大人も子供も楽しめる国民的推理漫画『名探偵コナン』。
その第28作目となり2025年4月18日に公開される劇場版『隻眼の残像(フラッシュバック)』は、毛利小五郎と長野県警の刑事三人が主役に描かれています。
今回は映画にも登場する長野県警の刑事の一人・諸伏高明のプロフィールと過去についてご紹介したいと思います。
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諸伏高明(もろふしたかあき)とは?
引用元:青山剛昌『名探偵コナン』 出版:小学館
名前 | 諸伏高明(もろふしたかあき) |
あだ名 | コウメイ(名前を訓読み) |
所属 | 長野県警察刑事部捜査一課 |
階級 | 警部 |
年齢 | 35歳 |
初登場 | 単行本65巻 FILE.8「赤い壁」 |
諸伏高明は、整えられた口髭、右分けの髪型、懇切丁寧な言葉遣いが特徴の刑事で頭脳明晰。初登場時は所轄の新野署に勤務していましたが74巻にて自力に長野県県警本部に復帰。
モデルは蜀漢に仕える軍師・諸葛亮(字は孔明)であり、諸葛亮孔明──所轄のコウメイがやりたかったのだと思われます。
長野県警本部の大和敢助と上原由衣とは小学生からの幼馴染で同僚(由衣とは6歳差)。大和とは、警察学校の研修でともに交番勤務も経験しています。
三国志や中国の故事に因んだ諺や言葉を好んで使うことが多く、毛利蘭がいる場合は度々彼女が翻訳機として言葉の意味を説明する下りが定番化されています。
一見して冷静のように思えますが、大和や葵など大切な人物に関わる事件になると規律を逸脱した強引な捜査を行うなど、やや危ない側面もあります。
ちなみに警察学校編収録のQ&Aにて、最初に景光をデザインした時に高明に似ていたことから兄弟設定になったと回答されています。
所轄移動の理由
幼馴染の大和敢助は、かつてある事件を追ってる最中に雪崩に遭い左目と左足を負傷し行方不明になったことがあります。
その際、諸伏は上司の命令を無視して単独で他県まで足を運びかなり強引な捜査で大和警部が追っていた被疑者を確保し、雪崩に遭ったことを聞き出し大和が入院する病院を見つけました。
事件は解決しましたが、この一件の責任を負う形で所轄に移動させられることになったのです。
諸伏高明の悲惨な過去
引用元:青山剛昌『名探偵コナン』 出版:小学館
高明は現在35歳ですが、わずか35年の間に両親・弟・好意を寄せていた女性など大切な人を全て失っているという、どの漫画作品も吃驚するような悲惨な過去を持っています。
両親の死
諸伏兄弟の両親は「長野夫婦惨殺事件」の被害者であり、二人が子供(高明が中学生、景光が小学生)の頃に殺害されています。
当時、父と母と景光の3人で夕食を食べていた夜7時半頃、犯人が来訪。犯人は父親の知り合いらしく最初は玄関で穏やかに会話していたものの、段々と犯人が声を荒げたため母親が玄関に様子を見に行くと、父親の悲鳴とうめき声が。
血相を変えて戻ってきた母親は景光を押し入れの中に隠しますが、景光が押し入れに隠れている最中、母親と犯人が言い争う声がしばらく聞こえると、やがて母親の声も聞こえなくなるのです(※なお、押し入れというのは記憶の混同であり実際には横にスリットがあるクローゼット)。
そして、押し入れの中にまで鉄の匂いが立ち込め始めた頃、景光を探す犯人の声が聞こえたため、景光は押し入れから部屋の中を覗いてみると血まみれの包丁を手にした犯人を目撃してしまいます。
その後、景光は押し入れに隠れたままいつの間にか眠ってしまいますが、翌朝の昼頃、中学の林間学校から帰宅した高明が両親の死体を発見。また、押し入れの中にいる景光を見つけて事情を聞くという流れで事件が発覚しました。この事件がきっかけで両親を亡くした兄弟は、高明は長野、景光は東京の親戚に預けられることになったのです。
景光はこの事件のショックで軽い記憶喪失と失声症になったため「長野夫婦惨殺事件」は長らく未解決事件となっていましたが、景光は成長とともに当時の記憶を思い出してきたため警察官の目で事件を追い犯人を確保する目的で警察学校へ入ると、警察学校編で景光は同期の4人と協力し15年越しに解決に導きました。
諸伏景光の死
諸伏景光(もろふしひろみつ)とは、諸伏高明の実の弟であり、安室透の同期で警視庁公安部の警察官。安室とともに黒の組織に潜入し「スコッチ」というコードネームを得て内部まで潜り込みますが、組織にNOCとバレた末に、駆け付けた安室の足音を組織の追手と勘違いし赤井秀一の前で友人や家族の情報を守るため携帯電話ごと自身を撃ち抜き自害しました。
