『鋼の錬金術師』に登場するキング・ブラッドレイはホムンクルスでありながら人間としての家庭を築き家族を持っていました。
今回は、ブラッドレイと夫人についてご紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- ブラッドレイが夫人と結婚した理由と馴れ初め
- 夫人のブラッドレイに対する評価や心境
- ブラッドレイが夫人にビンタされた理由
- ブラッドレイの夫人に対する思い
ブラッドレイが夫人と結婚した理由や馴れ初めは?
引用元:荒川弘『鋼の錬金術師』 出版:スクウェア・エニックス
人生のレールをお父様に用意されてきたブラッドレイですが、意外にもブラッドレイは夫人と恋愛結婚をしています。
ブラッドレイは25歳頃、夫人にビンタを張られていますが、夫人のビンタは神の目をもってしても捉えられませんでした。
そのため、ブラッドレイは夫人を敵にするよりはいっそ味方にと考えて結婚したそうです。
この馴れ初めは『鋼の錬金術師パーフェクトガイドブック3』のカバー裏のおまけ漫画で描かれており、夫人と結婚した理由を訊ねるプライドに対して、ブラッドレイは初対面の時のインパクトの凄さをのろけ話のように語っています。
なお、夫人は怒りの形相でブラッドレイをビンタしており、その時の擬音は『ヒュパァン』。
当時のビンタを思い出すブラッドレイと馴れ初めを聞いたプライドは僅かに震えあがっていました。
夫人のブラッドレイに対する評価
ブラッドレイは60歳にして現役の大総統として仕事一辺倒でしたが、夫人としてはもういい歳だから後任に譲り休んでもよい頃合いだと思っていました。
そんなブラッドレイを仕事はできるが女心がわからない唐変木と評価しており、過去にはブラッドレイに対し失礼な男だとビンタを張ったことをエドとアルにのろけ話のように語っています。(単行本16巻)
『約束の日』当日の夫人の心境
約束の日に備えてマスタング一派に身柄を抑えられた夫人は、約束の日当日、マスタング一派が中央兵と交戦した際にマスタング以外は撃ってもよいという発言を聞きブラッドレイに見限られたのではと蒼白になります。(単行本22巻)
その後、ブリッグズ兵と中央兵の交戦時にはラジオ・キャピタルに出演し、中央軍が夫人を殺めようとしたことやブラッドレイが東部の視察に出払っている中央司令部の門が全て閉鎖されている事実を語り、ラジオを通して現況を国民に伝えました。(単行本23巻)
その際、東部視察中のブラッドレイが乗る列車が爆破に遭い行方不明になっている一報が入ると卒倒。
しかし、ブラッドレイの生存が伝えられると感極まって涙を流して喜びました。(単行本24巻)
ブラッドレイが夫人とのデートでビンタされた理由
ブラッドレイは夫人とのデートで怒らせてしまいビンタを張られましたが、その理由は『鋼の錬金術師パーフェクトガイドブック3』でエンヴィーとラストから赤裸々に語られました。
幼少期から大総統候補として様々な教育を受けてきたブラッドレイですが、残念ながら女心は教わらなかったのでデートは失敗。その結果を地下に赴き報告。
大爆笑するエンヴィーを余所に、ラストが仕方なく女心というものをブラッドレイに教育しますが、女心に対して余程理解力が低いのか終盤にはラストに説教され大汗をかいていたそうです。
そんなブラッドレイにエンヴィーが外見を褒めろとアドバイスすると、ブラッドレイは夫人との二度目のデートでエンヴィーのアドバイスを実行するも、尻だとか余計な部分まで褒めてしまいビンタされるのでした。
したがって、夫人がブラッドレイにビンタした理由は軽いセクハラ発言を受けたからです。この件に関しては特段エンヴィーが悪いわけではないのがまた面白いところでした。
ただ、ブラッドレイが二度目のデートでビンタされた理由が分かったものの、一度目のデートで何をして夫人を怒らせたのか気になってしまいますね。何をしたんでしょうか……。
本編ではお父様関係のことでしか触れ合っていない印象でしたが、プライベートでも案外ホムンクルス同士で仲良くやっていることが分かる貴重なエピソードです。
人間ベースの歳をとるホムンクルスのため見た目で年上に見えがちですが、ブラッドレイはホムンクルスの中では末っ子になるんですよね……。案外、他のホムンクルスから可愛がられているのかもしれません。
ブラッドレイが最後に放った名言と夫人への想い
約束の日の連戦で倒れたブラッドレイのもとに現れたのはランファンでしたが、ランファンは死にゆくブラッドレイに最後に言い遺すことは無いかと訊ねました。
無いと断言するブラッドレイに対しランファンは妻に対しても何も遺す言葉は無いのかと憤慨。
しかし、ブラッドレイは愛や悲しみを説くランファンに対し「なめるなよ、あれは私が選んだ女だ」と一蹴すると、王たる者の伴侶として夫人との間に余計な遺言は必要ないと説き伏せるのでした。(単行本26巻)
夫人に何も遺さず語らず死亡したブラッドレイですが、単行本20巻でホークアイ中尉に「妻だけは自分で選んだ」と語っているため夫人を特別視していたのは確かなのでしょう。
それが愛なのかは分かりませんが、ブラッドレイの人生は夫人あってのものでした。
ブラッドレイと夫人についてのまとめ
- ブラッドレイは初デートで夫人を怒らせた
- ブラッドレイは夫人を怒らせたためエンヴィーとラストに相談し女心を教わる
- ブラッドレイは二度目のデートで尻を褒めてビンタされた
- ブラッドレイは神の目をもっても捉えきれなかった夫人のビンタを受けて『敵にするよりはいっそ味方に』と考え結婚した
- 夫人が当時のブラッドレイを失礼な男と思っていた
- 夫人はブラッドレイを仕事はできるが女心がわからない唐変木と評価
- ブラッドレイは死ぬ前に、王たる者の伴侶として夫人との間に余計な遺言は必要ないと語る
- 生まれてから60年、全てお父様に用意されたレールの人生だったが妻だけは自分で選んだ
- 夫人はブラッドレイとセリムから気に入られている
生まれながらにして大総統としてのレールを敷かれてアメストリスに血の紋を刻むために動いてきたブラッドレイですが、唯一自分で決断したのが夫人との結婚でした。
意外なことに夫人との結婚にホムンクルスやお父様が反対していないことや、寧ろエンヴィーやラストが協力していたことも驚きです。
ホムンクルスとなったブラッドレイに繁殖能力がないため実子はいませんが、同じホムンクルスのプライドがセリムとして養子に入ることでブラッドレイ一家となりました。
最終的にセリムがホムンクルスであったことを知り受け入れた夫人ですが、結局ブラッドレイがホムンクルスという事実は伏せられたまま死別することになったので、夫人視点で見れば悲しいで結末でしたね。
とはいえ、ブラッドレイはおろかプライドにさえ気を許した夫人の気概はもしかしたら作中トップクラスなのではないでしょうか。
そんな夫人を妻にむかえたブラッドレイは、やはり最強の目を持っていただけはあります。