【ワンピース】お玉の正体は「黒炭」?両親の墓標の名前とその後について

お玉 ONE PIECE

漫画『ONE PIECE』のワノ国篇で登場した、お玉。

お玉は8歳になる少女で、4年前には九里に漂流したポートガス・D・エースと親交を深めており、ワノ国篇では同じく九里ヶ浜に漂流したモンキー・D・ルフィに危ない所を助けられその後ろ姿にエースの面影を見ました。

普段はひえを食べ、年に二度だけ米を食べられる程度の貧しい暮らしをしているお玉ですが、お玉はなぜ正体を隠した光月スキヤキに育てられているのでしょうか。

今回はお玉の正体についてご紹介したいと思います。

この記事で紹介する内容は?
  • お玉の正体と本名
  • お玉のその後

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お玉の正体と本名

お玉の両親の墓標に「黒炭」と書かれているシーン

引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社

単行本104巻第1051話で描かれたお玉の回想にて、お玉の両親の墓標に「黒炭」と書かれているように読めると話題になりましたが、単行本105巻のSBS内にてお玉の正体は黒炭の末裔であり、本名は黒炭玉くろずみたまと判明しました。


黒炭家の迫害

黒炭家の迫害の始まりは権力闘争にあります。

光月スキヤキの先代の光月家には世継ぎが生まれず、光月に仕える5つの大名家は次期将軍の座が誰になるのかざわついていました。そんな中、黒炭オロチの祖父は大名たちを順に毒殺する準備を進め、内乱を装い一人ずつ消して回ると、先代将軍は立て続けに死ぬ大名たちを気に病み病床に伏すことになります。

しかし、計画が順調に進んだところで光月家には念願の世継ぎ──光月スキヤキが誕生。

そして、黒炭家は次期将軍の座を取り損ねた上に毒殺計画が露見したため、オロチの祖父は「切腹」、お家は断絶、領土も城も地位も剥奪されてしまいます。

こうして黒炭家は全てを奪われるとともに、「黒炭」の名は蔑まされ一族は路頭に迷うことになったのです。

が、黒炭家は転落するだけにとどまらず、罪を犯した張本人が処された後も残された親族は見ず知らずの正義の味方に追い回され暴力を振るわれる日々に怯えることになります。黒炭の親族はたとえ老人でも子供でも関係なく「黒炭という血筋」を持つだけで何をしていなくても迫害され続けるのでした。

お玉の両親の死因

お玉の両親の死因は明かされていません。

しかしながら、お玉の回想の中で両親の訃報が知らされる直前に「日常的に工場で死人が出る」ことが記されているため、お玉の両親も奴隷として工場で強制労働を強いられて死亡した可能性があります。

一方で、大衆演劇の一座に生まれた黒炭カン十郎の両親が「大名殺しの一族」という理由だけで舞台上で突然斬りかかられて殺害された事例があるように、何もしていないのに「大名殺しの一族」というだけで殺害されたことも考えられます。

奴隷としての過労死か、黒炭としての迫害による殺害かわかりませんが、仮に工場で働かされていたのならば「黒炭」の血筋でありながらオロチとは思想が別れていたのではないでしょうか。

わずか5歳未満の子供が漢字で「黒炭」と書けるとは思えないので、両親の墓を町民の誰かが立ててくれたのだとすれば、両親と町民の関係は良好だったように思えます。


光月スキヤキがお玉の面倒を見るのは贖罪?

お玉は両親の死後、コマちよと二人で暮らしながら笠を編んで生計を立てていましたが、光月スキヤキが幽閉状態から脱走し天狗山飛徹という名で身分を隠しているところ、孤児のお玉と出会い面倒を見るようになりました。

当然、九里で出会った当初にお玉の素性を知っていた可能性は低いでしょうが、その後にスキヤキがお玉の素性を知ったのかは不明です。

しかし、お玉の両親の墓標に黒炭の名が刻まれていることや、編笠村の村人らがお玉と親交がありそうなところから、九里で過ごしていればスキヤキがお玉の苗字を知る機会はいくらでもあるように思われます。

スキヤキがお玉を「黒炭」と知って保護しているのか、保護している段階で「黒炭」と知ってしまったか、はたまたお玉を「黒炭」の末裔と知らないまま保護し続けているのか、何れも本編内容だけではわかりません。

しかし、仮に途中でスキヤキがお玉の素性を知ってて面倒を見ていたとすれば結果的に「黒炭」への差別と迫害を生んだことと、その迫害を止められなかった罪滅ぼしの意味があったのかもしれません。

もし、お玉の両親の死がオロチではなく「黒炭」への迫害に起因していたならば、8歳に満たない子供が両親を亡くした末にひもじい生活を強いられている現状を知った際に罪悪感を覚えたのではないでしょうか。

お玉とエースは「血筋」に問題を抱える者同士

4年前、九里ヶ浜に打ち上げられたポートガス・D・エースはお玉と親交を深めていますが、この二人には共通点があります。

お玉は黒炭の末裔として生まれたためワノ国では迫害の対象となりますが、エースもまた海賊王ゴールド・ロジャーの息子として生まれたため世間から迫害されて生きてきました。

また、鬼ヶ島でエースとヤマトが交戦した際にエースが「親は選べねェぞ」と吐き捨てたように、お玉とエースの共通点は血筋によって他人から疎まれていることであるため、お玉とエースを絡めたのはそういった意味合いがあったのかもしれません。


ワノ国編終了後のお玉のその後は?

