内村光良主演ドラマ「ぼくが地球を救う」は、2002年夏にTBS系列で放送された心温まる痛快コメディードラマ。
さえないサラリーマンが階段から落ちたことをきっかけに他人の心の声が聞こえる特殊能力を手に入れ、周囲の人々や自分自身、そして地球の危機を救っていく物語で、ユーモアと人間ドラマが融合した独特の作風が当時話題を集めました。
ドラマ「ぼくが地球を救う」の作品概要・キャスト・あらすじ・最終回
ドラマ『ぼくが地球を救う』は2002年7月4日から9月12日まで全11話で放送されたTBS木曜22時枠「カネボウ木曜劇場」の作品。プロデューサーは磯山晶、脚本は中園ミホと相内美生が担当しました。
お笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良が気弱な主人公を好演し、コメディ要素を交えながら人間の心の機微を描きました。能力が限定的(57分間のみ)という設定が、主人公の成長や周囲との関わりをコミカルに表現しています。
あらすじ
丸の内物産経理部第七管理課(通称ナナカン)に勤める足立友作(演:内村光良)は、会社でうだつの上がらない日々を送っていた。ある日、階段から転落し危篤状態に陥り臨死体験すると、それ以降57分間だけ他人の心の声(センシティブ)が聞こえる特殊能力を開花させる。
友作はこの能力を使い、会社の人間関係のトラブルや人々の心の傷を少しずつ癒やすことに。最初は戸惑うばかりだったが、幼馴染の大門十三や同僚の綾瀬しのぶらと共に、徐々に自分らしさを発揮する──。
物語は荒唐無稽な展開も取り入れつつ、最終的に地球規模の危機に立ち向かう大団円を迎えます。未来の視点から語られるプロローグが印象的で、大人が子どもに語るような優しいトーンが特徴です。
出演者・キャスト一覧(人物紹介)
■足立友作(38)
演:内村光良
丸の内物産ナナカン所属の経理部員。気弱で小心者だが、誠実で優しい性格。階段転落を機に57分間他人の心の声が聞こえる能力を得る。愛犬カリートを溺愛し、中学時代からの憧れである白金愛子に想いを寄せていた過去を持つ。物語を通じて成長し、地球を救うヒーローとなる。
■綾瀬しのぶ(25)
演:真中瞳
ナナカン勤務のOL。一見清楚でお嬢様風だが、母子家庭育ちで内面はエッチな妄想が多く、どす黒い性格のギャップが魅力。ブリッコぶりが目立つが、友作の能力に巻き込まれながら心を通わせる。子供時代のエピソードも描かれる。
■渋谷是広(37)
演:古田新太
ナナカン課長で友作の同期。短気で凶暴に見えるが、心は繊細。妹セリの親代わりとして苦労し、シスコン気質。最終的にハルミと結婚する。
■三田慶一郎(26)
演:袴田吉彦
友作の担当外科医。救命率が低いが院長を目指す野心家。心臓マッサージを嫌うなどクセが強いが、医務室勤務でナナカンと関わる。
■飯倉航介(27)
演:金子昇
ナナカン後輩。長野出身の元陸上部員で鉄道マニア。あわてんぼうだが純粋。しのぶに好意を抱く。
■白金愛子(37)
演:愛華みれ
国際線スチュワーデス。友作の中学同級生で憧れの存在。高飛車だが体調不良が多く、友作との関係が物語の軸の一つ。
■桜新町弘(30)
演:堀内健
公認会計士。ナナカンを見下すが、過去の事故で千石夏子に助けられた恩義を感じる。マザコンで猫舌。
■辰巳要蔵(58)
演:江守徹
丸の内物産前社長。ドーベルマンを飼う強面だが、センシティブ能力に関わる重要人物。
■大門十三(37)
演:哀川翔
友作の幼馴染で心を開ける唯一の友人。豪快な性格で物語を盛り上げる。
その他、レギュラー・準レギュラーとして夏木マリ(辰巳貴子)、奥菜恵、高田万由子など多彩なゲストが各話で活躍します。
主題歌
引用元:Skoop On Somebody Official YouTube Channel
主題歌はSkoop On Somebodyの「ぼくが地球を救う~Sounds Of Spirit~」。
作詞・作曲は松尾潔とS.O.S.で、温かく前向きなメロディーがドラマのテーマにぴったりマッチしました。アレンジは鷺巣詩郎が担当。エンディングテーマや挿入歌も河野伸の音楽が物語を優しく包み込んでいます。
見どころ
■第1話「大きさじゃないのよ男は」
友作が階段から落ち、57分間のセンシティブ能力に目覚める導入回。会社のセクハラ問題や月島杏子のエピソードが描かれ、友作と大門の関係性が早速示される。心の声が聞こえるシーンのコミカルさと、クレヨンにまつわる優しいエピソードが見どころ。内村光良のダメ男演技が光り、物語の基調を確立する回です。
■第2話「淡白なのにモテモテ君」
