『聲の形』に登場する川井みきは、将也の水門小時代の同級生であり、同じ高校のクラスの委員長をやっています。
そんな優等生の川井ですが、『聲の形』が放送されるたびに「クズ」としてSNS上に話題にあがってしまいます。
では、なぜ川井はクズと言われて読者や視聴者に嫌われるのでしょうか。また、川井は高校でいじめられているとも話題に上がりますが、本当にいじめられているのでしょうか。
今回は川井みきがクズと嫌われる理由やいじめについてご紹介したいと思います。
◆ この記事で紹介する内容は? |
『聲の形』のアニメを視聴できるのはこちら! | ||
川井みきがクズと嫌われる理由
引用元:大今良時『聲の形』 制作:京都アニメーション
川井が読者や視聴者に嫌われる要因は彼女の言動にあります。
ただ、川井の一番の厄介な部分はこれらの行動を悪意なく行っているというところであり、素である分、悪気が少しも含まれていないというところです。
嫌われる理由①西宮硝子へのいじめを助長
実は川井自身が硝子をいじめた描写はなく、学級会で将也が川井もいじめに加担していたと発言していたのは高校編で川井が述べたように将也の記憶の捏造と考えられます。
しかしながら、
といった描写から川井は直接的ないじめをしていないものの、主犯格である将也や植野の行為を見て何もせずに笑って見ていたのは事実であるため、いじめの助長を行った責任はあります。
一方で硝子自身が怒らないことから普段は本当に硝子がいじめられていると気付かず笑って見ていただけであり、将也が硝子に怪我を負わせるなどの行き過ぎや行為をした際には普通に心配し咎めている姿が描かれているのも事実です(※ただし笑って茶化しながら)。
ようするに将也たちの行いはやりすぎだと捉えている部分はあってもいじめをいじめだと認識しているのかいないのか曖昧なのが川井の厄介なところであり、悪意がない分、責任逃れの弁解でもないため、川井の主張は読者をイラつかせる一番の要因となりました。
なお、本人は小学校時代のことを硝子の前の席にいたから毎日色んなことを教えてあげたりして新鮮な体験だったといい思い出のように振り返っていたため、将也の顰蹙を買っています。
映画製作に硝子を誘わなかった理由が酷い
当初、永束が企画した映画製作のメンバーに硝子は入っていませんでした。
しかし、将也は一緒に遊園地に行ったメンバーで映画製作するのならば硝子を誘わないのはおかしいと思い硝子にも何か役割がないかと提案しました。
実は将也や永束がいないところで川井たちは硝子の参加について検討していたらしく、検討の結果、硝子を誘わないことにしたのです。
その後、将也が永束と話し合って硝子にも役割を与えて参加してもらおうと皆に切り出すのですが、川井は「西宮さんが障害者だからってわざわざ入れなくてもいいんだよ?それに西宮さんに何ができるかわからないし」と害意なく言い放つのでした。
真柴に関しては硝子とそこまで親密ではないので何を考えているのかはわかりませんが、あの植野でさえ「私達も一応考えたんだけどさ…」と少し言いよどんでいる節があるため、ちゃんと硝子の障害を考えての判断だと考えられますが、川井に至ってはそれが当たり前のように飄々と告げているところが不快に思われるところです。
なお、硝子の参加に真柴が賛成した途端に自分も賛成側に回る姿も川井が嫌われる原因の一つです。
嫌われる理由②石田将也の過去をクラスメイトの前で暴露
将也と真柴との会話にて、将也は硝子が耳が聞こえないから小学生時代にからかわれていたことを話すと、真柴は『耳なし芳一とか?』といじめの内容の一部を勘で的中させました。
そのため、将也は真柴がいじめのことを誰かに聞いたのではないかとネガティブ思考に陥ってしまい、教室で川井にそれとなく真柴に当時のことを話していないかどうか確認をとりました。
もちろん、川井は本当に当時のことを話していないのですが、川井は将也に猜疑心を抱かれたのが衝撃だったのか途端に不機嫌になって「私がなんでもかんでも言いふらす女だと思ってたの!?」と教室中に届く声量で反論するのです。
加えて、本当に反省しているのか・口止めとか格好悪い・手話を覚えたくらいで罪を償ったことにはならない──などなど、上から目線で𠮟りつけました。
そして、そんなことは言われなくても誰よりも分かっている将也が少し反論すると、将也の迫力に怖気づいたかと思えば近くにいた真柴にしがみついて将也が硝子へのいじめの主犯だったことを皆に聞こえる声量で打ち明けるのでした。