忍者修行をするお玉

引用元:尾田栄一郎『ONE PIECE』 出版:集英社

モモの助がワノ国の新たな将軍となり統治を始めた後、お玉はしのぶに弟子入りしてくノ一を目指しています。

ルフィとは「忍術を使えたら仲間になる」と約束を交わしており、単行本109巻から扉絵連載された「鬼の子ヤマトの金稲荷代参」にて、編笠村でしのぶの指導の下忍者の修行をしている姿が描かれました。

その際、ヤマトが代参の際に納める刀がホームデルに盗まれてしまい、ヤマトとお玉、そしてスピードとともにホームデルと対峙する場面も描かれたことから、ワノ国編の収束時にお玉がスピードに述べた「ずっとそばにいてくれたらいいな」という言葉通り、スピードはお玉の身近に暮らしているようです。


お玉の「血筋」には触れられていない

お玉の姓については最後まで誰も触れていません。

ルフィたちがワノ国を去ってからもモモの助や赤鞘の面々がお玉の血筋について知る機会があったのかは不明であり、お玉が迫害されるような描写は今の所ありません。

一方で、105巻SBS内で尾田栄一郎先生が「お玉が黒炭家の血筋だと知ったら周りはどう反応するでしょう。想像してみてください」と触れている通り、犯罪者を出してしまった血筋のその後は「昔も今も社会の大きな問題」となっているのが事実です。

そのため、お玉の血筋の発覚は時間の問題であり、たとえ将軍であるモモの助がお玉を守ろうとしても差別や迫害の意識が完全になくなることはないのでしょう。

なお、扉絵連載「鬼の子ヤマトの金稲荷代参」にて、ヤマトがカイドウを憎む子供たちから石を投げられていることから、ヤマトに関しては血筋が知れ渡っている模様。仮にお玉の血筋も周知されているとすれば、ワノ国の全ての民に受け入れられるのは難しいのかもしれません。

とはいえ、お玉には師匠であるしのぶ、親代わりのスキヤキ、スピードを始めとする血筋で差別することのない頼れる仲間が大勢いるので歴代の黒炭のような迫害を受けることはないと思われます。

日和の「燃えてなんぼの黒炭に候」の意味

オロチとの因縁の決着時に日和が放った台詞についても単行本105巻のSBS内で補完されています。

尾田栄一郎先生によると、日和が述べた「黒炭」とはオロチ一人を指し示すものであり、お玉は含まれていないとのことです。これは日和の物語を見ていればわかることであり、日和の仇はあくまでも黒炭オロチだけです。

黒炭差別から復讐の道を辿ったオロチと、黒炭一族への差別を受けながらも心優しく育ったお玉とでは全く別の話なのです。


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まとめ

お玉の正体とその後のまとめ

  • お玉の正体
    • 本名は「黒炭玉くろずみたま
    • 両親の墓標に「黒炭」と書かれており、単行本105巻のSBS内にて公式に判明する
    • 両親の死因は不明
    • 光月スキヤキがお玉の面倒を見る理由は「孤児」であるからだが、お玉の正体が「黒炭」と知っていたとすれば迫害への贖罪の意味合いもあった可能性がある
    • お玉とエースは「血筋」に問題を抱える者同士
  • お玉のその後
    • しのぶに弟子入りをする
    • ルフィと「忍術を使えたら仲間になる」と約束を交わす
    • 扉絵連載「鬼の子ヤマトの金稲荷代参」にて編笠村でしのぶと忍術修行をする姿が描かれる
    • スピードも九里で暮らしているのかお玉と一緒にいる
    • 現時点で、お玉の正体が「黒炭」だとバレているかは不明だが、迫害されているような描写はない

お玉の過去に関しては結局わからずじまいですが、あまり深掘りすると黒炭家への差別を生々しくことになるためあえてぼかしているのかもしれません。

オロチの発言が正しければ子供でも容赦なく差別や迫害の対象になるため、お玉が生まれる以前の両親が国民からぞんざいに扱われていた可能性もなくはないですが、お玉の回想で両親の訃報を知らせた町民の接し方からすると、お玉の両親は「黒炭」でありながら町民とは良好な関係を築いていたように思えます。

逆に、黒炭でありながらオロチのような復讐派と対立したために死んでしまったのかもしれませんが、少なくともお玉に関しては黒炭への差別はそこまで厳しいものではなかったのではないでしょうか。


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ONE PIECE

作者:尾田栄一郎
出版社:集英社

 
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