星十字騎士団の一人グレミィ・トゥミューは、想像を現実に変える能力故に味方からも危険人物として扱われています。
めちゃくちゃな能力を持つグレミィの正体とは、また、なぜ更木剣八に敗れたのか、そしてリルトットの意外な関係とは──。
今回はグレミィ・トゥミューについてご紹介したいと思います。
この記事で紹介する内容は?
- グレミィの正体・能力・プロフィール
- グレミィvs更木剣八の詳細と負けた理由
- グレミィとリルトットの関係
グレミィの正体・能力・プロフィール
引用元:久保帯人『BLEACH』 出版:集英社
【名前】 | グレミィ・トゥミュー |
【所属】 | 星十字騎士団 |
【聖文字】 | V |
【能力】 | 夢想家(the visionary) |
【声優】 | 花江夏樹 |
ユーハバッハを除けば星十字騎士団最強と呼ばれている少年。
与えられた聖文字は『V(the visionary:夢想家)』。自らが想像をそのまま現実に変換させる神の如き能力を持ち団員にも一目置かれる存在であり、一度目の尸魂界侵攻時にはユーハバッハ自ら軟禁するほど危険な存在。
本体は容器に入った『脳髄』。少年の姿は彼の能力で生み出したものであるため、肉体を損傷しても想像で復元可能。
本体が脳髄という特殊性から滅却師特有の弓を使わないどころか指一本も使わず『想像力』のみで戦う唯一無二の戦闘スタイル。想像力で生み出す攻撃は巨大隕石から宇宙空間まで幅広く、重火器のような現代兵器も具現化可能。
二度目の侵攻時にはグエナエル・リーとともに出陣しており、草鹿やちるに敗北しかけたグエナエルを粛清。その後、更木剣八と交戦し敗北しました。
グレミィの敗北と最後
グレミィと更木剣八の開戦は単行本64巻573話『I AM THE EDGE』
無間で卯ノ花烈を下した更木剣八は『剣八』の名を正式に継承し十一代目剣八となりましたが、グレミィは剣八を見て想像通りの強さと独白。しかし、剣八を相手取るという経緯から想像の力で戦いの舞台となる土台を具現化させると一対一になります。
そして、星十字騎士団で一番強い滅却師──空想を現実にする『夢想家』のグレミィと名乗るのでした。
グレミィの名乗りに特に興味無さそうに斬りかかる剣八でしたが、グレミィは『鋼鉄を遥かに超える強度』を想像して防御。剣八の初撃はグレミィの肉体に傷を付けられずに防がれましたが、相手が鋼鉄程度の硬さと知った剣八は鉄を斬るつもりで振り直しグレミィを斬り伏せます。
そして、てめえ如きの想像力で俺に斬れねえものなんざ創れねえ──俺が『剣八』だからだと名乗り返すのでした。
こうして正式に開戦すると、グレミィは指一本使わずに剣八を倒すことを宣言。想像力で『溶岩』を生み出すと剣八は理屈の通用しない相手に歓喜。しかし、斬りかかった次の瞬間には空中で『水中』に溺れることとなり、また次の瞬間には地面に『地割れ』が出現。剣八は地割れに叩き落とされると瞬く間に地割れが閉じて圧殺されるのでした。
しかし、剣八は圧殺されておらず地面を砕いて地上へ飛び抜けました。
また、剣八は最強の滅却師を名乗ったのなら『最強なら最強を叩き潰してェんじゃねえのかよ』とグレミィの中で燻っていた闘争心を叩き起こし全力を引き出させるのでした。
グレミィはこれまで自分が他者に恐れられる一番強い存在だという自覚から『誰かを叩き潰したい』と考えたことがありませんでした。しかし、剣八の言葉を受けた直後には自分が一番強いと証明を果たすために更木剣八を叩き潰したいと切望すると戦いに悦びを見出すのです。
しかし、剣八との攻防戦は剣八の剣が止まらないためにグレミィの反応・反撃が遅れていくことに。そのせいか次第に剣八に敗北するというネガティブな想像が脳を過ぎってしまいます。
危うく自分の死を現実にしてしまうところでしたが冷静さを取り戻すと、グレミィは同じ想像力を持った自分を想像し二体に増殖。そして、二倍の想像力で瀞霊廷を消滅させる規模の巨大隕石を招来。
あわや瀞霊廷はこの一撃で消滅するところでしたが剣八が始解『野晒』を解放したったの一太刀で隕石を斬り粉々にしたため瀞霊廷消滅は回避するのでした。
