『BORUTO』開始時点でうずまきナルトは32歳設定ですが、九喇嘛とは32年を共生していることになります。
しかし、大筒木イッシキ戦でこれまでずっと一緒に生きてきた九喇嘛とついに死別することになりました。
今回は九喇嘛の死亡と別れについてご紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- 九喇嘛の死亡について
- 重粒子モードとは
- 九喇嘛の最後とナルトとの別れ
九喇嘛が死亡するまでのあらすじ
引用元:岸本斉史・ 池本幹雄『BORUTO』 出版:集英社
単行本13巻、大筒木イッシキ(器:ジゲン)vs果心居士の直後、イッシキは果心居士を下すとカワキを手に入れるために木の葉隠れの里へ赴きました。
ナルトは単行本11巻時点でボルトとカワキの『楔』のおかげでイッシキの封印術から解放されており、イッシキは木の葉の里に侵入するとうずまきナルトと対峙。
一方でイッシキには勝てないと見込むサスケは『殻』の一人・ボロを打ち負かしたボルトの『楔』に着目しつつ、万が一ボルトが完全に大筒木モモシキの器として乗っ取られた場合に止めを刺すと覚悟を決め、ボルトと協力しモモシキの『楔』の力を使ってイッシキを異次元に飛ばすことに成功。
そして、イッシキを木の葉の里から遠ざけた後は、異次元にて大筒木イッシキ(器:ジゲン)vsうずまきナルト、うちはサスケ、うずまきボルトが開戦しました。
しかし、九喇嘛モードのナルトの攻撃は通用せず、ナルトたちはイッシキの神術に手も足も出ずに一方的にいたぶられると、イッシキが攻撃に転用する『立方体』により感知能力さえも阻害され、今まさに一人ずつ始末されようとしていました。
そんな中、九喇嘛は「どうするつもりだナルト、あんな異次元の強さの奴相手によ…」と語り掛けますが、ナルトは火影として里や皆を守るためなら命は惜しくないと述べると、たとえ殺されようがイッシキに絡みついて離さないと宣言します。
現実的な策が何一つない状況で九喇嘛はナルトが本当に死ぬつもりだと悟ると、ナルトは「悪りーな九喇嘛…今回ばっかりはマジでどうにもならなそうだ」と珍しく弱気で謝りつつもイッシキに立ち向かおうとしました。
しかし、ナルトの覚悟を受け取った九喇嘛は一つだけ方法があるとして『重粒子モード』を提案するのです。
重粒子モードの効果と強さ
初登場は単行本14巻第52話『重粒子モード』。
九喇嘛が提案した『重粒子モード』とは、使用したら確実に死ぬ最後の切り札となる正真正銘究極の奥の手。九喇嘛曰くイメージは核融合に近いらしく、太陽がエネルギーを作り出すのと似た原理とのこと。
極端に言えば九喇嘛のチャクラとナルトのチャクラを元手に全く別の新たなエネルギーを作り出す術であり、これまでの九喇嘛モードと六道仙人モードが他所から得たチャクラをそのまま利用する型だとすれんば、重粒子モードのエネルギーは命が尽きるまで九喇嘛とナルトのチャクラを原料として消費しながら作られるという仕組み。
故に、重粒子モードを一分一秒でも稼働し続けるためには無駄な動きも余計な思考も取っ払うことがコツと説明されています。
なお、代償は『九喇嘛の命』。
発動自体は九喇嘛が掌印を結ぶ必要があるようで、九喇嘛が掌を合わせると発動。
赤みがかったオレンジ色のチャクラと九本の尾、黒い紋様が頬に二本線と目の周りに浮き上がり、狐の耳を模した触覚が目尻から生えます。また、黒い紋様は木の葉のうずまきマークを中心に全方へ何本か伸びている模様。
動体視力や運動能力にかけてその強さは大筒木イッシキを凌駕するもの。
ただ、強大な『力』を発揮する重粒子モードはデメリットが大きすぎるため、まともに戦えば数分も寿命が持たないようです。
重粒子モードの副次的効果
重粒子モードは強力な『力』を得るだけのデメリットにより消耗が激しいため、使用者はすぐに死んでしまいます。
しかし、この『命を削る』というデメリットが重要であり、重粒子モードによって削って生まれるこの力はそれに触れる相手の命をも同様に削り取ることができるのです。
九喇嘛の最後
『重粒子モード』の効果を聞いたナルトはイッシキに囚われかけたボルトを救出すると、重粒子モードを発動。
ナルトは火影を目指したあの日からすでに死ぬ覚悟はできていました。
重粒子モードを解放したナルトはイッシキを圧倒。秘術『大黒天』で生み出す『立方体』の攻撃も九尾の尾で簡単に受け止めるほか、秘術『少名碑古那』の高速の杭も素手で掴んで防ぎました。
しかし、木の葉の里内地下施設に避難していたカワキがナルトのチャクラで繋がっている義手からナルトのチャクラが弱まっていくのを感知。急激なパワーアップによる代償の消耗は大きく、数回の攻防でナルトは片膝をつく程度には体力を消耗していました。
