漫画『だがしかし』のヒロインでもある少し残念な駄菓子好きの美少女・枝垂ほたる。
彼女は大手菓子会社「枝垂カンパニー」社長である父親の使いとして、シカダ駄菓子店主の鹿田ヨウをツカウトするためにココノツが住む田舎町にやってきました。
しかし、外見的には高校生であるココノツたちと同年代と思しきほたるの年齢に関しては作中で明かされていないためか、ネット上ではさまざまな年齢の説が飛び交っているのが実情です。
いったい、枝垂ほたるの年齢は何歳の設定なのでしょうか。
今回は枝垂ほたるの年齢についてのさまざまな考察をご紹介したいと思います。
◆ この記事で紹介する内容は? |
枝垂ほたるの年齢は何歳なの?
引用元:コトヤマ『だがしかし』 出版:小学館
枝垂ほたるは、初登場時にココノツ視点で「同年代」と認識されていますが、作中で年齢が明かされていないため年齢不詳となっています。
時折、ほたるの年齢に関するヒントとなる回想や駄菓子の推移が語られていますが、何れもほたるの年齢を決定づけるにはやや情報不足となっています。
しかしながら、作中で登場した駄菓子によって作中時間が2013年から2014年であることはほぼ特定されていますので、それを基にいくつかの駄菓子の歴史からある程度の年齢が考察されています。
「こざくら餅」でわかる推定年齢
単行本1巻収録の『こざくら餅』の回にて、ほたるの年齢がある程度推定されます。
『こざくら餅』というのは水飴を主原料とした小さく象られた四角いお餅の駄菓子であり、青りんご餅・フルーツソーダ餅・三食のミックス餅の三種類があります。(※ちなみに似たような商品がありますが、『こざくら餅』は明光製菓、『もちもちくん』は富士製菓、『さくらんぼ餅』は共親製菓です)
実はこの『こざくら餅』、発売当初は18個入りだったのが消費税導入や原料価格の高騰で現在までに何度か数が減少しているのです。
そして作中の『こざくら餅』の回、再び『こざくら餅』の数が10個に減少したと世間で話題になっていたことからココノツもその事実に驚愕したところ、ほたるが現れ『こざくら餅』の数の減少の歴史を自身の回想付きで振り返ることになるのですが、その年代ごとのほたるの学年が記載されることに。
- こざくら餅の数→18個=ほたるが小学生の頃
- こざくら餅の数→15個=ほたるが中学生の頃
- こざくら餅の数→12個=最近
- こざくら餅の数→10個=現在(2014年連載開始時期)
ちなみにこざくら餅を製造している明光製菓さんはホームページはないため個数の推移を調べるのは一苦労。試しに「こざくら餅 減った」とGoogleで検索してみると、最近の10個に変動した記事くらいしか候補に挙がりません。また、ブログの他にもTwitterでもこざくら餅が10個に減少しているという内容が散見されるほか、2014年は消費税が5%→8%に引き上げられた年ですので、こざくら餅が10個になったのは2014年になります。
つまり、現在の作中時間を連載開始時期でもある2014年と仮定した場合、『こざくら餅』の数が減った時期を特定できればほたるの年齢が判明するというわけです。
しかしながら、明光製菓の『こざくら餅』が発売されたのは1955年(参照元ニッポン放送:https://news.1242.com/article/279289)と判明していますが、その間の個数の変動時期を見つけることはできませんでした。
しかし、過去の記事やブログなどから2006年~2008年時点ですでに12個入りになっていることは確認できています。こざくら餅が15個の時にほたるは中学生ですので、仮に15個の時に中学1年生とした場合、12個に減ったのがほたるが中学3年生の頃としても最低でも19~21歳程度と予想されます。
ちなみに、ほたるが『こざくら餅』を買っていた駄菓子屋の店主であるおじいさんは、ほたるが小学生の時はてっぺんが剥げているもののまだ残っている両サイドの髪は黒色。ほたるが中学生の頃は耳が遠くなっており、最近12個に減ったとの回想の際には残り少ない頭髪もすっかり禿げあがり完全にボケている様子。
駄菓子屋のおじいさん基準で考えれば『こざくら餅』が15個から12個に減るまで数年は確実に経過していると予想されるため、『こざくら餅』が12個に減ったのはほたるが高校生以上の頃が濃厚です。
ですが、『こざくら餅』に関しては決定的な記録が残っていないため決め手には欠けます。
「ペコちゃん人形」でわかる推定年齢
単行本8巻第135話「ミルキー」にて、ココノツがおふくろの味について周囲に聞いて訊ねると、ほたるはおふくろの味はつまるところミルキーはママの味と回答しています。