さらに酷いのは、将也にそんなつもりはなかったものの、川井は硝子へのいじめについて口外しないよう脅されたと吹聴し、本人は更生したつもりでも本性は変わっていないなどと被害妄想から矢継早に将也を一瞬にして悪者に仕立て上げました。
なお、将也は川井も一緒に悪口を言って楽しんでいたと反論しますが、これについては本当に作中で川井は硝子への悪口を言っていないので本当に記憶の捏造にあたる模様。とはいえ、それ以上に川井の性格が根本から酷すぎてそこはあまり気にならない不思議。
また、小学時代には将也がいじめられる側になった際にも因果応報だと見ていたのも川井が嫌われている要因です。
謝罪から蒸し返す
クラスメイトに将也の過去が暴露されたことで将也は孤立確定を過去の罪として受け入れようとしていましたが、植野の協力で集合場所の橋で謝罪のチャンスがやってきました。
そこでは開口一番、川井は教室でのことを素直に謝罪し、将也も謝ろうとしました。
が、川井は将也の謝罪を遮るようにして「でも石田君も悪いんだよ?あんな所で詰め寄るなんて…。だったら初めからいじめなんてしなければ良かったんだからね?」と自分に責任は全くないと言わんばかりの態度で再び面倒事を蒸し返すのです。
そのため、将也はちゃんとした謝罪のチャンスを逃すことになり、結果、煩わしい関係を断ち切るように全員に対して傷つける言動をとってしまいました。
将也の関係を引っ掻き回す
数人で遊園地へ行った回に誘っていない植野を連れてきたのは川井です。
元々、植野が将也と仲直りしたいために川井を通して連絡(メアド交換)をしようとしましたが、将也が拒んだため再び川井を通して不意打ちで直接会うことになりました。
そして、遊園地回でも当日になって植野を誘っていたことが将也に明かされましたが、植野が遊園地で将也と島田と引き合わせて仲直りさせる試みが失敗し、植野自身も硝子と和解できなかった後に将也と言い合いになり怒って帰った際、川井は「わざわざ連れてきてあげたんだからしっかりしてよね!」と将也を注意していました。
このことから川井は植野と将也の恋のキューピッドになろうとしていることが窺い知れますが、当の将也にとってはなぜ川井が自分と植野を引き合わせようとするのか理解できないため川井の言動の本意は伝わりませんでした。
川井にとって小学時代の出来事は最悪の思い出ではなくいい思い出として保管されているほか、硝子が転校していた後に島田たちによる将也いじめが加速したのも因果応報として認識しているため、将也が小学時代の同級生に会いたくないという発想が川井にはないのだと思われます。
川井が余計なことをしなければ起こらなかったトラブルもあるため、悪意なく将也の人間関係をややこしくする川井の行動は嫌われ安いのかもしれません。
嫌われる理由③川井の素の人間性が垣間見えた美登鯉橋での一件
将也の過去が露見した直後の美登鯉橋での一件にて、川井があまりにも硝子へのいじめに無関係であった態度をとったために植野と口論することになりました。
その際、永束が熱くなっていた川井の腕を掴んで諫めましたが、川井は「キャッ汚い!触らないで!」と表情を引きつらせて永束の手を振り払ったのです。
思わず永束は開いた口が塞がらないまま青褪めて硬直しますが、川井は何事もなかったかのように植野との口論を再開し、当時に関しては植野に同調させられていたと無自覚で責任逃れする始末であり、将也に「心の底からあんたを気持ち悪いと思う、もう喋らないでくれ」と言われた際には被害者のように振る舞って泣きながら立ち去っていきました。
美登鯉橋での川井の言動に関してはすべてが酷いものですが、中でも口論とは関係のないところでナチュラルに永束を汚物でも見るかのように扱い、それ以降もそのことに触れることもなく流しているのが不快感を加速させます。
むしろ、本件と関係のないところで無駄に傷ついた永束が、佐原と一緒になって泣いている川井を気遣って帰っているのが何とも言えないシーンでした。
嫌われる理由④真柴一直線なところ
川井が高校三年生になって急に将也と話すようになったのは真柴が将也と仲良くなりたいと話していたからです。
そのため、何かあるたびに真柴と話すきっかけや口実作りに将也を利用しており、遊園地や映画製作も将也たちの事情は関係なく真柴目当ての参加になります。
原作漫画に限っては川井の進路の決め方が真柴が進学する大学を追いかけるという主要キャラクターの中で最も浅い理由だったのも川井嫌いに影響しているかもしれません。
