漫画『鋼の錬金術師』に登場するイズミ・カーティスは、エルリック兄弟の師匠であり、作中最強キャラの一人です。
デビルズネストでは、合成獣人間を格闘術で圧倒する姿を。「約束の日」では、中央司令部内でアームストロング姉弟と戦う人造人間スロウスの巨体を投げ飛ばす姿を見せていますが、イズミはなぜあそこまで強いのでしょうか。
果たして、ブリッグズ山での修業とはどのような内容だったのでしょうか。
今回はイズミ・カーティスの師匠や修業についてご紹介したいと思います。
◆ この記事で紹介する内容は? |
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イズミ・カーティスとは
引用元:荒川弘『鋼の錬金術師』 出版:スクウェア・エニックス
イズミ・カーティスは、アメストリス南部の町ダブリスにて精肉店を営むシグ・カーティスの妻であり、エルリック兄弟の錬金術の師匠となります。
男勝りな性格に豪胆さと母性を併せ持つ女性で、夫のシグと思い出作りの旅行中に立ち寄ったリゼンブールでエルリック兄弟と出会い弟子入りを認めました。
しかし、エルリック兄弟を弟子として認める試験として、ダブリス観光名所カウロイ湖で「一ヵ月生き延びろ」という試練を与えており、その際にシグに兄弟の命を心配をされると「私の修業の時なんてブリッグズ山に一ヵ月放り込まれたわよ」と淡々と答えていました。
冬のブリッグズ山は凍死の可能性がある過酷な環境であるため、ブリッグズ山と比べればカウロイ湖での一ヵ月のサバイバルは比較液天国。
果たして、イズミはどのような経緯でブリッグズ山で修業をすることになったのでしょうか。
イズミの師匠
イズミの師匠の名前はシルバ・スタイナーという凄腕の錬金術師であり、イズミは18歳の頃にシルバの下を訊ねて弟子入りを志願しました。
当時からシルバは高齢で耳が遠くなっていましたが、イズミの志願を受け入ると「ナイフ一本で一ヵ月ブリッグズ山で生き延びることができたら本弟子にしてやる」という条件を課しました。
この試練と錬金術の関連性を疑いつつも、シルバを崇拝するイズミはこの試練には深い理由があると考えてブリッグズ山での一ヵ月サバイバルに挑戦することになったのです。
イズミの修業
シルバに弟子入りを認めてもらうためにブリッグズ山へ侵入したイズミでしたが、入山当初から視界を遮るほどの猛吹雪にすでに生命の危機を覚えていました。
ナイフ一本で魚や動物を狩って飢えを凌ぎ、洞穴で焚火をして寒さを凌ぐ。夜眠ると天国が見えたため、凍死を避けて就寝は昼間の暖かい時間に調整するなど、些細なことでも命を落としかねない環境でイズミは一ヵ月生き抜くことを目指します。
ブリッグズ山岳警備兵襲撃事件
ある日、狼除けと火種を絶やさないために薪を拾い集めているとブリッグズの山岳警備兵と遭遇し銃口を向けられることに。
ドラクマとの国境警備に就く警備兵は、一般人を装い国境を超えようとするドラクマの密偵の可能性を考慮してイズミの尋問を開始しますが、イズミは正直に『修業』であることを打ち明けます。
しかし、修業で冬のブリッグズ山に入るバカはいないと一蹴されて連行されそうになるのでした。
ブリッグズ山からブリッグズ要塞に連行されれば修業が失敗に終わってしまうことを危惧したイズミは必死に弁解しますが、警備兵は「ブリッグズの掟は弱肉強食。油断すればこちらが食われる」と鉄の掟を掲げてイズミの話を聞こうとしません。
ですが、イズミは警備兵が掲げた「弱肉強食」という信条に感銘を受けると、容赦なく警備兵に金的をくらわせて戦闘不能に陥れるのです。
そして、大自然の流れに則り「弱肉強食」の下、警備兵から軍の携帯食料を根こそぎ奪い取り飢えを凌ぐのでした。
大自然の掟「一は全、全は一」
ブリッグズ警備兵から食料を奪ったイズミでしたが、やはり真冬のブリッグズ山でのサバイバルは過酷で、空腹と寒さによって再び生命の危機に瀕していました。
大自然の中では人間など塵芥に近い存在であり、このままでは狼の餌になって人生を終えてしまう──自分の存在はなんてちっぽけなのだろうと思い知らされるのです。
しかし、自身の短い人生を悟った直後、イズミは再起。
乙女18歳、まだ燃え上がるような恋もしていないのに死ねるわけがない──。
気合で起き上がったイズミは消えかけた焚火に薪をくべて火力を足すと、鹿を狩る狼の集団の声を聞きつけナイフ片手に鬼の形相で襲撃。鼻水を出して驚く狼たちを制圧し久方ぶりの肉にありつき体力を回復させました。
