漫画『SAKAMOTO DAYS』に登場する敵対組織・×(スラー)一派、そのボスである有月憬(うづきけい)。
有月の目的は殺連を潰すことですが、なぜ殺連に恨みを抱き、麻樹栖の命を狙うのでしょうか。
また、有月憬とはどのような人物なのでしょうか。
今回は有月憬のプロフィール・病名・出身・目的など、彼の背景についてご紹介したいと思います。
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スラー(有月憬)の正体とプロフィール
引用元:鈴木祐斗『SAKAMOTO DAYS』 出版:集英社
通称 | ×(スラー) |
本名 | 有月 憬(うづき けい) |
年齢 | 27歳 |
身長 | 179cm |
体重 | 73kg |
誕生日 | ── |
星座 | ── |
声優 | 未定 |
スラーとは、殺連に関わりの深いプロの殺し屋を殺し続ける素性不明の敵であり、通称×(スラー)一派を率いる頭目。
その正体はJCC時代の坂本太郎の同期である有月憬(うづきけい)です。
JCC時代の彼の性格は殺しに消極的な物静かな青年でしたが、JCC退学後にとあるきっかけを経て現在の危険な思想に移ろいでいきました。
有月憬の出身
有月は殺連直営の児童養護施設アルカマルの出身です。
アルカマルの実態は、身寄りのない子供を引き取り幼いころから徹底的に殺しを教え込ませてORDERを人工的に作る施設であり、現殺連会長の麻樹栖が取り仕切っていました。
有月を含めたアルカマル出身の者は、何一つ望んでいない力・戦い・人生の全てを無理矢理に与えられたため、殺連に対する怒りや恨みは相当なものです。
×(スラー)一派の構成幹部のほとんどがアルカマル出身であり、有月の家族同然の仲間になります。
有月憬の病気
有月は多重人格と内臓逆位を患っています。
「多重人格」とは
多重人格とはつまり解離性同一症を指すもので、長期間にわたる激しい苦数や衝撃的な体験の反復をすることで耐え難い苦痛を引き受けるために別の人格が形成されます。
有月の場合は、赤尾リオンと篁の人格の二つを形成するに至りましたが、表情・口調・強さまでもを完璧に模倣。赤尾の人格時には彼女の技能や細かな動き全てを完璧に模倣しており、篁の人格時には史上最強と言われる強さそのものを再現するほど。
しかし、その間の記憶が本来の人格である有月には共有されていない点と、形成された人格を操れないのが欠点(※本人が気を失ったりすると他の人格が勝手に出てくる)となっており、有月の意志に反して仲間に牙を向くこともあるため、現状制御できていません。
「内臓逆位」とは
内臓逆位とは、生まれつき心臓など内臓全てが左右逆になっている症状を指します。発生率はおよそ1万~2万人に1人と言われていますが、有月もそれに該当します。
この情報はORDERである南雲や有月を殺害(結果的に未遂)した坂本も知らなかったため、本来ならば致命的である急所への攻撃も奇跡的に内臓を避けることで、有月は二度も死に損なっています。
有月憬と麻樹栖の関係
有月と麻樹の関係性は明確にされていませんが、麻樹は有月のことを『弟』と呼んでいることから兄弟と推察されます。しかし、血縁関係にあるのか腹違いにあたるのか、はたまた義兄弟にあたるのか、その辺りは明言されていません。
一方で、麻樹は有月を利用しており、JCCに入学させたのもスパイ活動の一環。有月にとって家族同様のアルカマルの子供たちを人質に取り、無理難題を押し付けていました。
そのため、有月の目的の一つには麻樹栖を殺害することが最優先にあります。
有月憬の目的
有月の目的は殺連を潰して新しい秩序を作ることですが、秩序を作るというのは語弊があり、殺連を潰した後は何も手を加えずに自然な状態にするのが最良の秩序と考えています。
つまり、殺連という殺し屋を抑制する秩序(ルール)が崩壊すれば、何物にも縛られない殺し屋が野に放たれることになり一般社会が崩壊しますが、有月は自身の目的の果てで世界(一般社会)がどうなろうがどうでもいいことだと考えていました。
また、殺連を潰す過程で無視できないのが麻樹栖であり、有月は麻樹に虐げられてきた人生に区切りをつけるために麻樹栖の殺害および死亡を見届けようとしています。
赤尾リオンとの関係
赤尾リオンは有月が全てを壊すと決めたきっかけの人物です。
有月と赤尾は8年前の要人護衛任務で初顔合わせとなりましたが、有月の裏切り後、彼を追いかけて制圧した赤尾は有月から事情(家族を人質に取られてJCCのスパイをしていたこと)を聞いて一緒に逃亡を決意しました。
その理由は赤尾自身も故郷に赤尾晶という守りたい存在がいることから、アルカマルの仲間を人質に取られている有月のことが他人事に思えなかったからです。
そのため、赤尾は有月とともに殺連の追手から一年間に続く逃避行を続けることになり、その間にアルカマルの仲間を解放するための資金作りを行っていました(※施設を警護する殺し屋たちに対抗する人材や武器がな不足しているため、とにかく資金が必要)。
しかし、逃亡先の拠点が麻樹栖に見つかると、麻樹はアルカマルの仲間を解放する条件として『ある腕の立つ殺し屋の抹殺』任務を依頼。有月はこの任務をクリアすれば赤尾とともにアルカマルの仲間と暮らすことができると考え、初めて自分の意志での殺人を決意し任務に赴きますが、その標的は赤尾リオンだったのです。
