映画『8番出口』の少年の正体は未来の息子?迷う男と恋人(ある女)の出産と決断によって未来が変わる? | 漫アニぶろぐ

映画『8番出口』の少年の正体は未来の息子?迷う男と恋人(ある女)の出産と決断によって未来が変わる?

8番出口アイキャッチ 映画

映画『8番出口』の物語中に登場する少年。

迷う男が地下通路でさまよっている際に出会った少年は、寡黙ながら異変を見極める感性を持っており、出口を目指す同行者として頼りになる存在でした。

一方で、少年はただの迷子なのか、それともまだ見ぬ誰か、最後まで言及されることなく姿を消してしまいました。

今回は映画『8番出口』の少年の正体についてご紹介したいと思います。

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映画『8番出口』の少年とは?

少年が登場したのは『THE BOY』のパート。

迷う男が通路のルールに慣れ始め、異変の見分けに意識を向けるようになった頃、精神的に消耗する異変を受けて発狂してしまいます。しかし、気を取り直してもう一度始めから出口を探していると、地下通路で少年と遭遇してしまいます。

最初は少年を見て『異変』と思い引き返すも、数字がリセットされていたため、迷う男は少年が『異変』ではないと知ります。

こうして迷う男は少年とともに地下通路を歩き異変を探しながら出口を目指すことになりました。

少年と恋人(ある女)の幻影

少年の背景に触れたのは一つの『異変』に遭遇した際の出来事。

迷う男と少年が順調に進んでいたところ、地下通路に恋人(ある女)が佇んでいました。迷う男はそれを『異変』だと察知して警戒しますが、ここで少年が恋人(ある女)に向かって「ママ」と叫び駆け寄ろうとしました。迷う男は咄嗟に少年の腕を掴み「違う」と言い聞かせます。

迷う男は少年を連れて引き返すことを選択しますが、ここで恋人(ある女)は徐に自身のお腹に手を当てる動作。また、少年は叫び疲れたのか突然気絶。そして、迷う男には序盤で恋人が切り出した妊娠の件での「どうする?」という幻聴が聞こえます。

迷う男は繰り返し聞こえる「どうする?」を無視しながら少年を抱えて引き返すと、やはり異変だったようで数字は次に進みます。ですが、迷う男と少年は案内板の付近で一旦休むことにしました。

少年の母親と父親の言及

気を失った少年が目を覚ますと、迷う男は「ママとははぐれちゃった?」と、ようやく少年に対して踏み込んでいきます。

すると少年はママにみつけてほしくてわざと迷子になったと、一人でいる理由を話していきます。その一方で、少年は父親には会ったことがないと言います。

少年の回答に言葉を詰まらせたようにしばらく考え込む迷う男でしたが、「俺と一緒だ」と述べたことで、おそらく迷う男も母子家庭の出身。こうして少し打ち解けた二人は改めて出口を目指して異変を探していきます。

少年と貝殻と濁流と海辺

順調に進んでいたところで、迷う男はふと立ち止まって「ここから出られたらさ、どうする?」と質問。少年はここから出たらピザが食べたいと子供らしく答えますが、迷う男は「俺は…なんかわかんなくなっちゃったよ」と、脱出後の葛藤を抱えます。

そんな男に向けて少年は御守りとして一つの貝殻をあげるのでした。男は少年の頭を撫でながら御礼を述べると、活力を取り戻し、進んでいきます。しかし、異変として濁流が発生すると、二人は濁流に飲み込まれてしまいます。

二人が濁流に飲み込まれたところで場面は海辺へと切り替わり、そこには迷う男と恋人(ある女)、そして波打ち際で遊ぶ子供の姿が映し出されます。迷う男は恋人と子供から『パパ』と呼ばれていました。

迷う男は「時々さ、わからなくなるんだ。これで合ってるのかなって…」と悩みを打ち明けると、恋人は「どの道が正しいかなんて誰にもわからないよ。でも大丈夫。あなたはあの子を守る。あの子もいつか、あなたのことを守ってくれる」と言います。

すると、貝殻を見つけた子供が恋人の下へ駆け寄ってくると、恋人は御守りにしてはどうかと提案。子供は「パパ、御守り」と言って貝殻を迷う男に見せますが、ここで子供の素顔が──通路で出会った少年が映し出されます。そして、迷う男は子供を涙ながらに抱き締めると一緒に波打ち際へと駆け出し遊び始めるのでした。

しかし、ここで場面は現在へと切り替わると、迷う男は濁流の中で少年を抱え上げて天井の案内板の上へと乗せ避難させます。大丈夫──と安心させながらも、必死に少年を守る迷う男でしたが、やがて一人だけ濁流に飲み込まれてしまいました。