そして、気力を取り戻したイズミは大自然の流れに気づきます。
例え己が死んでも何事もなかったように日は沈みまた昇る。この世の流れは強く速く残酷で、この世は大きな力に従って流れているものの、その流れの元になっているのは自分たちのような小さな存在の集まりである。小さな存在無くしては大きな流れは存在せず、大きな力の流れを知り、その力を利用する小さな存在が錬金術師である。
すなわち基本は『一は全、全は一なり』とイズミは自分なりの回答に辿り着くことができたのです。
イズミの強さの秘訣
生きる気力を取り戻したイズミは、その後期日までにブリッグズ山で積極的に獲物を狩り続けています。
狼の群れを皮切りに兎、雄鹿、それこそ自身の全長を大きく超える熊とも正面から戦って投げ飛ばしており、命を懸けたサバイバルで格闘術と技術を磨いていきました。
野生動物との戦いが今のイズミの強さの秘訣になります。
師匠は人違い
無事一ヵ月ブリッグズ山を生き抜いたイズミは討ち取った熊を手土産に酒場にいるシルバの下に帰還すると、約束通り錬金術の教示を仰ぎます。
しかし、ここでこの老人の正体がシルバではなくゴルド・スタイナーであることが判明すると、自身は格闘家だと名乗るのです。なお、錬金術師シルバ・スタイナーは実弟であるものの、すでに逝去しているとのこと。
耳が遠いせいでゴルドは重要な部分を聞き逃しており、てっきりイズミが格闘家を目指していると思い今回の課題を与えたらしく、結果的に勘違いはあったものの見事にブリッグズ山で一ヵ月生き延びることができたイズミを気に入り弟子入りを認めますが──。
共に修羅の道を歩もう──ゴルドが年甲斐もなく野心に燃えている最中、愕然とするイズミが重い腰を上げると沸々と湧き上がる怒りの赴くままゴルドを瞬殺。
次のコマでは、タンコブができたゴルドが熊とともに横たわる姿を後に立ち去るイズミの姿が描かれるのでした。
ブリッグズの悪夢
ブリッグズでは20年近く前(アームストロング少将がブリッグズに赴任する以前)に、真冬の山中で山岳警備兵が謎の女に一ヵ月間食料や装備を奪われ続けたという事件が勃発したと後世に語り継がれています。
その正体は当時18歳で冬のブリッグズ山で修業をしていたイズミ・カーティスでしたが、ブリッグズではドラクマの密偵だったのではないかと推測されていました。
そして、本編の『約束の日』までの準備期間にて、アルの伝言を携えたイズミが再びブリッグズ山へと降り立った際には、ブリッグズは20年前と同じ謎の女に山岳警備兵が襲撃されるという事態に見舞われてしまうのです。
当時、花も恥じらう乙女だったイズミは主婦となって戻ってきたのでした。
まとめ
イズミ・カーティスの師匠と修業のまとめ
- イズミ・カーティスの修業経緯
- 18歳の頃に錬金術師シルバ・スタイナーに弟子入りを懇願
- シルバに「ナイフ一本で一ヵ月ブリッグズ山で生き延びることができたら本弟子にしてやる」という条件を課せられる
- 真冬のブリッグズ山でサバイバルを始めることになる
- イズミ・カーティスの修業内容
- ブリザードにより生命の危機に瀕する
- ナイフ一本で食料・火種・寝床を確保
- ブリッグズ山岳警備兵と遭遇し『弱肉強食』を学び携帯食料を剥ぎ取る
- 再び餓死・凍死の危機に陥ると「乙女18歳、まだ燃え上がるような恋もしていないのに死ねるわけがない──」と湧きたち、動物を狩る命のやり取りの中で『全は一、一は全』の答えに到達する
- 野生動物との戦いで格闘術に磨きがかかり熊をも撃退する境地に至る
- 一ヵ月ブリッグズ山でのサバイバルを成し遂げる
- シルバ・スタイナーと思っていた人物は兄で格闘家のゴルド・スタイナーであり、ゴルドはイズミが格闘家を目指していると思っていた
- イズミはゴルドをボコって帰還する
- ブリッグズでは「真冬の山中で山岳警備兵が謎の女に一ヵ月間食料や装備を奪われ続けた」という事件が後世まで語り継がれている
イズミの強さの秘訣は、真冬のブリッグズ山でのサバイバルにありました。
全ては勘違いから始まった過酷な修業でしたが、イズミは真冬のブリッグズの過酷な環境下で生命の危機に瀕したことで錬金術の基本に自ら辿り着くことができた上で、野生動物との命懸けの戦いに身に置くことで心身ともに鍛えられています。
2mを超える熊を倒している時点で人間離れしているので、錬金術無しでも人間側最強格かもしれませんね。
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