『化け物め』──そう叫ぶグレミィは再び数人の自分を想像し剣八の周囲に展開させると、数倍の想像力で宇宙空間を具現化させ剣八を真空へと追いやり体液の強制蒸発・血液の沸騰をはかるのです。
さすがに宇宙空間に晒された剣八は重傷を負いますが宇宙空間から野晒を振るい反撃。身体を鋼鉄化させるのを忘れていたグレミィは瞬く間に胴体を切断されてしまうものの、具現化させていた自分の複製とともに剣八にしがみつくと自爆するのでした。
かなりの霊圧を消費した一撃でしたが剣八は確実に大ダメージを負っていながらも平然と佇みます。
本当に化け物──そう口から零れ落ちたグレミィでしたが、剣八に勝つには単純に自分が更木剣八よりも強くなればいいと思いつくのです。生まれて初めて誰かに勝ちたいと切望したグレミィは剣八を倒して自分が一番強いことを証明するため『更木剣八を超える強い自分』を想像しました。
しかし、グレミィの肉体が強化されたように見えた刹那、肉体が自損を始めるとやがて片や脇腹など至る箇所が弾けるのでした。そしてそのまま力尽きたように倒れるのです。
そして、グレミィが『勝ちたかったなあ……』と悔しそうに呟くと想像の力が限界を迎えたため、本体の脳髄が出現し、足元に落とされました。
グレミィは自分の肉体が想像の能力で生み出した産物であること、本体が脳髄のみであることをバラすと『言ったろ?指一本だって使わずにきみを殺してみせようってね』と告げます。
最期には『寂しくなるよ、この先の何も想像できない世界を想像するとさ』と言い残して肉体は消滅し、後には霊圧が停止した脳髄のみが剣八の足元に遺されるのでした。
グレミィが剣八に負けた理由
剣八曰くグレミィの敗北は『お前ぇはお前ぇの中で俺を化け物にしちまった。その化け物に殺されたんだ』とのことですが、グレミィは自分の想像力は完璧であり、剣八の力の全てを正しく想像できていたと反論しています。
しかし、グレミィは更木剣八の力を正しく思い描いていたものの、ただ一つ『剣八の力に耐えられる体は剣八の体だけだった』として剣八の体を想像できなかったのが敗因だと語りました。
つまり、グレミィが剣八に負けた理由は『更木剣八を超える力を想像して己のものとしようとしたが、その力に耐えうる肉体を想像しきれなかった』ためです。
そのため、グレミィは自滅を辿ると夢想から醒めることとなり脳髄の機能は停止しました。
グレミィの『脳』のその後
グレミィは剣八に敗北すると容器に入った本体の脳髄を残して想像で生み出した肉体を消滅させていますが、脳髄から発せられる霊圧も完全に停止しているため死亡は確定しています。
しかし、この脳髄がその後どうなったのかと言えば、実は四大貴族が一角・綱彌代時灘がグレミィの脳髄を回収していました。そして、グレミィの脳髄は産絹彦禰を作り上げる工程で使用されています。
産絹彦禰とは、綱彌代時灘がこれまで集めた『霊王の欠片』を核として死神と人間の魂魄(最低でも万単位の魂魄)を混ぜ合わせて作られた存在です。
つまり、産絹彦禰を形作る材料の一つにグレミィの『脳』が使用されているのです。
綱彌代時灘がグレミィの脳を選んだ理由は、数千数万の魂魄と無数の霊圧の欠片による混濁した意識と霊圧の濁流に耐えうる脳が宇宙空間すら即座に想像しうる性能を持ち、なおかつ元の持ち主の魂魄が既に消失している脳髄が『グレミィの脳』だけであり演算装置としてこの上なく最適だったからです。
しかしながら、産絹彦禰の脳味噌にあるほとんどがグレミィの物という発言から全てがそのままグレミィの脳髄ではなく他の材料とも混ぜ合わせてある模様。
11章で産絹彦禰が登場したさいにリルトットたち滅却師が彦禰からグレミィの霊圧を感じ取ったのは彦禰の脳がグレミィの脳だからでした。
グレミィとリルトットの関係
グレミィとリルトットは星十字騎士団に所属し聖文字持ちであるため面識は当然あります。
しかし、小説『BLEACH Can’t Fear Your Own World』では二度目の尸魂界侵攻時直前に会話をしていることが明かされました。
グレミィはユーハバッハの特殊な結界で厳重に封印された檻にいたらしく、一度目の尸魂界侵攻時は連れていかれませんでした。しかし、二度目の尸魂界侵攻に向けて着々と準備を進める段階では封印が解除されており、グレミィは自由の身となっています。
