漫画『BLEACH』の登場人物、護廷十三隊一番隊隊長(旧八番隊隊長)の京楽春水は長らく卍解しませんでしたが、最終章である千年血戦篇でようやく解禁されました。
京楽春水の卍解はどのようなもので、なぜこれまで使用しなかったのでしょうか。
今回は京楽春水の斬魄刀『花天狂骨』の卍解についてご紹介したいと思います。
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京楽春水の卍解は何巻何話で登場?
京楽春水の卍解が初めて描かれたのは単行本第647話『THE THEATRE SUICIDE』。
ユーハバッハの親衛隊リジェ・バロと交戦中、リジェが滅却師完聖体となったことで追い詰められた京楽は万事の一手としてついに卍解を解放しました。
また、続く679話で卍解の能力が明らかになります。
始解『花天狂骨(かてんきょうこつ)』の能力
引用元:久保帯人『BLEACH』 出版:集英社
京楽の斬魄刀『花天狂骨』は、尸魂界全土にただ二つしか確認されていない二刀一対の斬魄刀。
解号は「花風紊れて花神啼き、天風紊れて天魔嗤う──」であり、解放すると青龍刀のように刀身がやや大きな二対の刀に変化します。
能力は子供の遊びを現実にすることであり、花天狂骨の霊圧領域に踏み入った者(使用者含む)全てに遊びのルールを強制。例えば『艶鬼』であれば「斬りたい色を口にして斬る」がルールであり、色を口にすることでダメージを与えることができ、それ以外の色はダメージが入りません。
『影送り』は平たく言えば別の場所へ自身の残像を映す遊びであり、相手が影を視界にいれて見つめるほど京楽の残像がそこに強く残ります。これは身代わり人形のようにも使えるほか、相手の霊覚が高いほどに残像が強く残るため、使い勝手がいい技です。
『指切り』は互いに嘘を吐けば指が動かなくなり、二度目の嘘で全身の骨を拳骨で砕かれたかのように麻痺し、三度目の嘘で臓腑が内側から針で刺されたかのような激痛に襲われるといった能力です。こちらは駆け引きなどでも重宝しますが、情報を引き出すには最適の能力のため、諜報活動にも利用できます。
他にも様々な遊びにちなんだ技がありますが、すべて始解の能力の範疇であるため、正直他の斬魄刀に比べて戦闘面やサポートなど多岐にわたり利便性がある能力です。
卍解『花天狂骨枯松心中(かてんきょうこつからまつしんじゅう)』の能力
引用元:久保帯人『BLEACH』 出版:集英社
座った体勢で花天狂骨を地面に突き立てると足元に松の木のシルエットが伸びるように出現し、一定範囲を花天狂骨の霊圧領域で囲い支配。領域内に踏み込んだ者が能力の対象となる範囲型そして鬼道型の卍解です。
そして、京楽の背後にはうっすらとお花(花天)が寄り添うように具象化します。
花天狂骨の形は始解のままの状態。
卍解を発動した瞬間、領域外にも京楽の霊圧の影響が発生し、領域外にいたとしても急激な寒気と空間が暗くなる現象が見られます。
能力は名称通り心中劇の筋書き通りに敵を攻撃するというもので、京楽が全四段階構成の筋書きを語り手と展開し、男女のもつれをなぞるとその都度異なる能力が発現。鬼道系ですが概念に近い効果を発するため、直接攻撃系を無効とする敵にも有効打になります。
また、物語の男女においては京楽が女、相手側が男の配役になります。
一段目『躊躇疵分合(ためらいきずのわかちあい)』
幕の始まり。
台詞にある通り、女の体についた疵が男の体にも浮かび上がるもので、この場合は女=京楽春水が負った怪我が男=リジェ・バロにそのまま転写される。
リジェは万物貫通の能力を有し、物理攻撃の一切を貫通させてダメージを与えられない肉体でしたが、一段目の能力によってリジェが万物貫通で京楽に与えた傷がそのまま自分に返ってきました。
なお、この傷では絶対に死ねないとのこと。
二段目『慚傀の褥(ざんきのしとね)』
慚愧とは、恥じるの意。おもに過去の過ちを反省した際に用いる。
男は女に傷を負わせたことで慚愧の念を抱くと心を囚われて病に伏せてしまうという筋道であり、この場合は男=リジェ・バロが病に罹り体中に病の斑点模様が出現し血を噴き出してしまいます。
三段目『断魚淵(だんぎょのふち)』
