した星人とは別人なのでしょうが、千手観音だけは過去の戦いで生き残っているので同一生命体の可能性があります。
ただ、江戸時代では拾蔵という少年に寄生して人間として生きているのでどの段階で仏像に戻ったのか非常に気になりますね。
今後の展開次第で玄野たちが遭遇した千手観音とは別個体と判明するかもしれませんのでGANTZ:Eの今後の展開に目が離せません。
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