また、それぞれが自分のやりたいことを目指して進学する中で一人だけ恋愛で進路を決めているのも、皆がそれぞれ葛藤している中ただ一人一方的な恋愛に着地したという最後が川井嫌いに拍車をかけたのでしょうか。
真柴は川井の人間性を見抜いている
物語中盤、過去を知られた将也が橋の上で皆を拒絶しましたが、部外者である真柴は一連のやり取りから川井の人間性を見抜いたつもりでいるようです。
劇場版アニメでは割愛されましたが、真柴は自身がいじめられる側だった時のエピソードを話して「僕のせいでみんなの関係を壊してしまった。そんな僕はみんなに負い目を感じるべきか?」と川井に質問しており、川井は「いじめたクラスメイトが最低なのよ」と正しいことを言ってのけました。
そして、真柴が「自分は悪くないって言ってた人も?」と続けると川井は「ぜったいウソついてるその人!」といじめを間接的に助長し罪をなすりつけ黙認している立場の人間を咎める答えを述べるのでした。
実はこの質問、真柴が言う「自分は悪くないって言ってた人」は遠回しに川井を指すものでした。
硝子のいじめに関して真柴はまったくの部外者でしたが、橋の一件から川井が硝子のいじめを見て見ぬフリをしていた・助長していた・もしくはシラを切っている立場であると見抜いており、真柴は川井の試すようにこのような質問をしたのです。
そのため、硝子のいじめの全容を知らないにせよ、真柴は川井にも責任がないわけではないと見ていますが、川井はまったく気づいていません。
川井みきが高校でいじめられているのは本当?
川井が高校でいじめられているというのは語弊がありますが、川井は自分がいじめられていると認識しています。
劇場版アニメにて、将也が入院した際に川井はクラスメイトに千羽鶴を折る提案をし、その結果半分程度しか集まらず涙を流していましたが、実は原作漫画では千羽鶴が半分しか集まらなかった経緯が描かれています。
クラス代表で将也のお見舞いにいくことになった川井は千羽鶴を贈るために一人30羽折るようにお願いしましたが、その直後、川井は前の席に座る生徒(溝端)が操作するスマホを覗き見てしまうのです。
そこには「千羽鶴とか何の役に立つの」という一文が書かれており、川井は思わず表情を固めてしまいます。
そして、ふと気が付けば自分以外のクラスメイトのほとんどがスマホをいじっていたため、気になってもう少し溝端のスマホを覗き見れば、
といった誹謗中傷がやり取りされていたのです。
そのため、あくまでも裏で陰口を叩かれていたのを知ってしまっただけであり、川井本人に直接的な嫌がらせや暴言を吐くなどの場面は一切ありませんが、川井は自分が陰口を叩かれていることを知って戸惑ってしまうのでした。(※千羽鶴が半分ほど集まっているので、過半数程度は川井の陰口に参加していない可能性があるため、おもに女子に嫌われているのかもしれません)
自分のかわいさを自覚
小学時代は不明ながら高校生の頃には川井は自分のかわいさに気付いています。
そのため、普段の天然キャラに近い素振りや口ぶりはわざと演出していると他の生徒に思われていますが、かわいさを自覚していても川井の仕草はすべて計算のない素の自分になります。
しかしながら、クラスメイトは川井の素の部分も天然キャラを演じていると捉えているようで、遠巻きで彼女をおだてている生徒らは本心では川井を嫌っていたことがわかっています。
眼鏡を外す理由
川井が眼鏡を外すという行為は別に意図してやっているわけではなく、あくまでもナチュラルな仕草であると公式ファンブックで回答されています。
ただ、その自然な動作も同級生たちには色気づいていると認識されているのかもしれません。
真柴に距離感が近いのも顰蹙を買う要因の一つ
真柴は女子に人気があるため彼との距離感が近いのも川井が陰口を叩かれる要因の一つになっているようです。
教室で将也の過去を暴露した際に真柴に抱きついていたことが一部の女子の反感を買ったらしく、溝端のトークの履歴に「こないだもましば君に抱き付いてたよね」「超うけたよね、付き合ってないのに」と書かれています。
もちろん、あの時の川井も無自覚な行動をとっているだけでしたが、修羅場の最中に意中の男子にスキンシップをとる姿が媚びているように捉えられてしまったのかもしれません。
川井みきの改心
千羽鶴の一件は川井が自分の落ち度といじめられる側の気持ちに気づくきっかけとなり、彼女の成長に繋がっています。
川井は誹謗中傷を受けることでようやく当時の硝子や佐原の気持ちをほんの少し理解できたようです。
改心の仕方が少しずれている