幕間にてお花(花天)が登場
お花「だけどそいつはあんたの我儘、浅ましいにもほどがある。誓った男の浅ましさ、捨てて逝かぬは女の情。そうじゃないかえ、総蔵佐」
断魚淵の最中に京楽を背後から抱き締めるようにお花(花天)が具象化。
お花(花天)はアニメBLEACH『斬魄刀異聞篇』で描かれたデザインそのままであり、右目に眼帯をした着物姿の女性。京楽がたまにしか遊んでくれないため拗ねているものの、好きも嫌いも吞み込んで共に散ろうと誓った仲とのこと。
なお、お花(花天)の具象化は京楽にしか見えていないため、対峙するリジェ・バロは「誰と話している」と怪訝。
〆の段『糸切鋏血染喉(いときりばさみちぞめののどぶえ)』
三段目で「冷えた水面に身を投げりゃ覚悟の凍てつく事もある」と京楽の台詞にあるように、男は水に飛び込んだものの女と心中する覚悟が揺らいだようで、あたける(=騒いで暴れること)男を見ても女は男を捨てていけないと情けをかけます。
しかし、女の情けを男は耳を貸そうとしなかったため、女はせめて自分の手で止めをさして喉元に絡まる未練の糸を断ち切ろうとする──というのが物語の締めとなるようです。
この場合、男=リジェ・バロが騒いで暴れたため、女=京楽春水が未練を断ち切るために止めを刺すという配役。
京楽が刀を鞘に納めると右手の指先から霊子の糸(※「未練に濡れる糸」のこと)が発生し、それがリジェの首元(※「いとし喉元」のこと)に絡むと、京楽が「〆の段、糸切鋏血染喉」と述べて右手を振りかぶると同時にリジェの喉元が切り裂かれるという能力になります。
これも霊子による攻撃であるため、鬼道あるいは概念系に分類されます。
京楽春水がこれまで卍解を使用しなかった理由は?
京楽は破面篇で第1十刃コヨーテ・スタークや藍染惣右介という強敵と戦っていますが、始解でとどめています。京楽はスタークが帰刃した時点で卍解を使用するつもりでいましたが、浮竹が援護に来ると「お前の卍解はこんな人目のつく場所で使うもんじゃない」と忠告したことで京楽は卍解を取りやめました。
では、なぜ続く藍染惣右介戦でも卍解を使用しなかったのかと言えば、先に触れた通り『領域内に踏み込んだ者が能力の対象となる範囲型』であるためです。
千年血戦篇で卍解を使用する前に京楽が「みんなもそろそろ十分離れてくれたかなァ…。七緒ちゃんは巻き込んじゃったらゴメンね…」と吐露している通り、卍解の影響範囲は広大であり、かつ京楽の意志で対象を限定することは難しいようです。
卍解の能力の一段目が『傷を分かち合う』であるため、仮にスターク戦や藍染戦で京楽が卍解していれば京楽が負った傷が護廷十三隊の味方にも共有されてしまいます。そのため、平子真子や檜佐木修兵のように使いどころを限定される扱いづらい能力というのが京楽がこれまで卍解を使用しなかった理由となります。
京楽が卍解を使用するには第一に効果範囲に味方がいないことが大前提となります。
まとめ
京楽春水の卍解についてのまとめ
- 始解『花天狂骨』は、子どもの遊びにちなんだ技を使用する。
- 卍解の初登場は単行本第647話『THE THEATRE SUICIDE』
- 卍解『花天狂骨枯松心中』は、男女の心中劇をなぞり敵を攻撃する能力であり、鬼道系あるいは概念系に該当する。
- 一段目「躊躇疵分合」:互いの傷を分かち合う
- 二段目「慚愧の念」:相手が病に罹る
- 三段目「断魚淵」:水底に引きずりこむ
- 〆の段「糸切鋏血染喉」:霊子の糸で相手の喉元を切り裂く
- 京楽が卍解を使用しない理由は、卍解の能力が広範囲に及ぶため味方を巻き込んでしまうからであり、一定範囲内に味方がいないことが大前提となる
京楽の卍解は第一に傷を分かち合う(心中する)能力があるため、迂闊に卍解するわけにはいかないことがわかりました。
しかし、物理攻撃が通用しない敵にもダメージを与えられる鬼道系あるいは概念系の技となるため、卍解自体は使い勝手は悪いものの強さはかなりのものです。
始解が子どもの遊びで、卍解が大人のリアルというオサレ度の高い卍解でした。
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