しかし、星十字騎士団や一般の団員たちは彼の能力を警戒し視界に入らないことを徹底していましたが、リルトットだけはグレミィの能力をあてに食べ物をたかりに近づくのです。
リルトットはグレミィを『ばけもん』と罵りながらも空腹を紛らわせるために食べ物を要求。そして、ドーナツの山をタダで貰いながら「ちと甘過ぎだな」とさんざんな物言いでした。
グレミィ曰く罵詈雑言と私利私欲を口にしながら近づいてくるのはリルトットくらいとのこと。
そして、グレミィはリルトットにドーナツを出してあげた見返りを求めてみると意外にもリルトットは『オメーが誰か殺しそこねてんのを見たら、追い打ちぐらいはかけてやるよ』と約束を取り付けます。
ただ、自分が勝てない相手にリルトットが勝てるとは到底思えなかったグレミィは「僕が殺し損ねた奴がいたら君達に殺せるとは思えないけど?」と返答。するとリルトットは『そんときゃ適当に嫌がらせして逃げるさ。ドーナツ一袋で命まで張るわけねえだろ、甘えんな』と一蹴。グレミィはリルトットの自分勝手さに薄笑いを浮かべます。
そんな中、リルトットから戦争が終わって本当に自由になったらどうするのかという質問を投げかけられると、グレミィは想像したことがない未来に苦悶。しかし、しばらくすると『料理を作ってみたい』と答えると、想像外の味ができて面白そうという意欲が湧くのでした。
リルトットはグレミィの言葉を聞くと、例えばグレミィが『辛い』と想像すれば苺ジャムもハバネロソースになるとして、見た目で味が想像できないものにするよう忠告。
そして、グレミィが『次に何か作る時は君が一口で肥満体になる高カロリーのクッキーでも想像しようかな』と述べると、リルトットは『味見ぐらいはしてやるさ』と返しています。
この時の何気ない会話が二人の最後の会話でした。
そして時間は二度目の尸魂界侵攻時、剣八に敗北したグレミィの脳髄の霊圧が完全に停止する様を目撃したリルトットは、グレミィとの口約束通りグレミィが殺し損ねた剣八に追い打ちをかけたのです。
グレミィの死亡を見届けたために彼が死亡したものと思っていたリルトットでしたが、小説『BLEACH Can’t Fear Your Own World』で産絹彦禰からグレミィの霊圧を感じ取った時にはもしかしたら実はグレミィが生きていて産絹彦禰という器を想像で形作っているのではないかと推測したものの、その推測は彦禰の口から否定されると同時にグレミィの脳髄が彦禰を形作る材料として使用されている事実を知るのでした。
真実を知った際のリルトットは『…だよな、あのクズ野郎が生きてるわけねえか』とどこか期待を裏切られたように落胆しています。
まとめ
- グレミィ・トゥミューは聖文字『V(the visionary:夢想家)』を与えられた星十字騎士団の一人
- グレミィ・トゥミューの正体は『脳髄』で、体は想像で作った産物
- グレミィ・トゥミューは更木剣八と戦い敗れた
- グレミィ・トゥミューが更木剣八に負けた理由は『更木剣八を超える力を想像して己のものとしようとしたが、その力に耐えうる肉体を想像しきれなかった』ためであり、自滅に至った
- グレミィ・トゥミューの『脳髄』は綱彌代時灘が回収し産絹彦禰の演算処理を担当する脳に使用されている
- グレミィ・トゥミューはリルトットに想像でドーナツを出して食べさせてあげており、リルトットはドーナツのお礼に『オメーが誰か殺しそこねてんのを見たら、追い打ちぐらいはかけてやるよ』と約束していた
最強の滅却師を名乗るグレミィはその自信にたがわぬ規格外の能力で剣八を圧倒しましたが、最後には自滅という形で決着してしまったキャラクターです。
もしグレミィが親衛隊に選ばれ聖別で力の再分配を受けていれば、剣八でも手が付けられない本物の化け物になっていたかと想像すると自滅で終わるには惜しいキャラクターでした。
BLEACH Can’t Fear Your Own World 合本版 原作:久保帯人 著者:成田良悟 |
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