諸伏兄弟は、両親の死後に長野と東京で離れて育っていますが、連絡は頻繁に取っており、幼少期には景光からあだ名が「ゼロ」という友達ができたと報告を受けていました。また、景光が警察学校を卒業した際には制帽と制服姿の写真付きの手紙が届くほど兄弟関係は良好。
しかし、高明は最近まで景光と連絡を取り合っていたようですが、随分前に『警察を辞職し別の仕事に就いた』という報告を受けて以降、一切の音沙汰がないと語っており、初登場時点で弟が殉職したことを知りませんでした。
ある日、字が滲んでいて読み辛いが辛うじて「諸伏高明」宛と読み解ける封筒が送られてきたため、高明は警視庁へ向かいます。封筒を送ったのは佐藤刑事であり、殉職した伊達宛に一年前に届いた荷物の中に「諸伏高明」に送ってほしいというメモ書きが添えられていたため、今回整理した際に送付したという経緯でした。
高明は警視庁で佐藤刑事と高木刑事の立ち合いの下、封筒の中身を確認すると出てきたのは中央に穴が開いたスマートフォン。穴の内側には黒ずんだ染みがあり、裏面には傷に見せかけた独特の「H」の文字が刻まれてしました。
高明はこれらの情報からこのスマートフォンの持ち主が弟の景光であるとともに、弟が配属先の潜入中にでも命を落としたと察するのでした。
降谷零 / 安室透との面識
警視庁から帰り道、高明は封筒の裏に書かれた「0」の文字から、幼少期の景光が話していた友達のあだ名「ゼロ」を想起しており、封筒の差出人が「ゼロ」と呼ばれる弟の友達と推察しています。
『36マスの完全犯罪』の事件回で、毛利小五郎から長野県警管轄下で起きた殺人現場の動画が転送されると、高明は動画内に移り込んだ安室透に注視。
高明は安室の顔を見て、東都大学に通っていた頃に東京で一度景光とカフェで待ち合わせした際に弟が紹介した友人であること、そして、その名前が『降谷零』であったことを思い出します。
また、『降谷零』という名前から景光が言っていたあだ名が「ゼロ」の友達と関連付けると、封筒の差出人が降谷零(安室透)であると自力で辿り着くのでした。
なお、高明は降谷零の事情や境遇を鑑みて現時点では接触を控えています。
山村ミサオとの面識
高明と山村ミサオについては単行本102巻「群馬と長野、県境(ボーダー)の遺体」にて回収済。
本回にて、山村は高明を一目見て「あなたとはどこかで会ったような気がして──」と口にしますが、実は山村と景光は長野にいた頃の幼馴染であり、高明の目元が景光とそっくりだったためどこかで会ったような気がしていました。
今回の事件で初顔合わせとなった景光は、山村に弟とは警察官を辞めたという報告以来音信不通であると伝えますが、5年前、山村宛に「君の家に行く」と差出人不明のハガキが届いたというエピソードを聞くと、山村と景光が幼少期に使っていた秘密基地に景光が山村宛に残した「僕も警察官になったよ」というメッセージをともに発見。
その際、そのメッセージを見て涙を浮かべる山村に対し、高明は弟は警察官を辞めずにおそらく警視庁の公安部に配属されているという自身の推察を打ち明けます。公安部であれば、身分を隠すために身内にも警察官を辞めたことにするため、山村に会うためにわざわざ辺境の秘密基地にこのようなメッセージを残したのは十中八九そういうことだろうと言って落ち込む山村を励まし元気づけるのでした。
なお、景光の死亡については一切を伏せています。
小橋葵の死
小橋葵とは、3年前に心臓発作で亡くなった高明の同級生であり、高明が好意を寄せていた女性です。
単行本65巻収録の「死亡の館、赤い壁」の回にて、初登場の高明は新米刑事と一緒に別の事件の聞き込みを終えた後、丁度葵の命日ということもあり彼女が亡くなった倉庫に花を供えるために立ち寄り事件に巻き込まれました。
葵は、高明をモデルにした学校で起こる奇妙な事件を同級生の名探偵が解決するという内容の「2年A組の孔明君」の作者であり、本作に登場する言葉遣いが乱暴なライバルのモデルが大和となります。
まとめ
以上、諸伏高明のプロフィールと過去の紹介でした。
諸葛亮孔明をモデルに「所轄のコウメイ」を出したかった一発ネタかと思いきや、いつの間にか悲運の刑事となってしまった高明。悲惨な生い立ちでありながら紳士的かつコナンも認める聡明な頭脳を持つ高明は他の作品なら主役であってもおかしくありません。
本作では長野県警の刑事自体がレアキャラなので登場回数は少ないですが、優秀な長野県警の登場回はハズレがないため、高明らが登場するとテンションが上がります。
これ以上、高明に不幸になってほしくはありませんが、まだ安室とも正式に言葉を交わしていないため、何か追加設定がありそうですね。
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