いじめられる側の辛さの片鱗に触れた川井ですが、小学時代に将也に「川井さんもやってた」といわれのない罪をなすり付けられそうになったことも実はいじめだったのではと少々間違った考えに至っており、自分が硝子や佐原と一緒だったと改めています。
しかしながら、将也に関しては自分と硝子を傷つけた罰をきちんと受けて反省し、贖罪の気持ちを持っていることを認めてちょっとだけ許してあげるべきかもしれないとなぜか上目線。
なお、植野に関しては橋の一件でも「あんたと違って私は葛藤してた!」と傷つけてきたため反省していないと怒り心頭の様子であり、人を傷つけてるってことがわかっているのかと自分のことは棚に上げて憤慨しました。
千羽鶴の一件で痛い目を見たはずの川井ですが根本的なものは残念ながら変わりませんでした。
クラスメイトの陰口に関しては「どうして私がそんなことを言われないといけないのか」と本当の理由は理解できていないようで、誰よりも完璧なほどに努力してクラスのために頑張ってきた自分が責められるのはなぜなのかと最後まで原因が分かっていません。
そのため、誹謗中傷の要因の一つが真柴が自分に話しかけてくれるから嫉妬されているのではないかとおかしな考えに至りました。
西宮硝子へ命の大切さを説く
将也が意識不明に陥っている間、硝子は自分が壊したものを取り戻すために映画製作のメンバーを再び集めて映画製作を再始動させようと行動を移しました。
その際、硝子は川井と会った時にビンタをされてしまいます(劇場版アニメでは割愛)。
そして、川井は心の底から証拠を案じて苦しんでいるのは硝子だけではなくみんな同じように苦しんでいる、それが命であり、その命は一番大事なものだと説得しました。
しかし、その最中に脳裏に浮かんだのは溝端のトークに綴られていた「まじ気持ちワルイ」という一文とそれにリンクするように橋の上で将也に言われた「心底気持ち悪いと思う」という場面のフラッシュバックであり、川井は青褪めてしまいます。
ですが、川井は硝子を強く抱きしめると「どんなにつらいことがあってもいちいち気にしてちゃだめ。自分のダメなところも愛して前に進むの。そう…たとえば自分はかわいいって…かわいいんだって…思うの…。だってそうしないと死んじゃいたくなる…」と涙ながらに命の大切さを伝えるのでした。
川井のこの行動を見た真柴は彼女が本気で優しい行動を取ることに驚いて感心していますが、残念ながら硝子はほとんど内容を聞き取れなかったので後で佐原に教えてもらうことになるといった少々格好がつかない結末をむかえています。
まとめ
川井みきがクズと嫌われている理由といじめについてのまとめ
- 嫌われる理由① 西宮硝子へのいじめを間接的に助長したにもかかわらず無関係を主張する
- 嫌われる理由② 石田将也の過去をわざわざクラスメイトの前で告発し孤立させる
- 嫌われる理由③ 植野との口論中に止めに入った永束に対し「」と突然の暴言を吐いて人間性を垣間見せる
- 嫌われる理由④ 終始真柴を追いかけている
- 川井みきは高校でいじめられていないが、将也が入院した際に千羽鶴を折って贈ることを提案した際に、前の席の女子がスマホ画面で川井の悪口・陰口をトークしているのを覗き見てショックをうけ、真柴に「溝端(前の席の女子)にいじめられている」と告げ口する
- 川井みきは千羽鶴の一件で痛い目を見たためにほんの少しだけ改心するが、肝心の自分が嫌われている部分を理解していないためあまり成長がない
『聲の形』において、川井みきというキャラクターは起爆剤のような役割をしていますが、それにしても衝撃の強い存在だったため多くの読者・視聴者に嫌われています。
劇場版アニメでもその性格の悪さは際立っていましたが、原作漫画になるとさらに川井の思考回路が常人と違うことが浮き彫りであり、本当にわざと人を陥れているのではないかと疑いたくなるほどに厄介な性格をしています。
すべて正しいと思っての言動であるため本人に悪意がないのもポイントであり、最終的に本当にいじめに関して反省しているのかわからない人物でした。
ある意味で本編を通して最も成長が見込めないキャラクターですが、千羽鶴の一件で多少は痛い目をみたので良い方向への変化はあるようです。
聲の形 公式ファンブック 作者:大今良時 |
|
\ 聲の形の漫画とグッズはこちら /
> 漫画を読むなら < | > グッズを買うなら < |
漫画全巻ドットコム | ホビーストック |
ebookjapan | あみあみ |
コミックシーモア | |
コミック.jp | |
まんが王国 |