能力の使い方を試す友作。品川信也のストーカー問題や後輩女性たちの登場で、モテ要素がコミカルに描かれる。友作の小心者ぶりが強調されつつ、最後にほろりとさせる展開。能力の制限がもたらす失敗談が面白い。
■第3話「ナースのおもちゃ」
病院を舞台に看護婦たちの人間関係を描く。アルコール問題を抱える大森清美のエピソードが中心。三田医師のクセ強キャラが際立ち、心の声が聞こえなくても解決するパターンが示される。医療現場の軽快な描写が見どころ。
■第4話「女の敵サラリーマンホストをやっつけろ」
横領や借金問題が絡むサラリーマン社会の闇を、能力で暴く。ホスト関連のコメディ要素が強く、友作の活躍が徐々に増す。女性社員の反応もコミカルで、シリーズのテンポを上げる回。
■第5話「高ビー夫人のお色気大作戦」
ワガママお嬢様の高尾撫子が登場。資源を大切にする意外な一面が明らかになり、友作が「お気持ちだけで結構です」と断るシーンがバカバカしくて笑える。お色気要素を交えたコメディが見どころ。
■第6話「ブリッコOLの恥ずかしい過去」
亀戸葉子の過去と派遣社員としての葛藤を描く。飯倉との関係が自然に発展し、友作が関わった女性が幸せになるパターンが明確に。恥ずかしい過去の暴露シーンがコミカル。
■第7話「大ちゃん、ぼくの女に手を出すな」
大門の妻みゆき関連や記憶喪失のエピソード。白金愛子の登場が唐突に感じるが、「お気持ちだけで結構です」のバリエーションがヒネリあり。幼馴染の絆が深まる。
■第8話「階段がないじゃん」
千石姉妹の事故死関連エピソード。桜新町の過去が絡み、醤油の味がわかるというユニークな設定が登場。話自体はしっかりしていて、シリーズ中盤の佳作。
■第9話「ヒロインは性格ブス!」
綾瀬しのぶの母子家庭育ちの過去を中心に描く。真中瞳の演技が目立つ回だが、奇をてらった演出が空回り気味との声も。性格のギャップが強調される。
■第10話「5000万分の1のヒーロー」
センシティブ強化訓練所やテロ計画が登場し、スケールアップ。古田新太の「変身しろ」シーンがバカバカしく面白い。最終回への橋渡しとして期待が高まる。
最後・最終回・結末
最終回では、物語が地球規模の危機へと発展します。
前回、友作の誕生日を仲間達と祝っていた夜、大門が仕事を終えて友作の家へ向かっていると、組織の人間が現れ大門に拳銃で5発撃ち込みました。最終回冒頭、友作が病院に駆けつけると大門は面会謝絶状態。付き人の芝が大門を助けてくれと訴えている場面に遭遇すると、芝は自分がついていなかったために大門を危険に晒してしまったと土下座します。
対して友作は彼を諫めると、声に気付いていながらも阻止できなかった自分を責め、大門を襲った組織への反攻を決意します。
愛犬カリートを渋谷たちに預けた友作は彼らに言葉を贈った後に数日間の体力づくりに励み、センシティブによるテロを企てる組織『Silver Unicorn』へ真っ向から突撃。一方で雷に打たれた辰巳はセンシティブに目覚めると、時を同じくしてSilver Unicornへ自身を売り込み司令官に任命され、友作と邂逅します。
センシティブ強化訓練所に移動後、ピッツバーグ教授と再会するも研究所が乗っ取られ家族が人質に取られていることを知る友作。その一方で、訓練所にいたセンシティブたちも地下に閉じ込められており、友作を助けにきた第七管理課の渋谷たちも同じ部屋に押し込まれてしまいます。
辰巳は司令官として彼らの下にやってくるとセンシティブの在り方についての演説を行い、組織への迎合、そしてセンシティブたちにやってもらう任務を説明しますが、友作が大門をやられた恨みから絶対に組織の言いなりにはならないと訴え出ると、センシティブたちも友作に同調し組織に従わないことを表明します。
友作をはじめ全員が部屋に閉じ込められると、辰巳は友作たちの勧誘を諦め自分一人で任務を実行することを決意し、出発します。
一方で、友作はトイレに行く振りをして見張りから逃げ出すと、建物のロビーで捕まったところ、意識を取り戻した大門が芝と共に登場し敵を制圧。大門は舎弟(仲間)を呼んでおり、第七管理課および捕まっていたセンシティブたちや教授らも救出されました。
場面は変わり辰巳が任務で運搬の為に空港にやってくると、白金が引き止め、辰巳貴子がアタッシュケースを奪い、そこへ友作が到着。貴子は白金にアタッシュケースを投げ渡すと、白金が友作に渡し、友作はダッシュ。組織の人間たちが姿を見せると、友作を追いかけます。
友作が組織の人間に囲まれると渋谷が声をかけ、友作は渋谷にアタッシュケースを投げ渡すと、渋谷は更に芝へと投げ渡し、芝は仲間へ受け渡し回収。そして、芝の背後から大門が姿を見せると、友作に一声かけ仲間とともに撤収。あとのことは芝に任せると、友作、芝、そして白金はそれぞれ組織の人間を捕まえると大門をやられた痛みを返すように殴り飛ばすのでした。