その際、ほたるはミルキーと言えばペコちゃんを連想すると、幼少期によくペコちゃん人形の頭を叩いていたことを話しており、ココノツはこの町に不二家がなかったため思い出を共有できず落ち込む──というシーンがあります。
この時ほたるの回想で登場したペコちゃん人形ですが、向かって左向きでオーバーオールの姿、瞳には白い切りこみがあります。ペコちゃん人形の歴史は初期型・中期型・現代の三つがあり、現代バージョンは2006年導入。瞳に白い切りこみが入った『ギザ目』が特徴とされており、90年代に一度サスペンダースカートに変更されたものの2007年に再び昔懐かしいオーバーオールに復活したと公式に記載されています。
ほたるの回想に登場したペコちゃん人形は『ギザ目』の特徴から現代バージョンと思われますが、そうなるとほたるは2007年には小学生だったことになるため、2014年時点で19~20歳前後ということになります。
こうなると『こざくら餅』の件と合わせても、ほたるの年齢が20台前半であることに説得力が出てきます。
小説でわかる推定年齢
小説『だがしかし もうひとつの夏休み』では、ココノツ視点で年の頃は自分と同じくらいかやや年上に見える、サヤ視点では同年代と認識されていますので、原作漫画初期と同じ印象です。
ですが、ココノツが大人になったら店のものを買い占めたいという話を近所の連中が言っているという話題を振った際、ほたるは「そういう限られたお小遣いの中でやりくりするのが楽しいんじゃないの?」「社会人になって財布の中身もちょっとは増えて、駄菓子屋の商品を一個ずつ全種類買えるようになっても、きっと子供のときのワクワク感とは別のものになっていると思う」「大人になるって、そういうことなのよ」と発言。そのため、ココノツは「あの…たぶんほたるさん、同世代ですよね…?」と確認しますが、ほたるは質問をスルーしています。
「ジョルトコーラ」でわかる推定年齢
ほたるは作中で『すごく小さいときに、カフェイン二倍の缶コーラを飲んで眠れなくなった』『輸入元のアメリカの会社が破産したから今はもう生産されてない』と言及しています。
調べてみると、1990年代にアメリカのジョルトカンパニー社が販売していたジョルトコーラがその商品に該当すると思われ、最低でもほたるが90年代の頃は小学生低学年かそれ以下だった可能性が浮上。
つまり、ジョルトコーラの日本での生産終了は2001年になるため、ほたるは1995年~2001年の間小学生低学年以下だったと予想されます。
作中時間が2014年と仮定した場合、仮に1990年に小学1年生(6~7歳)だったとすれば、現在は30~31歳。生産終了時の2001年に小学1年生(6~7歳)だった場合は19~20歳になるため、ほたるの年齢幅は19~31歳の間に絞り込めます。
しかしながら、カフェイン二倍のコーラの件に関しては『すごく小さいときに』と強調しているため、未就学児だった可能性もあります。そうなると、ほたるの最小年齢は19歳以下となり、現在も実はココノツたちと同じ高校生という可能性も捨てきれなくなります。
ほたるの「学校」と「高校生」発言
本小説の第7話では、毎日駄菓子を食べているほたるに対しサヤが「太らない?」と質問したところ、ほたるは「太ったことはないわね」と返答。
この時、続けてサヤが「その分、運動してるとか、ご飯減らしてるとか?」と訊ねれば、ほたるは「運動は学校の体育くらいだし、ご飯も普通に食べるわ」と発言しています。
つまり、ほたるは学校に通って体育の授業を受けていることになるわけですが、この時点では学校が高校なのか大学なのかは分かりません。高校ではそもそも必修科目ですが、大学の場合は1991年に大学設置基準が改正されたので体育を専門とする学科以外は必修科目ではなくなっています。そのため、大学の体育は大学ごとに必修かどうか異なりますので、無い大学は無いですし、あるところはあります。
しかし、小説第∞話では、ほたるがココノツの夏休みの宿題を手伝うと切り出した際、自由研究が主題に。ココノツは高校生に自由研究はないと言いますが、ほたるは高校生でも自由研究を課している学校はあると説明。そのため、ココノツは「ほたるさんとこも?」と聞き返しますが、ほたるは「あるわけないじゃない、高校生にもなって!」と回答しています。
また、ココノツ曰くほたるが町にいるのは夏休みの間だけとのことなので、ほたるが学生であるなら夏休みを利用して鹿田ヨウの引き抜きに来ていると考えられます。
このような描写から、小説でのほたるは高校生として描かれているように思えますが、原作者がどこまで監修しているのかは不明です。
不十分な推定年齢の材料
ほたるの年齢についてよく話題に上がるのが『ビール』と『サヤと干支が同じ』というワードです。
ほたるはビールを飲める年齢?