一方で赤尾も資金を稼ぐために別の依頼を受けており、有月に『誰も殺さないでほしい』と頼まれたことからこの仕事を最後に殺しは止めようと考えていました。
そして、お互いが任務の標的を知らないまま覆面をして交戦することになると、赤尾は自身の攻撃でフードの一部が捲れた相手の顔を見て驚愕し硬直。その隙を突いて有月が胴体を貫きますが、倒れた拍子に標的のフードがずれるとその正体が赤尾だと気付き、麻樹にハメられたことを悟るのでした。
その後、現場にORDERの坂本太郎が駆けつけたことで交戦しますが、坂本に敗北後、有月は人生に疲弊し死を受け入れます。しかし、『内臓逆位』によって本来致命傷となるはずだった坂本が放った弾丸は内臓を避けることになり、死に損なうことに。
死に損なった有月は身体を引きずって路地裏から通りに出ますが、『怖い・痛そう・関わりたくない・誰か助けろよ・目合わせるな・俺には関係ない』という通行人の奇異の目にさらされることによって殺し屋の世界と表の世界に差異がないことを痛感。あらためて自身に手を差し伸べてくれる人は赤尾リオンただ一人しかいなかったと突き付けられるのでした。
なぜ赤尾が死んで、自身や奇異の目で見てくる一般人や麻樹栖が生きているのか──。赤尾が守りたかった人はこの世界にどこにいるのか──、有月はこれまで辛うじて自制心を保っていましたが、赤尾がいなくなった世界はどうなってもいいと遂に振り切ってしまうのです。
養護施設襲撃と誓い
赤尾リオンの死亡と自身の死に損ない、加えて殺し屋の世界と表の世界に差異がないことを知った有月は遂に『殺し』に対する自制心が消失しました。
そのため、怪我を直した後は児童養護施設アルカマルを襲撃すると、自身の意志で職員・殺連員・事務員・清掃員など見境なく34人を殺害。そこで、家族同然である仲間(楽、ハルマ、熊埜御、牛頭、天弓)を連れ出したのです。
そして、アルカマルの仲間は有月の思想に同調すると、彼らは『俺達は業など背負わない。殺しに一切の責任も持たない』を前提にただ全てを壊すことを誓いました。
こうして立ち上げた×(スラー)一派の最終目標は殺連を潰すことであり、有月個人としては麻樹栖の殺害は絶対的な終着点になりました。
有月憬の思想の推移
アルカマルおよびJCC時代の有月は『どんな殺しも悪である』という考えから任務中の標的以外の無駄な殺しを見過ごせないような、殺し屋としては心優しい人物でした。
当時の有月の考え方は殺し屋の学校に通うには不向きなものであり、赤尾からも「殺し屋に向いていない」「腰抜け」と非難されるほどでしたが、一方で殺し屋に向いていないと言われることは自分が真っ当な人間だと言われていることだと聞き取れることから安心感を抱いていました。
しかし、赤尾リオン死亡後は一転し『この世には死んだ方がいい人間もいる』と割り切るようになると、尊い正義のためには『悪』が必要と痛感。
殺連を潰すというその目的は一貫しているものの、その過程で一般人にどれだけ被害が及ぼうがお構いなしであり、麻樹栖一人を殺害するにあたっては彼が足を運ぶであろう美術館を一般来場者ごと爆破する計画を立てるなど、かつて『無駄な殺しは見過ごせない』と主張していた心優しい有月の面影はどこにもなくなってしまったのです。
すべては有月を利用してきた麻樹栖が元凶となります。
まとめ
スラーの正体・プロフィール・目的のまとめ
- スラーの正体
- 正体は、坂本太郎のJCC時代の同期である有月憬(うづきけい)
- 殺しに消極的な物静かな青年
- ある事件後に退学
- 有月憬のプロフィール
- 解離性同一症と内臓逆位を患っている
- 殺連直営の児童養護施設アルカマルの出身
- 麻樹栖の命令でJCCに潜入しスパイ活動をしていた
- 麻樹栖からは「弟」と呼ばれているが血縁関係は不明
- 有月憬の目的
- 目的は『殺連を潰して新しい秩序を作る』ことであるが、殺連を潰した後は『何も手を加えずに自然な状態にするのが最良の秩序』と考えている
- 唯一救いの手を差し伸べてくれた理解者・赤尾リオンを麻樹栖の策略によって失った末に、「殺し」に対するタガが外れる
- 養護施設襲撃後は『俺達は業など背負わない。殺しに一切の責任も持たない』と独白し、全てを壊すことを誓う
有月憬と麻樹栖の関係が細部まで明かされていないため、今の所アルカマルに入るまでの生い立ちは分かっていません。
しかしながら、人生の大半が麻樹栖によって支配されており、仲間を人質に取られてやりたくない殺しやスパイ活動を強いられていたのは悲惨としか言いようがありません。
その結果、友であり理解者であった赤尾を失った苦痛から多重人格を作り出し、「殺し」に対する自制心さえも消失させ、殺連に対する恨みを原動力に全てを破壊するようになりました。
本来なら殺し屋に向いていない心優しい青年でしたが、環境によって歪められた被害者でもあったようです。
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SAKAMOTO DAYS 作者:鈴木祐斗 |
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