ナルトの消耗を見て再び優勢に立つイッシキでしたが、致命的なダメージを受けていないというのに吐血。重粒子モードの副次的効果──それに触れる相手の命をも同様に削り取る──により、イッシキはナルトとの白兵戦で寿命が大幅に削られていたのです。
イッシキの器(ジゲン)の寿命は開戦前で20時間程度でしたが、重粒子モードとの接触により残り30分まで削り取られた状況。
ナルトと九喇嘛の狙いはイッシキを倒すことではなく、ただひたすらに確実に攻撃を当ててこちらの寿命が尽きる前に相手の寿命を削り切るという賭けでした。
重粒子モードの効果に気付いたイッシキはナルトの攻撃そのものを喰らうことが不利になると焦燥。
やっとのことでナルトを取り押さえて上にマウントを取るイッシキでしたが、更に寿命を削り取られて余命10分もないことに更に焦燥に駆られるものの、ナルトに触れたことで義手のチャクラを通じカワキを大黒天で連れ出すという千載一遇のチャンスがやってきました。
この時点でイッシキの器の余命は5分。あともう少しというところでカワキを引きずり出されたナルトはイッシキの殴打を腹部に受けて気絶するのでした。なお、この一撃で重粒子モードは解除された模様。
九喇嘛とナルトの別れ
引用元:岸本斉史・ 池本幹雄『BORUTO』 出版:集英社
単行本14巻第55話『受け継ぐもの』。
サスケのサポート、そしてカワキの奮闘でイッシキを倒すことができたのも束の間、今度はモモシキがボルトの内側から目覚めました。
サスケとカワキがモモシキと交戦する最中、ナルトは体が脱力し動けなくなると精神世界で九喇嘛と顔を合わせることに。別れを言いに来たと告げる九喇嘛といよいよ命が費えることを悟ったナルトは最期の会話を交わします。
ナルトにとって九喇嘛は親の仇でありともに忍界大戦を戦った同士であり、一生を過ごした友でもありましたが、色々と考えた結果ナルトが九喇嘛に伝えた言葉は「何だかんだお前がいてくれてよかったってばよ…ありがとな」でした。
それだけかとやや呆れる九喇嘛。覚悟はしてきた筈のナルトでしたが最後には何を言えばいいか分からないと苦笑。しかし、大筒木に一泡吹かせた九喇嘛は犬死だけは回避できたとやや満足していました。
そして、ナルトもまたボルトとカワキ、里のことへの心配事も尽きないが大筒木に一泡吹かせたことには概ね同意してやり遂げたように話しますが、九喇嘛が「そりゃワシには関係ない事だ。あとはお前一人でどうにかするんだな」と発言したことで怪訝な表情に。
本来ならば尾獣を抜かれた人柱は死んでしまいますが、何と今回のケースはそれに該当しないとのこと。
ただ単に尾獣のチャクラが消えるだけのことであり、今現在のナルトは一時的なショック状態で死んだように見えているだけだと九喇嘛は話します。
理解が追い付かないナルトは九喇嘛を問いただしますが、ここでようやく九喇嘛が『重粒子モードの代償は九喇嘛の命』という事実を突きつけるのでした。九喇嘛は重粒子モード使用時に嘘はついておらず、あの切迫した状況でもナルトであれば『九喇嘛の命と引き換えに力を得る』と説明すれば躊躇していたと考えて伏せていた模様。
九喇嘛にとってナルトとはそういう奴という認識でした。
曇った表情で九喇嘛を見るナルトでしたが、九喇嘛の消滅が差し迫り『シュウウ…』と音を立てて煙が立ち上ると、尾獣のチャクラが消える以上以前のような超人的な強さが無くなることを忠告。
「まぁそれまでの間…せいぜい達者でな…ナルト…」
最期にそれだけ言い終えた九喇嘛は煙に包まれて浮遊するとどこかへ消えてしまうのでした。
一方でナルトは「おい…待てよ…行くな…九喇嘛…!」と九喇嘛に向けて手を伸ばしますが、気が付くと精神世界から現実に戻っており、ナルトの手は元に戻ったボルトが掴んで心配そうに見つめていたのです。
現実に戻ったナルトはサスケに九喇嘛の消失を伝えると「オレはてっきる自分が死ぬもんだと思ってた…」と喪心。
まとめ
- 大筒木イッシキvsうずまきナルト、うちはサスケ、うずまきボルトが開戦し、ナルトたちが窮地に立たされたため九喇嘛は『重粒子モード』を提案
- 『重粒子モード』は九喇嘛の命を代償とする正真正銘究極の奥の手だが、九喇嘛は代償について自分が死ぬことは伏せて使用させた
- 九喇嘛は大筒木イッシキ戦で『重粒子モード』を使った反動で死亡
- うずまきナルトは九喇嘛から真実を聞いた後、九喇嘛がいなくなって喪心している、また尾獣が抜けたため大幅な弱体化
32年間、『BORUTO』での年月を入れればそれ以上かもしれませんが、生まれた時から一緒に育った相棒は大筒木イッシキとの戦いで死別することになりました。
第四次忍界大戦でのナルトと九喇嘛の和解シーンはいつ見ても感動ものですが、やはり前作『NARUTO』を見たあとに九喇嘛との別れのシーンを見ると悲しくなりますね。
ナルト少年編の頃とはずいぶんと丸くなった九喇嘛ですが、最期はナルトを生かすために自らの引き際を見定めた立派な判断でした。