一方で、辰巳は貴子の心の声を聞いて和解。
こうして事件は解決したかに思えた矢先、友作の携帯に着信が入ると、目黒操から『研究所に爆弾が仕掛けられている。あと10分で爆発する(会長の心の声を聞いた情報)』と教えられ、友作は研究所へ戻ります。
研究所では事件を経て第七管理課とセンシティブメンバーが打ち上げを行っており、友作は急いで逃げるように指示。そして、自身の記憶を辿り爆弾が設置されたと思われる場所に行き爆弾を発見すると、友作は爆弾を抱え外へと走り出します。
友作が向かったのは断崖絶壁の海岸沿いであり、第七管理課のメンバーは勇作を追いかけるも、友作が爆弾を上空に投げ捨てると直後に起動し大爆発。友作がいた場所は跡形もなく消し飛んでしまい、しのぶは泣き崩れ、渋谷たちもショックを受けるのでした。
しかし、友作はすぐ近くの崖下に落ちて助かっていたようで、ひょっこり登場し安否を報告。渋谷たちは友作に駆け寄ると彼を引き上げ無事を讃えました。
今度こそ一件落着したその晩、友作はカリートを連れ大門と共に屋台を訪れると、これまでの感謝を伝えこれからもよろしくと晩酌。その後も友作は周囲に頼られて仲裁の日々を送っており、ピッツバーグの妻が無事に出産した報告を受け病院に顔を出す場面も。その際、友作は慌てて走り去ろうとしたため社員証を落としてしまいますが、ピッツバーグが社員証を拾い友作に譲り受けると、その社員証が息子に──未来で足立友作の偉業を子供たちに伝えるケッペルに受け継がれていることが判明します。
その後、渋谷とハルミの結婚式が行われると、友作は式中に喧嘩する二人を仲裁。しかし、誓いのキス後、思ったことは自分の口から言わないとダメだと教えられた桜新町が白金に告白をするとキスを迫り、成立。友作は白金を取られたショックで落ち込んでしまいます。
式後、外で落ち込んでいる友作の下に杏子が近寄ると、海外の新聞記事を広げ『未曽有の化学兵器テロを日本の会社員が未然に阻止。会社員は匿名希望、コードネームはアゲチン』と読み上げ、友作を含めた第七管理課は驚きの声をみせます。
そこへ大門がボスから電話を代わってくれと頼まれたと声かけられた友作が電話に出ると、相手は内閣総理大臣。友作はいつもの台詞で御礼を断り電話を切ると、全員から内容を訊ねられたため、内閣総理大臣直々に『国民栄誉賞をくれる』という話を断ったと告げる友作。相変わらずの友作になんて勿体ないことを呆れる仲間たち。そんな中、渋谷がツッコミのつもりで叩くと友作は足を踏み外し階段を転げ落ちることに。
大門と芝に起こされた友作はセンシティブ能力を発動状態になると、今日こそ一番知りたかった真実を聞こうと覚悟を決め、「大ちゃんって何やってる人なの?」と訊ねます。大門は「見りゃあ分かんだろ」とそっぽ向くと、心の声で悪いがそれだけは言えないと閉ざしますが、芝が心の中で「(ほんとは政府のスパイだもーん)」とバラしてしまい、友作は初めて大門が政府の人間であることを知り驚くのでした。
その後、仲間たちの思い思いの心の声を聞いて耳を抑えてその場から逃げ出しますが、カリートの「友作、君はなかなかよくやってるよ」という声を聞き、カリートを抱き抱えて物語はエンディング(OP主題歌と共に名場面集のスタッフロール)に突入。そして最後は、友作を中心に集合写真を撮るワチャワチャした様子で物語は終了します。
視聴者の感想としては「期待が裏切られた」「最悪」と厳しい声も一部ありましたが、一方で「バカバカしくて面白い」「小さな勇気が地球を救う」というメッセージに共感する人も。プロローグの未来視点が効いており、友作の物語が「過去の偉人伝」として語り継がれる形で終わるのが象徴的です。
全体として、コメディとドラマのバランスが独特で、2002年らしい実験的な作風を感じさせる結末でした。友作は派手な英雄ではなく、日常のささやかな行動で人を救う「5000万分の1のヒーロー」として、視聴者の心に残る存在となりました。
まとめ
ドラマ『ぼくが地球を救う』は、内村光良の魅力が存分に発揮された心温まるコメディードラマです。
特殊能力を道具に、日常の人間ドラマを描き、最後は地球を救うスケール感がユニーク。笑いと優しさが詰まった全11話は、今見ても十分に楽しめます。 能力の制限やコミカルな失敗が、主人公の成長を自然に感じさせる点が魅力。気軽に観てみたい人にオススメの作品です。
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