漫画『呪術廻戦』の最終章では、呪いの王・両面宿儺との総力戦が描かれていますが、宿儺戦が佳境に差し掛かったところで主人公・虎杖悠仁がついに領域展開を行いました。
しかし、虎杖の領域はこれまで登場した領域とは打って変わって殺傷力などの効果がないよく分からない仕様となっています。
今回は虎杖悠仁の領域展開の詳細についてご紹介したいと思います。
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虎杖悠仁の領域展開は何話?
虎杖が領域展開を使用したのは第264話『人外魔境新宿決戦㊱』(週刊少年ジャンプ2024年35号)。
両面宿儺との戦いが佳境に入ったところで黒閃を経た結果、呪術戦の極致である領域展開へと至りました。
虎杖悠仁の領域展開の詳細
引用元:芥見下々『呪術廻戦』 出版:集英社
虎杖は新宿決戦で御廚子を使用しています。
これは、五条悟が依然に述べたように虎杖の肉体には宿儺の術式が刻まれていたためこの戦いで黒閃を経た覚醒状態によって引き出されたものであり、脹相(九十九由基から託された魂の研究記録)から受け取った研究記録を糧に宿儺戦では『術式対象を宿儺と伏黒恵の魂の境界に絞った「解」をあてることで二人を分離』させようと画策しています。
当然、虎杖の「解」は受肉体である宿儺にとって致命的な術でしたが、当たらなければ意味を成しません。
しかし、ここで虎杖に脳裏に浮かんだのは序盤で描かれた五条悟と漏瑚の戦いであり、五条が最初に教えてくれた『領域内で発動した付与された術式は絶対当たる』という言葉を思い出した虎杖は、宿儺に確実に「解」を当てるために領域展開という呪術の極致へ辿り着いたのです。
また、新宿決戦前に憂憂の術式で行われた入れ替え修業によって結界術の基礎を修得していたため、領域展開に至ることができました。
領域展開の名前
領域展開の名前は明かされていません。
領域展開の掌印──地蔵菩薩印
虎杖の掌印と合致する元ネタは『地蔵菩薩印(じぞうぼさついん)』。
地蔵菩薩は、釈迦の入滅後から弥勒菩薩が出現するまでの間、六道すべての世界に現れて衆生(人間をはじめとするすべての生命)を救うとされています。
一方で、宿儺の掌印の元ネタと思われる『閻魔天印(えんまてんいん)』であり、閻魔は冥界の王として有名ですが、十王経などにおいて閻魔は地蔵菩薩と同一人物および化身と考えられています。
虎杖の父親が宿儺の片割れの生まれ変わりであること、虎杖が宿儺の最後に「宿儺…オマエは俺だ」と手を差し伸べようとしているところを見ると、地蔵菩薩と閻魔の関係が元ネタの可能性は高いでしょう。
領域展開の能力
領域展開の能力については劇中でも名言されていません。
端的に述べれば虎杖の地元を巡る能力であるものの、虎杖自身必死で発動させたためよくわからない模様。稀に術師との戦いの最中に相手と繋がる現象があるそうですが、宿儺曰くそれとは違う現象とのこと。
ただ、虎杖は「宿儺と話す時間が欲しかった」と考えていたためこのような領域になったと考えられます。そのため、虎杖の領域に攻撃的な効果はありません。
なお、読者からは「岩手観光」や「オススメ観光スポット案内」などと言われてネタにされています。
生い立ちを追体験
虎杖がこのような複雑な領域に至った理由は宿儺が価値を見出せないと述べた宿儺以外の人間のことを知ってもらうためです。
そこで考えたのが、虎杖自身の生い立ちを追体験する形の領域。
上記事項のあらゆるスポットを巡っては、ブランコに足を挟んだこと、砂まみれになったスライムを洗ったら全部水道に流れたこと、百貨店ができたせいで個人商店がシャッター街になったが映画館が入っているから許したこと、祖父がたまに小岩井農場に連れてきてくれたこと、小遣いを全部ソフトクリームにつぎ込んで食い過ぎで吐いたこと、雪かきして悴んだ手で飲む甘いミルクティが好きだったこと──などなど、虎杖は自分の生い立ちを宿儺に語るのでした。
虎杖が伝えたかったこと
虎杖はこれまで自分の役割を理解して全うしていくことが生きていくことであり、それで死ねたなら正しく死ねたと言えるのではないかと考えていました。