ほたるがビールに関して触れているのは第5話の「生いきビール」と第136話の「鍋」の回。
「生いきビール」の回では、子どもの頃に大人が皆ビールを飲んでいるいるのに自分だけジュースやお茶で何となくその場に馴染めていない寂しさを感じた経験を語っていますが、この回ではほたるが年齢的に飲めないのか、単純に味が苦手で飲めないのかは言及されていないので参考にならず。
「鍋」の回では、ココノツたちを別荘に招待して鍋を振る舞うと、お歳暮で頂いたビールをハジメにあげています。この時、ほたるは「私飲めないから困りあぐねていたのよ」と発言していますが、仮にお歳暮が枝垂家宛てであれば父親に回せばいいだけなのでほたるが処分に困る必要がありませんので、このお歳暮はほたるに渡されたものだと考察されています。
つまり、お歳暮を贈った相手はほたるを成人として扱っていると考えることができるため、ほたるの年齢がお酒を飲める二十歳を超えている可能性が示唆されます。
とはいえ、あくまでもほたるが住んでいるのは枝垂の別荘なので、お歳暮がほたる宛に贈られた確証はありません。が、単行本2巻巻末の四コマによるとこの町の別荘は父親が建ててくれたとほたるが発言しているため、家主はほたるが濃厚です
ほたるは『サヤと干支が同じ』?
ほたるの年齢が16歳・28歳・40歳と限定的に考察されている理由は作中で「サヤと干支が同じ」という発言があったとされています。
しかしながら、原作漫画『だがしかし』や小説を読んでもそのような台詞が見つからないため、現時点では出所不明の発言として不十分な情報であると大抵のサイトで訂正されています。
作者のコトヤマ先生の見解
現在もサンデーうぇぶりで閲覧可能な「コトヤマ先生 / 進め! 漫画道!!」に、以下のような内容があります。
連載作家に漫画のアドバイスをインタビューする本企画漫画において、インタビュアーが『ほたるの年齢』について訊ねたところ、コトヤマ先生は「ご想像にお任せします」と回答されています。
曰く、ほたるの歳は読者それぞれのイメージで見てもらいたいという理由ですが、コトヤマ先生のイメージの中ではある程度の年齢が決まっているようで、非公開で聞いたインタビュアーは「自分もそれぐらいが好きです」と作者のイメージに共感しました。
そのため、作者を含めた公式としてはほたるの年齢は読者それぞれの理想を当てはめるよう推奨しています。
しかしながら、作者とインタビュアーの反応からそれなりに年齢はいっているような印象です。
まとめ
枝垂ほたるの年齢についての考察のまとめ
- 枝垂ほたるの年齢
- 作中で年齢が明かされていないため年齢不詳
- 枝垂ほたるの年齢に対する作者の回答
- ほたるの歳は読者それぞれのイメージで見てもらいたいという理由で読者の「ご想像にお任せします」というスタンス
- コトヤマ先生のイメージの中ではある程度の年齢が決まっているが非公開
- 枝垂ほたるの年齢の考察
- 『こざくら餅』の数が15個から12個になった時期が特定できればほたるの推定年齢がわかる
- 『ペコちゃん人形』の瞳に白い切りこみが入った時期、2007年にほたるは小学生程度の容姿
- 『ジョルトコーラ』をすごく幼い頃に飲んだことがある
- 小説では学校に通っていることを示唆する内容がある(「運動は学校の体育くらいだし」「あるわけないじゃない、高校生にもなって!」などの発言)
- これらの言動から高校生くらいの年齢から31歳までがほたるの年齢と考察される
ほたるの年齢は作者の意向もあり年齢不詳のままです。
一方で、『こざくら餅』の回でほたるの成長とともに内容量が減っている描写があることから、明光製菓製造のこざくら餅の個数が減少した公式記録を見つけることができればほたるの年齢が判明します。
残念ながら明光製菓さんは公式ホームページがないので直接取材するしか『こざくら餅』の推移を知る術はないかもしれません。
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だがしかし
作者:コトヤマ / 出版社:小学館
ここは、のどかな田舎町。駄菓子屋の息子・ココノツはある日、都会から来た美少女に出会う…「うまい棒で最高の組み合わせを作って、私を満足させてごらんなさい!!」「見せてあげるわ…ポテトフライの一番贅沢な食べ方…!!」うまい棒、ブタメン、ラムネなどなど…駄菓子マニアの美少女・ほたるが繰り出す数々の駄菓子たちに…困惑するココノツ!!こうして、少年×少女×駄菓子のおかしな夏が始まった…!!
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