その後、少年が目覚めると水が引いた状態であるものの泥水やがらくたが散乱。異変であるため引き返すものの、迷う男の姿はどこにもなく、一人で先へ進んでいきました。

一方で、少年が角を曲がったすぐ後で、迷う男は姿を現しますが、少年についての言及はなくそのまま出口を目指しやがて辿り着き脱出。その際、出口は登り階段ではなく地下鉄ホームへの下り階段であり、迷う男が電車を降りた時間軸まで戻っていることが判明。

そのため、迷う男はその足で恋人がいる病院へと向かうことにしました。

少年は迷う男と恋人の未来の子供説

本編中『THE BOY』で散りばめられた数々の仄めかしから少年は迷う男と恋人の未来の子供と考察されています。

  1. 少年は迷う男の恋人の異変に対し「ママ」と呼ぶ
  2. 少年は父親に会ったことがない
  3. 少年が迷う男に渡した貝殻=二人の子供が見つけた貝殻
  4. 海辺のシーンで子供=少年が描かれる

まず初めに、少年は『異変』として登場した迷う男の恋人に対して「ママ」と呼んで駆け寄ろうとしています。ママに見つけてほしくてわざと迷子になったという少年なので、自分の母親を見間違えることはないと考えられるため、恋人=少年の母親であることがうかがえます。

決定的なのが海辺のシーンであり、おそらく現在より数年未来の出来事を描いたこのシーンにて、迷う男と恋人の間に子供が生まれています。そして、子供の顔が映し出されると少年と一緒だったため、二人の子供=少年が確定します。

また、子供は海辺で拾った貝殻を御守りにしており、それと同じ貝殻を少年は迷う男に渡しています。加えて、この海辺シーン内で、迷う男は未だ恋人の出産について決断できないでいましたが、恋人は「あなたはあの子を守る。あの子もいつか、あなたのことを守ってくれる」と伝えています。

これらの理由から、少年は迷う男と恋人の間に生まれる子供であり、迷う男を助けるために現れたと考えられます。

迷う男の決断が未来を左右する

ここで重要なのが冒頭での迷う男と恋人のやり取りです。

物語序盤、迷う男が電車から降りたところで恋人から電話が入り病院で検査をしたら妊娠していたことを伝えます。しかし、二人は別れる前提だったため、このまま産むかどうかの相談を受けることになり、迷う男は決断を保留にしていました。

迷う男が地下通路に入り込んだのはこの直後の出来事であり、そこで偶然母親を求める少年が現れる構図となります。しかし、この少年は父親に会ったことがないため、もしかしたら迷う男が出会った少年は恋人が一人で出産し育てた世界線の子供なのかもしれません。

その一方で、濁流の際に挿し込まれた海辺は二人が夫婦になっている世界線であり、少年が海辺で拾った貝殻を現在の迷う男に渡したのも何かの意図があったのではないでしょうか。恋人が「あなたはあの子を守る。あの子もいつか、あなたのことを守ってくれる」と述べたように、少年が迷う男を守ることで、迷う男もまた少年を守り父性が芽生えたように思えます。

冒頭、電車内で泣いている赤子を抱えた母親に怒声を浴びせる男がいましたが、迷う男は見て見ぬをしたことを情けなく思いそんな男が父親になれるのかと葛藤を抱いていました。しかし、少年と出会い成長した迷う男は、地下通路脱出後に同じ場面に遭遇するとしばらく考えた後に助けに向かう(迷う男が動いた直後に映画は終了)という行動を取っているので、ループ前と比較し、父親らしくある姿が描かれています。

迷う男が出産について最終的にどのような決断を下したのかは描かれていませんが、彼が電車に乗る前とは違う行動(すぐに恋人がいる病院へ向かう)を取っていることから、迷う男は恋人と共に少年の親になる未来を選択したのかもしれません。

つまり、迷う男の決断次第で少年(未来の子供)に父親がいるかいないかが決まると解釈されます。

少年はどこへ行ったのか

濁流後、少年は迷う男よりも先に進んだきり登場しておらず、迷う男が脱出した後も少年が現実世界のどこに降り立ったのか、母親の元へ帰ったのかは、何も明示されていません。

少年が「実在の子ども」だったのかも不明ですが、男の決断を試すために現れた存在──未来の息子の幻、あるいは「父になる自分」を想像させる投影──として登場したのかもしれません。

あるいは、迷う男の選択を迫るための舞台装置としての役割を担っていただけに過ぎないのかもしれません。

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まとめ

以上「映画『8番出口』の少年の正体」についての紹介でした。

『8番出口』の少年は迷う男の同行者であり、男の決断を映す鏡としての役割でした。わざと迷子になったという語り、父親不在の告白、恋人への「ママ」という叫び、濁流での救助、海辺のビジョンでの「パパ」などなど、これらの断片は少年を「未来の息子」として解釈できるパーツとなっています。

一方で、脱出後の行方を描かないことで、少年の実在性が不安視されました。

しかし、迷う男は電車に乗る前とは違う決断を選択しているので、その後海辺のシーンで描かれたような未来が待っているのではないでしょうか。

8番出口 映画「8番出口」
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