しかし、死に方の問題ではなく、どんな役割にしろその人が形作る思い出よりも小さな記憶の欠片がどこかを漂っているだけで人の命には価値があると考えるようになりました(虎杖倭助、吉野順平、七海建人、釘崎野薔薇、脹相、五条悟、真人を想起しています)。
そして、虎杖はその価値を無いように振る舞う奴を許せなかったのです。
ですが、虎杖は自分が正しいとも思っていません。人間は道具ではないため生まれた時に役割が決まっているわけではなく、善い奴も悪い奴もどっちが本当の人間かはわからないのです。
そのため、虎杖は領域を通して宿儺が価値を見出せない宿儺以外の人間のことを知ってもらおうと考えたわけですが、宿儺は虎杖の主張を全て理解した上で何の感情も湧かないと回答しました。
例えるなら、虎杖が寂れていく地元を受容したように領域を通して人間の価値を教えられたところで「まあ、そうだろうな」程度の感情しか湧いてこないと述べ、むしろ虎杖が宿儺に向ける怒りや憎しみがその程度のものだったのかとその腰抜け具合に唖然とするほどでした。
しかし、この領域の本質は攻撃ではなく虎杖が述べた通り「宿儺が価値を見出せないと述べた宿儺以外の人間のことを知ってもらう」ための時間稼ぎ、即ち虎杖が宿儺を殺せる段階に至ったことによる最後の慈悲と対話の時間。
掌印の元ネタと思われる地蔵菩薩の如く、虎杖が宿儺に「もう一度俺の中に戻るなら殺さないでやる」という情けをかけたのが領域の真骨頂でした。
そのため、宿儺は虎杖の領域の本質に気づくと「小僧、まさか貴様、俺を憐れんでいるのか…?情けをかけようとしているのか…?」と述べて怒りを露呈させるのでした。
岩手の理由
虎杖は宮城県仙台市出身ですが、祖父の仕事の都合で岩手県で暮らしており、6~7歳の頃に再び仙台へ戻っています。
そのため、領域内で巡った岩手では虎杖が幼少期に過ごした思い出の場所が多く、虎杖は宿儺に自分を知ってもらうには岩手が最適だと考えたのだと思われます。
まとめ
虎杖悠仁の領域展開の詳細のまとめ
- 領域展開の使用は第264話『人外魔境新宿決戦㊱』(週刊少年ジャンプ2024年35号)
- 領域展開の名前
- 領域名は不明
- 領域展開の掌印
- 虎杖の掌印は 『地蔵菩薩印(じぞうぼさついん)』に合致
- 宿儺の掌印の元ネタと思われる『閻魔天印(えんまてんいん)』の閻魔と地蔵菩薩は同一人物および化身と考えられている
- 虎杖の父親が宿儺の片割れの生まれ変わりであり、虎杖が宿儺の最後に「宿儺…オマエは俺だ」と手を差し伸べようとしていることから掌印は地蔵菩薩と閻魔の関係が元ネタの可能性が高い
- 領域展開の能力
- 虎杖の地元を巡る能力(6~7歳まで過ごした岩手を追体験する)
- 能力自体に殺傷能力はない
- 虎杖の「宿儺と話す時間が欲しかった」という想いから「宿儺が価値を見出せないと述べた宿儺以外の人間のことを知ってもらう」ために構築された
- 宿儺に「その人が形作る思い出よりも小さな記憶の欠片がどこかを漂っているだけで人の命には価値がある」ということを伝えたかった
- この領域自体は「解」を必中させるための通り道であり、宿儺への最後の慈悲と対話の時間
最後の戦いで自身の化身でもある宿儺を相手に領域展開に至るという王道を迎えた虎杖でしたが、領域の能力自体は「地元観光」というネタとして昇華されてしまっています。
宿儺に対してまずは自分(人間)を知ってもらうための時間を領域で作ったわけですが、残念ながら宿儺はそれを理解した上で何の感情も湧かず、虎杖の最後の対話は失敗に終わってしまいます。
元ネタと思われる地蔵菩薩の如く、虎杖は宿儺も救おうとしたようですが虎杖の思いは伝わることはありませんでした。
ただ、地元観光中にザリガニ釣りやアーチェリーで勝負している構図は和んだのではないでしょうか。
呪術廻戦 画集 Vol.1 原作:芥見下々 出版社:集英社 |
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